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    かけはし2016.年8月1日号

オスプレイパッド工事を阻止するぞ!


沖縄報告:7月25日

7・21高江現地集会に1600人

沖縄 K・S

7.21

全県からやんばるの森に結集

豊かな生活と自然守りぬく!

人びとの固い決意を示す

 七月二一日午後、N1入り口の座り込みテント前の県道七〇号線で、「オスプレイパッド建設阻止緊急集会」が開かれた。現場は那覇・南部から車で二時間半、中部の各地からでも二時間かかる北部のやんばるの森のまさに真ん中。N1前の道路の両サイドは五〇〇メートル以上にわたって、結集した県民の車両がぎっしりと並び、各地からチャーターした大型バスが何台も到着した。
主催は、地元のヘリパッドいらない住民の会、支援グループの高江現地行動連絡会、基地の県内移設に反対する県民会議(統一連、平和運動センター、平和市民連絡会)の三者。集会は、日本政府・防衛局による工事着工が迫る中で、新たなヘリパッドの建設は絶対に容認できない、やんばるの住民の生活と森を守り抜くとの固い県民の決意を示すために急きょ開催されたものである。急な開催だったにもかかわらず、全県各地から一六〇〇人が結集した。
集会に先立ち、道路の両側から参加者全員でアピール行動。工事をやめろ!オスプレイ訓練やめろ!やんばるの森を守れ!と声の限りに叫び、こぶしを突き上げた。

伊佐真次さん(住民の会)

四か所のヘリパッドは
絶対につくらせない!

 司会は沖縄平和運動センターの山城博治議長。最初に主催者の挨拶があった。住民の会の伊佐真次さん(東村議)は「高江の住民はこれまで正月、盆なしでテントに張り付き、抗議行動に取り組んできた。こんなに集まるのは初めてだ。非常に心強い。残り四カ所のヘリパッドはつくらせない。直径七五mものオスプレイパッド(離着陸帯)がつくられれば、やんばるの森は壊され、鳥など生き物は住めなくなり、人間も住めなくなる。力を合わせて森と命を守ろう」と訴えた。
高江ヘリパッド建設に反対する現地行動連絡会の間島孝彦さんは、「沖縄の怒りがここに結集した。これから始まる工事にみんなで闘おう。この間二四時間体制でやってきたが、明日はいよいよ着工となる。頑張りを見せる時だ」とアピールした。

安次嶺雪音さん(高江住民)

オスプレイの訓練の
せいで避難している


特別スピーチとして、高江住民の安次嶺雪音さんは「こんなに集まってくれてうれしい。私たち家族は今避難している。N4のヘリパッドが提供され、オスプレイが毎日日中から夜まで飛行訓練し、生活できない状況になった。新たに四カ所のヘリパッドができれば、もうここには住めなくなる。自然の中でのびのびと暮らしたいだけなのに、どうして国は私たちを苦しめるのか。しかし私たちには味方がいる。皆さんと共にこの場で闘い続ける覚悟だ」と述べた。
続いて発言に立った県民会議の高里鈴代さんは、「五年前の高江現場の緊張を思いだす。高江ヘリパッドのオスプレイ使用は後出し。環境影響評価は一般のヘリを想定していて、オスプレイは想定外。そのヘリパッドをオスプレイが使うのは認められない。許すことができない。沖縄県はオスプレイNO!ヘリパッドNO!をしっかり示してほしい」と話した。

安次富浩さん(ヘリ基地反対協)

辺野古にも高江にも
米軍基地はいらない!


ヘリ基地反対協議会の安次富浩さんは、「辺野古は現在和解で工事が止まっているが、日本政府は陸上部分の工事は埋め立て工事とは無関係だという詭弁を使い工事に着工しようとしている。日本政府のいつものやり方だ。沖縄のことは沖縄が決める。日本政府は口出しをするな。高江にも辺野古にも新基地はつくらせない。ウマンチュの闘いをみんなでつくろう」と訴えた。
沖縄選挙区選出の国会議員でつくる「うりずんの会」の赤嶺政賢さんは、「安倍内閣の暴走は絶対に許さない。県民が団結すれば安倍内閣といえども強行できない。参議院で改憲勢力が三分の二を占めたといわれるが、野党共闘は前進している。その先頭が沖縄の闘いだ。勝利の展望を切り開こう」と述べた。

伊波洋一さん(新参院議員)

ハワイではコウモリで計画変更
沖縄県民はコウモリ以下なのか?


