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    かけはし2016.年7月18日号

沖縄に人権と自治と民主主義を


沖縄報告 7月11日

県民の総意を尊重し 辺野古新基地計画の撤回を

沖縄 K・S

参院選沖縄選挙区

オール沖縄伊波さんが圧勝

10万6400票の大差

 オール沖縄の統一候補・伊波洋一さんが、安倍内閣の現役閣僚・島尻沖縄担当相(自民党沖縄県連会長)に一〇万六四〇〇票の大差をつけて当選した。各マスコミの出口調査でも支持の差は圧倒的で、投票締め切り時間の午後八時にたちまち当確となった。オール沖縄の構成団体、辺野古・高江・普天間・嘉手納で現地闘争を担う人々、各地域で活動する保革をこえた幅広い市民たちは、今回は絶対に負けられない選挙だと危機意識をもって活発に選挙運動を繰り広げ、県民の中に深く浸透した。
六年前の選挙で島尻は「普天間基地の県内移設反対」を掲げ当選したにもかかわらず、民主党政権の後を受けた安倍内閣の工作に応じて真っ先に公約を破棄して辺野古容認に転じ、仲井真前知事が埋め立て承認を行う提灯持ちの役割を果たした。あまつさえ、国会の質疑で、辺野古新基地反対の市民運動に対し事前の取り締まりを提言するなど、「許されない裏切者」との評価が県民の間に広がった。島尻は選挙運動で、辺野古、基地に一切触れることなく、経済、福祉、暮らしだけを強調し庶民の味方を装ったが、一度失った政治的信用は取り戻せなかったのである。
投票率は約一%アップ、一八才選挙権の実施により投票総数は五万以上増加する中で、県民の総意は伊波さんを押し上げた。伊波さんは、「新基地ストップ」「普天間基地は閉鎖撤去」「地位協定の抜本見直し」「海兵隊の撤退」などを掲げ、「翁長知事を支え誇りある沖縄の前進」を訴えた。同時に「若者の未来に責任を持つ政治」をめざし、「返済のいらない奨学金制度」「最低賃金一〇〇〇円以上」「消費税一〇%中止」「TPPノー」などを訴えた。
かくして、沖縄選挙区から選出される衆参両院の議員はすべてオール沖縄勢力が占めることになった。自公は全滅だ。一八七九年の琉球併合のあと薩摩藩を中心とする沖縄県政の藩閥政治に対し、民権運動の先駆者・謝花昇は、日本の国会への参政権獲得運動を展開した。先駆者の苦闘が今こそ実を結ぶ時だ。われわれは、翁長知事、県議会多数派、沖縄選出の衆参議員とともに、日米両政府に対抗して沖縄県民の人権と自治と民主主義を実現するための闘いを、信念をもってやり遂げる道についた。沖縄県民の総意を甘く見てはならない。時代を変革する力は常に民衆の総意だ。

ゲート前座り込み2周年

辺野古の闘いは全国、全世界につながる


辺野古新基地建設のための埋め立て工事は三月四日の県・政府「和解」以降四カ月以上にわたって中断している。辺野古・大浦湾の海上からボーリング調査の工事台船、フロートが撤収し、キャンプ・シュワブの資材搬入ゲートからの工事車両の出入りもなくなった。翁長知事による埋め立て承認取り消しとゲート前および海上での不退転の現場を先頭とする闘いが勝ち取った成果であり、辺野古新基地建設をめぐる現在の彼我の力関係を表すものである。
しかし依然として、ゲート前ではアルソックの警備員たちが一日中警備に立ち、海上でも防衛局が契約した警備船やマリン・セキュリティの警備船が何隻も配備されている。フロートや汚濁防止膜を固定するために投入された大量の海底のコンクリートブロックや防衛局がボーリング調査の開始に当たって設定した臨時制限区域を示すブイはそのまま残されている。「和解」の手続きが終われば直ちに工事を再開したい安倍政権のもくろみを表すものだ。しかし、辺野古の工事はもう再開できない。
過去二年半にわたる名護市長選、県知事選、衆院選、県議選、今回の参院選、すべての選挙で示された辺野古・大浦湾を埋め立てて基地をつくるな! 普天間基地は県内たらい回しをせず返還せよ! という政治的総意は県民の信念であり、ゆらぐことがない。固く維持され続けているこの県民の信念を日米両政府が無視することはもはや不可能だ。普天間・辺野古の唯一の解決方法は、県民の総意に従い、辺野古の新基地建設を白紙撤回し、普天間基地のすみやかな閉鎖・撤去に取りかかることを日米両政府が決断することである。問題の先延ばしは県民をないがしろにし愚弄する以外の何物でもない。
沖縄の現場の闘いは不退転の決意で続けられている。二〇一四年七月七日に始まったキャンプ・シュワブゲート前の闘いは満二年を超えた。二四時間監視のテント村を中心としたゲート前行動には沖縄各地、全国、全世界から毎日数十、数百の人々が結集し、抗議と監視と交流と連帯の運動を広げている。カヌー、抗議船による海上行動は、フロートのない大海原で気持ちよく、力強く展開されている。海辺のテントは一〇年をこえて「あきらめない」「屈しない」辺野古を発信する拠点であり続けている。「和解」による工事の中断は、勝利の確信をいっそう強めた運動の持続・広がりにつながっている。

