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    かけはし2018年9月17日号

高濃度汚染水の海洋投棄やめろ


福島第1原発事故

効果の薄い凍土遮水壁

経産省・東電は信用できない


  【いわき】福島第一原発事故は継続中である。熔け落ちた炉心は核燃料と共にデブリとなってあり続け、その詳細は不明である。また汚染水の存在が事故収束を阻んでいる。
 二〇一一年三月一一日に発生した地震は福島第一原発に多くの障害を発生させた。その詳細は未だ不明であるが、そこから大量の地下水が福島第一原発格納容器に流れ込み、燃料デブリに触れ高濃度汚染水となっているのだ。東京電力がとったこの問題の対策は、地下水バイパスと凍土遮水壁の実施である。
 福島第一原発に向かって山側から流れ込む水が第一原発に流れ込むことを防ぐ目的に、地下水バイパスを構築し、さらに地下水が福島第一原発への流入を阻むことを目的として、周囲に凍土遮水壁を造成した。
 凍土遮水壁の効果については、当初から完全凍結は不可能と、効力への疑問が存在した。しかし東京電力は疑問を無視し完全に凍結させると豪語、工事を強行した。その結果完全凍結には至らず顛末は、残った汚染水の汲み上げと保管へと行き着いた。
 そして、溜まり続ける汚染水をどう処理するのか? を課題とし、トリチウム水タスクフォース(トリチウム水処理委員会)を設け論議することとなった。タスクフォースは二〇一三年一二月に開始後、二〇一八年六月報告書を公表した。

都合の悪いこと
は隠したまま
報告書の概要は、人間をはじめとする生物への影響は既定の濃度を遵守すれば問題はない、海洋投棄後拡散され値は小さくなる、トリチウムの分離技術は確立されていない、多様な処分方法を検討したが海洋投棄が最も格安、等であった。
一見して理解出来るようにタスクフォースの議論は初めに海洋投棄ありきだったのだ。人間をはじめとする生命への影響を、すでに他の原子力施設でも流している、危険性はセシウムより格段小さいとして論議せず、長期保管の選択肢も存在していない。その後数回のヒアリングの実施を経て、公聴会の実施を決定し、その開催地は三カ所(福島県内、富岡・郡山、東京一カ所)となった。
公聴会はトリチウム水の処理に関して、開催されることになっていた。しかし直前になった八月、東京電力はタンク保管しているアルプス処理水中に、トリチウム以外の放射性物質が含まれていることを発表し、さらに、原子力規制委員会委員長=更田豊志は、希釈後の海洋投棄を促したのである。
確かに注意して読み込むと、トリチウムタスクフォースに、審議の資料としてアルプス処理水の分析結果が添付され、その中には、トリチウム以外の放射性物質の記述が存在する。しかしその扱いは小さく、何よりもタスクフォースの名称も、トリチウムタスクフォースとなっている。これは都合の悪いことは小さく記述しておく、まさに悪徳商法まがいの方法である。

公聴会では激
しい非難の嵐
かくして八月三〇日と三一日に三カ所で開催された公聴会に参加したタスクフォースの各委員は、意見陳述者と傍聴者の非難の嵐に晒されることとなった。長期保管を求める意見と共に、公聴会の実施方法についての批判は、すべての会場において主張された。
富岡会場では、タスクフォースの海洋投棄推奨について、県漁連会長及び地元の漁民は、「試験操業を経てやっとここまで来た、汚染水が流されたら漁業は壊滅的な打撃を受ける」と共に非難し、急きょ参加した地元漁民は、浜は今良い値が付くシラス漁で活気づいているが、汚染水の投棄で忽ち吹っ飛び、本格操業は何年も遅れ、後継ぎも困難、漁が出来ない漁民の気持ちがわかるか」と糾弾した。
また東京会場では北海道ガンセンター名誉委員長西尾正道さんが、タスクフォースによる、トリチウムの危険性の存在は考えられない、との見解に、危険性を指摘する研究も存在し、未だ解明されていないと批判した。
公聴会が開催された三会場において、四四人が意見表明者として登壇したが、海洋投棄賛成の意見を述べたのは、僅か二人に過ぎなかった。
各会場共にタスクフォースの海洋投棄推奨及び、原子力委員会委員長による、アルプス処理水の海洋投棄推進提言を非難すると共に、公聴会の開催方法を批判する意見が相次いだ。
そして長期保管を求める意見も相次いだ。また富岡会場においても一四人中一三人が、タスクフォースの海洋投棄推奨に反対し、論議のやり直しや長期保管を求め、海洋投棄を批判した。しかし経済産業省の担当者は、再三に亘って「汚染水は何時までも保管できない」、として海洋投棄を推奨した。
圧倒的な長期保管を求める声を受けすべての公聴会終了後タスクフォース委員からは、長期保管も検討しなければならない、との意見も発表された。だが公聴会が通過儀礼に過ぎないのが現状だ。海洋投棄方針が覆ったわけではない。
アルプス処理水に残った放射性物質はアルプスのフィルターを交換すれば除去可能、とする東京電力の見解の真偽は実証されていない。隠ぺい体質の東京電力を信用してはならない。福島第一原発事故は続いている。福島第一原発事故への対策は根本から再検討されなければならない。汚染水処理等の事故対策を経済産業省から切り離せ。(浜西)

