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    かけはし2016.年9月19日号

右翼との総対決へ左翼の統一を


ブラジル

クーデターが起きた

インスルジェンシア

PTの階級和解
戦略の完全破綻

 ルセフ弾劾はほとんどの期間、PT(ブラジル労働者党)政府の元の連携者たちが支援した、ホンジュラスとパラグアイをまねて仕組まれた、ならず者のエデュアルド・クニャ(最も腐敗した前下院議長:訳者)の行為だった。これらのラテンアメリカの小国でもまた、選挙で選ばれた政府が、彼ら自身の憲法を踏みにじる議会―司法の策動によって倒された。
PT政府は、三〇年の闘争とブラジル労働者の諸々の勝利のサイクルが間接的に行き着いた結果として、右翼によって敗北を喫した。そしてこの右翼は今、階級的和解のないその純粋の形態の中に自らを表現しようと意志を固めている。PTはより本性的な右翼諸政党によって、大資本の多数(銀行、工業、商業、アグリビジネス、大衆メディア)によって、それら全体が支援する形で打ち負かされた。それは、一九六四年以後では中産階級の街頭決起のもっとも反動的な波だった。
そうであるとしても、特権のない多数に敵対する方向に力関係が変化したがゆえに、搾取され抑圧された者たちは、彼らの権利のために、保守的で過酷な新自由主義諸方策への抵抗を準備しなければならない。
起きたことは、一時的な均衡崩壊を原因とした、単なる腐敗し不人気な政府の倒壊ではない。それは一つの「発展モデル」の破綻だ。そのモデルは、一方では、鉱物資源と農産物原材料の輸出に基礎を置いた。そしてそれは今世紀の最初の一〇年にあった国際的な絡み合い(諸商品の「ブーム」)から利益を受けた。同時にこのモデルは、国内的には、対立的な背景を起源とする諸政党との連合に基づいて、PTが率いた階級的和解を基礎とした。
ブルジョアジーの諸部門との連携という姿の、制度的諸手段によって権力に到達しそこにとどまる(社会的変革のために、彼らはこう語るのが常だった)、というPTの政治戦略が……破綻したのだ! ルラとディルマ(ルセフ)がその前に連携したのはクーデター首謀者たちとだった、またルラとディルマとPTが「統治能力」を完全にしようと試みたのは彼らと共にだった、と思い起こすだけではまったく不十分なのだ。
問題は、この敗北に向かう道がどのようにして構築され、この敗北がブラジル民衆の大多数に対し、どれほど数知れない結末をもたらすことになるか、だ。

社会的緊張の
時期への挑戦


この国に打撃を与えている残酷な経済的危機のど真ん中での、変化と政府のこのサイクルは、強力な分極化と社会的諸緊張の時期を告げ知らせる。ブラジルはまる二年間の経済後退に苦しみ、一一〇〇万人の人々は今失業状態であり、国際情勢にはいかなる回復の見込みもない(短期的には)。われわれ――社会運動と社会主義的左翼――には、歴史的な退行に対決して社会的権利、労働者の権利、民主的権利を守るために必要となる不屈の戦闘と反攻を準備する、という挑戦課題がある。
ミケル・テメル(ルセフ弾劾を受けて大統領に就任:訳者)は「引き継ぎ文書」に署名が終わるや否や、TVの全国ネット局のインタビューに応じ、彼の目標として、社会福祉と労働システムに強力な改革を行い、退職年齢を引き上げ、労働法が保証する諸権利を破壊したい、と語った。加えてこのクーデター政府は、優先課題として政治改革を設定した。それは、PSOLのような諸政党に対処し、選挙キャンペーンに対する私的な資金供与の復帰を可能にすることを意味するものだ。このようなやり方でわれわれの前には、社会保障、労働者の権利、民主的権利に関し、構造的攻撃の最初の三正面がある。
国民主権にとって(国有企業の私有化を許す法律のような)、また労働者階級、若者たち、女性、黒人民衆、そしてLGBTQの人々の諸権利にとって深刻な結末を及ぼす五五もの提案が議会で継続中だ。たとえば、労働規制規則の改革というもくろみは、労働法の歴史におけるもっとも深刻な攻撃となるだろう。軍事独裁ですらそうすることには挑まなかったのだ。それは、一九八八年憲法以前状況への回帰というだけではなく、ブラジル労働者階級のもっとも原則的で歴史的な諸権利の一つに終止符を打つもくろみでもあるのだ。

