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    かけはし2016.年12月5日号

「やんばるの森をこわすな」


沖縄報告:11月27日

高江はいよいよ正念場だ

沖縄 K・S

11.26

土曜集中行動に2000人

N1ゲート前で資材搬入阻止

2時間にわたり工事をストップ

 土曜集中行動の一一月二六日は、N1ゲート前で二〇〇人が座り込み、砕石・資材の搬入を阻止した。県内、全国各地からの参加者に加えて、韓国インチョンの市民団体の一〇人も参加し、「米軍基地をなくしアジアの平和を実現しよう」とアピールした。他方、N1裏テントに集まった山中行動チーム・高江ウッドの六〇人余りは二か所のヘリパッドがつながっているN1の建設現場に入り、工事の強行に抗議し「森をこわすな」と訴えた。(ブログ「海鳴りの島から」に当日の報告と写真・動画が載っているのでご覧下さい)

工事現場各所で
抗議行動を展開


起伏の多い亜熱帯の森を四〇〜五〇分歩くとN1(A、B)のヘリパッド建設現場に到着した。新聞報道によるとN1のヘリパッドはほぼ完成したと言われていたが、われわれが目にした現場は、クレーンやユンボ、トラックが忙しく作業する雑然とした工事中の姿だった。直径七五mの周辺部分はユンボが依然として土を均している。一か所のヘリパッドでは数メートルの落ち込みもある。鉄筋がむき出しのまま積まれ、土砂が袋から流れ出ている。一度張られた周りの張芝は大部分はがされ、法面(のりめん)の補強工事をしている。聞くところによると、米軍からのクレームで再工事になったらしい。
防衛局・警察は我われのN1への登場をまったく予期していず大いに面食らった。工事現場に入った我われは、ヘリパッド建設現場を堂々と自由に歩き回り、現場の様子を写真やビデオに収めながら監視行動を行うとともに、作業する作業員たちに森を守り作業を止めるよう訴えた。意地になったように仕事を続ける作業員もいるが、全体的には作業が止まった。

慌て狼狽する
防衛局と機動隊


その場にいた数人の警察官は大声で叫ぶ。「この場に防衛局職員は一人しかいませんが、その人が言っています。危ないですから、この場所から出て今来た道を帰ってください」我われは応える。「危ないのはヘリパッド工事だ。工事を止めろ。工事を止めたら帰るよ」一人しかいない防衛局職員は大慌てでわれわれと作業員の間に入り、「ここは提供施設です。提供施設に入ることはできません。直ちに出て行ってください」と叫ぶが、当然ながら効果はない。工事現場のあちこちに散らばってユンボやトラックの前で、あるいは作業員に向かって「やんばるの森をこわすな」「ヘリパッド工事を止めろ」のプラカードを掲げて行動するわれわれを誰も止めることができない。作業員は知らんふりをしている。
三〇分以上たって機動隊数一〇人が駆け付けた。あちこちに散らばって抗議を続けているわれわれを現場の片隅に押し込めるころには昼休みになっていた。こうして我々が自主的に撤退するまで約二時間にわたって現場は大きく混乱し工事は止まった。やったぞ!工事を止めたぞ!現場でおにぎりを食べながらわれわれは勝利の歌を歌い、雄叫びを上げた。そして二手に分かれてその場から撤退した。一つのグループはもと来た道をN1裏テントへ向かい、もう一つのグループは県道七〇号線のN1オモテへと向かった。N1オモテへは約二kmの道のりだ。防衛局がつくった工事用道路を通りN1ゲート脇から県道七〇号線に出ると、ゲート前の座り込み参加者の嵐のような拍手が迎えた。

 12月20日の返還
式典を中止せよ


高江ウッドの山中行動チームが報告した。「短い時間だが、N1の工事を止めた。工事は今やり直しをしている。先週まで芝が全部張られていたが、ヘリパッドの周りの大部分がはがされ補強工事を行っている。こんなことは前代未聞だ。まだ時間がかかる。一二月二〇日の返還式典はできないし、させない」。
高江はいよいよ正念場だ。県内、全国各地から力の限り高江に結集しよう。N1に集まろう。

