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    かけはし2016.年10月31日号

弾圧・差別暴言につのる怒り


沖縄報告 10月23日
高江ヘリパッド阻止!

沖縄 K・S

10.17〜18

森をこわすな、工事をやめろ

毎日のゲート前座り込み
行動が始まった!

 これまでN1ゲート前の座り込みは水、土の週二回だったが、月曜から土曜まで毎日取り組む行動がスタートした。砕石・資材を積んだダンプ・トラックのヘリパッド建設工事現場への進入を大衆行動で止めるためでる。
第一日目となった一〇月一七日は、早朝から七〇人がN1ゲート前に座り込みスクラムを組んだ。午前九時過ぎから機動隊による座り込みの強制排除が始まり、九時半ごろから警察車両に先導され砂利ダンプが四、五台ずつN1ゲートから進入していった。午前と午後合わせて合計ダンプ六〇台分の砕石が運び込まれたが、ゲート周辺で「森をこわすな」「工事をやめろ」「違法ダンプは通行するな」などの抗議の声を上げ続けた。
結果的に座り込みのない日とほぼ同数のダンプの進入を許してしまったが、ゲート前で一日中抗議の声を上げ、搬入に相当な時間をかけさせたことは成果だ。もし座り込みがなければ、防衛局は何の抵抗もなく短時間で大量の砕石・資材の搬入を楽々と行うことができていただろう。このような毎日の小さな打撃の積み重ねがボディブローとなってヘリパッド建設工事の進展を遅らせて行き安倍の一二月完了計画を打ち破ることにつながる。

山城博治議長が器物
損壊容疑で逮捕


午後三時過ぎゲート前集会を終えて、沖縄平和運動センター山城博治議長をはじめ約二〇人は、県道七〇号線沿いの斜面を登り北部訓練場の中に造られた作業ヤード・砕石集積場へ向かった。約一時間後、斜面を降りてきた山城議長を県警が「ちょっと話を聞かせてほしい」と言って無理やり警察車両に乗せて名護署へ連行していった。県警が発表した逮捕理由は砕石集積場周辺の有刺鉄線を二本切ったという器物損壊容疑。防衛局の職員が目撃し県警に連絡したのだという。
仮に有刺鉄線二本切ったとしてもそれが何だというのか。貴重なやんばるの森の木を二万四〇〇〇本以上も切り倒している防衛局の犯罪こそが問題なのだ。警察も裁判所もメディアも強権化する権力に追随するのではなく、取り返しのつかない歴史的犯罪を俎上に挙げるべきなのだ。
フェンスがないとはいえ米海兵隊北部訓練場というれっきとした米軍基地内に毎日のように入り、ヘリパッド・工事用道路の造成現場や作業ヤード・砕石集積場付近で阻止行動を堂々と続けていることに日本政府と米軍は心底いらだち歯ぎしりする思いであったに違いない。基地内に入っても「刑特法」は適用できない。「威力業務妨害」の該当する行為でもない。とりあえず逮捕できそうな刑法上の容疑を持ち出したのが「器物損壊」なのだ。

2カ月前の傷害
容疑で再逮捕


一〇月二〇日、検察の一〇日勾留請求に対し那覇簡裁は却下した。当然だ。ところが、那覇地裁が勾留を認めた上、検察は「器物損壊」容疑とは別に、八月二五日N1裏地区で工事現場への進入防止柵を設置していた防衛省職員の腕をつかみ肩を揺さぶる行為で頸椎捻挫と打撲を負わせたという「傷害」「公務執行妨害」容疑で再逮捕した。腕をつかみ肩を揺さぶる行為が傷害罪にあたるなら、座り込み強制排除で住民に打撲、擦り傷、切り傷、圧迫による内出血を何人にも与え続けている警察機動隊は全員傷害罪だ。こんな二カ月前の「事件」を持ち出し逮捕理由をでっちあげるとは、基地内抗議行動に困惑しこれをなんとかを封じ込めようとする防衛局・警察の決意が見て取れる。安倍官邸の強い指示があることは間違いない。しかし、リーダーの不当逮捕で基地内抗議行動を抑え込むことができると思ったら大間違いだ。不当弾圧に対する反発が強まり、闘いの輪が一層広がっていくのは明らかだ。

