もどる

    かけはし2016.年7月11日号

安倍自民党の「改憲隠し」許すな


参院選

改憲勢力「三分の二」を阻止せよ

「だまし、ごまかし」政治に怒りを

自公、補完勢力に痛打を浴びせよう


「逃げずに答えを」と述べた安倍
六月二二日公示・七月一〇日投票の参院選が、立憲主義の擁護・憲法改悪阻止にとって重大な分水嶺となることはあらためて繰り返すまでもない。安倍政権にとっては、政治の根幹たる立憲主義そのものを踏みにじった昨年の安保関連法=戦争法成立を背景に、参院でも憲法改悪推進勢力三分の二を確保し、「任期中の改憲」という悲願を実現するための足場を踏み固めることが、七月参院選に自ら課した最大の課題なのである。
実際、安倍は一月四日に召集された通常国会の初めの段階では、改憲を前向きに進めていくことを明らかにしていた。一月二二日の所信表明演説は次のように締めくくられた。
「民主主義の土俵である選挙制度の改革、国のかたちを決める憲法改正。国民から負託を受けた、私たち国会議員は、正々堂々と議論し、逃げることなく答えを出していく、その責任を果たしていこうではありませんか」と。
二月三日の衆院予算員会では、稲田朋美自民党政調会長が「現実に全く合わなくなっている憲法九条2項を変えないままにしていくことこそ立憲主義を空洞化する」と誘導質問したのを受けて、安倍首相は「憲法学者の七割以上が自衛隊を違憲としている」と嘆き、そのためにも自民党改憲案に沿った議論を、と訴えた。そして改憲の具体的道筋として、自民党改憲案(二〇一二年四月)に書かれた「緊急事態条項」導入を例に挙げた。
自民党改憲案の緊急事態条項は「外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱」「地震等による大規模な自然災害」を例として上げ、そうした状況には閣議で「緊急事態」を宣言し、国会にはからず内閣の権限として法律と同じ効力を持つ政令を制定すること、そしてすべての人が「国その他公の機関の指示に従わなければならない」とされている。つまり「緊急事態」においては内閣の命令に従うことが罰則をもって強制されるわけである。これは憲法の名において憲法に定められた権利を否定する反民主主義の独裁条項であることは言うまでもない。

前言ひるがえ
し論戦を回避
しかし安倍首相は、今回の参院選において改憲問題に触れることを意識的に回避している。街頭での応援演説では文字通り、改憲の「か」の字も語られていないのである。参院選公示の前日、六月二一日に日本記者クラブが主催した党首討論会で、岡田克也民進党代表が「参院選で憲法改正は論点でないというのは非常におかしな話」と問うたのに対し、「選挙後の憲法審査会で論点を詰めて、三分の二の合意で改憲案を形成すればいい」とかわし、参院選では改憲を論議しない姿勢を明らかにした。
すでに選挙戦終盤に入った今となっても、安倍が街頭応援演説などで語る内容は、「アベノミクスのエンジンをふかす」ことに終始し、「憲法」の「け」の字も出てこないのである。
この手法は、二〇一三年の参院選、二〇一四年の総選挙でも繰り返されたやり方だ。すなわち「アベノミクス」や「消費税引き上げ延期」の是非を問うとして選挙を行いながら、選挙後に「特定秘密保護法」や「集団的自衛権」容認閣議決定、さらには安保関連=戦争法の強行に踏み込んだ手法が、今また繰り返されようとしているのである。