新参議院議員の伊波洋一さんは、「今後六年間、皆さんと共に頑張っていきたい。糸数慶子さんと参院で『オール沖縄』という会派を結成した。先日防衛省交渉に参加した。北部訓練場の返還は当たり前のこと。北部訓練場北半分の返還の条件として返還部分にあるヘリパッドを高江につくるのは不当だ。ハワイでは、野生生物・コウモリを保護するため、計画されていたオスプレイ基地が変更になった。沖縄県民はコウモリ以下なのか。オスプレイは環境影響評価をしていない。日本政府が法律違反をしている。我われには抗議運動の権利がある。全国から機動隊五〇〇人を派遣するなどとんでもない」と語った。
平和市民連絡会の北上田毅さんは、「明朝機動隊が導入される。どう闘っていくのか。県道からN1へ至る道はあちこちでがけ崩れを起こしている。たとえ防衛局がN1ゲートを制圧しても簡単に工事はできない。N1裏は国有林を管理する森林管理署が残念ながら工事のための道路使用を許可してしまった。N1裏、H地区・G地区へ工事車両はどこから入るか。二つの方法がある。一つは集落内を通る方法。東村長はヘリパッドを認めているが、工事車両が集落のなかを通ることには体を張って阻止すると言っており、事実上不可能だ。もう一つの方法は新川ダムの橋を通る方法だが、この橋には一〇トンの重量規制がある。一〇トンダンプは重量だけで一〇トン、荷は積めない。政府・防衛局は半年以内に完成させるというがそう簡単にできるものではない。県議会は反対決議を上げた。知事にもはっきり反対の態度表明をしてもらって沖縄県一丸となって闘っていかなければならない」と話した。

大城悟さん
(平和運動センター)

決戦が明日未明に迫っている!

 平和運動センターの大城悟さんが、「工事は必ず止められる、沖縄を踏みにじるやり方は絶対に許さない、沖縄の未来を切りひらく」と決意表明し、「決戦が明日未明に迫っている。最大の行動に立ち上がろう。今晩泊まれる人は泊まって欲しい。泊まれない人は早朝結集してほしい。やんばるを守るために今こそ行動に立とう」と提起し、最後に全員で頑張ろう三唱して集会を終えた。

7.22

本土機動隊が県道封鎖・車両撤去

国家権力の横暴に屈しない

車両バリケードとスクラムで徹底抵抗

 集会後そのまま現場に残った人々に加えて、一度帰宅し再び夕方から夜半にかけて現場に戻ってきた人々が続々と結集した。N1ゲート前の県道は数百メートルにわたって、一六〇台以上の車と二〇〇人以上の人々で埋まった。二二日早朝の国家権力との激しい攻防が予想される緊張感のなかで、夜中から駆け付ける人たちを誘導する人、テントや車の陰、木の下で休む人、椅子に腰かけ話し合う人々、忙しく立ち回る人、そして道路上に寝転んで仮眠をとる人たちも目に付く。どこからか歌声も聞こえてくる。どの人々の態度にも覚悟を決めたような落ち着きがあり、表情は確信に満ちている。悲壮感は全くない。機動隊との激突を控えながらも、N1ゲート前はあたかも‘解放区’の様相を呈した。
午前四時過ぎ、座り込み現場を北と南から包囲する形で県道七〇号線を封鎖し、警察機動隊と防衛局が車を連ねて向かってきた。そのため、県道封鎖ののちN1の闘争現場に入ろうとした人々は警察に阻止され合流することができなかった。N1の座り込み現場は完全に孤立させられたが、我われは警察・防衛局の進入を防ぐため、車を道路いっぱいにハの字型に交互に並べてバリケードを築き、車と車の間にスクラムを組んで座り込んだ。ピケットラインが幾重にもできた。こうして、全国各地から動員された五〇〇人の機動隊を含めた警察の圧倒的な暴力に対する果敢な闘いの一日が始まったのである。

執拗な警察の暴力に
徹底した非暴力の行動

 われわれの不退転の抵抗に、警察車両は簡単には進入できず赤い回転灯を騒々しく回しながら、長時間道路上に立ち往生した。県道の南側と北側のあちこちで機動隊との対峙が続いた。われわれは一歩も引かない。しかし、数と力に勝る機動隊は時間の経過とともに、スクラムを崩し排除し、抗議の人々を蹴散らしてN1ゲート前に到達した。そしてN1ゲート前を一〇年近くにわたって守り工事を阻止してきた数台の車両をめぐって熾烈な攻防に突入した。しかし、車両の上に登りロープで縛りつけるわれわれの必死の抵抗も最後には力尽き、排除された。警察機動隊は、ゲート前の車両にもっともらしく駐車禁止の張り紙を張りレッカー移動し、工事車両を基地内へ通過させた。そしてゲート入り口に鉄柵と開閉式の門を設置した。主な戦場となったN1ゲート前だけでなく、N1裏、H地区、G地区にも同様の鉄柵を設置した。緑豊かな高江の風景は一変した。
高江一帯は法の支配が及ばない地域となった。警察による県道封鎖には法的根拠がない。横田達弁護士は「警察が道路封鎖の根拠とした道交法は土砂崩れや災害などの際通行の禁止や制限ができるという法律。今回は明らかに違法な封鎖だ。警察が法律を好きなように使うのは恐ろしい」と指摘した。また、N1ゲート前の車両の撤去について、小口幸人弁護士は「駐車禁止を理由にしていたが、N1地区入り口付近は道交法の範囲ではない。何を根拠にしているのかわからない」と述べ、「警察が根拠なく戒厳令を敷いているかのようだ」と警察の対応を批判した。
そもそもオスプレイを対象とした環境影響評価をしていないのにオスプレイパッドを造ることが違法だ。翁長知事の「オスプレイが訓練するのははっきりしているので着工すべきではない」、県議会の「ヘリパッド建設を強引に進めることに対し厳重に抗議するとともに、建設を直ちに中止するよう強く要請する」との七月二一日の決議、選挙で示された基地反対の県民の総意をすべて無視し工事を強行することは自治と民主主義に照らして違法だ。沖縄では、安倍政権の下で違法状態が日常化している。沖縄に人権と自治と民主主義を取り戻すために、いっそう強く声をあげ行動に立たなければならない。

