もどる

    かけはし2016.年7月25日号

高江ヘリパッド工事をやめろ


沖縄報告:7月17日

北部訓練場を無条件で返還してこそ負担軽減だ

沖縄 K・S

参院選後の沖縄に対する安倍
の集中攻撃をはねかえそう!

 参院選後の安倍政権の沖縄に対する集中攻撃は度はずれている。琉球新報は、高江ヘリパッド建設、辺野古陸上工事、県への提訴を一気に走らせる「三正面作戦」だと指摘した。安倍の「沖縄の負担軽減のためにできることは何でもやる」と言うのは、基地反対!をハッキリ突きつけた参院選の県民の総意を無視し、沖縄の基地固定化のためには「できることは何でもやる」ことなのだ。

沖縄県に対し違法確認訴訟を提訴方針
@辺野古「和解」にともない設置された県・政府による作業部会の第二回会合が七月一四日沖縄県庁で開催された。「真摯な協議が問題解決の道」との係争委の結論に対し、沖縄県は裁判所に提訴しないで国との協議を求めていく方針を説明した。しかし、国は「裁判と協議は両輪」と述べ、国交相の是正の指示に従っていないとして沖縄県を相手に違法確認訴訟を提訴するとみられる。その時期は七月二一日の政府県協議会の直後になると言われている。日本政府がいくら強弁しようと、裁判と協議は両立しない。協議は単なるポーズ、政府は沖縄の訴えに一顧だにせず、裁判所のお墨付きを早く手に入れたいだけなのだ。

キャンプ・シュワブ陸上工事の再開
A辺野古において三月四日の和解成立以来中止されている工事について、政府防衛局はキャンプ・シュワブ内の陸上部分についての工事は「埋め立て工事とは無関係」として再開する考えを明らかにした。これは詭弁だ。辺野古新基地建設の計画では、キャンプ・シュワブの海側の大部分は更地にされ作業ヤードとして使用されたあと、滑走路・駐機場建設のために分厚いコンクリートが打たれることになっている。陸上部分の工事も新基地建設の地ならし工事に他ならない。

全国から500人の機動隊、7月 日ヘリパッド工事着工
B政府防衛局は、警視庁をはじめ全国から五〇〇人の機動隊を動員して、高江のヘリパッド四カ所の工事を七月二二日から着工し、遅くとも来年三月までに完成させる方針だ。参院選翌日の一一日から毎日、北部訓練場メインゲートから機動隊用の仮設住宅、仮設トイレ、水タンクなどの資材が大量に搬入されている。N1地区への出入り口となる県道脇の座り込みテントと車両に対する沖縄防衛局と警察の監視が始まった。すでに一六日から全国各地の機動隊が続々と沖縄入りしている。現地情勢は極度に緊迫している。激突は不可避だ。

テントと車両を防衛せよ


北部訓練場の残された四カ所のヘリパッド建設工事のためには、工事車両と資材、作業員を工事現場に運ぶために、県道七〇号線からN1にいたる入り口付近をバリケード占拠している車両と座り込みテントを撤去しなければならない(MAP参照)。沖縄防衛局はこの間、テント・車両撤去に向けた工作を強めてきた。その一つが県道管理者である沖縄県を車両撤去の矢面に立てることだった。沖縄県は県道管理者の立場上、「県道を不法に占拠している」として車両の所有者に自主的な撤去を口頭および文書で呼びかけてはいるが、強制撤去をする考えのないことを再三明らかにしている。
しかし防衛局が県に代わって強制撤去を行う法的根拠は何もない。そうすると、警察機動隊を投入してテント・車両を強制撤去するためには、政府防衛局が強制撤去の権限を得る法的手続きを都合よくでっち上げて進める以外ない。今週から始まった防衛局職員による監視警戒活動はその準備である。防衛局の職員は七月一六日、テントと車両に撤去を求める要請文を貼り付けていった。事態は秒読みに入っている。
沖縄基地の固定化か基地撤去へと向かっていくのかの現在の攻防の最大の焦点は高江だ。オスプレイが使用するヘリパッド基地四カ所の新設は海兵隊が沖縄に居座り、高江と周辺住民をおそろしい騒音と基地被害におとしいれ、やんばるの森を破壊していく沖縄基地固定化の道だ。ヘリパッドの新設を条件とした北部訓練場・北半分の返還は絶対に「負担軽減」なんかではない。無条件で返還してこそ負担の軽減になる。県民の総意は、この間のすべての選挙で示されているように、新たな基地建設は容認しない、あくまで基地の縮小撤退を求めていくという道である。日米両政府はヘリパッド新設工事を中止し、訓練場北半分を無条件で返還せよ!

