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    かけはし2016.年10月31日号

未来のために今必要なこと


10.1
関西集会に600人

もんじゅ・原発・戦争やめろ

後悔しないための決断を!

 【大阪】脱原発政策実現全国ネットワーク関西福井ブロックととめよう「もんじゅ」関西連絡会の主催、原発反対福井県民会議の共催で、大阪平和人権センターと「しないさせない!戦争協力」関西ネットワークが協賛する集会が一〇月一日、エルおおさかホールで開かれ、六〇〇人の市民が参加した。政府はもんじゅの廃炉に向け検討を始めるといいつつ、核燃料サイクルの維持と高速炉の開発を明言している。今後の原発政策に注目が集まる中での集会となった。
主催者を代表し池島芙紀子さん(ストップ・ザ・もんじゅ)があいさつをした。続いて、井戸謙一さん(滋賀弁護士会所属弁護士、今年三月大津地裁での高浜原発運転差し止め訴訟で勝訴した弁護団長)が「ノーモア原発震災」と題して講演をした。
井戸さんは、二〇〇六年金沢地裁で裁判長として、北陸電力志賀原発二号機の運転差し止め判決を言い渡した経験がある。

地震多発地帯の
原発という無謀
「世界の地震多発地帯で原発があるのは、日本・米国西海岸・台湾だが、米国は二〇二五年閉鎖が決まっており、台湾は政権が変わり原発ゼロ政策になった。若狭の地域は、海のプレートが陸に沈み込むときにひずみが溜まり、陸の方が破壊されて起きるいわゆる内陸地殻地震で、震源が一〇キロと浅い。四つのプレートが交わる複雑な地域で近畿トライアングルと呼ばれる。活断層が多くそれが並行して走っていて、これが連動して動く(共役断層)可能性が高い。地震規模はほぼ断層の長さによって決まるので、推定七・五〜七・八と言われる」。
「原子力規制委員会には地震動の専門家がいないので、事業者の基準地震動の計算をチェックできないことがわかった。原子力規制庁を独立させたはずなのに、規制委員会は安全より再稼働を優先している。原発のように真に重要なものは、日本最大か世界最大に備えてもらうしかない(纐纈東大地震研教授)」。
「大津地裁判決の意義は、国家主導の具体的可視的な避難計画が早急に策定される必要を指摘し、この避難計画をも視野に入れた幅広い規制基準が望まれること、そして福島第一のような過酷事故を経た現時点では、その基準を策定する義務が国家にあると述べている点だ。広範な市民の声と裁判官の正義感がコラボして原発をなくしていく筋道が見えてきた。原発は必ずゼロにすることができる。原発に退場の道筋をつけてあげるのが市民の役割だ」。

若狭からの切
実なアピール
中嶌哲演さんがアピールした。
「私たち若狭の住民にとっては、もんじゅや高浜三、四号だけの問題ではなく、一五基という世界一原発密集地帯に住んでいること。既に四基(高浜一、二号、ふげん、さらにもんじゅ)が廃炉、ないしはなりかかっているが、四〇年超の原発の運転を許可しようとしている。そのような現状の若狭だ」。
「もんじゅについては、建設そのものの反対を掲げて運動してきた。政府の高速炉推進会議では、原型炉もできていないのに実証炉の建設にまで踏み込んだ方針を立てようとしている。プルトニウム問題を注視する必要がある。高浜三、四号の再稼働では、使用済み核燃料をさらに増やすことになる。また、五キロ〜三〇キロ圏内の住民は、平常時の一万倍の放射能にならないと避難指示が出されない。こんな理不尽はない」。

破綻している
核燃料サイクル
続いて、小林圭二さん(元京大原子炉実験所講師)が「増殖も減容も無理なもんじゅ」と題して講演をした。小林さんは、去る九月二一日閣議で検討された文書について見解を述べた。
「もんじゅの廃炉については閣僚会議で配布された資料の最後に『廃炉を含め抜本的な見直しを行うこととし、その取り扱いに関する政府方針を、高速炉開発の方針と併せて、本年度中に原子力関係閣僚会議で決定する』とある。こういうあいまいな官僚の文章を見るとき、いろいろな言葉を駆使して国民をだましてきた歴史を考える必要がある。そのような視点から見ると、彼らは高速増殖炉を諦めたとは決してなっておらず、余地を残すようになっている。冒頭、『核燃料サイクルを推進する、高速炉開発の司令塔機能を担うものとして、新たに高速炉開発会議を設置するとある』」。
「政府は核燃料サイクルを、当面は軽水炉を使い、出てきた使用済み燃料からウランとプルトニウムを再処理工場(六カ所村)で分離抽出して、MOX燃料をつくり燃やすサイクルであると説明。ところが、再処理のために建設された六ヶ所村の再処理工場は機能していない。政府は将来的には、高速炉でMOX燃料を燃やし、使用済み燃料から、再処理工場(この高速炉用再処理工場は六ヶ所村のそれに比べより困難なもの)でウランとプルトニウムを分離抽出して、MOX燃料に再加工して燃やすというものだ。後者を高速炉サイクルだと説明しているが、現在このサイクルは存在しない」。
「軽水炉でMOX燃料を燃やすことをプルサーマルと言っているが、これは、核兵器の原料であるプルトニウムを利用目的もなく日本がどんどんためていることに対する外国からの批判をかわし、問題を隠蔽するためにやり出したことだ。核燃料サイクルは破綻状態なのだ」。
「もんじゅによるプルトニウム燃料の増殖に失敗した政府は、将来の放射性廃棄物の体積を原発の使用済み核燃料の七分の一に「減容」する、また有害度の高い物質に中性子を当てて、半減期の短い元素に変換する(天然ウランと同程度になるまでの期間を一〇万年から三〇〇年に減少させる)という新たな目標を掲げ、もんじゅをその研究拠点に位置づけるという。しかし、有害度を減らす対象となる元素・マイナーアクチノイドは、使用済み核燃料の中にたったの一%しか含まれていない。文科省は、七分の一に減らせる根拠を示すことができなかった」。
もんじゅについての院内ヒアリングで菅直人元総理が語ったことが、DVDで紹介された。