7・1憲法研究
者が記者会見
こうした情勢を憂慮して、七月一日午後二時から、衆院第二議員会館会議室で「『憲法問題が争点』憲法研究者による緊急記者会見」が行われた。この記者会見には、飯島滋明(名古屋学院大教授)、石川裕一郎(聖学院大教授)、稲正樹(国際基督教大元教授)、清水雅彦(日体大教授)、長峯信彦(愛知大教授)、藤井正希(群馬大准教授)、藤野美都子(福島県立医大教授)の七人が参加した。
清水雅彦さんの司会で進められた記者会見ではまず飯島滋明さんが、「国民主権を実現するには選挙で争点を明確に示すことが原点だ。ところが二〇一三年の参院選でも二〇一四年の総選挙でも、真の争点が隠されることになった。今回もそうだ。研究者の責務として真の争点を明らかにすることが求められている」と語った。
石川裕一郎さんは「今回の参院選で、書かれないこと、話されないことが憲法だ。自民党が進めようとする改憲の中身の報道があまりにも少ない。このままでは改憲の中身が分からないまま賛否を問う国民投票に持ち込まれることになりかねない」と訴えた。
稲正樹さんは、「今進んでいることは憲法問題を争点にしない改憲隠しだ。かつて麻生の言った、『分からないうちに改憲が行われた』という『ナチスの手法』なるものが改憲派の本音ではないか」と危惧を表明した。
長峯信彦さんは「GHQ草案がそのまま日本国憲法になった」という改憲派の通説のウソを説明し、日本国憲法に日本の民間研究者による憲法研究会の素案が反映される一方、当時の日本政府の改憲案がいかに頑迷固陋なものであったかを説明した。
藤井正希さんは立憲主義と平和主義の意義を改めて強調し、藤野美都子さんは福島の大学の研究者として、原発事故による平和的生存権への脅威を強調し、憲法問題において原発と同様の間違いをしてはならない、と語った。
この記者会見は、朝日、毎日などで小さく報じられたが、参院選後、あらためて政治の前面に浮上することが確実な「改憲」問題について、大規模な運動と国政選挙を結びつける闘いの裾野を拡大し、沖縄の闘い、貧困・格差や反原発の社会的運動と意識的に連携していく努力が、さらに求められている。     (K)

6.18

2000万署名達成へ

討論の輪を作り出せ

アジ連も独自の取り組み

 六月一八日午前一一時から、東京・新宿駅西口で、アジア連帯講座は「戦争法廃止・2000万人署名」を七人で行い、三七筆を集めた。真夏の太陽が照りつける暑い日であったが、道ゆく人々は相変わらず多くひっきりなしに通っていく。外国人が多いのも特徴だ。
 五月に一二〇〇万筆が集まったが未達成ということで、六月末まで延長することになった。ほぼ月一回行ってきた署名行動を六月もやることにした。
 「四人連れの親子が通り、声をかけると、小学六年生が署名に応じると弟もやると言い、母親もそれにひっぱられてやってくれた。その小学生は地域の集会にも参加していると言っていた」と興奮気味に話してくれたのは、この炎天下で二〇筆を集めた「署名の達人」だ。厚木のUさんはかつて小田急電鉄に勤め、御用組合に抗して小田急労研を組織して闘った、労組活動家だ。
 「なぜ、Uさんは署名集めがうまいの?」と聞いてみると、「そうりゃ、当たりまえだよ。ここJR新宿駅はかつて国労が強かったし、国労解雇撤回闘争では何回もこの場所で署名を集めたんだよ」との返事だった。Uさんが軽やかに通る人たちに署名を求めると、次々と署名に応じる人があった。若い人や外国人もいた。もう、やったという人が何人もいた。
 署名してくれた初老の人が握手を求め、がんばろうとエールを交換した。その人はマイクで訴えていた仲間にも握手をしていた。「麻生財務相が『九〇歳で老後心配、いつまで生きてるつもりだ』と、早く死ねとばかりの発言をしていた。舛添もひどいが自民党の政治家は最低だね。憲法改正なんてとんでもない」と怒る高齢者。「署名をお願いします」、「私は共産党支持で、何回もやったよ」と話してくれた。
 署名の数はそれ程多いとはいえないが、「署名活動をやっている、そしてそこで様々な人たちと出会い話をする。この基本的活動が重要だ」と改めて感じた。さあ、参院選と都知事選の当面の最大の山場だ。がんばろう。      (M)



もどる

Back