もどる

    かけはし2016.年11月7日号

闘いの輪を拡大すれば勝てる


沖縄報告:10月28日

10・26ゲート前座り込みで搬入阻止

10.24〜28

世界ウチナーンチュ大会

参加者も現地で交流

世界に広がる横の連帯を

 この一週間、米海兵隊北部訓練場の二つのゲート(N1ゲート、メインゲート)で砕石・資材の搬入を阻止する行動が続けられた。しかし、「森を守れ」「違法ダンプを通すな」の抗議の中、二四日はダンプ五〇台、二五日はダンプ五四台分の砕石の搬入が強行された。水曜集中行動日の二六日は、二〇〇人がメインゲート前に座り込み、砕石・資材の搬入を阻止した。防衛局は、メインゲートを避けて北周りで手薄なN1ゲートへ砕石ダンプ二二台を進入させた。そしてメインゲート前座り込みが終了した後、待機させていた二〇トントレーラーをメインゲートに入れたのである。
高江のゲート前の力学は単純だ。数十人だと突破されるが、二〇〇人以上集まれば阻止できる。われわれのゲート前の闘いが成功するかどうかは常時二〇〇人以上を結集できるかどうかにかかっている。課題は明白だ。闘いの輪を広げることに尽きる。
一〇月二七日に開幕した世界ウチナーンチュ大会の参加者のうち、ブラジル、カナダ、アルゼンチンなどからの二〇〜三〇代の若者を中心に辺野古・高江を訪問し交流した。世界各国に約四一万人に及ぶウチナーンチュの横の連帯は、新基地に反対し故郷の海や森を守り子孫に伝えていく運動に力を与えてくれる筈だ。また、一〇月二一〜二三日の日本環境会議沖縄大会の参加者も辺野古・高江を訪れた。辺野古・高江に行こう!高江ゲート前に座り込もう!
フィリピンのドゥテルテ大統領は一〇月二六日、東京で講演し、「二年以内に外国軍隊がいなくなって欲しい」と米軍の撤退を求める考えを明らかにした。アジアからの米軍撤退に向けた重要な動きだ。米軍はすでに台湾から撤退した。フィリピンからもいずれ撤退する。沖縄からも撤退させよう。

10.27

毎日の監視活動が重要だ

H地区ヘリパッド建設
現場での山中行動

 他方、米軍訓練場内での山中行動隊「高江ウッド」の取り組みは、天候が悪くゲート前行動に合流した二五日を除いて連日行われた。集合場所になっているN1裏テント前には、八月上旬から防衛局がレンタカー二台を放置したままになっている。琉球新報の調べによると、レンタカー代金は一〇月二一日現在、約七九万円に上るという。役人たちも自分の車や金だったらこんな無駄で放漫なことをする筈もない。国の予算を使うにあたっての国家官僚の態度はなんと無責任なのか。
二七日は早朝、N1裏テントに集合した約三〇人が三班に分かれて行動した。森を歩き谷を流れる小川を渡り、急な斜面を上り下りすること約三〇分、H地区ヘリパッド建設現場に到着した。現場は無残なほど姿を変えていた。青々と茂っていた木々はすべて伐採され赤土がむき出しとなったヘリパッド予定地の法面は木枠が設置され、周囲はフェンスと有刺鉄線で囲われている。ところどころブルーシートで覆われている作業現場では、防衛局の職員、機動隊、ガードマンの監視の中、ブルドーザー型のトラックや大小二台のユンボが作業している。伐採された木の根元で一匹のキノボリトカゲがあたりをキョロキョロ見回していた。ここにはもう登っていく木はない。
しばらくしてN1地区の方から車体をきしませながら四トンダンプがやってきた。砂利を文字通り満載している。明らかに重量違反だ。我々はフェンスの外から「重量違反だぞ、取り締まれ」と声をあげる。防衛局は「ここは提供施設内です。速やかに退去してください」とマイクで叫んでいたが、後からのダンプの砂利の量が減ってきた。このように現場の監視はそれなりの効果がある。違法ダンプの具体的な指摘や赤土流失、掘削斜面に土留がないなどの事実についても、現場の監視とメディアを通じた指摘により、防衛局が対策を取らざるを得なくなっている。基地の中だからと誰も監視しなくなれば一二月完了を急ぐ政府・防衛局が何でもやり放題になってしまう。ヘリパッド建設現場での毎日の監視活動は防衛局に対する圧力となり、手抜き工事や不法な工事の強行をやめさせ、一二月完了を阻止していくことにつながる。
また、この日午前の遅い時間帯に、将校と思しき迷彩服の米兵が一人工事現場に現れた。彼はヘリパッド予定地を横切り、N1方面への工事用道路へ足早に向かっていった。現場を視察に来たのか。あるいは、一〇月二八日防衛局が県に提出した、宇嘉川河口からG地区ヘリパッドへの約二kmの米軍歩行ルートの整備計画と何らかの関連があるのかもしれない。すぐに工事に着手するとのことだ。明らかな基地機能の強化で沖縄の基地負担増加に他ならない米軍歩行ルートの整備について、日本政府は「米軍からの要望」と述べた。米軍にはすべて追従、「民意に寄り添う」と言いながら県民の声には馬耳東風。安倍官邸の沖縄でのよりどころは警察力のみだ。