「真摯な協議」を求めた係争委

沖縄県は「提訴せず」を決定

再びボールは国に返った

 国地方係争処理委員会は六月一七日、翁長知事の埋め立て承認取り消しに対する国交相の是正の指示について、「地方自治法の規定に適合するかしないかの判断をしないことを審査の結論」とし、沖縄県と国との「真摯な協議が問題解決に向けた最善の道」と述べた。
地方自治法は、係争委決定に不満であれば県は三〇日以内に是正の指示の取り消しを求めて訴訟をおこせる、としている。沖縄県は七月九日、最終的に、国を相手に提訴しない方針を決めた。理由は、@三月の和解条項は県が提訴する条件として「係争委が是正の指示を違法でないと判断した場合」「違法であると判断した場合」のいずれかを記していたが、今回の係争委の結論はいずれにも該当しない、A係争委が「真摯な協議が問題解決に向けた最善の道」としている、ためだ。沖縄県は、七月一四日の県と政府との作業部会で方針を説明し、国との協議を求める。
再び国にボールが返された。福岡高裁那覇支部、係争委ともに沖縄県民の意思を踏みにじる政府の問答無用の基地建設強行策に疑問を呈している。日本政府はこれ以上沖縄県を相手にした裁判の提訴をせず、真摯な協議の場につけ! そして沖縄県民の総意を尊重し、辺野古新基地計画を撤回せよ!

高江ヘリパッド工事再開

7・11緊急抗議行動

全国から高江に結集せよ

 海兵隊撤退、基地の大幅整理縮小を掲げるオール沖縄候補の圧勝に終わった参院選から一夜明けた七月一一日早朝、安倍政権は北部訓練場のヘリパッド建設工事を再開した。二四時間警戒態勢に入っている現地から「緊急です。機動隊・業者来てます! メインゲートに機動隊のカマボコ三台。工事業者のダンプ・重機・トイレが集まっています。 現場には、警備のALSOK。鉄柵までつくられてます。至急高江に来てください」との連絡がはいった。緊急連絡を受けて、各地から現地に続々と結集し、ゲート前で抗議行動を展開した。
安倍は、辺野古が止まっている間に高江を進めようと躍起になっているが、そうはさせない。これ以上の基地の強化を絶対に許さないというのは参院選でも明確に示された県民の総意である。今後連日、高江現地で、工事阻止の攻防が展開されることになる。
全県、全国のみなさんに呼びかける。高江に結集せよ! オスプレイパッドの新設を阻止し、オスプレイを沖縄から撤収させよう。やんばるの森と住民の生活を守ろう!

日米両政府の再発防止策

基地の集中と米軍の特権は全く変わらず

 元海兵隊員で嘉手納基地勤務の米軍属による女性暴行殺人・死体遺棄事件をうけて、日米両政府は「再発防止策」として、軍属の範囲を見直しすることで合意した。七月五日、岸田外相、中谷防衛相、ケネディ駐日大使、ドーラン駐日米軍司令官が参加した日米会談の合意内容は、@日米地位協定上の軍属の適用対象を4分類し範囲を定める、A今後数ヶ月間で協議を終え、文書を作成する、という無内容なものである。
日米地位協定では米軍属を「米国籍を有する文民で米軍に雇用、勤務し、または随伴する者」と規定している。米軍属は現在、日本に約七〇〇〇人いるという。沖縄には、二〇一三年度末で、軍人・家族を含めた全米軍関係者五万二〇九二人、そのうち軍属は一八八五人とのことだ。今回の日米両政府の合意内容は、駐日米軍全体の一部を占めるに過ぎない軍属のうち、今後も軍属とみなすものと今後は一般外国人とみなすものとの範囲を決める線引きに過ぎない。米軍の実態に何ら変化はない。
沖縄で連続する米軍犯罪に対する唯一の効果的な対策は、米軍基地の集中と地位協定による米軍の特権に手を付けること以外にない。米軍の特権のひとつに、@米軍人軍属は犯罪を犯しても、公務中なら日本側に第一次裁判権がない、A公務外でも米軍が先に容疑者の身柄を確保すれば、起訴まで日本側は身柄を確保できない、という裁判権に関するものがある。駐日米軍の特権は、こうした裁判権をはじめ、財産の差し押さえなどができない財産権、自動車税の減免など国内法の適用除外、出入国管理法を適用除外する出入国自由の特権、基地の排他的管理権、基地返還時の原状回復義務免除、嘉手納ラプコン・横田ラプコンなど空の支配権、日本による莫大な経費負担など多岐にわたる。
あまり知られていないが、日本はアフリカのジプチ、クウェートと地位協定を締結している。内容は日米地位協定に瓜二つ、自衛隊員が事件を起こした際、公務中か公務外かにかかわらず、裁判権が日本側にあるというものである。強いアメリカには屈従、弱いアフリカの国には傲慢。これが日本の「文化」なのか。恥を知れ!