幅広い統一の
戦術の採用を


この新たな時期においては、幅広い統一の戦術を採用することが必要になるだろう。われわれは、それらの慣習的な優柔不断(「テメル出て行け、フォラ〈うせろ〉・テメル」デモにそれらの運動が熱のない努力しか行わなかったような)があるとしても、前政権に関係をもつ社会諸運動との何らかの統一的諸行動を含んで、あらゆる領域での諸権利防衛に向け、ある種の左翼戦線に参加しなければならない。
今や、資本主義の諸攻撃から住民多数を、統一した左翼が守ることが決定的だ。もちろんこの統一は、社会主義的左翼がそれ自身の特質を、またPT構想に対するその批判的評価を保つことを認めなければならない。
われわれは、テメル政権、資本、また保守的原理主義と闘う意志をもって街頭に出なければならないが、しかしそれは、二〇一八年の選挙での「ルラ、カムバック」を力づけるためではない。なぜならばわれわれは、この破産した階級協調構想の回帰を望んでなどいないからだ。
「怖れを知らない民衆の戦線」(フレンテ・ポボ・セム・メド)、いくつかの社会運動活動家と政党(PSOLを含んだ)活動家を含んだ戦線には、統一を進める役割があり、その役割には、この統一戦線が危機に対する左翼的で戦略的な結論の断言を追求する中で決定的となる可能性がある。この戦線は、われわれの諸権利防衛の社会的闘争、および要求と民衆的改革の政治的プラットホームの打ち固めを準備するために、左翼諸政党と社会諸運動と共に、諸々の空間と大規模な会合を作り上げなければならない。
自治体選挙キャンペーンが「熱を帯びている」月である今この九月基本となることは、すぐさま、諸活動と選挙パンフレットの中に、新自由主義改革とわれわれの諸権利への攻撃を糾弾しつつ、労働者階級に波及するその具体的結果に基づき、抵抗の準備を彼らに呼びかけ、「フォラ・テメル」のスローガンを取り入れることだ。

起点は反テメル
と総選挙の要求


まずわれわれは「フォラ・テメル」と要求し、総選挙を求める。弾劾手続きは終了したとしても、これらの旗を維持しなびかせ、住民多数の中に決起あるいは全般的感情を構築することが重要だ。それは、テメル政権の打ち固めを妨げ、彼の正統性を街頭で永続的に疑問の対象にするだろう。
われわれは、彼がすでに告知した不人気な改革を、決起に向けて統一した戦線が率いる諸々のキャンペーンの中で糾弾しなければならない。
最後に、クーデターに対決する闘いを、「フォラ・テメル」を、総選挙の目標を、そして搾取され抑圧された者たちの諸権利の防衛を強化するために、自治体選挙の過程を利用することが必要だ。そしてそこにはPSOLが重要な場を確保している。
それゆえ今こそ、闘争の新しい時期を準備し、ブラジルの左翼、民衆的で民主的、反資本主義かつ社会主義の諸勢力からの、実体ある回答の構築を始める時だ。

▼インスルジェンシア(反乱)は、ブラジルのPSOL(社会主義と自由党)内一潮流、第四インターナショナル支持者を組織している。(「インターナショナルビューポイント」二〇一六年九月号)  

シリア

トルコの介入絶対ノー

他の諸国も介入やめろ

シリア革命的左翼潮流

 アサドを含む一つの移行に関する合意に達しようと諸大国とその連携国が試みている中で、トルコがシリアでの軍事作戦に乗り出した。それはトルコが長くそうしたいと望んできたものだが、交渉のテーブルにおいてその影響力を強めることを目的にしている。
 AKP(公正発展党)政府は、トルコとイランはシリアで起きていることに関し発言すべきことを最も多くもっている、と主張している。
 われわれ、トルコとシリアの社会主義者は、外国の干渉すべてに、またトルコのシリア内での軍事作戦に反対する。
 二〇一一年三月に独裁者アサドに反対してヒロイックに立ち上がったシリアの民衆が被っている苦しみの解決は、さまざまな諸国が爆撃を行い、シリアに部隊を送ることではない。
 これら諸国すべては、それが彼ら自身の利益になると見なす場合に、もっとも流血的な戦争を戦い、もっとも怪物的な独裁者と宗派的な民兵を支持しているのだ。
 トルコ国家の真の目的ははっきりと、他の地域大国や帝国主義大国同様、シリア民衆の解放を助ける何らかのことをやることではなく、クルドの民衆がそこで何らかの成果を得ることを止め、将来のシリアに影響圏を確立することだ。
 米国、ロシア、イラン、トルコ、サウジアラビア、そして他のすべては、シリアに干渉すべきではない。 バース党体制に与えられた援助すべては、戦争を終わらせるために停止されなければならない。
 シリアの民衆が彼ら自身の未来を決定しなければならない。
 トルコは、シリアでの軍事作戦を即時に停止し、クルドの人々への敵対を止め、シリア人難民に対しその国境を開放しなければならない。
 われわれはあらゆるシリアの革命勢力に、独裁、地域の外国人と帝国主義者の介入、そして反動諸勢力に反対する彼らの闘争を統一することを呼びかける。
 われわれはこれらの反革命勢力すべてに対するシリア民衆の勝利を確信し、全シリア人の革命勢力すべての統一を求める。
 平和万歳、革命万歳!
革命的社会主義労働者党(トルコ)
革命的左翼潮流(シリア)二〇一六年八月三一日
(「インターナショナルビューポイント」二〇一六年九月号)

