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    かけはし2016.年8月8日号

高江の不法工事直ちに中止せよ


沖縄報告:8月1日

屈することのない闘い多方面で

沖縄 K・S

7・22工事着工以後の動き
工事をやめろ!機動隊かえれ!
森と生活守り抜く意気高く


大量の機動隊で
工事の強行狙う
 日本政府・沖縄防衛局は、七月二二日未明、全国各地から動員した五〇〇人の警察機動隊、七〇人の防衛省職員および数百人の県警機動隊を投入し、高江オスプレイパッド建設の再開を強行した。高江集落周辺を取り囲むように配置計画された六カ所のヘリパッドのうち、N4地区の二カ所はすでに完成し先行提供されているが、残り四カ所(N1地区のAおよびB、G地区、H地区)のヘリパッドを来年三月までに完成させることが彼らの目的である。
 政府・防衛局は現在、県道七〇号線を警察機動隊の制圧下において、N1ゲートからN1地区のヘリパッド建設工事ポイントA・BおよびH地区・G地区に至る資材搬入道路の整備を進めている。一台のダンプカーの前後をそれぞれ二〜三台の警察や防衛局の車両で警備する物々しい行列を組んで、十数人のガードマンが並んで立つゲート入り口から工事現場に進入する。午前の数回の搬入が終われば、装甲トラックをゲート横に横付けしガードマンと警察機動隊が警戒に当たる。午後同じことを繰り返す。われわれは道路を挟んだ反対側のテントを拠点に連日抗議の声をあげ、周辺をデモ行進して「工事をやめろ」「森を守れ」「機動隊かえれ」と、シュプレヒコールをあげている。

資材搬入道路の
整備工事やめろ
N1ゲートからN1地区のヘリパッド建設工事ポイントA・Bへは約二q。長年使用されなかった旧林道はあちこちで崩れ落ち、両側から立ち木が覆いかぶさっていて、大型ダンプや重機が行き来することができない。防衛局は大量の砂利を敷き詰めて舗装し、資材搬入道路として整備することにまず着手した。直径四p以上の大きさの木は「立木」として伐採には森林管理署の事前の承認が必要だが、そういう手続きもしていない。
道路整備にどれほどの期間がかかるか。平和市民連絡会の北上田さんによると、「県に出した赤土等流出防止条例に基づく申請書では、一日の施工距離が一〇〇mとされているので、旧林道整備工事は少なくとも一カ月近くかかる」とのことである。そうすると、八月下旬ごろには資材搬入道路が完成することが予想される。道路が完成すればヘリパッド本体工事が日程に上る。
オスプレイパッドは直径七五mの円形をしている。やんばるの森を伐採し切り開いた丘の上に巨大なオスプレイパッドが、高江集落を囲むように合わせて六カ所出現し、連日連夜、熱風と爆音をまき散らしながら集落の上空とやんばるの森の上を飛び回ることになるのだ。何としても阻止しなければならない。

ノグチゲラをオスプレイから守ろう
四カ所のヘリパッドのうち、G地区、H地区は特に自然が豊かなことで知られている。二〇〇七年当時の那覇防衛施設局がまとめた環境影響評価(アセスメント)図書では、四地区六カ所で合わせて三五カ所の国の特別天然記念物ノグチゲラの巣穴が確認されていた。G地区は一五カ所、H地区は一一カ所あったという。ノグチゲラは世界でやんばるの森だけに生息する、環境省レッドリストで最も絶滅の恐れが高い「絶滅危惧一A類」に分類される鳥だ。文字通り亜熱帯の森やんばるを象徴する鳥で、生息数は四〇〇〜五〇〇羽にすぎないといわれる。高江に来たことのある人はイタジイの枯れ木をつつく愛らしい姿を見たことがある人もいるに違いない。
ところが、米軍は宇嘉川流域と連携して訓練することのできるこの地区のオスプレイパッドをつくりたい。二〇〇七年のアセスにも、米軍から「海域を含めた訓練のために必ず必要との要望があった」と記している。米軍は戦争のために訓練をすることしか考えていない。沖縄防衛局は米軍の利益の代弁人だ。アセスには「ノグチゲラへの影響は生じない」「周辺集落への影響は小さい」などの記述が並ぶ。彼らは現実を見ない。N4の二カ所が提供されただけで、オスプレイの訓練によって、児童生徒が不登校になるほどの被害を受けているにもかかわらずである。

