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    かけはし2018年5月21日号

両政府に依存しない民衆の声を


何としても韓半島和平体制の構築へ

チャン・ヒェギョン(京畿) 


  韓半島情勢が揺れ動いている。戦争危機の暗雲が漂った昨年と違って、韓半島の緊張が緩和される兆しが現れている。北朝鮮金正恩(キム・ジョンウン)の韓半島非核化の意志表明、4月27日、南北首脳会談、5月頃、歴史上初の米朝首脳会談が予定されている。このような流れがさらに激化した緊張に向けた一時的休止期で終わるのか、でなければ韓半島平和体制構築の契機になるのかはまだ分からない。だから労働者、民衆は現在の流動的な情勢が韓半島和平体制の構築に確実につながるように対応しなければならない。そのためには何よりも北朝鮮の核問題に対する歪曲された認識と韓米同盟一辺倒意識から脱しなければならない。

問題は北朝鮮の核だけか?


韓国社会の主流的認識は、核と大陸間弾道ミサイルICBM開発のような北朝鮮の好戦性が韓半島の戦争危機をもたらすというのものだ。しかし、これまで『変革政治』で何度も明らかにしてきたようにこれは本末転倒である。北朝鮮の核武装の一次的原因は米国の対北朝鮮敵視政策だ。核の覇権国としての米国の地位とイラク侵攻のようなアメリカの帝国主義的な行動は、米国と敵対関係を結んでいる北朝鮮の立場から見て、恒常的「体制脅威要因」になるしかない。さらに、94年の米朝枠組み合意から2007年の9・19共同声明の履行に至るまで、北朝鮮の核問題解決が難関にぶつかったのは、主流マスコミの報道のように北朝鮮の約束不履行のためではなく、米国の約束不履行のためだった。すなわち、米国は北東アジアにおける政治・軍事的覇権を維持して米軍需資本の利潤のために北朝鮮核問題を解決するよりは、悪意的に放置してきながらサード配置と韓米日軍事同盟を構築してきた。
北朝鮮の核武装の根本原因が米国の対北朝鮮敵対政策だというのは金正恩が非核化の前提条件として、北朝鮮体制に対する安全保障を掲げたことでもよく表れている。これは米国による体制の安定が保証されなければ、北朝鮮は核を放棄しないという点を示唆し、核廃棄は米国の対北朝鮮敵対政策の廃止と同時並行しなければならないことを意味する。
北朝鮮の好戦性という歪曲された認識は北朝鮮の核だけが韓半島の戦争危機をエスカレートさせるという認識につながる。しかし、韓半島での戦争は米国の核問題のために起こる可能性もある。1990年代序盤、韓国内で米戦術核は撤収したが韓国は米国の核の傘の下におり、韓米政府は北朝鮮に対する先制核攻撃を包含する韓米合同軍事演習を毎年行っている。さらに、米国は世界で唯一核兵器を実際の戦争で使用した国家だ。したがって北朝鮮の核保有だけでなく、韓米連合軍の核戦争演習も韓半島の核戦争の危険性を高めているという点を認識しなければならない。
これは何を物語っているのか? 北朝鮮核問題の解決で北朝鮮の核だけを問題視しながら、米国の対北朝鮮敵対政策と帝国主義的覇権政策を問題視しなければ、北朝鮮核問題は解決されることはできず韓半島に平和も来ないことを意味する。

