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    かけはし2016.年11月28日号

柏崎市長選 脱原発への巻き戻しを!


11.20「超原発」の再稼働容認派が当選

出口調査では反対派が上回る

結果を検証し、継続的な挑戦を

「ねじれ」をどう見るか


一一月二〇日、「再稼働慎重派」と評された会田洋市長の引退を受けて行われた柏崎市長選で、「条件付き(超原発)再稼働容認派」の元市議・桜井雅浩候補が「原発を再稼働させない柏崎刈羽の会」の元市職員・竹内英子(えいこ)候補を破り当選した。先月の県知事選での柏崎市(投票率五九%)の得票は、米山候補が森候補を約三、六〇〇票下回った。今回の市長選(投票率六四%)では票差は一三、七六一に広がった。

柏崎市長選開票結果
桜井雅浩 三〇、二二〇票
竹内英子 一六、四五九票

 一方、新潟日報の出口調査によれば、柏崎刈羽原発再稼働に「反対」「どちらかといえば反対」との回答が計四五・四%で、「賛成」「どちらかといえば賛成」の計三六・八%を上回り、再稼働に反対の意思表示をした市民が多数派であることが明らかとなった。
新潟日報の分析は次のように続く。
――桜井氏は再稼働に肯定的な人から圧倒的な支持を集めた上に、否定的な人からも一定の票を得た。「どちらかといえば反対」と答えた人のうち、六割近くが桜井氏に投票。「反対」とした人も約二割が桜井氏に投じた。
一〇月の知事選で「現状では再稼働は認められない」と主張して当選した米山隆一知事に投じた人のうち、市長選で竹内氏を選んだ人は五八・三%いたが、桜井氏に投票した人も四一・七%に上った。
四年前の前回市長選で当選した現職の会田洋氏に投じた人の六一・五%、落選した西川孝純氏に入れた人の八六・四%が、それぞれ桜井氏を選択。保守票がおおむね一本化されたことも桜井氏を押し上げた――(一一月二〇日)
一五日に告示された刈羽村長選では、現職の品田宏夫氏が無投票で五選を決めている。東京電力柏崎刈羽原発の再稼働をめぐって、米山県政との「ねじれ」がこんご鮮明となるのだろうか。

容認派の「オール柏崎」

 現職の会田市長は二〇〇二年に現職の西川正純市長と、新人で当時四二才の桜井候補を破り初当選した。保守系の分裂選挙のなかで辛勝した。二期目は桜井候補、三期目は西川(さいかわ)正純元市長の弟・良純氏という、保守系との一騎打ちに辛勝してきた。長岡市職員出身の会田氏は、これまで自治労など「革新系」の支援を受けてきた。
会田市長は四期目の出馬が確実視されていたが、この六月に健康上の理由で不出馬を正式に表明、「後継指名はしない」としていた。
今回真っ先に立候補表明をしたのが桜井氏。会田市長は「これまでの市政を基本的に引き継いでやっていただけることであれば」と支持を表明した。新潟日報は市長選告示を前に次のように報じていた。
――二六人の市議のうち、二一人が桜井氏の支持に回る。自民党など保守系市議のほか、原発に反対する革新系市議の一部も支援。原発推進・反対両派による「オール柏崎」(陣営)の態勢で応援する――(一一月一八日)
桜井候補は政党からの推薦は受けず、自民党などの原発推進派と、反対派の一部から支援と連合柏崎地協の支持による選挙を進めた。

福島の女たちも応援

 柏崎刈羽の反原発運動は、泉田前知事が就任いらい進めてきた慎重政策――たとえば田中三彦氏ら批判派が委員に加わる「新潟県原子力発電所の安全管理に関する技術委員会」の設置――を在野から支えることに重心があった。ポスト泉田、ポスト会田の準備がなされていなかったといえるだろう。
再稼働が争点となった県知事選に続く市長選を無投票にさせない。竹内さんは「原発を再稼働させない柏崎刈羽の会」で自身の立候補の決意を明らかとした。共産党と社民党が推薦し、米山選挙を支えた市民グループのメンバーらが竹内選挙を支えた。自由党は「現地の意思を尊重する」として推薦を見送り、県知事選の共闘は実現しなかった。
竹内選挙の応援には、柏崎ゆかりの面々や福島から女たちがかけつけた。柏崎出身の元参議院議員で弁護士の近藤正道さん、静岡市議会議員の松谷清さん、國學院大學教員の菅井益郎さんらが応援演説を繰り返した。
竹内さんは保健師として中越、中越沖地震で設置された仮設住宅を担当した。東日本大震災では、大熊町民の多くが避難する会津若松市の大熊町役場出張所に派遣され、「会田市政の継承」とともに、その体験と再稼働の危険性を訴えた。福島から、大熊町議の木幡ますみさん、原発いらない福島の女たちの黒田節子さんら応援に駆けつけた。またいわき市出身の講談師・神田かおりさんが一一月六日に竹内陣営が開いた集会で講演にかけつけた(柏崎市は男女共同参画をテーマとした「柏崎フォーラム」で二〇日に予定していた神田さんの基調講演を、「特定の候補者を応援した」ことを理由に中止した)。また、前双葉町長の井戸川克隆さんや前国立市長の上原公子さんも宣伝カーに同乗し、竹内さんへの支持を訴えた。

