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    かけはし2016.年12月12日号

「私たちが望む社会は何か」


87・97体制を越えて新時代を開こう

ジャン・ヒェギョン(社会変革労働者党・機関紙委員会)



  「パク・クネは即時退陣しろ」という民衆の怒りは毎週土曜日に一〇〇万を超す決起となって表れている。野党は大統領の弾劾を議会で議決し、弾劾裁判にかけて退陣させるという議会制の枠の中での運動に限定している。闘う労働者や政党は87年の形式的民主主義体制と97年の犠牲を民衆に押しつけた新自由主義政策を突破し、政府と財閥支配を打ち破ろうとし、その方向をめぐり論議を開始している。(「かけはし」編集部)


 「朴槿恵(パク・クネ)退陣」のろうそくが全国を明らかにしている。「風が吹いたらろうそくはいつか消える」という誰かの大言壮語と異なり、ろうそくはむしろさらに広がっている。すでにろうそくは誰も否定できない政局の核に浮上した。ますます拡大されたろうそくは朴槿恵を窮地に追い込んだ。
 「挙国中立内閣」とか「大統領の二線後退」とか言う野党の政治的手口も通り抜けてしまった。野党や与党セヌリ党の非朴系まで大統領弾劾に乗り出さざるを得なくなっている。ろうそく闘争はその誰も無視できない核心政治に浮上した。

民主主義と暮らしの総体的危機

 このようなろうそくの動力はどこから来るのか? ろうそく闘争の様相でこれを見極めることができる。
まず、誰が参加しているかをみよう。今回のろうそく闘争は、世代、性別、階級・階層、地域、政治的性向、社会の諸部門を併せた全民衆的・全国民的様相を帯びている。ろうそくが全国に、各界各層に広がる一方、その規模もますます大きくなっているのはそのような理由からだ。
第二に、ろうそくの要求を見れば、この闘争は一貫して「朴槿恵退陣」をそれも「即刻退陣」を叫んでいる。「これが国か」という掛け声に表れるように、闘争に参加した大衆たちは国家権力の私物化と「大統領が犯罪集団の操り人形」ということについて共通的に憤っており、この我慢できない怒りが朴槿恵退陣闘争の動力になっている。
ところで、この怒りの背景には「民主主義の危機」と「人生の危機」に対する絶望が渦巻いている。ろうそく闘争が始まる前から大衆は八七年六月抗争後に作られた「韓国民主主義体制(87体制)」の後退に憤怒した。「ヘルチョソン」という言葉が流行したように、一九九七年IMF通貨危機以降に本格化された「新自由主義体制」の下で生活の危機に絶望した。朴槿恵(パク・クネ)政府の言論統制、歴史教科書国定化の強行、ベク・ナムキ農民殺人や仮面デモのIS比喩、世論に鈍感な政治、サードの配置や慰安婦交渉の強行などを見て、すでに大衆は、独裁政治の亡霊が復活することを見た。
小学校から強要された殺伐な競争体制が社会生活にまでつながる社会、競争体制で生き残るために、いくらあがいても予備の失業者に破産に非正規職に解雇者に増える家計借金で生存の崖っぷちに立たされる人生。これに対抗する闘争に乗り出せば、厳しい弾圧だけが加えられる社会。セオル号やメルス事態に対する政府の対応過程で鮮明に明らかになった「国家の役割と機能」に対する強い疑念と絶望。
つまり、過去独裁時代に歴史を向けるような朴槿恵政権の反動的政治と新自由主義の全面化政策の結合は韓国社会と労働者、民衆の生活を総体的危機に陥れ、大衆の危機意識と絶望感は朴槿惠とチェ・スンシル・ゲートを機に怒りとして爆発し、全国民的抗争に火が燃えあがっているのだ。

労働者、民衆直接政治へ


したがって、朴槿恵退陣闘争が進むべき道は明らかだ。朴槿恵を退陣させる峠を越えなければならないが、越えなければならない大きな山はまだある。それは八七体制の限界と九七体制の問題点を克服していくことだ。一九八七年六月抗争は、軍部独裁統治を終息させた歴史的闘争だった。
しかし、この闘争は、全斗煥(チョン・ドゥファン)政権の打倒を実現できず六・二九宣言で終結されることにより、朴正熙(パク・チョンヒ)―全斗煥政権に賦役した者たちである守旧保守政治勢力の完全な清算に出ていくことができなかった。そしてこのような限界は一七代大統領選挙で朴槿恵が当選する一因となった。
大統領直選制という手続き的・形式的民主主義は確保したが、労働者、民衆が政治の主人になり、彼らの人間的な生を保障する真の民主主義体制に出ることはできなかった。このような限界は八七体制が九七年IMF通貨危機前後に全面化された新自由主義攻勢にいかに無力なものかを見ればよく表れている。
周知するように、金泳三(キム・ヨンサム)政府から本格化された新自由主義はIMF通貨危機を経て、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権を経て、韓国社会に全面化された。軍部独裁時代、いわゆる民主闘士と呼ばれた両大統領と彼らの政党は形式的・手続き的民主主義を見捨てなかったかも知れないが、「資本のための、資本による」労働者、民衆の搾取と収奪体制を精力的に推し進めた。
つまり新自由主義体制である九七体制の完成は八七年以前の反体制派である自由主義政治勢力によって完成された。 李明博(イ・ミョンバク)、朴槿惠政権はこれを受け継いで、これを一層露骨に推進しただけだ。
したがって、退陣闘争に集まった我々は八七体制の限界を越えなければならない。 朴槿恵退陣闘争が現憲法体制をじゅうりんしたことに対する糾弾に、つまり「八七体制守護」レベルに限定されてはならない。また、九七体制まで克服しなければならない。 資本と多く持てる者たちにはより多くの富と権力を、労働者とすべての生産勤労大衆には生存の危機をもたらす九七体制を超えない限り、朴槿恵を退陣させても、我々の暮らしは改善されない。
したがって、現闘争は八七体制と九七体制を越え、新たな時代を築いていく歴史的な出発点にならなければならない。
手続き的民主主義を超えて、自らが住んでいる職場と生活空間で実際の民主主義が作動する社会、すべての社会構成員が人間的な人生を享受できる実質的な民主主義が作動する社会に進む時だ。このため与野党政界に任せないで、私たちが直接「私たちが望む社会が何か」について直接討論して、目標を明らかにし、要求して、これを勝ち取るために闘わなければならない。
八七年体制を乗り越えて九七年体制を終息させ、労働者、民衆の新時代を開いていかなければならない。これが現闘争が担保していかなければならない時代的要請であり、課題だ。