安倍官邸は高江に対す
る弾圧をエスカレート


大阪府警機動隊員による「ぼけ、土人が」「黙れ、シナ人」発言により、沖縄県だけでなく全国的な反発を招き窮地に陥ってしまったことから、安倍官邸、防衛局、警察庁は、一方では高江現場において、機動隊員が全員マスクをし言動に注意を払うなど、悪化した警察のイメージの回復を図るとともに、他方では、一二月完了に向けて反対運動に対する暴力の水位を飛躍的に高め、一気に弾圧を強めている。
暴言の二日後、検察は山城博治平和運動センター議長を、有刺鉄線を切ったという「器物損壊」容疑に加えて、防衛省職員の腕をつかみ肩を揺さぶる行為で頸椎捻挫と打撲を負わせたという二カ月前の「事件」を持ち出し「傷害」「公務執行妨害」容疑で再逮捕した。同じ容疑で日本基督教団神奈川教区のY牧師を逮捕、沖縄に移送し現在浦添署に勾留している。山城さんの自宅、N1裏テントを捜索したが、押収物件は何もなかった。一方、一〇月四日から「訓練場内で防衛局職員を押し倒した」傷害容疑で勾留されていたSさんが一〇月二六日、「公務執行妨害」「刑特法違反」を合わせた三つの容疑で起訴された。七月からの高江の闘いで起訴は初めて、刑特法の適用も初めてだ。
また、国会では警察庁が「高江に警察官を相当数配備することは必要」と答弁し県外からの機動隊派遣を正当化するとともに、沖縄県警は年明け早々にも当面県外からの特別出向により警官一〇〇人の増員方針を明らかにした。こうして「土人」「シナ人」発言を契機に安倍官邸は一層沖縄に対する露骨な警察支配を強めているのだ。安倍の暴力支配の強化に対抗する闘争戦線をしっかりと固めなければならない。

10.28

沖縄県議会、警察
の暴言に抗議決議

 沖縄県議会は一〇月二八日、「ぼけ、土人が」「黙れ、シナ人」発言にたいする抗議決議を採択した。県政与党、中立会派の賛成多数で採択された決議は、発言が「沖縄県民の誇りと尊厳を踏みにじり県民の心に癒やしがたい深い傷を与えた」と非難し、「市民および県民の生命および尊厳を守る立場から、沖縄に派遣されている機動隊員らによる沖縄県民に対する侮辱発言に厳重に抗議するとともに、このようなことが繰り返されないよう強く要請する」としている。決議のあて先は県公安委員長と県警本部長で、一一月一〇日に直接抗議に出向く予定だという。
沖縄自民党は決議に反対した。彼らは、「土人・シナ人発言は県民への差別発言ではない」「反対派の暴言も悪質」「反対運動が北部訓練場の返還を阻止している」などと主張し、「警察官の心身のケア」を求めた。今回、県政与党が野党・中立会派を含めた全会一致を優先して「機動隊撤退」を決議文案から削除した結果がこれだ。公明・維新は賛成したが、自民はあくまで反対した。沖縄自民党は安倍の先兵だ。彼らは沖縄の運動の分断を図り足を引っ張ることだけを考えている。
沖縄に機動隊を派遣している東京、神奈川、大阪、福岡、愛知など各都府県で「機動隊引き上げ」の取り組みが進められている中で、沖縄県議会が「県外機動隊の撤退」を決議すれば、明確な運動の結集軸になり得ていただろう。残念な結果だ。