8.29

イスラエル軍事見本市やめろ

「死の商人」に糾弾の嵐

350人が抗議行動

 イスラエル軍事見本市(ISDEF)をやめろ!大抗議行動が八月二九日、見本市の会場となった川崎市のとどろきアリーナ入り口前のレンガ広場で行われた。この日の抗議行動を呼びかけたのは「川崎でのイスラエル軍事エキスポに反対する会」で、午前一一時半からの行動にはのべ三五〇人が参加した。
 レンガ広場には「ボイコット!アパルトヘイト国家イスラエル」と日本語と英語で書かれた縦二m、横二〇mの巨大な横断幕や、イスラエル軍によって傷つけられたパレスチナの少女の写真がプリントされた見本市に反対する日本語と英語の横断幕、また東京オリンピックに反対する横断幕などが掲げられた。

パレスチナ人弾圧
を「商売道具」に
この日の抗議行動は会場入り口となるゲート前での集会形式と、入場しようとするイスラエル人関係者や日本人顧客に対する直接抗議行動を並行して展開するものとなった。集会ではまず「反対する会」を代表して杉原浩司さんが発言した。
杉原さんは「見本市にはパレスチナを占領してパレスチナ人を虐殺してきた連中がやって来ている。そのために使ってきたものを日本に売り込もうとしている」と見本市開催を厳しく糾弾した。そして会場の使用許可について「まったく問題ありません」と対応する福田川崎市長に対して「人権イニシアチブを掲げている川崎市が『死の商人』に加担している」と批判した。
また見本市のゴールドスポンサーになっていて、イスラエルのサイバーセキュリティ―企業との合併会社(サイバーリーズン)が出展するなど突出した関与をしてきたソフトバンク本社への抗議申し入れ行動を報告した。ソフトバンクの総務の担当者は、新聞報道などの世論を気にしているようで「ソフトバンクとして表面には出ないし、予定していたスピーチもキャンセルした」と説明した。杉原さんは「合併会社は出展しているが、反対運動の成果として確認しよう」と訴えた。

パレスチナの
若者もアピール
会場に向かって抗議のコールが響きわたる。「戦争反対」「アパルトヘイト反対」「占領やめろ」「虐殺やめろ」「監視をやめろ」「パレスチナに自由を」……日本語・英語・ヘブライ語の三連呼だ。その後、反五輪の会などから次々とアピールを受ける。一方、見本市入場者に対しても「イスラエルがパレスチナ人に対して何をしてきたのか知っているのか!」「イスラエルの物を買うな!」「死の商人は帰れ!」「恥を知れ!」などと抗議の声があげられる。
パレスチナからのアピールは、留学生と思われるパレスチナ人の若き男性が英語で行った。彼は両肩にパレスチナ国旗を掛けて、帽子にはレインボーの小旗を刺している。「会場のなかにいる人たちはパレスチナの子供や女性たちを殺している。イスラエルへの圧力は国際社会にかかっている。そしてパレスチナが生きるためにはBDS(イスラエルの物を買ったり投資したりしないこと)が重要だ。またイスラエルは『LGBTの天国』というキャンペーンを行っているが、この欺瞞と闘うことも必要だ」と訴えた。そしてその発言には割れんばかりの拍手が送られた。また国会議員からも神奈川県選出の真山勇一議員、社民党の福島みずほ議員、共産党の畑野君枝議員からそれぞれ連帯のメッセージがあり代読された。