原発事故から二巡目の選挙


選挙では敗れたが、新潟日報の出口調査が示すように、投票行動と争点の再稼働の是非の住民意識との間に大きなギャップがあった。竹内さんが立候補を決意する経緯と政策が多くの柏崎市民に伝わった。一方、「再稼働は県政を見守り、市政では実利を」という投票結果となった。また、刈羽村長選が無投票となり、「柏崎だけが」と思った有権者も多かっただろう。
東日本大震災と福島原発事故から丸五年が経過し、原発現地の選挙も一巡し二巡目に入った。国政では、新潟県知事選を受けた民進党の原発政策の見直しと連合との駆け引きがはじまっている。河野太郎衆議院議員が閣僚から外れ、「原発ゼロの会」での発言を再開している。また、原子力規制委員会の田中委員長の任期の来年秋も迫っている。
新潟県知事選と今回の柏崎市長選をあらためて評価のしなおしを行い、各地での闘いと国政レベルでの巻き返しに向かおう。
(一一月二一日 斉藤浩二)

11.4

JAL不当解雇撤回本社行動

七〇〇人が「職場に戻せ」の訴え

安全運転を危険にさらすな


これまでで最大
規模となった!
一一月四日夕刻、日本航空に解雇撤回の決断を促そうと日本航空解雇撤回原告団と国民支援共闘が呼びかけた、JAL本社前行動が行われた。かけつけた労働者、市民は近くの公園からデモ行進、到着したJAL本社前は、最終的に七〇〇人以上になった参加者と多数ののぼり旗で埋められ、行動はこれまでで最大規模となった。
本社前では、国民支援共闘代表の糸谷欽一郎全国港湾委員長の、港湾の現場では海運不況の中でも解雇なしの経営をさせている、年間二〇〇〇億円もの営業利益を出している日航に被解雇者を戻せない理由はない、一刻も早く職場に戻すべきとの主催者あいさつを皮切りに、全労連、全労協、国労の各代表が連帯を表明。さらに日航職場からは、乗員労組の篠崎恵二委員長、CCUの前田環副委員長が、後述の三労組統一要求にも触れながら、絶対安全追求が使命、それを守るためにも社会正義に基づいた決断を会社に求める、と決意表明した。
そしてパイロット原告団の山口宏弥団長、客室乗務員原告団の内田妙子団長が、当該としての決意を表明し、会社は不当労働行為という犯罪行為で強行した解雇に責任を取らなければならない、職場に戻す決断を徹底して迫る、と力を込めた。本社前には、これらの訴えに応える参加者の大きなシュプレヒコールが何回もこだました。

不当性は明白
整理解雇強行
JAL原告団に結集する被解雇者は、不当解雇を容認した不当判決確定にも屈することなく、不当解雇はあくまで認めない、それを許せば解雇自由社会になる、と闘いを続けてきた。
経営上は解雇の必要はなかった、と法廷でも述べた稲盛元会長の弁を上げるまでもなく、この整理解雇の不当性はまったく明らかだった。そしてこの九月、この解雇強行の過程で乗員労組の対抗行動を妨害した当時の管財人(弁護士)の行為を不当労働行為と断罪した都労委命令が、司法の場でも最終確定した。
日航にこのようにして不法な形で行われた解雇を正当だと居直らせるわけにはいかない。まして、この不当な仕打ちを見せしめにした社内の締め付け、利益優先の押しつけは、乗員や客室乗務員の相次ぐ大量退社を招き、地上職含めた深刻な人員不足を生み出している。そしてこれがまた過重労働へ、さらなる退職へ、という悪循環となる。それが安全運行というもっとも肝心な機能を危険にさらすことは言うまでもない。
日航は解雇撤回の決断をせよ、ベテランの乗務員、客室乗務員である被解雇者を職場に戻せ、この要求はまさに正当かつ合理的なものとなっている。こうして日本航空内三労組(日航機長組合、日航乗員組合、日航キャビンクルーユニオン〈CCU〉)は統一要求で結束することになった。それは、被解雇者の希望者全員の職場復帰、希望退職者・特別早期退職者の再雇用、労資関係の正常化、などを柱にするものだ。
この日の本社前行動は、日航内のこの動きとつながり、それをまさに包み込む行動ともなった。JAL不当解雇撤回の闘争は一層の力を増して続いている。安倍政権が狙う労働規制の総解体をはね返す闘いの重要な突破口としても、この不当解雇を多くの力を結集して撤回させよう。 (神谷) 



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