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    かけはし2016.年9月12日号

維新・自民にどう反撃するか


関西・大阪での参院選結果

選挙と大衆運動の連携強化へ

「市民連合」「ミナセン」の継続・発展を

 参議院選挙では、野党共闘などの主目的は、改憲派とその補完勢力に三分の二の議席をとらせないことだった。それは反改憲勢力が前の衆議院選挙でも追い詰められた中での最低限の目標だった。しかし改憲勢力に三分の二以上の議席を許してしまった。
沖縄では「オール沖縄」の伊波洋一、福島では野党共闘の増子輝彦(野党統一・民進党)が現職の沖縄北方担当相、法相を破り、東北を中心に一人区で野党共闘が成果を上げる中、近畿では六府県の定数一二の内一議席(京都選挙区福山哲郎・民進)しかとれなかった。中でも大阪維新の大阪における二議席、兵庫における一議席の獲得と野党の全敗に示される事態は深刻である。
改憲勢力の三分の二突破の最大の原因は、近畿における惨敗であった。この結果は、近畿圏・関西で野党共闘をつくって闘った国政政党のみならず、それを周囲から呼び掛け、支えてきた関西市民連合や「みんなで選挙(ミナセン)」、労働組合や市民運動の敗北でもあった。
大阪選挙区における選挙結果は、大阪維新(浅田均、高木佳保里・二人当選)一三九万七二一四票(合計)、得票率三七・四五%。自民(松川るい・当選)七六万一四二四票、二〇・四一%。公明(石川博崇、当選)六七万九三七八票、一八・二一%。共産(渡部結、落選)四五万四五〇二票、一二・一八%。民進(尾立源幸、落選)三四万七七五三票、九・三二%であった。ちなみに候補者を持たなかった社民と生活の大阪での比例区得票数は四万六二五六票と三万八八三四票であった。

 大阪では,当初から四議席中一議席の確保をめざして野党統一候補一人に絞るべきだという声が上がっていた。しかし四月の京都三区での衆議院補選で民主党の泉健太(社民推薦)がおおさか維新の森夏枝に三倍以上の票で圧勝したこともあり、維新は一人しか立てない、あるいは立てたとしても人気は落ちているとの安心感もあり、民進も共産もその話にはのらずそれぞれ候補を立てた。いずれにせよ一人は通る、うまくいけば二議席との期待さえあった。
しかし、選挙戦が進むにつれて大阪では、府知事・市長のダブル選挙以来、維新支持の強さはそんなに失われていないことが明らかになってきた。
新自由主義的グローバリゼーションの下での福祉の削減、教育への統制・介入、自治体労働者・教育労働者運動への統制・敵対などを進めながら、一方で「高等教育まで無償化するための改憲」などを打ち出し、自民党・安倍と意を通じながら部分的・副次的な課題で野党ぶりも示すなど橋下以来の人気政治、ポピュリズムを推進している。そしてこれが単なる一時的な人気だけでなく、共産党も含む革新を支持してきた層をも「実行力ある改革派だ」として引きつけていることも明らかになってきた。
維新は、大阪・関西の地方議員を全面的に投入し参議院選を組織として推進し、成果を上げている。
その成果は、選挙後すぐに、大阪市営地下鉄の民営化に抵抗してきた自民党が条件付き賛成を示し、自民・維新のぎくしゃくした流れの克服、新たな共闘の流れとして現れている。
大阪・関西でも、東京や全国の他の地方と同じように、シールズやママの会、学者の会などの働きかけで、三月七日、関西市民連合がつくられた。市民連合は戦争法の廃止、立憲主義の回復、個人の尊厳の回復などを掲げて、共産、民進、社民、生活などに野党共闘を働きかけて実現し、一人区での統一候補、複数区での各党候補との政策協定を結んで統一した街頭情宣や各種集会を開いてきた。
選挙戦最終日の七月九日のナビオ阪急前の統一情宣には「国民怒りの声」も参加した。市民連合はまた戦争させない総がかり行動が提起する「戦争法の廃止を求める二〇〇〇万人署名」にも取り組んできた。
深刻な敗北を喫したとはいえ、関西市民連合も言うように「野党候補の得票が選挙区候補を持たない党をふくむ野党四党の比例区得票の合計を上回った」、「市民参加型の選挙が実現したなどの成果があった」ことはその通りである。これらの成果を、ますます共闘・調整が求められる小選挙区制の衆議院選挙で生かすことが求められている。
その上で、選挙の基礎を確かなものにするためにも、沖縄・辺野古・高江での暴力的基地建設、南スーダンへの自衛隊派兵と駆け付け警護、共謀罪新法の制定などをすすめる安倍政権との大衆的闘いと選挙闘争のつながりを強めることが求められている。東京の小池と連携しながら、大阪の維新政治はますます新自由主義と強権性を強め、安倍の政治、戦争する国づくりを支えるものになろうとしている。その流れは、右翼的ポピュリズムの台頭の下、移民への排斥など排外主義と強権性の流れが強まるヨーロッパやアメリカ、テロリズムと強権支配の横行する中東とつながっている。
沖縄出身者が多い大阪から,沖縄との強力なつながりを作り出し、拠点として大阪に居座る維新と自民党の政治と対抗し押しとどめる労働運動、市民運動の形成が求められている。
ヨーロッパやアメリカ、アジアの新しい民衆的運動と連携しながら、総がかり行動の持続と発展、戦争法の廃止と憲法改悪反対運動を下支えに、民進党内に見え隠れする保守回帰、野党共闘脱出の流れを食い止めながら、次回衆議院選挙を射程に入れた「市民連合」や「ミナセン」の継続・発展のための取り組みが求められている。    (H)

