もどる

    かけはし2016.年8月8日号

今こそ独立した政治の建設へ


米国

サンダースキャンペーンの次の道

ソリダリティ全国委員会

 以下は、米国の民主党と共和党の大統領選候補者が各々事実上決まった情勢を受けて、特にサンダースキャンペーンを精力的に推し進めた人びとに向けソリダリティが出した声明。サンダースキャンペーンの中核を貫く「政治革命」を貫徹するためには、意味のある政治的選択を何一つ提供しない先の二大政党とはきっぱり縁を切った独立政治組織の建設に、勇気をふるって踏み出すことが必要と訴えている。同時に「政治革命」は、現実の社会的闘争の強力な展開の中でこそ進むことを強調し、特に現在の右翼の攻撃からBLM運動を守ることの重要性を訴えている。なお、このBLMをめぐる右翼との対抗に関しては、ダラス事件後の情勢展開も含めて次週に掲載を予定している。(「かけはし」編集部)

サンダース支持
者にとって次は


 「政治革命」を求めたバーニー・サンダースキャンペーンは、二〇一六年大統領選予備選を空を走る流れ星のように照らし出した。彼はピークに達するとしても早々と消えるだろう、との型にはまった分別に反して、民主党機構に対するサンダースの挑戦は、予備選を通して続いてきた。彼はあらゆる予測を超えて、二三州の予備選および党員集会を勝ちぬき、ほとんどもっぱら小口献金の形で二億二二〇〇万ドルという驚くべき額を集め、一八〇〇人を超える投票先を指定された代議員を獲得した。
 サンダースと彼の支持者の軍団は、フィラデルフィア大会までキャンペーンを続行し、党の選挙政綱の中での「進歩的な綱領項目」を求めて戦闘することを約束した。しかしバーニー・サンダースは、大統領に対するヒラリー・クリントンの、長く時間をかけた(そして結局は不可避の)彼の承認をもって、「ドナルド・トランプを敗北させるため可能なことは何でもする」という名目で彼の挑戦の幕を引いた。
 サンダースキャンペーンは変わることなく一つの矛盾を体現していた。不正に操作された二大政党システムという変数の枠内で、民主党指名を求めて立候補するということは、この公認の「民主的社会主義者」に投票の利用と論争における場を与えた。それでもそれが同時に意味したことは、サンダースが最初から公然と述べたように、彼が党の指名者を支持することになるだろう、ということだった。そしてその指名者が誰になるかについては、どのような疑いもまったくなかった。彼の支持者の多くが今失望している理由をわれわれは理解しているが、それでもこれは驚くような結果ではない。そしてそれは、次は何か、という問題を提起する。

BLMを防衛し
諸闘争の堅持を


 ソリダリティは左翼の多くと同じく、サンダースキャンペーンが火をつけた変革への希望とエネルギーを歓迎した。あなた方はソリダリティをよく知らないかもしれないが、われわれは一つの社会主義者の、フェミニストの、反レイシストの組織だ。一定数の労働組合と都市にいるわれわれのメンバーは、「バーニー支持労働者」構想に参加してきた。そしてわれわれはこの構想を、政治的な討論を指導部上層だけではなく一般組合員の財産にする重要な媒介物だと見ている。
 しかしながら今や厳しい事実は、大統領選予備選の中に込められた生き生きとした思いは、ヒラリー・クリントンの冷笑的な企業主義的中道主義と、ドナルド・トランプの見苦しくレイシズム的な経済民族主義の間の、浅ましいレースに道を譲ろうとしている、ということだ。今日の特に険悪な空気の中では、われわれすべてにとって基本となることは、右翼が推し進めている最中のレイシズム的中傷と猛攻撃に対決して、「黒人の命も大事」(BLM)を防衛する点で団結することだ。BLMに対する攻撃は実際上、アフリカ系米国人の人びと並びにその共同体に対する、残酷な仕打ちと抹殺に向けたいわば許可状となっている。
 「政治革命」を動かし続けるための戦略の一部は確実に、諸々の運動――人種的な公正と産児制限をめぐる正義を求める諸闘争、一五ドルのための戦闘、移民共同体との連帯、ホモ排撃、トランス排撃、イスラム排撃への抵抗――の活力を維持することだ。LGBTQ運動が達成した重要な諸成果は、防衛され拡張されなければならない。