平和市民連絡会が
那覇署前で激励行動

 平和市民連絡会のバスは高江から県庁前への帰り道に那覇警察署前に停車し、勾留中の仲間に対する激励行動を行なった。「仲間を返せ」「今すぐ返せ」「弾圧ヤメロ」などのコールと「仲間よ頑張れ」「われわれがついているぞ」「高江でともに闘おう」などのシュプレヒコールを上げた。われわれの声に驚いた警察官七〜八人が慌てて出てくるがただ見ているだけだった。
現在、八月二五日の「防衛局職員に対する暴行事件」を口実に六人が不当に逮捕・勾留、さらに起訴されて県内各地の警察署に分散勾留されている。名護署に二人、那覇署、浦添署、豊見城署、与那原署に各一人ずつ、計六人である。山城博治議長の勾留は今日で四〇日を超えた。この事件は防衛局と警察のでっちあげだ。ゲート前の抗議行動に対し日常的に暴力を振るっているのは警察機動隊の方である。だが安倍官邸は高江の闘いが「一部の左翼暴力集団」によるものとの印象操作を行い、県民的支持を背景にした高江ヘリパッド反対闘争の切り崩しを行なおうとしている。現地闘争の強化とともに六人の釈放を勝ち取ろう。
平和市民連絡会は年内、月、水、土の週三日、県庁前、朝五時出発のバスを無料で運行することを決めた。各地の島ぐるみも取り組みを強めている。この一か月、すべての力を高江に集中しよう。

11・23 N1ゲート前
とメインゲート両方で


水曜集中行動の一一月二三日は、N1ゲート前の座り込みに三〇〇人、メインゲートに至る国道七〇号線上での抗議行動に数十人が参加して行われた。N1ゲートへの砕石・資材の搬入はなかったが、道路上の抗議行動の中、パトカーや警察車両に前後を警備された砕石ダンプ一二台がメインゲートを二往復した。
N1ゲート前の座り込みには沖縄各地の島ぐるみだけでなく、神奈川、東京、名古屋、福岡、仙台、奈良、埼玉、大阪、京都など全国各地から集まった多数のグループ、個人が参加した。北海道から参加したキリスト者のグループ一四人は「『標的の村』や『森は泣いている』のメッセージを受けて今回参加した」と述べて、We shall overcome を力強く歌った。福岡から参加の五人は「福岡では毎週火曜日行動を一年間五二回行なった。安保法廃案、新基地NO!を最後まで闘い抜く」と語った。
他方、メインゲートに至る国道七〇号線上での抗議行動は、雨模様の天気により山中行動が中止になったN1裏の高江ウッドチームを中心として早朝から行われた。数百メートルにわたって国道の両側に車両を止め、バラバラに行動する抗議団は、警察機動隊のマンツーマン方式での張り付きをかいくぐり執拗に抗議行動を展開した。午前から昼過ぎにかけてダンプの行列は二往復にとどまった。抗議行動のささやかな成果だ。