山城さんに代わり
大城悟事務局長が


二日目の一八日も早朝から約七〇人がN1ゲート前に集まり座り込んだ。N1裏テントの山中行動組もゲート前に合流した。ゲート前には練馬、なにわ、和泉ナンバーなど、警視庁と大阪府警の機動隊が陣取っている。逮捕された山城さんに代わり、平和運動センター事務局長の大城悟さんがマイクを握り、「山城さんの不当逮捕は許しがたい。山城さんが帰ってくるまで代わりの任務を全力で尽くす、よろしく」とあいさつし、「今こそ立ち上がろう」を全員で元気よく歌って、ゲート前集会が始まった。
大城さんは「たった今、ダンプ一二台が国頭村の採石場を出たとの連絡が入った。ダンプが来ればゲート前に詰めて座り込みしっかりスクラムを組んでほしい」と呼びかけ、緊迫の中さらに集会が進行した。統一連の瀬長事務局長は「山城逮捕はだまし打ちだ。戦争につながる世の中を止めて行こう。辺野古と同じように高江も止めていく」と決意を語った。住民の会の宮城さんは「最近ダンプの搬入がものすごい。高江の住民は一五〇人に満たない。高江にいる警察、防衛局、ガードマンなど合わせると、一五〇〇人位いるのではないか。不法ダンプの通行を阻止しよう」と述べた。
目取真俊さんは「ヘリパッド建設のためにはまだまだ大量の砕石が必要だ。友人、知人に呼び掛けてゲート前に座り込もう。もっと輪を広げていこう」と呼びかけた。その直後、右翼三人が現れ大音量のマイクで幼稚で下品な言葉を連ねる集会妨害行動を続ける中、機動隊による強制排除が行われ、警察車両が先導してダンプによる砕石、トラックによる資材搬入が断続的に午前中いっぱい行われた。

大阪府警機動隊員の暴言

「ぼけ、土人が」「黙れ、シナ人」

謝罪し直ちに撤退せよ

 N1ゲート前の県道七〇号線上や斜面のフェンスに沿って小山を登っていき抗議行動を行なっている時浴びせられられたのが大阪府警の若い機動隊員による「ぼけ、土人が」「黙れ、シナ人」発言だ。大阪府警の機動隊員の一部は本当に言動が粗暴だ。目をむき顔をゆがめて怒鳴り散らす。この発言は日本政府による沖縄に対する態度の本質を示すものだ。翁長知事は直ちに「県民としても知事としても言語道断で到底許されず、強い憤りを感じている」と抗議した。ネット上で暴言の模様が公開され、全国的に沖縄に対する差別、植民地意識との批判が高まるや、警察庁は批判をかわすため急きょ、当該機動隊員二人を一〇月一九日付で沖縄から配置換えしたうえ遺憾の意を表明した。ところが松井大阪知事は「府警の警官が一生懸命命令に従い職務を遂行しているのが分かった。出張ご苦労様」と述べたという。まさにこの府のトップにしてこの府警ありだ。大阪府警は県民に謝罪し直ちに沖縄から撤退せよ!

差別許さず
自治権行使を
沖縄県選挙区選出の衆参議員六人は警察庁に出向き、県民への謝罪と県外機動隊の撤退を求めた。それに対し警察庁の担当者は「沖縄県公安委員会が派遣要請を取り消した場合には撤退する」と述べた。本当の意味で沖縄が新基地NO!のオール沖縄で結束することが求められている。「ぼけ、土人が」「黙れ、シナ人」発言を単に批判するだけではダメだ。五〇〇人にのぼる県外機動隊の派遣そのものが沖縄差別なのだ。沖縄の自治権を毅然として行使すべき時だ。翁長知事は本土派遣の機動隊について「引き取ってもらいたいという気持ちはある」と県庁での記者会見で述べている。沖縄県公安委員会は県民の側に立ち、本土機動隊の派遣要請を取り消せ!