野党3党の「秩序ある退陣論」反対

朴槿恵即刻退陣を

民主労総がストライキで決起

 「朴槿恵直ちに退陣」以外のすべての要求は、労働者、民衆に対する欺瞞だ。広場はたった一日も朴槿恵政権を容認できないと叫んできた。すべての政権の共犯らを審判と叫んできた。総ストで立ち上がった労働現場の要求はやはり朴槿恵直ちに辞任と朴槿恵政策の廃棄、すぐに即刻退陣を通じた朴槿恵体制の清算だ。
 揺らぐことなく前進した広場と違って、保守野党は最初から最後まで妨害要素だっただけだ。広場は最初から朴槿恵即刻退陣を叫び、保守野党は、当初「三人組退出」、「挙国中立内閣」、「秩序ある退陣」、「非朴系との協力を通じた弾劾」を叫んできた。事態の最初からこの妨害を、もう一度迷うことなく克服すれば済むだけだ。
 労働者、民衆の要求は「即刻退陣」だ。野党三党が先に提案した「秩序ある退陣」の本質は、朴槿恵の名誉ある退陣に過ぎない。セヌリ党との協議を通じて、憲法裁に命運を任せた弾劾はやはり朴槿恵のない朴槿恵の体制を維持しようという言葉に過ぎない。
 もう何回目か? 広場と労働現場はジャケットが、揺れない。このすべての妨害は十分に可能な現実の勝利を精神の勝利と交換するという提案に過ぎない。私たちは、朴槿恵なき朴槿惠体制を容認しない。民衆は朝三暮四に縁がない。
 連日秩序回復を叫ぶ支配階級に対する韓国民の答えは、朴槿恵直ちに退陣とともに資本独裁を終息させる労働者総ストと民衆総決起だ。ろうそくを松明に代えて、動揺なく前進しよう。

 2016年12月1日
社会変革労働者党

進歩変革政党が緊急座談会

新自由主義攻勢で累積された矛盾が爆発。労働者、民衆中心の政治体制に変えるために闘争を拡大・強化して民衆抗争へ進もう。民衆総ストと反財閥闘争に力を結集せよ

保守野党との関係・弾劾については立場の相異再確認

 最近、「朴槿恵(パク・クネ)政権退陣の非常国民行動(退陣行動)」運営委員会で、保守野党との関係の問題をめぐる激論が起こった。
  進歩変革の政党内の見解の差は非常に大きかった。そして団体、部門、地域を代表する二四人の常任運営委員が任命される過程で、政党の代表性は否定された。朴槿恵政権退陣を叫んで二〇〇万人が街頭デモに出ている民衆抗争の局面で進歩変革政党が置かれている状況だ。それで「変革政治」は、パク・クネ政権退陣闘争をめぐった政党間の差異を確認して政党の役割を議論するために緊急座談会を準備した。
 提案した六つの進歩変革政党の中で労働党、民衆連合党、民衆の夢、社会変革労働者党など四つの政党が参加して七つのテーマを三時間にわたって討論した。
 退陣闘争が従来の政治構図の限界と新自由主義攻勢で累積された矛盾の爆発という点については一致した見方だった。そして従来の古い政治体制を労働者、民衆中心の政治体制に転換しなければならず、これに向けて闘争をさらに拡大・強化して民衆抗争に進まなければならないということでも概ね一致した。
 一方、保守野党との関係、既存政治勢力が主導している弾劾については立場の違いが再確認された。この差はここ数年間、持続された野党連帯と無関係ではないようで、政権退陣後の大統領選挙の対応や政治体制とも関連したものだった。
 このような違いの中でも進歩変革政党の威力的な民衆ゼネスト組織と反財閥闘争の拡大強化に力を結集しようという提案が同意された。この同意が実践されることを期待する。(座談会の詳しい内容は社会変革労働者党機関紙「変革政治」35号に掲載されている)

社会変革労働者党




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