政治革命を追求
する最良の道は


 サンダース支持者の最良の奮闘にもかかわらず、民主党政綱には、先のことはほとんど何一つ含まれていない。起草委員会は、環太平洋パートナーシップ協定(国民の多数が憎んでいる)を阻止する要求を拒絶した。シェールオイル抽出を止める要求も、イスラエルの占領下に置かれたパレスチナ民衆の闘争を支援する要求も拒絶された。企業の資本と帝国主義の党とは何か異なるものを期待する根拠などはまったくなかった。この敗北を直視すれば、多くのことは、「史上もっとも進歩的な民主党政綱」に変えられようとしている。明け透けに言えば、この言葉のほとんどは――おそらく、段階を踏んだ最低賃金の引き上げを例外として――、あっという間に忘れ去られることになる曖昧な一般化から構成される。
 あなたがもっとよい選択肢はあり得ると信じるならば、政治革命を求める運動もまた一つの選挙の表現を必要とする。今回の選挙において、われわれすべてがそのために闘ってきたものに関する全国レベルでの最良の表現は、ジル・ステインの緑の党キャンペーンだ。ソリダリティ支持者は、二〇一六年の政治革命を支援する一つの道として、このキャンペーンを支援している。
 一一月だけではなくその先まで見つめつつわれわれは、特にヒラリー・クリントンという袋小路の選択肢を拒否しているバーニー・サンダース支持者に向けて、あなたは一人の違った候補者以上ものを必要としているということを、つまり違った党を必要としているということを、十分に考えるよう強く進める。何と言ってもヒラリー・クリントンは、民主党を「乗っ取った」わけではないのだ。彼女はまさに民主党そのもの、ウォールストリートとのさまざまな結びつき、軍国主義、さらにすべてを代表している。バーニー・サンダースが民主党の指名者になるかもしれないという道などまったくなかったのだ。

よりマシな悪の
ワナ拒否しよう


 この現実こそが、ジル・ステインへの支持が成長を続けてきた理由を説明する。地方の独立した政治諸組織、キャンペーン、投票の働きかけにも成長がある。われわれはジル・ステインへの投票を強く進めるがしかし、一回限りの「抗議票」以上のもの、堅固な独立した政治組織こそが必要なものだ。
 長い道のりになるはずであり、諸々の社会運動の声となり得る、労働者階級を志向する政党を米国で生み出すための、魔法の定式はない。しかしこの点で一つのことは鮮明にされなければならない。つまり、「よりマシな悪」である企業候補に票を投じるというワナは、間違ったそして不毛な選択という後悔の念をわれわれに残すだけだろう、ということだ。
 民主党はサンダース支持者の票をほしがっている。しかし、銀行と縁を切り、特別代議員を廃止し、TPPを捨て去り、パレスチナ民衆に対するイスラエルの戦争への米国の鼻持ちならない一方的な支援を止めよ、といった彼らの要求はほしくない。「投票せよ、そして黙れ」がサンダースの基盤に対するクリントンキャンペーンのメッセージなのだ。
 もっとよい道がなければならない。そうでなければわれわれは、どのようなものであれ企業政党の「二党政治」が差し出すはずの、悲惨なゼロ選択肢以上のものを見ることは決してないだろう。

資本主義諸政党
と今こそ絶縁を


 空約束の先へと進む「政治革命」をあなたが欲するのであれば、資本主義諸政党と縁を切る時は今だ。それをジル・ステインが次のように述べている。
 「民主主義と公正を求める運動は、地球全体に行き渡りつつある――オキュパイ・ウォールストリートからアラブの春へ、ブラック・ライヴズ・マターへと――。人びとは新自由主義の猛攻を止めようと立ち上がり、われわれすべてのために機能する世界とアメリカを要求している。われわれの運動は重要な勝利をいくつか勝ち取りつつあるが――目立つものとしては、生計賃金に向けて、また化石燃料インフラ反対で(一五ドル戦闘の前進と石油パイプライン建設中止を指すと思われる:訳者)――、経済のエリートはただ彼らの締め付けを強めてきただけだった。人びとは、この不正に操られた経済、装置化された人種的に不公正なシステム、構造化されたエネルギーシステムその他をやっつけたいと思うのであれば、われわれはまた不正に操られた政治システムをもやっつけなければならない、と実感しつつある……」。
 そして「ジル・ステインの『民衆に力を』構想は、サンダースキャンペーンの内政諸政策の多くを反映している。所得の平等、クライメートジャスティス、公的な無料の高等教育、全員のための公的医療、移民の権利、人種的公正と大量投獄の停止、がそれだ。その他の分野では、ステインは、学生債務の帳消し、諸選挙に対する全面的な公的資金供与、さらに公的金融機関の創出などを要求しつつ、サンダースのはるか先まで進んでいる」。
 「ドナルド・トランプを求める大きなうねりは、NAFTA(北米自由貿易協定)とウォールストリートの規制解体という経済的悲惨によって生み出された。これはいずれも、二人のクリントンが推し進めた政策だ。新自由主義的クリントン主義がトランプの台頭を引き起こしたのだ」。
 「時計は刻々と時を刻んでいる――次のウォールストリート崩壊、気候の崩壊、戦争の広がり、ファシズムへの地滑り、核衝突そしてもっと多くに向けて――。われわれがまだ可能な間に、われわれの信念を込めた勇気をもって立ち上がる時だ。よりマシな悪を忘れよう。より大きな善を求めて闘おう。これを企業諸政党がわれわれのために用意することはないだろう。われわれこそ、われわれがこれまで待ち続けてきたものなのだ」と。
 われわれに異論はない。そしてそれこそがなおのこと、今日が独立した政治を建設する時である理由だ。(二〇一六年七月一九日)(「インターナショナルビューポイント」二〇一六年七月号)


もどる

Back