米覇権温存路線では和平不可能


韓半島情勢が緊張緩和の局面に流れると国内の反共的な保守勢力は悩んだ。かれらは、南北、米朝首脳会談開催を不十分だと批判し、北朝鮮が核を放棄する可能性がなく北朝鮮が核を放棄するまで強力な圧迫と制裁を加えなければならないと主張する。北朝鮮核会談が失敗する場合には、軍事攻撃が唯一の答えだと主張する。北朝鮮に対する圧力強化や先制軍事攻撃を通じて北朝鮮の崩壊を図る彼らは自分たちの政治的信念と立場のために、韓半島を戦争状況に追いやろうとする最も反平和的かつ反民衆的勢力だ。
さらに、かれらは「韓半島非核化」が韓国に対する米国の核の傘廃棄までを意味しうるとし、韓半島非核化ではなく、「北朝鮮の核廃棄(または北の非核化)」という用語を使わなければならないと主張する。停戦協定が和平協定に変えられても在韓米軍撤退は困ると言っている。最近の対話局面が核の傘を含む韓米同盟の解体と平和協定締結に行くかと思い、これを事前に遮断しているのだ。
文在寅(ムン・ジェイン)政府に象徴される自由主義勢力は、韓半島での戦争に反対して、北朝鮮の崩壊ではなく、対話を通じた北朝鮮核問題の解決と平和協定締結を主張するという点で保守勢力と違いはある。しかし、彼らも保守勢力と同様に韓米同盟を金科玉条に思うという点で問題がある。文在寅政府はこれまで中国が主張したサンジュンダン=雙中斷(北朝鮮の核凍結と、韓米合同軍事演習同時凍結)を拒否してきており、サード・配置を推進して韓米協力の下、北朝鮮に対する制裁と圧迫を強化してきた。これは、今後米国が対北朝鮮強硬策に出た場合、文在寅政府がこれをどれほど防げるかに対する疑念を抱かせる。さらに、情勢が確固たる対話局面に転換しても、文在寅政府が構想する韓半島非核化および和平協定の内容は、北朝鮮の核廃棄を話すだけで、米国の韓国に対する核の傘や韓米同盟は解体しない線上で、言い換えれば、米国の対韓半島の覇権を保証する水準でその中身を埋めていくことを示唆している。これは政府に対する期待や依存では韓半島平和体制がまともに実現できないことを物語っている。

韓半島非核化と平和協定を共に

 韓国労働者、民衆は現情勢ではどう戦うべきか。第1に、核戦争危機を防ぐのは北朝鮮の核廃棄だけでは可能ではなく、米国の韓国に対する核の傘と韓米連合軍の北朝鮮に対する核攻撃訓練も一緒に撤廃しなければならない。つまり、韓半島で核兵器保有だけでなく、輸送(核兵器を搭載した船舶や航空機の寄港と領海・領空通過)まで禁止して、韓半島周辺の核強国である米国、中国などが韓半島に核攻撃をしないようにする完全な意味の韓半島非核化を成し遂げなければならない。
第2に、このためには現在の休戦体制を平和体制に転換させなければならない。北朝鮮の核武装を生んだ原因である北朝鮮とアメリカ間の敵対関係を清算しなければならない。核戦争だけでなく、在来式の戦争危機も防がなければならない。このためアメリカ―北朝鮮間、韓国―北朝鮮間の敵対関係を維持させている53年休戦協定体制を韓国―北朝鮮―アメリカ―中国が協定締結当事者として参加する平和協定体制に変えなければならない。すなわち核廃棄と韓半島平和協定が締結されるよう戦わなければならない。したがって、米国および韓国保守勢力が言う「まず核廃棄後の体制安定の保証」や、運動社会内の一部勢力が言う「核凍結と平和協定締結を交換すること」は問題になる。前者は、北朝鮮に対する無条件的な降伏要求に変わりない、後者は平和協定締結後に北朝鮮の核保有を認めるという点で、過去の北朝鮮の核の擁護論と事実上違わない。
第3に、平和協定締結は韓米同盟の解体にまでつながなければならない。韓米相互防衛条約と在韓米軍駐屯に象徴される韓米同盟が維持される限り、韓半島の緊張は緩和される可能性がない。在韓米軍は単純に韓国防衛用の軍隊ではないためだ。在韓米軍は2000年代以降、「戦略的柔軟性」という名の下に北東アジアの紛争のいたるところに参加する北東アジアの迅速機動軍にすでにその性格が変わった。済州(チェジュ)江亭村海軍基地設置がそうであり、サードが表面上では対北朝鮮防衛用だが、実際には対中国牽制用という点で明らかだ。したがって米国の世界覇権戦略のための下位パートナーとして韓国軍を編入しながら、周辺大国の覇権的利害関係に韓半島を委ねる韓米同盟は維持されてはならない。つまり、韓米相互防衛条約廃棄、在韓米軍の撤収、米国の帝国主義的侵略同盟に協力するすべての協約と条約廃棄を平和協定締結要求と結合させて闘争していかなければならない。韓国―北朝鮮政府に依存せず、韓半島に完全な平和が実現されるよう、労働者、民衆が直接乗り出さなければならない。
(社会変革労働者党「変格政治」63号より)

メーデー128周年世界労働者大会

韓国労働社会を塗り変えよう

全国15地域で5万人

 民主労総は5月1日、世界メーデー128周年を迎え、韓国社会の労働を新しく書き直す基調に▲労働憲法争取▲労働法改正▲、非正規職の撤廃を要求して、200万組合員時代を切り開くという意味を込めて、2018世界労働者大会を午後2時、全国15の地域で同時に開いた。同日、首都圏2万人をはじめ、全国5万人余りの労働者が参加した。