7.4

防衛省に抗議・申し入れ行動

辺野古新基地建設をやめろ

嘉手納基地でも座り込み

 

 七月四日午後六時半から、辺野古への基地建設を許さない実行委員会が防衛省に対して「辺野古新基地建設の中止を求める」申し入れ行動を行った。
 沖縄の闘う歌の合唱の後、山内徳信さん(元参議院議員)が沖縄から電話でアピールをした。
 「沖縄から勝利に向けての連帯のメーセージを送る。大英帝国の植民地であったアメリカが沖縄を軍事植民地とし、辺野古に新基地を作るために走り回っている。絶対に許さない。嘉手納爆音訴訟団として、アメリカの総領事に要求し抗議した。闘いが進展しているので、いずれ普天間基地は返還になるだろう」。
 「国家権力は辺野古新基地建設で思うように動けていない。嘉手納基地に対して週一回座り込み闘争に入っている。日々運動は高まっている。二一世紀になっても二〇世紀の戦争の時代の考えで、基地を押しつける。これは許せない。安倍政権はくたびれ倒れていく。参院選は平和勢力が勝利する。参院選で伊波洋一さん、社民党の勝利を。平和のために闘いぬきましょう」。
 続いて労活評が防衛省に対して申し入れを行った。次に参加者から発言が行われた。六・一九沖縄県民大会に参加した仲間は次のように語った。
 「カヌーに乗って監視活動を行ってきた。米軍属による女性殺害事件、何回黙とうしてもしきれない。殺害現場に行ってきた。そこは県道越え実弾演習に反対して闘ってきた場所だ。たくさんの花が添えられていた。被害者の母親は、私が殺してやりたい、と語っていたと報道されている。娘や妻がこんな被害に遭うかもしれないのが沖縄の現実だ」。
 「辺野古は三月以来工事を止めているのに、女性の殺害は止められなかった。悔しくならない。嘉手納基地では米兵を外に出さないに阻止行動を行っている。横田、横須賀、厚木などでも公用車を止める運動を作り上げよう」。
 次に一分間の沈黙の行動を行った。七月一七日横田行動の仲間がアピールした。「米軍は二〇一七年一〇月から一二月の間に、CV22オスプレイ三機を横田基地に配備する予定にしている。それに向けていろんな工事が始まっている。これを使う特殊作戦部隊が一体的に動く。沖縄と本土の結びつきが強くなる。こうした動きを止めなければならない。ぜひ多くの皆さんが横田行動に参加してほしい」。
 県民大会に参加した南部地区労働者交流会の仲間は「五月二二日〜二五日、普天間、高江、大浦湾に行ってきた。高江ではオスプレイ四機が爆音をまき散らし飛来してきた。生活が破壊される実感を体験した。辺野古、高江と一体として基地建設に反対しよう」と話した。
 沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックは「高江の工事再開はまったなしの状況にある。ノグチゲラの繁殖時期が六月で終わったからだ。七月工事再開をねらっている。基地建設反対のために止めている車両の撤去をうながしている。もし、工事が再開された場合、翌日の夕方六時半から防衛省に抗議行動を行うので参加を」と訴えた。
 最後に辺野古実が「七月二三日午後五時新宿駅アルタ前集会、午後六時からデモ。七月三一日午前一〇時から午後六時まで、連合会館、全電通会館ホール(地下鉄新御茶ノ水駅下車)、辺野古新基地建設断念を求める全国交流集会、八月八日午後六時半、防衛省抗議申し入れ行動」への参加を訴えた。防衛省に対して、沖縄の闘う歌の合唱、シュプレヒコールを行った。(M)
 
 
 


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