県監査委員会で
3人が意見陳述


県民三八九人は一〇月一七日、県監査委員会に対し@県外機動隊への一切の県の公金の支出の禁止、A県公安委員会による県外警察職員の派遣要請の撤回を求めた「沖縄県職員措置請求書」を提出した。県監査委員会は一一月一四日受理し、一一月二二日午後意見陳述会が開かれた。請求人を代表して、真喜志好一さん、儀保昇さん、北上田毅さんの三人が意見を述べた。昼前から傍聴希望の多数の人々が集まり、くじ引きの結果二〇人が傍聴することができた。
意見陳述で真喜志さんは、「一九九六年のSACO(沖縄に関する特別行動委員会)合意は基地の整理縮小、沖縄の負担軽減を掲げていたが、不要な基地を返還するだけで、内実は米軍基地の近代化、合理化だった。オスプレイのための高江ヘリパッド建設は、県民意思と翁長知事の公約に反し不当だ」と述べた。
儀保さんは、「ヘリパッドいらない住民の会で当初から活動している。とくにこの春の女性暴行殺人事件以来、もうこれ以上の米軍基地は造らせないという思いだ。高江の座り込み現場で住民が警察機動隊から日常的にどんな暴力を受けているか。不法な道路封鎖、ケガ、拘束、警察車両の排気ガス、ロープでの拘束、ひき逃げ、不当逮捕、言葉の暴力など。警察は黒服の暴力集団だ。県民の税金の使用を止めてほしい。監査委員の皆さんは高江の現場に来ていただきたい」と訴えた。
北上田さんは、@七月一二日沖縄県公安委員会から六都府県に警察職員の援助要請がされる前に、警察庁から援助要請の依頼文が出されたという手続き上の問題、A八月までガソリン代、修理代として約一〇〇〇万円が計上されているので、年末までに四〇〇〇万円に達するだろう。翁長知事は工事の中止を要請し、県議会も抗議決議をあげている。警察は県知事や県議会の意見に従うべきで、防衛局の工事に加担すべきではない、Bダンプはほとんど違反車両、C不偏不党、公平中立との警察法に違反している、と主張した。
それに対し天方徹公安委員と重久真毅県警警備部長が陳述したが、まともに答えようとするものではなかった。(詳しくは、ブログ「チョイさんの沖縄日記」一一・二二付をご覧ください)
結局のところ沖縄側の主体のあり方が問われている。安倍官邸の手先のような県公安委員会がまかり通っているという現実をいかに打ち破るか。警察行政を民主的な自治警察に変えることも含めた、県政全体の自治の確立が必要だ。

11.21

最高裁は不当な
高裁判決を破棄せよ

 一一月二一日昼、裁判所前の城岳公園で「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」主催による「最高裁に中立・公正な審理を求める集会」が開かれ、数百人が集まった。国の言い分だけをなぞった高裁判決が九月に出されたのに対し、沖縄県は直ちに上告し、現在最高裁で受付審理が進行中である。まもなく結果が明らかにされると言われる中で、県民の声を今一度上げる目的で、この日の集会が開かれた。
ヘリ基地反対協議会をはじめ、「翁長知事と共に辺野古新基地建設ストップ!安里・大道・松川島ぐるみの会」、「沖縄建白書を実現し未来を拓く国頭村島ぐるみ会議」など各地の市民団体が結集した。
稲嶺進名護市長(オール沖縄会議共同代表)は「高裁判決はとんでもない裏切り。沖縄が歴史的に受けてきた差別を司法の場でも受けているということだ。国と地方政府との初めての訴訟、前例のない裁判だ。最高裁にはもっと議論を尽くし、中立・公正な立場からの判断を期待する」と訴えた。照屋寛徳衆議院議員は「我が国の憲法の三権分立は安倍政権の下でないがしろにされている。最高裁に対し、早く上告を受け付け公正な裁判を行うことを要求するとともに、現地での闘いを強めて行こう」と述べた。
そのほか、玉城デニー、仲里利信、糸数慶子の各国会議員、県議会会派「おきなわ」・市議会会派「新風会」などが、口々に高裁判決を非難し沖縄の声の尊重を求める発言を続けた。時おり大粒の雨が降るあいにくの天気をものともせず、参加者は拍手と指笛で発言に応え、ガンバロウ三唱で集会の幕を閉じた。

11.25

首相官邸は工事の
既成事実化を狙う


一一月二五日、辺野古代執行訴訟の和解に基づく県と政府との作業部会が官邸で開かれた。その結果、政府が求めていたキャンプ・シュワブ陸上部分の米軍兵舎二棟の工事再開について、沖縄県は「現地で確認したところ、工事は老朽化した隊舎を建て替えるもの。埋め立て工事と直接関係がないと判断した」(安慶田光男副知事)と述べ、容認する考えを明らかにした。政府は年内にも工事を再開するという。
老朽化した米軍隊舎の建て替えは、埋め立て工事と直接関係がないかもしれないが、辺野古新基地建設全体の中ではその一部であり大いに関係がある。現場からは「滑走路建設と連動するもの」「理解できない」「阻止すべき」などの声が上がった。県は「認めたのは隊舎だけ。ほかは指一本触らせない」と、コンクリートプラントなどは決して認めないと強調する。しかし、政府の狙いは辺野古での工事の既成事実化だ。どんな工事であれ辺野古で工事をすること自体が現在の目的なのである。工事の既成事実化を通して和解に至った現在の県と国との力関係を逆転させようとしているのだ。


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