虐待正当化の
軍事協力反対
ダイ・インなどの抗議行動が続くなか、二人組で大柄なイスラエル人が大きなキャリーバックを引きずって入場しようとしていた。抗議の声が上がる。二人はヘラヘラしてその場をやり過ごそうとしていたのだが、パレスチナ国旗を肩に巻いているパレスチナの青年を発見すると、猛然と彼に襲いかかろうとしたのだ。その場は騒然となったが「シオニストのDNA」を見る思いがした。抗議行動は午後一時半過ぎまで行われた。
第二次安倍政権が発足してから五年になるが、その間に日本からイスラエルへの投資額は一二〇倍に、進出企業数は約三倍に増加している。今年の五月に行われた安倍・ネタニヤフ会談では「新たに外務・防衛当局間協議を立ち上げて、サイバー面での協力を強化していくこと」が確認された。防衛省は来年三月に九州・沖縄の陸上自衛隊西部方面隊に「サイバー部隊」の新設を決めた。現在、自衛隊の「サイバー部隊」は四〇〇人程度だが、将来的には一〇〇〇人規模まで増員されようとしている。また東京オリンピックを商機としてサイバーセキュリティ―企業の動きも活発になっている。
パレスチナ人民の正義と自由のための闘いに連帯しながら、日本とイスラエルの軍事・経済協力の深まりに対して反対する声を強めていこう。     (R)

9.1

木元茂夫さんが講演

首都圏での日米軍事同盟強化

あいち不戦へのネットワーク

 【愛知】九月一日、名古屋市の名古屋YWCAビッグスペースで「首都圏における日米軍事同盟の現実」と題して神奈川県から木本茂夫さん(すべての基地にNO!を・ファイト神奈川)を招いて講演集会が行われた。約四〇人の労働者、市民が参加して成功した。主催は「不戦へのネッワーク」でおこなわれた。首都圏におけるアメリカ軍基地の現状はアメリカ国外で唯一空母の母港である米海軍横須賀基地は旗艦「ブルーリッジ」原子力空母「ロナルドレーガン」など一三隻を有しているほどである。二〇一四年の安保関連戦争法成立以来自衛隊の「米艦防護」などの共同訓練もさらに積み重ねている。首都圏を環状に結ぶ国道16号線には厚木基地、キャンプ座間があり、オスプレイ配備が始まった横田基地などが存在する。首都圏における在日アメリカ軍と自衛隊の実態と現状について木本さんから講演をしていただいた。

日朝・日韓連帯
行動の成功へ!
講演が終わり、質疑応答の後、愛知の各団体から今後の行動提起がなされた。不戦へのネットワークの山本さんは一二月に講演集会を計画しているので多くの参加を呼び掛けた。
あいち沖縄会議の具志堅邦子さんは沖縄県知事選挙で玉城デニーさんが立候補することが決まったことについて、様々な批判や評価、意見があったが玉城さんをなんとしても当選させよう。翁長さんの意志を引き継ごうと訴えた。「韓国併合一〇〇年」東海行動実行委員会の代表は九月一七日に行う「日朝平壌宣言16周年・今こそ日朝国交回復を!和田春樹さん講演集会・デモ」の参加を呼び掛けた。
同代表は、朝鮮半島が南北の平和への動きが進んでいることに対しこれに逆行する安倍政権を批判し日本から平和の声を上げていこうと訴え、来年は3・1朝鮮万歳革命一〇〇周年にむけて行動を計画している。ぜひ多くの参加をお願いしたいと日朝日韓連帯の闘いを呼び掛けた。また愛知では九月一九日に安倍内閣打倒共同行動の集会とデモが行われようとしている。今まで以上の規模で行われようとしている。これ以外にも様々な集会やデモが予定されおり、愛知は秋の闘いに突入しようとしている。すべての行動を成功させ、東アジアの平和と安倍打倒。改憲阻止のうねりをまきおこそう。   (越中)

 



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