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    かけはし2016.年11月7日号

自衛隊は南スーダンに行くな


「駆けつけ警護」は住民を殺す戦争行為だ!

労働者市民の国際連帯強化へ

10・30「いのちを守れ!」青森集会に一二五〇人


自衛隊員の命を
危険にさらすな
安倍内閣は一〇月二五日の閣議で、南スーダンPKOへの陸上自衛隊の派遣を来年三月末まで延長すると決定した。同閣議では「派遣継続に関する基本的な考え方」という文書も採択した。同文書では「七月に大規模な武力衝突が発生し、今後の治安情勢については楽観できない」としつつ「今後も『武力衝突』の発生は十分に予測される」との厳しい判断をせざるをえなかった。しかし同時に、同文書は「PKO五原則は維持される」と強弁している。
しかしPKO五原則の核心の一つが「紛争当事者間の停戦合意」である。反政府勢力のトップである前副大統領のマシャルは「七月に起きた戦闘(首都ジュバで大統領派と副大統領派の部隊が交戦し、数百人が死亡)で和平合意と統一政権は崩壊した」と語っている(朝日新聞一〇月二一日夕刊)。
一〇月に入っても戦闘は激化している。一〇月八日に南スーダンの首都ジュバを七時間だけ視察した稲田防衛相は「首都は落ち着いている」と語ったが、同じ日にジュバに近い中央エクアトリア州の道路で民間人を乗せたトラックが襲撃されて市民二一人が死亡、また一〇月一四、一五の両日にも同国北東部で政府軍と反政府勢力の衝突で少なくとも六〇人が死亡した。国連南スーダン派遣団も一〇月一二日の声明で、「国内の治安悪化を懸念する」との声明を発表している。
安倍首相は七月の大統領派と副大統領派の首都ジュバでの戦闘で六〇〇人とも言われる死者が出た事件についても「戦闘行為ではなかった」と語り「PKO五原則は維持されている」と居直っているのだ。稲田防衛相は「マシャル元副大統領は国外に逃亡している」ので「紛争当事者」ではないとの詭弁を繰り返している。その一方で安倍首相は「危険な場所であるからこそ自衛隊が任務を負って、武器も携行し、現地でPKO活動を行っている」と居直り、先に述べた南スーダンPKOへの陸自派遣継続にあたっての「基本的な考え方文書」でも、「危険を伴う活動だが、自衛隊にしかできない責務を果たしている」と、あたかも「自衛隊員の生命が危険に瀕することもやむを得ない」というべき態度を示している。

民衆に銃を向け
る訓練をやめろ
安倍首相は、南スーダンPKOとして派兵される自衛隊員が現地の武装勢力と「殺し、殺される関係に入ることになる」と問いただした共産党議員の質問に「おどろおどろしい言辞」と非難したが、南スーダンの現実はまさに「殺し、殺される関係」がPKO派兵によってさらに深まっていくという事態に入り込んでいる。
昨年の安保関連法=戦争法の中で新たに付与された「駆けつけ警護」「宿泊地防衛」など、現地の反政府勢力や住民との直接的衝突の危険性もふくんだPKO派兵部隊の新任務のための訓練が、陸上自衛隊の訓練場で行われている。「朝日」一〇月二五日の記事は、一〇月二四日にメディアに公開された陸上自衛隊岩手山訓練場で行われた訓練は、現地政府に抗議する群衆を銃器を使わずに制圧するものだったが、前日に行われた非公開の訓練では、「軽装甲機動車と、小銃を正面に向けて構えた隊員が暴徒にゆっくりと近づく隊員が小銃を繰り返し撃つ場面もあった」との「防衛省関係者」の証言を掲載している。
南スーダンPKOとして派遣されている自衛隊は、七月の大統領派と副大統領派の大規模な武力衝突以後、国連施設内に限って活動していたが、屋外での砂利運搬作業を一〇月二六日から再開した。それは「駆けつけ警護」などの新任務を帯びて一一月から一二月にかけて派遣される交替部隊への引き継ぎという意味を持ったものだろう。
次期PKO派遣部隊は一一月二〇日から一二月一四日にかけて三五〇人が三回に分かれて出発する。派遣部隊は青森駐屯地の第五普通科連隊、そして八戸(青森県)、岩手(岩手県)、船岡(宮城県)の各駐屯地の施設部隊。
あらためて、自衛隊は南スーダンへ行くな、殺すな・殺されるな!の訴えを、すべての労働者市民、そして自衛隊員に届けよう。

寒気をついて
青森市で集会
一〇月三〇日、南スーダンへのPKO派兵の中心部隊が駐留する青森市の駅前公園で午後一時半から「自衛隊を南スーダンに送るな!いのちを守れ!青森集会」が一二五〇人の参加で開催された。戦争法廃止を求める青森県民ネットワークと戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委が共催した集会には、初冬を感じさせる寒さと冷雨をついて地元青森県を中心に東北各県、そして関東や愛知、広島など全国からも労働者、市民が集まった。
集会では、青森県九条の会共同代表の神田健策さんが主催者あいさつ。神田さんは青森だけではなく東北各県からも自衛隊が南スーダンPKOとして送られ、「かけつけ警護」「宿営地共同防衛」の任務につかされていくことに危機感を表明し、かつての「教え子を戦場に送るな」の言葉を思い起こさねばならない、と訴えた。
そして一〇月二九日の共同通信の世論調査では「九条改憲必要なし」の主張が「必要」を上回っていることを指摘。沖縄・高江の闘い、原発再稼働反対・医療・教育・TPPなどの課題とも結びつけて「立憲主義・平和主義・民主主義に反対する安倍を倒そう」と呼びかけた。そして東北六県では参院選で青森を含む五県で自民党を落選させて野党共闘が勝利したことに確信を持とう、と呼びかけた。

南スーダン民衆
に銃を向けるな
南スーダンの情勢については、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実の高田健さんが報告。高田さんは、稲田防衛相が数時間しか首都ジュバに滞在しなかったのに「首都は落ち着いている」と語ったその日、二一人が亡くなる戦闘があったことを紹介し、「安定した状態」と言う南スーダンで、国内難民が一七〇万人、国外に出た難民が一〇〇万人に達している現実を明らかにし、「停戦状態などどこにもない」と語った。
高田さんはさらに、野党と市民の共闘の力を発揮してこそ安倍政権を打倒する道が開けると強調し、「ここで動揺してはいけない、この道以外にない」と訴えた。
自衛隊員の息子を持って、平和の運動を繰り広げている北海道の平和子さん(仮名)は、「自衛官は将棋のコマではない。PKO五原則が崩れている時、撤退の訴えは当然だ。自衛官のいのちを安倍首相や稲田防衛相に預けるわけにはいかない」と語る。
政党代表として民進党の升田世喜男衆院議員、共産党の高橋千鶴子衆院議員、社民党の三上武志青森県連代表が連帯のあいさつを行い、安保関連法に反対するママの会・青森からのアピールを受けた後、「ラッセラー、ラッセラー」というねぷた祭りの掛け声でデモに出発。寒さを吹き飛ばす元気で、「自衛隊を南スーダンに送るな」のアピールを届けていった。  (K)



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