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    かけはし2019年7月29日号

成田空港 飛行制限時間緩和許すな


7.14三里塚・東峰現地集会とデモ

「第3滑走路」計画を撤回せよ 住民追い出しを許さない

全国の反空港・反基地闘争と連帯

 七月一四日、三里塚空港に反対する連絡会は、東峰地区で「飛行制限時間緩和を許さない! 成田空港『第3滑走路』計画を撤回せよ! 反原発―再稼働やめろ! 沖縄・辺野古新基地建設反対!」を掲げて「7・14 東峰現地行動」を行い、四〇人が参加した。
 成田国際空港会社は、人権破壊、安全軽視と空港公害のまき散らしでしかない第三滑走路を二〇二〇年代半ばまでに完成させ、さらに二〇二〇年東京五輪・パラリンピックによる便数増加に対応するために飛行時間(現行午前六時から午後一一時まで)を一時間延長するという計画を打ち出した。だが、騒音被害を実際に受ける飛行ルート直下の芝山町・横芝光町住民はあくまで飛行時間の延長を認めることができないと反対している。住民は「空港騒音断固反対」「わたしたちの静かな生活環境をこわすな」などの看板を掲げ抗議している。
 しかし、空港会社は、住民の声を無視して、一九年の冬ダイヤ(一〇月)から飛行時間延長を強行することを明らかにしている。四者協議会(国・千葉県・空港会社・周辺自治体/二月四日)も空港利権の拡大を優先し、住民に圧力をかける始末だ。参加者は空港会社の居直りを許さず、闘う三里塚農民・住民と連帯して空港内にある東峰地区開拓道路にむけてデモを行った。

夜間飛行時間
延長をやめろ
旧東峰共同出荷場跡で前段集会が行われた。
山崎宏さん(労活評現闘/横堀地区)は、「空港会社は夜間飛行時間の一時間延長を一〇月から実施すると言っている。第三滑走路計画も押し進めている。騒音被害を受ける横芝光町住民は強く抗議している。空港会社の利益を優先したやり方に強く反対の声をあげていきたい」と訴えた。
続いて石井紀子さんから寄せられたメッセージが読み上げられた。
石井さんは、「沖縄を思う成田の会」の主催で上映された「沖縄スパイ戦史」を観て「沖縄について知らなかったことが多すぎるのです。……もっとこういう埋もれている沖縄の歴史を掘り起こしていこうと思います」と述べ、「とにかくアベを止めたい、ひきずり落としたい。沖縄にこれ以上の罪を重ねないよう政治の流れを変えていかなければなりません。皆さん一緒に頑張りましょう」と訴えた。
渡邊充春さん(関西三里塚闘争に連帯する会)は、冒頭、「いつも三里塚に来ていた釜日労の山田将夫さんが一月に亡くなった。釜日労の仲間が山田さんの遺影を掲げてデモをする」と発言。また、一般社団法人三里塚大地共有運動の会の関西における取り組み、一坪共有者名簿を通した連絡の積み上げなどを報告した。

一坪共有地運動
への敵対に怒り
さらに「反空港全国連絡会は、泉州沖に空港を作らせない住民連絡会、石垣島、静岡空港に反対する仲間、三里塚の仲間、羽田空港に反対する仲間たちとともに活動している。関西新空港は、台風(一八年九月)による連絡橋破壊の被害で安全を無視した運用が浮き彫りになった。今年から関西新空港、神戸空港、伊丹空港が一体的に運用されるが、安全無視の利益優先の姿勢は相変わらずだ。九月八日に関西新空港反対現地集会を行う。四月二日に伊丹空港にオスプレイが緊急着陸した。軍用航空路の調査の目的の狙いがある。私たちは空港の軍事利用に対する抗議を行った。石垣島、宮古島に自衛隊ミサイル基地が建設された。南西諸島への自衛隊配備と空港建設の連動の危険性に注意しなければならない」と強調した。
繁山達郎さん(一般社団法人三里塚大地共有運動の会)は、会の活動報告、一坪共有地運動に敵対する所有者不明土地対策法に対する批判と今後の対策について発言した(「一坪共有地運動に敵対する表題部所有者不明土地の登記・管理適正化法に反対する」/連絡会声明・別掲)。
デモに移り、開拓道路から空港滑走路に向けて「飛行制限時間緩和をやめろ!成田空港「第3滑走路」計画を撤回せよ!住民追い出しを許さない!三里塚空港粉砕!」のシュプレヒコールを響かせた。再び旧東峰共同出荷場跡で集会の後半を続け、釜日労は、「山田さんはいろんなところで頑張ってくれたメンバーだった。今日は皆さんに報告するために参加しました」と発言。
平野靖識さん(東峰地区/らっきょう工場)は、「一八年四月の火事後、皆さんに応援していただき新しい冷蔵庫を設置できた。若い新社長の下で頑張っています。社会的な信用力も高まった。近くの鉄パイプで囲まれた部分が東峰の一坪共有地だ。三里塚大地共有運動の会に登記を集めていない共有者が法人に登記を移していくのに協力していきたい」とアピール。
高見圭司さん(スペース21)、三里塚勝手連、田んぼくらぶが発言した。(Y)