北部訓練場
とは何か?
北部訓練場は沖縄島北部の国頭村、東村にまたがる面積七八・二四?の広大な基地である。訓練場の大部分はやんばるの森と呼ばれる亜熱帯の森林で、米海兵隊の管理の下で、陸海空海兵の各部隊が、歩兵演習、ヘリコプター演習、脱出生還訓練、救命生存訓練、砲兵教練など対ゲリラ訓練基地として使用している。ベトナム戦争の際、枯葉剤の散布訓練が行われたとの証言がある。また二〇一四年の段階で演習場内に二二カ所のヘリパッドがあるが、昨年一月、N4の二カ所が新たに提供され現在二四カ所になっている。
北部訓練場は一九五七年に使用が始まった。亜熱帯の起伏に富んだ森は米軍の対ゲリラ戦の訓練にうってつけとされ、一九六〇年代のベトナム戦争から一九九〇年代の湾岸戦争を経て最近のアフガン・イラク戦争までアメリカの世界各地での戦争の訓練基地となってきた。繰り返される訓練のさなか北部訓練場と周辺で、一九七二年の復帰後だけでも、六件のヘリコプター墜落事故が起き、米兵二〇人が死亡または行方不明となっている。信号弾による山火事や催涙ガスの流出事故、電池や注射器など使用済み器材の放置など住民生活や環境への悪影響も深刻である。二〇〇七年には、県民の水がめである福地ダムや新川ダムで、米軍のペイント弾が発見されるという事件も起きている。

SACO合意は見せかけの負担軽減

実はオスプレイの訓練基地強化

 北部訓練場は成田空港や関西空港の約八倍という広大な面積を占めるため、地元自治体の経済社会発展の阻害要因となっている。当然、地元からの返還要求は強い。日米両政府はこうした地元からの要求を逆手に取る形で、一九九六年、SACO(沖縄に関する特別行動委員会)最終合意で、「二〇〇二年度を目途に北部訓練場の北半分を返還する」ことを明らかにした。しかしそれには、北半分にあるヘリパッド七カ所の高江集落周辺への移設(のちに6カ所に変更)という条件があることがのちに明らかになった。
またしても! これが日米両政府のやり口だ。「基地負担の軽減」をスローガンに「基地の(一部)返還」を打ち上げてあたかも沖縄の基地負担軽減のために努力しているかのようにみせかけて、ほとぼりが冷めた頃にこっそりと実は、新基地建設が条件であることを明らかにして地元を分断し攻略するのである。
しかも新たに造られるヘリパッドはオスプレイ仕様である。オスプレイのすさまじい爆熱風に既存のヘリパッドでは耐えられない。直径を二回りほど大きくし熱爆風に耐えられる特別仕様を施したものでなければならない。訓練場内でオスプレイの訓練が日常的に全面化すれば、森の野生動植物や住民生活に与える負荷は計り知れない。すでに、オスプレイの夜間訓練の爆音を原因とした児童生徒のストレスと睡眠不足による不登校が始まっている。
オスプレイ・パッド二カ所が完成したN4地区でオスプレイが日中から午後一〇時すぎまで離着陸をくりかえし、三機同時の訓練が確認された六月二〇日の午後一〇時すぎの騒音が最大九九・三デシベルだったという。一〇〇デシベルというのは電車通過時のガード下の騒音と同レベルだ。高江の住民は「約三週間 ほぼ毎日毎晩こんなかんじです」「こんな状況の中でさらにヘリパッド工事を強行する。新たに四カ所が完成したら、私たち高江区民は住む事ができません。今でも限界です」と訴えている。高江だけではない。ヘリパッドの北側、国頭村安波地区も同様である。
高江現地の動きや住民の声は「やんばる東村高江の現状」(http://takae.ti-da.net/)を参照されたし。資料もダウンロードできる。

ヘリパッド工事の再開を許すな

全県、全国から高江に結集せよ

 高江の住民は、政府防衛局がヘリパッド建設に着手した二〇〇七年から、「ヘリパッドいらない住民の会」を組織し、区民総会で反対を決議し、現地で座り込みをするなどねばり強く反対運動に取り組んできた。その結果、当初二、三年で完成の予定とされた六基のヘリパッドのうちN4地区の二基ができただけで、N1地区の二基、G、H地区の残り計四基は着工できていない。この二年間は全く工事ができなかった。
計画から二〇年、着工から一〇年も経つというのにまだ完成しないとは! 沖縄駐留米軍トップのローレンス・ニコルソン四軍調整官は六月一八日「北部訓練場の一部を来年初めに返還する用意がある」「今年下半期に動きがあると期待している」と述べていた。
住民生活への悪影響や県民の基地からの脱却の願いなど眼中にない米軍はあからさまに日本政府に不満を表明し圧力をかけているのだ。アメリカ追従の安倍はこれまで、マスコミ、予算編成、地元自治体など様々な方法で工事着工を目論んだが、すべてうまくいかなかった。よりどころは唯一暴力しかない。こうして、人口一四〇人の小さな集落・高江に全国から五〇〇人の警察機動隊を派遣するというあからさまな暴力支配に乗り出してきたのである。七月一六日から、東京、千葉、神奈川、福岡、北九州などから機動隊が続々と沖縄入りしている。まるで戒厳令だ。
しかし負けるわけにはいかない。生きるか死ぬかギリギリの生活が懸かっている。基地のない沖縄の未来、子や孫たちが安心して暮らせるウチナーンチュの夢がかかっている。地元を先頭にオール沖縄の部隊は全力で闘う。
全県、全国のみなさんは、高江の現状を理解し広めヘリパッド工事強行反対の声をあげるとともに、現地に一人でも多く結集していただきたい。
沖縄に人権と自治と民主主義を取り戻すために、そして、日本の政治権力を安倍の妄想から取り戻すために、ともに力を合わせ闘い抜こう!

【訂正】本紙前号(7月18日付)の3面コラム「架橋」の下から2段目左から2行目の「知面度」を「知名度」に、5面7・4防衛省抗議行動の下から4段目右から16行目の「出さない」を「出さないように」に、8面「朝鮮半島日誌」の右から1〜2行目の「朝鮮民主主義共和国」を「朝鮮民主主義人民共和国」に訂正します。

 


もどる

Back