N1裏座り込みテントの攻防

日本国家こそ
「法治国家」たれ
N1地区のヘリパッド建設工事ポイントA・Bへはもう一つの道がある。N1裏出入口から旧林道がつながっている。距離は約七〇〇m。沖縄森林管理署が管理する国有林だったが、沖縄防衛局の道路使用申請を承認したため、現在管理は防衛局に移った。七月二二日、沖縄防衛局は、N1裏座り込みテントを囲んで鉄パイプの柵を設置した。この座り込みテントには一〜二台の車両とともに二四時間人が常駐している。防衛局は「撤去し立ち退くよう」求める要請文を鉄柵に掲げた。警察車両と防衛局が雇ったガードマン数人が二四時間監視している。
「八月五日を経過してもテントおよびその内部に放置されている物件については、所有権が放棄されたものとみなします」(沖縄防衛局)。とんでもない。防衛局にそんな権利はない。ましてや強制的に撤去する権利はない。自分たちの思い通りにならないことを勝手に「自力救済」することが許されるのであれば「法治国家」ではない。しかも国家が率先して法を破り暴力を動員して「自力救済」することは断じて許されない。
日本政府は前知事の「埋め立て承認」に基づいたボーリング調査を合理化する時「法治国家ですから」(菅)と繰り返していた。二枚舌をやめろ。今こそ日本政府は「法治国家」たれ!高江での不法なオスプレイパッド工事を中止し、全国から動員した警察機動隊、防衛省職員を帰還させよ!

8.5N1裏現地集会に結集せよ

 「基地の県内移設に反対する県民会議」主催の「ヘリパッド建設工事阻止高江現地集会」が八月五日午後六時から、N1裏テント前で開催される。沖縄防衛局が八月五日の期限を切って車両および物件の撤去を求めているため、早ければ翌六日早朝からの強制撤去の動きが予想される。そのためこの日は泊まり込みの闘いになる。
高江につながる連帯の輪を広げ、全県、全国から高江現地に結集しよう!

オスプレイを隠した不法なアセス


二〇〇七年のアセスメント図書で、県が北部訓練場で将来使用する航空機の機種変更の有無を質問したのに対し、国側が「使用機種の変更はないものと理解している」と回答していたことが明らかになった。アセスはCH53ヘリコプターを対象として行った。二〇〇六年には米軍は二〇一四〜一六年に沖縄にオスプレイを配備することを明言していたので、日本政府が「オスプレイの配備はない」とごまかしたことは疑いようがない。防衛局は米軍の露払い役をいい加減にやめろ!
オスプレイは一般のヘリとは異なる。ヘリコプターのように垂直に離着陸し、プロペラ機のように水平に飛行するオスプレイは、比較的高速で遠距離を飛ぶことが可能だが、機体の構造上次のような特徴がある。@離着陸時に二〇〇度以上に達する高温の熱風を発生する。最近目撃した人の話によると、高江では実際地面の草が焼けた。やんばるの森の火災の危険性がある。今年春、大地震の発生したネパールでは、災害援助に出動したはずのオスプレイが下方にあった家の屋根を吹っ飛ばし、「useless」と評価された。A爆音が比較にならないほど激しい。特に一般のヘリコプターにはない低周波騒音が大きい。一度でもオスプレイの爆音を体験したことのある人は音を聞いただけでオスプレイかどうかが分かる。B試作段階から事故が多発し、墜落の危険性が高い。昨年五月にもハワイの基地で着陸に失敗し大破、海兵隊員二人が死亡、残る二〇人も全員病院に搬送されるという大事故が発生した。この事故で死亡した海兵隊員の両親がボーイング社など同機の製造元を相手取り裁判を提訴している。
アセスがオスプレイを対象としなかったのにオスプレイを配備することは政府の詐欺行為だ。国家の犯罪なのだ。許されない。

8.5違憲確認訴訟第1回口頭弁論


辺野古の埋め立て承認取り消しに関連して、日本政府は「是正の指示に従わないのは違法」だとして沖縄県を相手に「違法確認訴訟」を提訴した七月二二日、同時に「一回で審理を終え速やかな判決言い渡しを求める」上申書を福岡高裁那覇支部に提出した。日本政府の態度はあまりにも露骨だ。安倍政権には、基地の問題、自治の問題、自然保護の問題などについて、沖縄県ときちんと議論をしようとする考えはない。
沖縄県はそれに対し七月二六日、国の上申書に反論する意見書を提出した。その中で、「今回の訴訟は代執行訴訟とは異なる新規の訴訟だ。国の主張は正当性・合理性がない」と述べた。八月五日の第一回口頭弁論では翁長知事が意見陳述を行う。翁長知事の陳述内容は沖縄の新聞に大きく取り上げられ、Webサイトでも見ることができる。全国の皆さんは翁長知事の発言に注目し、拡散していただきたい。

全国知事会全会一致で

沖縄基地負担軽減研究会設置


七月二八〜二九日、福岡県で開かれた全国知事会で、沖縄県の基地負担軽減を議論する研究会の設置が全会一致で了承された。翁長知事が「県では、さまざまな選挙で辺野古新基地建設に反対する民意が示されているが、政府は一顧だにしない。全国の知事の皆さんに、沖縄の基地問題は一都道府県の問題ではなく、日本の民主主義と地方自治が問われているということをご理解いただき、わがこととして真剣に考えていただくようお願いする」と提起したのに対し、京都、埼玉、滋賀、岩手、静岡の各県知事が賛成意見を述べた。反対する知事はいず、全会一致で決まった。
一歩前進だ。すべての知事の同意でつくられた沖縄基地負担軽減研究会の活動をテコに、沖縄が直面している歴史的不条理を理解しともに打破しようとする闘いの輪を広げよう。