一坪共有地運動に敵対する所有者不明
土地の登記・管理適正化法に反対する

三里塚空港に反対する連絡会


安倍政権は「所有者不明土地対策」を口実に一坪共有地強奪の法整備を進めている。
五月一七日、所有者不明土地登記・管理適正化法(表題部所有者不明土地の登記及び管理の適正化に関する法律)が成立した。この法律は所有者不明土地対策法の第二弾。「表題部所有者不明土地」の登記・管理の適正化を図る措置として、(1)登記官に所有者探索のための調査権限付与、探索結果を登記に反映。(2)所有者を特定できなかった「表題部所有者不明土地」について、裁判所の選任した管理者の管理を可能とする内容。「管理」には草木伐採、売却が含まれる。
一七年、安倍政権は成長戦略のひとつとして「所有者不明土地対策」を打ち出した。空き家問題や防災を口実にしているが、リニア建設など大型開発促進が真の狙いだ。一八年三月に決定された二〇三〇年成田第3滑走路建設計画も無関係ではない。
一八年六月、法制化第一弾として、所有者不明土地特別措置法が成立。公共事業での所有者不明土地の収用における収用委員会の関与が廃止され、申請も決定も知事のみでできる制度に改悪された。
今回の法制定によって、所有者不明土地は登記官が調査して所有者が分からない場合、代金を法務局に供託して、裁判所任命の管理者から買収できることになった。共有者の一部を特定できない共有地も所有者不明土地となる(法務省民事局ホームページから)。
さらに来年には第三弾として、登記の義務化、土地所有権の放棄確認緩和などの法制化が計画されている。これが成立すれば、これまでの法律と合わせ、登記期限までに相続登記がされない共有地を、法務局に代金を供託するだけで強制買収できることになる。
まさに一坪共有運動の圧殺を狙う悪法だ。
一九六六年、三里塚闘争開始直後に始まった三里塚一坪共有運動は、八三年からは再共有化が取り組まれ、五三年間闘いが続いてきた。昨年一〇月、加瀬勉さん・柳川秀夫さんの呼びかけで三里塚大地共有委員会を受け継ぎ、一般社団法人三里塚大地共有運動の会(山口幸夫代表理事)が設立された。全国の共有者に呼びかけ、共有地の管理・登記変更に取り組んでいる。
共有運動に敵対する法制定に反対し、一坪共有地を守り抜こう。 