労働者は1つ万国の労働者団結せよ
付近で事前大会を終えた加盟組織の隊伍が市庁広場に合流する中で、労働者が先頭に立って自主的統一を実現しようという内容を盛り込んだ映像、最近、社会のあちこちで行われるミートゥー運動に対する民主労総の組合員らの声を盛り込んだ映像が上映された。
さらに、闘争事業所の代表者たちが映像と肉声で発言した。170日間の高空籠城を続けているバク・ジュンホファインテク支会事務局長は「スターフレックス資本は408日の高空籠城の末に得た約束を紙切れにした。人をむやみに使いすててしまう社会に対抗してパインテク支会の残りの5人が闘争を決意した。新政府で解決されることを期待したが叶えられず、75mの煙突の座り込みに突入した。平等な世の中のために闘う」と話した。
李東根(イ・ドングン)現代ライフ生命支部長は「法的保護も受けられないまま奴隷のように扱かわれた特殊雇用労働者問題を解決しなくてはこの闘争を終わらせることはできない。先立って争った建設、貨物の特別雇用労働の同志たちに感謝する。現代車、起亜車支部同志たちの連帯もありがとう。特殊雇用労働基本権を獲得し、人に、労働者に認められるその日まで40万保険設計士も堂々としっかり一緒に闘う」と明らかにした。
団結と闘争で労働尊重の世の中を獲得すると、組合員たちがインターナショナル歌を斉唱する中、民主労総16の加盟組織の旗が舞台の前に並び、2018世界メーデー大会本大会が始まった。金明煥(キム・ミョンファン)民主労総委員長はあいさつの中で「128周年メーデーを貫通する我々の要求と決意は、韓国社会の労働を塗り替えようということだ。労働が差別を受ける社会、労働基本権が踏みにじられて、労働者が使いすててしまう物として扱われる世の中を正すと言い、他の誰の力でもなく韓国民主労総の力で作っていこう」と話した。
さらに、金明煥委員長は「労働憲法を勝ち取り労働法全面改正で労働を新たに使おう。財閥体制を解体し、財閥を改革して、大韓民国を変えてみよう。明らかになっている三星(サムスン)の労組破壊犯罪、大韓航空の趙氏一家の甲の行動は、財閥資本がどれほど労働を見くびっているかを示してくれている。最も確実な武器は労働組合だ。非正規職の撤廃に向けた第一歩も労働組合だ。もっと多くの労働者を組織して200万、民主労総の時代を繰り上げてみよう。労働の二極化を階級連帯で克服しよう」と話した。
大会の辞に続き、労組弾圧に抵抗して死亡した労働烈士たちの姿、労災死亡、最低賃金、労働憲法、非正規職の正規職への転換など2018年の労働懸案を盛り込んだ映像が上映された。
朴ギョンソク全国障害者差別撤廃連帯代表も車椅子に乗って舞台に上がり、重症障害者も最低賃金が適用されなければならない「労働者」であることを宣言した。朴ギョンソク代表は「民主労総の組合員同志たちの前で障害者も労働者であることを宣言する。重症障害者らは、生産性が落ちるという理由で8時間働いても月30万ウォンも受けられずに、そんな場所もなく、物乞いをしている。 障害者も労働者だ。障害者の完全な地域社会参加と平等な世の中を実現するための闘争に一緒に参加してほしい」と話した。

国際労働組合総連合も民主労総称賛
ベルギー、鉄道労組と米国の戦争反対労組協議会代表団もこの席に参加した。シャロンバーロウ国際労働組合総連合事務総長は、映像で民主労総の組合員らにお祝いを伝えた。彼は「今日は労働条件の改善と社会正義の実現に向けた昨日の闘争を再確認して明日の闘争課題を確認する日だ。金属労組の三星電子サービスの支会が、大きな一歩を踏み出した。 韓国労働者たちの勝利であるだけでなく、国際労働運動の勝利」と話した。
さらに、「韓国労働者たちが先頭に立って国際製造産業別労働組合連盟と三星がグローバルの基本協約を締結することにしよう。貪欲を止めて労働者の団結権、団体交渉権、雇用安定を尊重するようにしよう。全世界2億800万組合員と国際労働組合総連合は力強く闘争する民主労総が誇らしい。ハン・サンギュン元委員長や李ヨンジュ元事務総長が早期に解放されることを願う」と話した。