10.19

水曜集中行動日

北部訓練場メインゲート
に250人が座り込み


午前六時ごろから北部訓練場メインゲート前で県議、市町村議員を含め最大二五〇人が座り込んだ。これまで集中行動日にN1ゲートを封鎖し砕石・資材搬入を止めても、メインゲートへの搬入はいわばフリーパスの状態だった。そして防衛局は集中行動日以外の日にメインゲートに集めた砕石・資材をN1ゲートに好き勝手に運び込んでいた。この日の集中行動ははじめてメインゲート封鎖を行動目標としたのである。
時おり激しい雨が降る中、メインゲートを中心にして南北に広がり阻止線を張る断固とした行動で午前中はメインゲート封鎖に成功した。午後一時過ぎから防衛局・警察機動隊は座り込みの人数が減ってきたのを見て強制排除に乗りだしてきた。メインゲート近くに待機していた砂利トラ一台に対し、メインゲートへの進入を阻止しようと南側で頑張るメンバー、メインゲートの北で道路に立ちはだかるメンバーに分かれて行動したが、三〇分ほどでメインゲートに入られた。この車両は車の後ろ側に表示している番号が不鮮明な、いわゆる違法ダンプだった。

違法ダンプを
無視する警察
そのあと名護署に抗議に行くグループと残って阻止行動を続けるグループに分かれて行動したが、四時から五時にかけて、四台がメインゲートに入り、トレーラーも含め五台がメインゲートからN1ゲートに行った。このうち一台は昼過ぎの違法ダンプだ。その場でトラックに抗議し警察にも通報しているにもかかわらず、無視している。悪質だ。警察もでたらめだ。
この日、北側からN1ゲートに進入したダンプは午前午後合わせて二二台。南からN1ゲートの入った分も合わせて計三一台分が運び込まれたことになる。懸命の阻止行動にもかかわらず搬入は防げていないが、ここ連日の六〇台分の約半分にとどめたことが一日の阻止行動の成果だ。明日もまた頑張る以外ない。
一〇月二二日土曜集中行動日は三〇〇人以上の結集で、N1ゲートからの砕石・資材の搬入を完全に阻止した。

10.20

工事差し止め処分

事前集会に70〜80人
高江住民が工事中止訴え

 東村高江と国頭村安波の住民三三人が北部訓練場ヘリパッド建設工事の差し止めを求めた仮処分申し立ての第一回審尋が一〇月二〇日、那覇地裁で開かれた。午前一〇時から開かれた城岳公園での事前集会には、やんばる高江から駆け付けた住民たちを含め七〇〜八〇人の人々が結集した。
あいさつに立った高江の、伊佐真次さん、石原理絵さん、安次嶺現達さんは口々に,「N4のヘリパッド二基ができてオスプレイの騒音と振動のため落ち着いた暮らしができなくなった。あと四基もできてしまえば本当に住めなくなってしまう。やんばるの森を世界遺産に登録しようとする一方で北部訓練場のヘリパッド建設のために立木の大量伐採と自然破壊が進んでいる。絶対に認められない。基地ができてしまえば飛行差し止めをすることが難しくなる。基地ができる前になんとか止めることが大事だ」と訴えた。
続いてあいさつに立った小口弁護士は「国は七〇人以上の大弁護団をつくった割には大変お粗末だ。ヘリパッド工事差し止めに対し、工事差し止めが飛行差し止めと同じことであるので、工事差し止めも認められないと言っている。米軍機の運航を規制したり差し止めたりする権限が日本政府にはないとする‘第三者行為論’を基地ができる前から適用しようとするもので、論理の破綻だ。こんなものが認められてはいけない」と語った。
最後に、七一年前の沖縄戦で鉄血勤皇隊として従軍し九死に一生を得て、戦後沖縄人民党・日本共産党で長く活動された古堅実吉さんの音頭で頑張ろう三唱を行い、集会の幕を閉じた。一一月一〇日、仮処分申し立ての第二回審尋と工事差し止め訴訟の第一回口頭弁論が開かれる。
沖縄県議会は早ければ一〇月二八日にも大阪府警の差別発言を糾弾し本土派遣の機動隊の撤退を求める決議をあげる準備をしている。県外機動隊の撤退問題が政治焦点化しつつある。次号では、県議会決議と県外機動隊への県費支出に対する住民監査請求について取り上げる。



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