ギリシャ

追い撃ち的に続く攻撃
対する爆発も深く進行

タソス・アナスタシアディス


賃金未払い、
遅配、倒産も
 ギリシャの雇用法は二〇一〇年から一三年にかけて、諸協定の上下関係の逆転、それらの自動的適用、さらによりたやすくされた解雇によって弱体化された。そして、失業に関する諸々の数字や貧困は、話のすべてを語っているわけではない。賃金未払いの労働がある。まだ仕事のある人の大多数(三分の二)は、数カ月もの遅配状態にあるのだ。
 その上に、先頃は破産の動きがある。そしてそれは、彼らに支払われることになっているものを労働者が、銀行や他の欧州とギリシャの債権者の後になってはじめて受け取る、ということを意味している。ここ二、三週間だけで、こうした破産には、アテネ最大の豪華ホテルの一つ(レドラ、何と客室利用率が九八%にもなるのにもかかわらず)、最大の警備保障会社の一つ(ピルソス、人員八〇〇人)、また一万二五〇〇人の労働者を抱える最大のスーパーマーケットチェーン(マリノポウロス)が含まれることになった。
 サロニカでは、もう一つの大ホテル企業(メトロポリタンとテオクセニア)が、トロイカによって全国的に強要された最低賃金(五八六ユーロ)からも低い五〇〇ユーロに賃金を切り下げることを、その従業員に強要した。彼らは、諸協定の上下関係の逆転によって、そうすることが認められているのだ! 確かなこととして、大手雇用主のほとんどは、これまでは、トロイカが求めた賃金の全国的な引き下げ(二〇一一年には七五一ユーロだった)、他の柔軟性、無報酬に関する諸々の可能性、不安定労働、外注その他にとどめてきた。

秋に向け攻撃の
新しい段階浮上
それでも労働者の諸権利(と暮らし)に対するこうした破壊は、資本の貪欲さをまだ満足させていない。それゆえに秋に向けて、新しい段階が計画されている。すなわち、オランド―メルケル―チプラスのEU計画に基づいたものであり、さらに一層余剰人員を「自由化」し、労働組合とストライキに関する法を破壊することが予定されている。つまり、ロックアウトの合法化、労働組合活動保護の消し去り、そして票決もなしにストライキを非合法にする、といったことだ。
明らかに彼らは、つい最近票決された年金システムの破壊が見える形で明かしたように、彼らには政治的に比類のないチャンスがあると実感している。実際にチプラス政権は、退職後年金における全般的な補足的切り下げを強要しただけではなく(この三年ですでに一二回、平均でほぼ四〇%もの切り下げ!)、長期にわたる計画的な切り下げ、体系的な諸々の計画をもって、平等主義的な「マルクス主義」的と称する主張を使いながら、資本家的な意味における配分システムの再形成を何とか構造的にやり遂げることもできた。
それでも、今年二月四日の労働者の大決起、並びに、「文明化した」欧州が溺れ死ぬのを見る方が好ましいとしている戦争からの難民について、その支援における貧困化したギリシャ人の連帯決起(記録に残るもう一つの事例だが前者と強くつながっている)は、より断片化しているが継続的な他の労組の闘争、エコロジーの諸闘争同様、先に見た見境のないバーバリズムと対決する爆発が懐胎中であることを告げている。
政治的出口の問題が、そしてそれは必然的に反資本主義的なものだろうが、鍵となるだろう。その中で、フランス労働者の幅広い決起は、われわれはもはや孤立していない、もはや一人ではない、という希望を与えている。

▼筆者は、第四インターナショナルギリシャ支部、また反資本主義左翼連合、アンタルシアの一部である、OKDE―スパルタコス指導部の一員。(「インターナショナルビューポイント」二〇一六年八月号)


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