三星電子サービス支部の直接雇用獲得を祝福
サムスンの労組破壊工作を乗り越えて直接雇用を勝ち取ったラドゥシク金属労組三星電子サービスの代表支会長が舞台の上に上がり、組合員たちの拍手を受けた。「6千件の労組破壊の文書が示すように、労組弾圧に対抗し、結束で勝ち取った勝利だ。これに満足せず、組織されていない非正規職労働者の足場になる。サムスンを変えて世の中を変える。この闘争に組合員同志たちも一緒に参加してほしい」と話した。
朴永熙・公共運輸労組、京畿地域支部チャブワールド分会長は「正規職化政策は私たちに一筋の光のような希望だった。しかし転換協議会というものは形式に過ぎず、私たちの発言権は変則的な会議進行に制限され、多数決で黙殺された。子会社の設立という会社側の脚本どおりに動く演劇の中に非正規職労働者たちの意思は伝達されていなかった」と希望だけ与えて実際は何もしないでかえって苦痛を与えた政府の公共部門の非正規職の正規職転換政策を批判した。
最後に各産別・連盟の組合員たちが宣言文を一緒に朗読した。
各加盟組織を代表して舞台に立った組合員たちは▲構造調整・整理解雇の中断▲同一価値労働同一賃金▲職場内の性平等の実現及び性差別・セクハラ・性的暴力撤廃▲移住労働者の差別撤廃▲労働3権保障▲社会安全網の強化▲財閥改革に関する民主労総のメーデーの決議文を読んで集会を終えた。
この日集まった労働者、市民たちは民主労総歌斉唱を最後にメーデーの大会を終えて各産別、組織別、業種を象徴する物品を掲げてソウル広場から光化門(クァンファムン)交差点を経て、鍾路4街まで行進しながら、それぞれの要求案を市民に知らしめた。

様々な労組独自
要求掲げ事前集会
この日各加盟組織はそれぞれの議題を中心に本大会開始前の事前大会を進行した。公務員労組は、鍾路区孝子洞(チョンノグ・ヒョジャドン)の治安センターの前で集会を開き、解雇者原職復職と完全な労働3法、政治の基本権獲得を叫んだ。保健医療労組は「職場を変えて国民健康を求めよ」という議題で世宗(セジョン)文化会館中央階段で事前集会を開いた。
サービス連盟は3月末にイーマートで死亡した組合員と青年労働者を追悼し、責任を回避する新世界(シンセゲ)に責任を問うための集会を中区明洞(チュング・ミョンドン)の新世界百貨店前で開いた。全教組は、大統領府のサランチェの前で法外労組の撤回、労働3権獲得、成果給の廃止を掲げて事前集会を開いた。
移住組合はソウル地方雇用庁の前で「闘争ツアーバス」宣言記者会見を開き、全国各地域、移住労働者事業場と管轄労働庁・雇用センターの前で移住労働者の権利を勝ち取るための集会を開くと話した。民主、一般連盟ソウル一般労組は、ソウル冠岳区テンディ本社前の大通り沿いから組合員とテンディ本社を占拠して篭城中の製靴支部テンディ支部組合員たちと一緒にテンディ糾弾集会を開いた。(「労働と世界」より)

朝鮮半島通信

▲トランプ大統領は5月10日、米朝首脳会談について6月12日にシンガポールで開催することを発表した。
▲金正恩朝鮮労働党委員長は5月7日から2日間の日程で中国を訪問し、習近平国家主席と大連市で会談した。
▲韓国電力公社系の発電事業者、韓国東西発電は5月8日、与党議員に朝鮮での風力発電所や火力発電所などの建設の内容を含む「発電分野の対北協力事業案」提出した。
▲2014年4月に起きた旅客船セウォル号沈没事故で、原因調査や行方不明者の捜索に当たる韓国政府の船体調査委員会は5月10日、木浦の港に昨年引き揚げられ横たわっていた船体をほぼ直立状態にする作業を完了させた。

【訂正】かけはし4月30日号、5面4・20集会の報告記事、1段14行目「相対的貧困率が六五・八%」を「一五・六%」に、同記事2段目38行目「大学進学が八割」を「約六割」に同後ろから7行目「富裕層に」を「富裕層が」に訂正します。
同記事で「民主党政権時代に、すべての高校生に無償化をした」とありますが朝鮮学校生徒は拉致問題などを理由に除外された。卒業生らが国の措置の取消しや慰謝料を求めて提訴し、裁判で争われています。

 


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