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    かけはし2016.年9月12日号

国境の解放と移動の自由を


FI青年キャンプ

世界の移民との国際的連帯へ

帝国主義の責任
二重三重に累積

 資本主義システムは何年もの間、その歴史上最も重大な経済的かつ政治的な危機を通過し続けてきた。EUブルジョアジーはこの危機の中で、競争力を保つとして、緊縮諸方策を適用し続けている。彼らはEU中で社会的対立回避を目的に、労働者階級を分断する一戦術としてそれを使うことでレイシズムを力づけ、また社会福祉破壊という彼ら自身の政策から労働者の注意をそらそうとしている。この諸々の危機は、反動的な思想や勢力に成長の機会を与え、極右の運動が公的論争を支配できるようになった。自由主義的右派政党に加えて社会民主主義政党も、極右の要求や論題を彼ら自身の綱領に統合することで、先の状況に対応している。そしてそれはただ、住民の大きな部分の意識の中で極右の立場を正統なものにするだけであるように見える。
帝国主義諸国はこの危機の時期に権力にとどまる目的の下、諸々の資源の支配、また現存のあるいは新しい市場の確保、さらに彼らの利潤増大といったもののために、一層破壊的な戦闘を戦い続けている。これが特に中東で、地域的な不安定性をつくり出している。これは国際的な規模で、諸国間の力関係を深く変えている。
これは同時に、この地域への軍事介入を諸々引き起こし、人道的危機と何百万人という人々の避難に結果した。これに付随するものとして、あらゆる種類のさまざまな迫害から日々逃げ出し続けている他の移民の増え続ける数がある。
抑圧の筆頭に来るタイプは、グローバルノースによるグローバルサウスの支配であり、それがあふれかえる貧困と悲惨を生み出している。
数多くの国は植民地主義の歴史的産物として、その国の人々を虐げ逃亡を強制している、独裁者や暴力的な体制によって支配されている。常のことだが、女性とLGBTQの人々は最大の抑圧下で生きている。いくつかの国では、LGBTQの人間であるという事実だけで、死を運命付けられる十分な理由となる可能性がある。
その上多くの地域で国家は、これらの脅威に対しどのような保護方策も提供していない。これが、より良い生活という希望の下に、難民たちが彼らの命を危険にさらす用意ができている理由だ。しかし彼らはEU諸国への到着の途上で、収用キャンプに追い込まれ、嫌がらせを受け、迫害されている。その上に彼らの状況や存在が、軍事介入を正当化するために利用されている。
EU諸機関はEUレベルで、移民に関する様々な国の政策を調整するために利用され続けている。EU諸機関は、労働力市場を不安定化させないという目的の下に、EU諸国内への移民を統制しようと試みている。移民労働者は変わることなく、安上がりの労働力として、さらに賃金を切り下げ全労働者の労働条件に攻撃をかける口実として利用されてきた。
フロンテックス(欧州対外国境管理機関)の創設と昨年におけるその予算の大幅増額は、難民問題がEUが優先するものの一つとなったことを示している。こうして彼らは国境を軍事化し、ギリシャ、ハンガリー、イタリアといった、特に移民がEUに入るにあたって通過する境界諸国で、移民を犯罪者扱いしようと試みている。

人道主義のはる
か先の対応必要


こうした反動的な攻撃の一方でわれわれはいくつかの国で、住民からの重要な支援を見てきた。諸々のデモが組織され、多数の人々が慈善運動に参加してきた。
今や挑戦課題は、一つの政治的側面を与えることであり、人道主義的レベルのはるか先にまで歩みを進めることだ。しかしながらこれが困難にされている。その理由は、レイシズムがもつ一つの父権主義的形態――助けの必要な劣位にある人々、とする移民の扱いに見ることのできる――であり、それが支援運動の中にも極めて広く広がっていることだ。この純粋に人道主義的な見方は、国家にとっての経済的利点に帰結している。それが国家に、国家の任務をただでやる自発的な人々を確保する好機を与えているからだ。
われわれはこの反対方向で、移民の自己組織と自己決定のための空間を守る必要がある。なぜならばそれこそが、自身を解放することを彼らに可能とする唯一の方法だからだ。これは、人々の意識の中で、また論争と主張の中でその状況が見えなくされている女性とLGBTQの人々にとっては、むしろ重要でさえある。彼らは、その他の住民から隔離と孤立にさらされているのだ。しばしば移民たちは、彼らのジェンダーにしたがって居住を別々にされ、それがトランスの人々に対し実体のある問題を生み出している。
われわれはわれわれの分析、およびこれらの諸問題に対するわれわれの回答を広める必要がある。われわれは、右翼とあらゆるレイシズムの攻撃と闘う必要性を人々に納得させる必要がある。われわれはわれわれ自身の政府と帝国主義と対決して闘う必要がある。われわれは、国家の構造的なレイシズムと闘う必要がある。これらこそがわれわれが優先するものだ。

