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    かけはし2016.年7月25日号

改憲に舵を切る安倍との闘いへ


参院選の結果とこれからの課題

共同の闘いで政権退陣に追い込もう

「アベノミクス」では生きていけない!

野党共闘と沖縄・福島の勝利

 七月三一日投票の東京都知事選が七月一四日に公示された。七月一〇日の参院選投票日の直後から、公示までのわずか三日間の間に与野党の候補が確定するという慌ただしさだった。
猪瀬、舛添と、自民・公明が支援した二人の都知事が相次いで金銭スキャンダルのために一期目の任期半ばで辞任せざるを得なかった、という大混乱に加えて、各政党が全力を投入した参院選の直後に、都知事選への態度を決めなければならない、という中で公示前日までギリギリの調整が行われた。これまでの都政与党であり、かつ国政与党でもある自民・公明両党は、元岩手県知事で元総務相の増田寛也を擁立した。増田は原発推進派としても有名であり、立候補まで東京電力の社外役員だった。
他方、当初から都知事選に意欲を見せていた小池百合子元防衛相は、自民党都連からの推薦を拒否されると単独で都知事選に立候補することになり、保守分裂選挙となった。
前二回の都知事選で、共産党、社民党などの野党からの推薦を得て、市民派として立候補し奮戦した宇都宮健児・元日弁連会長は、「野党協力」の枠組みをあくまで重視した民進、共産、社民などの各政党がジャーナリストの鳥越俊太郎さんを共同候補として擁立する中で、「苦渋の決断」で公示前日の七月一三日に立候補を辞退することになった。こうして参院選で見られた野党共闘の鳥越俊太郎候補と、自公両党を軸にした増田寛也、自民党都連の推薦を拒否されて単独で出馬した小池百合子の三人が、主要候補となって都知事選がスタートすることになった。

市民の自立的動き支える

 すでに選挙本番となった状況で、参院選で明らかになった「安倍改憲政治」と「野党共闘」という対決の構造が明確になっている。鳥越俊太郎候補を支援する東京の市民運動は七月一八日、東京・神保町の日本教育会館ホールで「鳥越俊太郎個人演説会&『鳥越俊太郎を応援する市民センター』発足集会」を開催した。集会には緊急の呼びかけにもかかわらず八〇〇人が参加し、慌ただしい都知事選突入のただ中での決起集会となった。その基調は「アベ政治との対決」を掲げた昨年以来の野党と市民運動との連携に貫かれたものとなった。
司会をつとめたのは市民センター共同世話人の木村結さん。木村さんは、危機の中で自ら手を上げた鳥越さんを支え、都政を都民に取り戻そうと訴えた。市民センター発足の経過報告を行った同共同センターの上原公子・元国立市長は「参院選での改憲勢力三分の二を見て、引きこもろうとも思ったが、野党協力で鳥越さんを都知事候補にした選挙体制が発足したのを見て、これでいけると思った。また宇都宮健児さんが自ら立候補を取り下げるという英断を行ったことにも感謝したい」と語った。
上原さんは市民センターを発足させた意図について「市民にはなかなか情報が入らず、何をすればよいのか分からない事態だった。鳥越さんを支える四党以外の人たちの情報センターを作り、市民の運動をサポートする必要があると思った」と説明した。
各政党からは民進党の菅直人衆院議員、共産党の小池晃書記局長・参院議員、社民党の佐藤ありつね北区議会議員、生活の党と山本太郎と仲間たちの渡辺浩一郎元衆院議員がそれぞれ「安倍政治」と闘い、鳥越さんを都知事にと訴えた。また国会議員を持たないが東京で鳥越さんを支持する政党・グループとして東京生活者ネットワークの西崎光子都議、新社会党東京都本部副委員長の福田光一北区議、緑の党グリーンズジャパン東京の共同代表の漢人明子前小金井市議が紹介された。

「住と労働と環境」

 続いて応援スピーチ。山口二郎さん(安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合)は、「徹底的な情報公開」と「教育委員会の全面的刷新」を訴えた。澤地久枝さん(作家)は「鳥越さんは生命をかけて選挙に出た。昨年、鳥越さんといっしょに金子兜太さんに会って、『アベ政治を許さない』の一筆をいただいた。これはアベ政治との闘いだ」と強調した。
佐高信さん(評論家)も「私が紹介してきた『自民党に天罰を!公明党に仏罰を!』というスローガンは東京に一番あてはまる。かつて「『ストップ・ザ・佐藤』を掲げて美濃部都政が誕生したように『ストップ・ザ・アベ』で鳥越さんを都知事に」と語り、「オリンピック利権との闘い」を強調した。
香山リカさん(精神科医)は「都政と憲法とは関係ない、という主張は全くの誤り」と訴えるとともに「東京で一人暮らしが多いということは決してマイナスばかりではない。むしろそうしたしがらみを持たない一人暮らしが可能な条件を整備することが必要」と語った。鎌田慧さん(作家)は「参院選では矛盾の最も集中する沖縄と福島で野党が勝った。また鹿児島でも県知事選で原発反対を訴える候補が現職に勝利した。福島原発は『アンダー・コントロール』されているという詐欺師・安倍を許さず、市民革命としての鳥越都政を実現しよう。東京に市民が集う『ひろば』を!」と訴えた。
東京都の自治体首長として阿部裕行・多摩市長と保坂展人・世田谷区長が発言。阿部さんは「公契約条例」で最低賃金を確定し、非核平和都市宣言や、LGBTの権利を含めた男女平等の宣言を行ってきたことを報告。保坂さんは石原都政で奪われた育児支援の取り組みなどを指摘しつつ、制度的きしみ・歪みを正し、舵を切り替えようと語った。

憲法を守る拠点


ここで満場の拍手と「トリゴエ」コールに迎えられて鳥越俊太郎さんが到着。鳥越さんは「澤地さんといっしょに金子兜太さんのお宅を訪問し、『アベ政治を許さない!』と誓ってから一年、東京都政も国政も本質的には同じだと考えている。国政の話をしながら東京都政の話をしていけば、またそれは安保法制の問題にかえってくる」と切り出した。
「私が、毎日新聞の記者として報道の現場にたずさわるようになってから五〇年。私には何よりも人の話を聞くことを仕事だと思ってきた。それは真実は何かを見極める仕事だ」。
「まず税金の使い方をしっかり自分の中に刻み込んでおきたい。それはやみくもな道路建設ではなく、待機児童や介護、人の命、健康に重点を置くということだ。東京都の出生率は一・一七と日本で一番低い。それは結婚したくても出来ない、という貧困のためだ。私は、都政のキャッチコピーとして『住んでよし、働いてよし、環境によし』を考えながら、都政を考えたい」。
「環境の問題を考えたとき、最大の問題は原発だ。核エネルギーは人間の手に負えるものではないということははっきりしている。いますぐ全廃は不可能だとしても、限りなくゼロをめざすことが重要だ。東京を憲法と平和を守る拠点にしよう。非核都市宣言を出して世界にメッセージを。『私とともに住んでください。いっしょに新しい東京を作ろう!』」
この訴えに参加者は大きな拍手と歓声で応えた。
最後に鳥越俊太郎を応援する自治体議員の会、鳥越俊太郎都知事を実現する勝手連、地域で活動する勝手連などからのアピールを受け、七月三一日の投票日まで全都でフル回転することを誓い合った。
内田雅敏弁護士は、この闘いは@アジアの人びととの共同A戦争で非業の死をとげた人びととの共同B未来との共同、という三つの共同への思いに貫かれていると強調した。
全力を挙げて、勝利を!(K)

 


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