伊佐育子さん(住民の会)

私たちはここに住んでいる
諦めるわけにはいかない

 この日ゲート前に動員された東京・神奈川・千葉・埼玉・福岡など警察機動隊の暴力は執拗を極めた。道路上に寝転んで抗議する人たちを足蹴にしてゲート前に殺到する。車と車の間に座りこむ人たちを有無を言わさず三〜四人がかりで排除する。ゲート前の車両の上に登って抗議するメンバーを、まるで落ちろとばかりに乱暴に引きずり降ろす。頭に肘打ちをくらわす。力任せに首をつかみあげる。などといった機動隊の暴力によって、五〇代の男性がろっ骨を折る全治一か月の重傷を負ったのをはじめ、三人が救急車で病院に運ばれた。個人的に病院で治療を受けた人もいる。診察した病院の医師は全身あざだらけの患者を診て「まるで拷問を受けたようだ」と述べたという。
一〇年間の高江住民の闘いの歴史と思い出が詰まったテントは無慈悲に解体され撤去された。しかし闘いが終わったのではない。始まったのだ。この日車両撤去に身を挺して抵抗した住民の会の伊佐育子さんは「私たちはここに住んでいる。子や孫に残していくために、諦めるわけにはいかない」と語った。撤去されたN1ゲート横のテントの代わりに、道路を挟んだ向こう側のテントが新たな運動拠点となりつつある。ゲート前攻防のあと、水、カップラーメン、菓子など全国からのさまざまな支援物資が「座り込みテント」宛に急増している。住民の会のメンバーは「ありがたい。勇気づけられる」と感謝を述べた。
この日の闘いは沖縄の非暴力の闘いの到達点だ。武器を持たず、己の体だけを唯一の武器にして、ギリギリのところまで抵抗する非暴力主義に徹した運動が見事に示された。だが、われわれはもっともっと力を付けなければならない。
全国各地で高江につながる輪を広げ、現地に派遣する取り組みを進めよう。今後半年が山だ。ありったけの力を高江に結集して、ヘリパッド新設を阻止しやんばるの森を守ろう!

7.22

政府、県に対し違法確認訴訟を提訴

安倍政権は裁判を取り下げ、
辺野古新基地計画を撤回せよ!


本土からの機動隊五〇〇人が高江を暴力支配しヘリパッド建設工事を強行している最中の二二日午前、国土交通相が「辺野古埋め立て承認の取り消しの取り下げを求める是正の指示に応じないのは違法」として、翁長知事を相手とする違法確認訴訟を福岡高裁那覇支部に提訴した。第一回口頭弁論は八月五日午後二時に開かれる。国との「真摯な協議」を求めていた翁長知事は「国の強硬態度は異常」「普天間飛行場の県外移設を求める県民の民意が示されているにもかかわらず、まったく聞く耳を持たず、強行に新基地建設を推し進めることは民主主義国家のあるべき姿からは程遠い」と記者団に語った。
政府・沖縄県協議会は和解後の話し合いの場として設置されたものだが、七月二一日首相官邸で開催された会合は、「普天間飛行場負担軽減推進会議」と合わせてわずか二〇分で終了した。政府から違法確認訴訟を提訴する方針が伝えられる場となっただけだ。
翁長知事は「政府からいつも一五分以内にしてくれと言われている。やはりフリー討論の時間を確保していただかないことには」と、政府・沖縄県協議会の内実にクレームを提起した。ところが菅や中谷は「翁長知事からは特に中止してくれという話は聞いていない」と、県がヘリパッド工事に反対していないかのように捻じ曲げる。安倍政権の閣僚たちは誠実さのかけらもない。
沖縄は再び政府との裁判闘争に臨む。絶対に屈しない。

 

 


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