闘うべき緊急の
われわれの要求


この情勢の中で、革命派が闘うべき、切迫した以下のような要求がある。
▼われわれは、政治的難民と経済的難民という区別を拒否する。われわれは、難民は資本主義システムの破局的作用の結果である、ということを断言しなければならない。
▼あらゆる未登録移民の即時正規化を。
▼非人間的な全難民キャンプの閉鎖、フロンテックスの解散、そして移民に敵対するあらゆる犯罪視と暴力的政策、たとえばダブリンシステム(ダブリンレギュレーション、難民申請者の適用資格を審査する責任をEUメンバー諸国に定めている:訳者)の停止を。
▼まともな居住、教育、医療を利用でき、さらに基本的な必要の全般的な充足に対するあらゆる人々の、特に移民の権利を。
▼警察の暴力すべてと追い立ての停止を。
▼あらゆる家族が再び一つになる権利を。
▼全女性に対する医療に関する、経済的また心理学的支援の組織を。
▼女性とLGBTQの人々が避難に導かれるあらゆる特定の理由は、難民資格を受け取る理由として容認されなければならない。

 これらの要求は必要条件だが、しかしそれらは、資本主義システムと断絶する展望の一部に、また搾取と抑圧のないオルタナティブな社会建設の一部となっていなければ、真の意味で有効となる可能性はない。これを心にとどめわれわれは以下を要求する。
▼開かれた国境を、またどこでどのように暮らし働くかに関する全員にとっての自己決定権を。われわれは、欧州への人道主義的回廊を要求する。なぜならば、地中海での死はたった一人であっても正当化されてはならないからだ。
▼あらゆる労働者の社会的権利と労働条件の引き上げを。たとえば、一日労働時間の大胆な削減によって、そして移民と当地の人々の間で競争をつくり出すことを必然とすることなく、すべての人々によりよい条件で働き暮らすことを可能にするために。
▼われわれは、資本主義の生産力主義的システムによってかつて以上に増大している資源の必要が駆り立てる戦争を止める目的で、労働者の統制下に置かれるべきものとして、生産システムのエコロジカルで社会的な計画化を防衛する。

 第三三回第四インターナショナル青年キャンプは、移民すべてに対するわれわれの国際的連帯を、そして搾取と抑圧のない新たなオルタナティブな社会をつくり出すために、このレイシズムの、そして不公正かつ暴力的なシステムを共に破壊するわれわれの意志を再確認する。(「インターナショナルビューポイント」二〇一六年八月号) 

トルコ

AKPによる狙い撃ち弾圧

クルド運動は屈しない

イエニヨル

 七月一五日のクーデターの試み後に始まった全国民的動員は、この敵対が与えた正統性と支持をAKP(公正発展党)が握りしめる上で、非常に強力な武器となった。今日、そこでわれわれが暮らすことを強いられている空気の中では、AKPの政治的操作や決定に疑問を差し挟むことですら、反逆として責められる十分な理由となっている。
 ついでながらAKPはそれを、権力保持に利用し、「大衆集会」と一体的に体制の元の所有者たちを放り出し、こうしたパージ作戦を手段として、今彼らが確保している力を獲得した。そこでは、ギュレン(クーデターの黒幕として告発されている、今米国にいるイスラム運動指導者、かつてはエルドアンの盟友:訳者)の旧家を公衆トイレに変えることから裏切り者の共同墓地開設に至るまで、この歴史を消滅させる目的をもつ、あらゆる種類の見せ物が動員されている。彼らは、復讐というその武器の正統性を保持する試みを、極めて慎重に進めている。
 AKPはそうしたやり方で自身を正当化し、また彼らが宣言した非常事態を手段にその支配を合法的に強化し、先の大衆集会後を最初の好機として、クルド運動に標的を定めた。この諸作戦により、クルド諸都市では数多くの政治家が拘留された。諸自治体に対する監督官選任に関する論争が再開した。多くの個人や諸々の運動を起源とする諸組織のソーシャルメディアアカウントは検閲を受け、二日前の午後数時間の内に、エズギュル・グンデム新聞は停刊とされ、事務所は捜索を受け、そのスタッフは拘留された。
 一年の間進められてきた戦争、HDP(人民民主主義党)を国会から排除しようとする努力、この八四日間フルシット・キュルター(五月二七日の拘留以後行方不明となっているクルド人若手政治家:訳者)に関しては何のニュースも出てこなかったという事実、そして最後にエズギュル・グンデムに起きたことは、AKPが「九〇年代の考え方」(軍事独裁体制時代の考え方:訳者)を熱心に取り入れ、それを考え方にとどまらず実体にまで進める新局面を開こうとの、切望までもっていることを示している。
 一九九二年以後、二一人の従業員が殺害され、編集者とコラムニストが合計で一九七年の投獄刑を受け、各地の事務所が爆弾攻撃を受け、何度も停刊処分を受け、何百号もが没収されたそのエズギュル・グンデムは、抵抗することでそのあらゆる抑圧をくぐり抜け生き延びてきた。
 検閲と沈黙強制というこの策謀は、今回も敗北に行き着くだろう。真実とそれを追い求める人々は、未来に向け生き延びるだろう。(二〇一六年八月二〇日)

▼イエニヨルは第四インターナショナルトルコ支部。(「インターナショナルビューポイント」二〇一六年八月号)

 


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