7.30

8・15反「靖国」行動が集会

天皇の戦争責任改めて問う

「生前退位」報道も合わせ


戦争犯罪居直り
日米合作で画策
 七月三〇日、「聖断神話」と「原爆神話」を撃つ8・15反「靖国」行動は、文京区民センターで「『聖断』のウソ―天皇制の戦争責任を問う」集会を行い、四三人が参加した。
 オバマ米大統領は、五月二七日、伊勢志摩G7サミット後、広島を訪問したが、米国の広島原爆攻撃による無差別大量殺戮について謝罪しなかった。日本政府も米国に謝罪を求めなかった。つまり、日米合作で戦争犯罪の居直りを繰り広げたのだ。実行委は、この日米の居直りの演技に対して、とりわけ日本の侵略戦争・植民地支配における天皇制の責任と戦後の象徴天皇制の犯罪を批判し、8・15反「靖国」行動に向けた論議の一環として討論集会を設定した。
 さらに七月一三日、明仁天皇が「生前退位」の意向などと一斉に報道し、安倍政権による憲法改悪と連動した新たな天皇制に向けた「Xデー」状況が始まった。天皇の「生前退位」は、必然的に皇室典範の改正への踏み込みであり、天皇の政治的発言を認めていない憲法四条(「天皇は国事行為のみを行う」「国政に関する権能を有しない」)の明白な違反である。だから宮内庁が否定せざるをえなかったが、これらのストーリーは、天皇と安倍政権によって仕組まれたものであり、メディアもそれを前提にしているからこそ、憲法違反として批判することをしないのだ。
 報道は、天皇の「生前退位意向表明」に続く第二弾として、わざわざ「関係者によると」いう形で宮内庁のリークもどき装いで、八月八日か一五日あたりに、「天皇陛下、お気持ち表明へ」という見出しで配信している。あえてこの時期に設定したことは、新たな天皇制作りに向けた「Xデー」と結びついた「靖国」賛美へと演出しようとしているのだ。天皇制への民衆統合キャンペーンの強化を許さず、天皇制と靖国解体の闘いを推し進めていこう。

生前退位表明に
天皇制強化内包
集会は実行委の開催あいさつから始まり、集会設定の意義とともに反天皇制運動連絡会が天皇の「生前退位意向表明」に対して「天皇制が主導する『Xデー状況』への反撃を開始しよう!」(七月二八日)〔次号掲載予定〕という呼びかけを紹介し、「新たな天皇制の再編強化のねらいを暴き、開始された『Xデー状況』に反撃を共同の作業として取り組んでいこう」と呼びかけた。
千本秀樹さん(日本近現代史研究)は、「『聖断』のウソ」をテーマに問題提起した。
冒頭、明仁天皇の「生前退位意向表明」問題に触れ、「これは強い天皇制を明仁自らが作っていくことの意思表示である。つまり、強い統合機能を構築していくことだと捉えなければならない。本人の意向を無視して勝手に権力がリークしたということは考えにくい。やはり天皇本人の意思が表現されている。明らかに天皇の政治関与だ。戦争する国家へ突き進もうとする安倍首相と比較して、天皇のこれまでの発言がリベラルで平和主義的であるとして、安倍首相に対する牽制役を期待する傾向があるが、天皇発言は『大東亜戦争』賛美者をも納得させる論理構造になっている。天皇は国家構造上、安倍首相の上位に位置する『象徴』として日本の政治の要としての役割を果たしている。高いレベルで統合する象徴であり、天皇もそのことを自覚して発言している。『強固な天皇制を』というのが明仁天皇の願いなのだ」と強調した。
さらに千本さんは、昭和天皇の終戦指導のプロセス、すなわち一九四五年二月一四日以降の沖縄戦の犠牲強要と切り捨てから八月一六日の大本営の「停戦命令」に至る昭和天皇の発言、政府・軍人・官僚らの発言や立ち振る舞いを諸文献・資料を使い具体的に明らかにした。そのうえで千本さんは、「八・一五『玉音放送』にしても『天皇制は続く』と宣言しているところがその本質だ。政治的意味と行動を示したのである」とアプローチし、「昭和天皇は、積極的、主体的、能動的に政治と戦争を指導した」ことを証明した。また戦後の米国・マッカーサー司令官との対応などにも触れ、昭和天皇の自己保身的な戦争犯罪人であることを浮き彫りにし厳しく糾弾した。
連帯あいさつが沖縄一坪反戦地主会・関東ブロック、平和の灯を!ヤスクニの闇へキャンドル実行委員会、再稼動阻止全国ネットから行われた。
最後に8・6ヒロシマ平和へのつどい二〇一六実行委からの連帯アピールの紹介と八・一五反「靖国」行動への参加が呼びかけられた。        (Y)

 



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