10.17

沖縄県は県外機動隊
への公金支出やめろ


沖縄県は県外機動隊へ燃料代など公金支出をやめよ!
高江ヘリパッド建設工事の警護のために、今年七月から県外警察機動隊五〇〇人以上が沖縄に派遣されている。すでに三カ月以上経つが、これら県外機動隊は毎日早朝から高江の警備にあたる。彼らがいなければ工事は不可能だ。彼らは県民の基地反対の民意を一切顧みず高江ヘリパッド工事をがむしゃらに遂行する日本政府の暴力の道具である。にもかかわらず、かれら県外からの警察機動隊の活動費(燃料費、高速道路通行料、車両の修理代)を沖縄県が負担している。沖縄平和市民連絡会を中心としてこの間、これは警察法に違反した違法・不当な公金の支出だという住民監査請求書への賛同者を募り、一〇月一七日午後、県庁に提出した。請求人は三八九人になった。沖縄県公安委員会は翁長県政の行政機関の一つとして、民意に従い、県外機動隊の派遣要請を取り消すべきだ。
また同日、東京の市民グループも、東京都の警視庁職員が沖縄に派遣されたことを問題として住民監査請求を行った。請求人は三一四人、弁護士ら六二人も代理人となっている。派遣先の沖縄、派遣元の東京都の市民らの連帯した取り組みだ。東京の請求人には、高畑勲さん(アニメーション映画監督)、ジャン・ユンカーマンさん(映画監督)、上村英明恵泉女学園大教授、小森陽一東京大大学院教授、森住卓さん(写真家)、大仲尊さん(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック共同代表)らが名前を連ねている。神奈川や福岡でも同様の取り組みが進んでいる。
沖縄県監査委員あての「沖縄県職員措置請求書」と題された監査請求は次のような内容だ。

〈請求の趣旨〉

沖縄県知事に対し、次の勧告を行うよう求める。
1.沖縄県知事は、北部訓練場ヘリコプター着陸帯移設事業に伴う各種警備事業に関して、沖縄県外警察職員が行う活動にかかる一切の公金の支出を禁止すること。
2.本年七月以後、上記活動のための公金を支出した沖縄県警察本部長もしくは同支出につき決裁を行った職員に対して、損害賠償請求もしくは損害賠償命令を行うこと。
3.沖縄県公安委員会は、本年七月に出した県外職員の派遣を求める援助要求を撤回し、今後、新たな援助要求を行わないこと。
また、県外警察職員に対する沖縄県の公金支出が違法もしくは不当である理由を以下のように述べている。

〈県外警察職員に対する沖縄県の公金支出が違法・不当である理由(まとめ)〉

1.違法な人格権侵害を惹起する施設の建設事業の警備活動に対する違法もしくは不当な支出であること
二カ所のヘリパッドが米軍に先行提供され、オスプレイの訓練の急増で住民に深刻な被害を与えている。四カ所のオスプレイパッドが完成すれば、高江住民らへの睡眠妨害、生活妨害、健康被害など人格権の侵害は激化する。このような警備活動のために県民の貴重な税金が使われることは断じて許されない。
2.警察法違反の活動に対する違法・不当な支出であること
県外機動隊員らは、@違法な車両検問、AN1ゲート前の車両の不法な撤去、Bゲート前テントなどを防衛局職員が持ち去ることを助け、C勝手に県道を封鎖、D抗議する県民に暴力を振るい負傷させ、E県民を不当に逮捕、F警察車両などの囲いに強制排除した県民を長時間拘束、G取材の新聞記者まで拘束、H工事作業員を警察車両で運搬、などの行為を行っている。これらの行為は警察法2条2項が定める「不遍不党且つ公正中立」を捨て去り、防衛局の便宜を図り、市民の基本的人権を制限するものだ。
なお、沖縄県公安委員会からの援助要求の前日(七月一一日)、警察庁は六都府県警察本部長あてに「沖縄県公安委員会から要請が行われる予定である。派遣態勢に誤りなきを期されたい」との通知を行った。沖縄県公安委員会は七月一二日に援助要求を決定したというが会議は行われておらず、議事録も存在しない。
3.県知事、県議会の方針・決議に反する不当な支出であること
翁長知事は防衛局の工事強行に「到底容認できない」と批判し、安慶田副知事も「誠に遺憾」と抗議している。また、県議会は七月二一日、オスプレイパッド建設の中止を求める意見書を可決した。ヘリパッド反対は県民の総意と言えるもので、警察が知事方針、議会決議に反する活動を行うことは許されない。



もどる

Back