9.1

サウジアラビアはイエメン戦争をやめろ

安倍・ムハンマド会談に反対

首相官邸前で抗議のアピール


イエメン内戦介
入の張本人来日
九月一日、武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)は、「サウジアラビアはイエメン戦争をやめろ! 戦争を不問に付す安倍・ムハンマド会談反対! 9・1官邸前アクション」を呼びかけた。わずか一日前の呼びかけにもかかわらず二〇人の仲間がかけつけ、イエメン内戦に対するサウジアラビアの軍事介入、クラスター爆弾なども使った無差別の虐殺、ならびにサウジアラビアに対する米英仏独などによる武器輸出に抗議するアピールを行った。
三一歳になったばかりのムハンマド・ビン・サルマン副皇太子は同国の石油政策、国防、外交などの実権を握り、二〇一五年三月から始まったサウジアラビア主道の連合軍によるイエメンへの無差別空爆の最高責任者である。
しかしサウジアラビアによるイエメン内戦への介入は決して単独のものではない。それはEU、そして米国の軍事的支援に支えられているのだ。
イエメンの人権組織「人権のためのムワタナ組織」のラディア・アルムタワケルは次のように述べている。
「イエメンでは死がわれわれを取り巻いている。二〇一五年三月以来、サウジが率いる連合による空爆は、ここに記録があるものとして、四四件の中で六一四人以上の死を引き起こしてきた。しかし進行中の内戦だけがわれわれの恐れる暴力、というわけではない。イエメンで米国が行っているドローン戦争秘密作戦が、日々の暮らしを必死で送っている子どもたち、女性、イエメン人を殺し続けているのだ」。
「ドローンを支持する者たちは、市民の苦しみを限定する正確で技術的に進んだ武器としてそれを持ち上げている。われわれイエメン人はそれには同意しない。ドローンは平和も安全保障ももたらしてはいないのだ。それがもたらしているものは、死と破壊と苦しみであり、失われ何世代にもわたって取り返しのきかない暮らしなのだ」(本紙二〇一六年八月八日号)。

日本・イスラエ
ル軍事協力NO
八月三一日付けの各紙に住友化学、三菱ケミカルホールディングスなどがスポンサーとなって掲載された「サウジアラビア王国ムハンマド・ビン・サルマン副皇太子殿下の来日を心より歓迎申し上げます」と題した全面広告は、そうしたサウジアラビア専制王制によるイエメン内戦への介入・民衆虐殺などに全く触れることなく、サウジアラビア専制王制と日本の皇室との親しい関係や、安倍政権とサウジ王制との「パートナーシップ」を称揚し、サウジアラビアが進めようとする「Vision2030」という経済改革への日本の参画を促している。実際、九月一日には都内で「ビジネスフォーラム」も行われた。
それだけではない。日本とサウジアラビアの関係については、サウジアラビアが進める「対テロ」戦争という名の軍事作戦に対する武器輸出、軍事技術開発支援という側面も見過ごすことはできない。
NAJAT共同代表の杉原浩司さんの司会で進められた官邸前の集会では、イエメン内戦へのサウジアラビア軍の介入と民衆虐殺、米国・EUそして日本による武器輸出への抗議が集まった仲間たちから表明された。また軍用無人機(ドローン)のイスラエルと日本による共同研究に反対する九・一七NAJAT集会(午後一時半、YMCAアジア青少年センター9階国際ホール)も呼びかけられた。        (K)


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