若者から未来
を奪い取るな
次に「若者の未来を奪う戦争と原発」というテーマで、服部良一さん(元衆議院議員)のインタビューに雨宮処凜さん(作家、活動家)が答える形のトークがあった。
「原発問題に接する直接のきっかけは、三・一一だが、その前の一九九九年、二回目の海外旅行でフセイン政権下のイラクに行き、病院を見学した。戸棚は空っぽ。経済制裁で薬が手に入らない。その中で、子どもがばたばた死んでいくのを目の当たりにした。湾岸戦争時の劣化ウラン弾で被曝ししたのが原因。それは原発で出る核のゴミでつくられたものだ。その頃は劣化ウラン弾のことと原発の問題をつなげて考えることはできなかった」。
「 三・一一ですごく反省した。声を上げないことで、原発安全神話に手を貸していたのだと思った。官邸前の『再稼働反対』のコールは、原発再稼働だけではなく、日本をこのまま再稼働させるな、と言う意味も含んでいたと思う。戦後の自民党的なもの、日本の一番イヤなものの象徴が原発だ」。
「素人の乱は、最初は一万五千人集まった。あれからずっと続けている。今も、毎週金曜日には反原発首都圏連合が官邸前でやっている(原発停止祝賀パレードのビデオ上映)。地域を巻き込んで、デモで街おこし、商店街も歓迎してくれた。地域を巻き込むのは対抗手段としては一番いい、原発は地域を分断するから」。

戦争・原発と
貧困の連鎖
「事故後の福島原発に動員される労働者は、ピンハネされ、やすく働かされる。労働条件は事故の前後で何も変わっていない。貧困と原発は関係ある。労働者はきちんと安全教育されていない。電力会社は、原発は安いというコマーシャルにお金を使い人々をだましてきた(しかも、宣伝費はすべて電力料金に含まれた)。一から疑うようなことが必要だ」。
「(服部さんがもんじゅによる税金のムダ使いの話をし、もんじゅの建設費は一兆二〇〇〇億円、もんじゅは稼働していなくても維持費に毎日五五〇〇万円かかる、という)一日五五〇〇万円ですか。貧困対策のお金が削られるときはいつも財源不足が理由。これからは、人の命を基準に考えよう」。
「(原発は核の軍事利用と裏表だ。その気になれば核兵器をつくれるという政治の意図が見え隠れする。原発輸出を成長戦略にしようというとんでもないことになっている、との服部さんの話に)戦争と貧困は私の中では大きいテーマだ。(昨年一二月エキタスがやった、時給一五〇〇円に上げろデモの映像上映、貧困は自己責任だという人たちに反論)」。
「ファーストフードの労働者の最低賃金の運動は世界に広がっている。グローバル化した中での貧困化・不安定化と戦争の問題はつながる。デモで、藤川里恵さんという女性の演説が今の日本の矛盾をすべて言い当てており、伝説のスピーチといわれている」。
「弟は自衛隊試験に受かったが大学に行けるのか、奨学金借りれるのか、就職したって手取り一四万円じゃ奨学金返して、好きな人ともいられない……不幸比べも我慢大会ももう終わりにしようよというスピーチ。労働条件どころか生きる基盤も切り下げられている。こういう言葉が二〇代の若者から出てきたのが非常に重要だ」。
「戦争と原発は、多くの貧者を必要するという共通点がある。安田純平さんは以前イラク戦争の時民間の会社に入り働いていたことがある。『戦争のリアル』でも書いたが、イラクではあらゆる数千の民間企業が入って、郵便業務・ジム・給食・掃除〜暗殺まで請け負う。そこでは世界中の最貧国から来た出稼ぎ労働者が働いている。死んでも死者にはカウントされない」。
この後、横山加奈さん(一七代高校生平和大使)のアピールがあった。横山さんは長崎生まれ。現在は京都の大学生だが、OBとして高校生の核廃絶運動のサポートをしている。(T・T)



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