     二〇一九年六月

被災者追い詰める福島県当局

家賃の二倍請求やめろ

「棄民政策」に強まる怒り

 【福島】福島原発事故において加害者としての立場にある県が被害者を追い詰めるという不条理な事態が起きている。県がなぜ加害者なのか? 県は東京電力福島原発の稼働について拒否をする権利を保持している。福島第一原発事故について行政として、福島県は責任の一端が存在するというゆえんである。
 福島県は七月「自主避難者」に対して二倍の家賃を請求する暴挙を行った。これに対して七月一二日、原発事故被害者連絡会・避難の権利を求める全国避難者の会は県への要請行動を実施した。これら二団体の要求事項は請求の撤回、被災者へ陳謝、退去の条件が整うまでの入居継続保証であった。
 県の主張は、原発事故以来「自主避難者」に対しても住宅の無償提供を実施して来た。「自主避難者」との契約は、無償住宅提供期限は今年三月末まで、不退去者への家賃二倍の支払い条項が存在、「今回の措置は今年三月末迄に借り上げ住宅を退去しなかった自主避難者六三世帯に対して実施されたものである。」としている(福島民報7月13日)しかしこの措置は、幾重にも不当性が重なった、そして過酷極まりないものと言わなければならない。
 不当性についてまずあげなければならないことは、二〇一一年福島第一原発事故の責任問題である。この事故について責任を問われなければならないのは第一義的には東京電力である。その刑事責任に関しては、被告として東京電力旧経営陣が責任を問われ、九月に第一審の結審が控え司法の判断が下されようとしている。

県の責任は重大
分断政策許すな
しかし津波対策を怠った東京電力の対応を見過ごした。福島県もまた一般論を上回る行政としての責任の追及を免れることはできない。それは二〇〇二年に発覚した「東京電力トラブル隠し事件」から福島第一原発再稼働に至る経過を見るならば余りにも明らかである。
キッカケはいずれもトラブル隠しを目的とした記録の改ざんだったのである。それは以下の経過を参照するならば共通性は明らかである
二〇〇二年に東京電力によるトラブル隠しが発覚すると、東京電力は福島原発(第一・第二)柏崎刈羽原発の自主点検記録簿を改ざんしていたのである。
東京電力は全原発の運転停止と福島県が受け入れていたプルサーマル計画の凍結に追い込まれた。
東京電力は社内の体質改善運動等を経て原発の再稼働にこぎつけた。しかしプルサーマル計画導入は凍結されたままだった。
その間、県は独自に、「エネルギー政策検討会」を起ち上げ、国のエネルギー政策について論議を実施してきた。検討会に招集されたのは国のエネルギー政策に批判的な人士も含まれており、行われた論議は広範なものであった。
佐藤栄佐久知事が辞任に追い込まれたのは二〇〇六年一二月であった。エネルギー政策検討会は中断した。二〇〇一年に論議を開始した同検討会は二〇〇五年まで三五回行ったが、二〇〇九年七月に再開するとひと月二回のハイペースで開催し半年後論議を打ち切り集約してしまった。二〇〇九年とは津波対策完了の時であった(二〇〇八年耐震バックチェック発表の時東京電力は福島県に二〇〇九年に福島原発の津波対策の完了を約束していた。『東電刑事裁判で明らかになったこと』、彩流社ブックレット)――耐震バックチェックとは、国が発表した新たな耐震基準に則り、事業社が自社の原子力施設を点検し設備の安全性を確保すること――。
しかし東京電力は約束を守らず、県はそれを見過ごした。そして二〇一〇年九月プルサーマル運転が開始された。福島原発を津波が襲うのは翌二〇一一年三月のことであった。また内堀現知事副知事への着任は二〇〇六年一二月である。現知事及び県に対して一般論を上回る行政としての責任を問うゆえんである。
そして第二に指摘しなければならないことは、家賃を請求された人たちは「自主避難者」と呼称されている人たちである。誤解してはならないのは「自主」とは原発事故により放射能が広範囲に拡散してもなお、行政の避難指示が的確に行われない渦中にあって避難指示がなくても避難した、という意味での「自主」である。
避難の原因は福島第一原発事故により拡散した放射能から逃れるためであり、住み慣れた生活地から避難せざるを得なかったという意味においては被害者なのである。これが本質なのである。
また放射能は視覚・味覚など人間の五感では感知不可能で脅威に対する感受性は多様だということである。「加害者が勝手に安全基準を設定し」、「従わない者には加重金」「加害者が勝手に基準を作り被害者を追い立てる」。
このやり口が復興政策を貫く構図なのである。それは「棄民政策」そのものである。この不条理がまかり通ることを許してはならない。復興政策は歪んでいる。         (浜西)

 

 




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