原子力空母の横須賀母港化を許さない闘いを!
【神奈川】十月二日午後二時から神奈川県横須賀市・ヴェルニー公園で「原子力空母横須賀母港化を許さない全国集会」(主催・全国連絡会)が開かれ、真夏を思わせる炎天下の日差しの中を全国と神奈川県内の自治労、教組などの労組、そして市民団体など三十六団体三千八百人(主催者発表)が結集し、米日による基地再編強化に対する怒りを新たにしこれからの闘いへの決意を固めた。
沖縄から駆けつけた平和運動センターの山城博治さんは「人口密集地のこんな所に9万トン規模の原子力空母を持ってくることなど絶対許せない!怒りではらわたが煮えくりかえる思いだ。八月十三日のヘリ墜落炎上事故で米軍がやったことは地元市民の徹底排除だった。一九四五年の沖縄戦でも、原爆が投下された広島・長崎でも軍隊は県民を守ったりしなかった。沖縄でも今日の夜に那覇で基地撤去の大集会が行われます」と声を大にして訴えた。原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会の呉東正彦代表は「米国の利益のために私たちの安全な暮らしを犠牲にしていいのか?私たちの集めた十万人の署名が横須賀市長を動かしつつある」とこれからの闘いに向けた決意を明らかに。政党あいさつでは神奈川県議の仙田みどりさんは池子の米軍住宅建設・増設反対を訴え、社民党(参院議員)、民主党(衆院議員)の代表も発言した。報告発言にたった原子力資料情報室の沢井正子さんは、今年二月に国の原子力安全委員会が原子力空母・潜水艦の事故を想定した避難対策をまとめる検討会を行っていることを明らかにし、その中では原空・原潜の船体構造が不明、外国政府が所有、海上移動が可能などの理由を挙げて「非常事態などの把握は困難」としていることを指摘し「私たちに知らされない所で事故が発生する」ことの危険性と恐怖を訴えた。山口県平和運動フォーラム、アジア太平洋平和フォーラムから連帯あいさつを受けた後、日米両政府に対する「母港化反対・基地の縮小・撤去」申し入れ文を拍手で確認。その後にデモに出発し、横須賀のメインストリートには「母港化反対」の声がこだました。
この日に横須賀全国集会が開催されている同時刻に厚木基地爆音防止期成同盟が基地北側で追加配備反対集会を開いた。その最中に米海軍厚木基地には新たに配備される最新鋭戦闘攻撃機FA18Eスーパーホーネット十機が耳をつんざく爆音をまき散らしながら次々と飛来した。
また前日の首相小泉の沖縄米軍本土移転指示発言によって在日米陸軍司令部があるキャンプ座間(座間市と相模原市にまたがる)への米陸軍第1軍団司令部移転構想がにわかに現実味を帯びたものとなり、地元住民の「基地はいらない」の切実な声と切り結んだ神奈川での反基地運動の真価が問われようとしている。アジア連帯講座は仲間を増やしながらこの日の集会に結集し反基地運動取り組みへの決意を新たにした。(H)
解説
神奈川でドラスチックに進行
米軍主導の横須賀、逗子、横浜、厚木の基地再編を許すな
九月二十一日の日米首脳会談でブッシュと小泉は「在日米軍再編に向けた協議を加速する」ことで合意した。これによって米政府が進めている米軍の世界規模での「変革・再編」(トランスフォーメーション)の一環である在日米軍再編のための日米協議(本紙8月9日号参照)はより本格化し日本政府は年内にも「中間報告」を作成する方針を固めたと伝えられている。
協議での米側提案内容のどれもが神奈川県内すべての在日米軍基地の動向に深く関わるものであり、十月二日の原子力空母母港化阻止全国集会の高揚をステップに反戦・反基地闘争の前進に向けた取り組みが問われることになる。七月以降に在日米軍再編問題が焦点化される中、神奈川県内では横須賀で、逗子で、横浜で、厚木で、それに伴う基地再編の動きがすでに進行している。
横須賀ではファーゴ米太平洋司令官による原子力空母母港化推進表明以降に地元市民の反対が高まる中、こうした市民の思いを逆なでするかのように九月には横須賀に配備されている駆逐艦三隻を米国による弾道ミサイル防衛(MD)配置のため日本海に出動させること、米軍再編の一環として太平洋地域への二隻目の空母が配備(グアムかハワイへ)されることなどが明らかになっている。そして隣接する横浜港のノースドック(米陸軍港湾施設)には汎用揚陸艇(LCU)三隻が新たに搬入されて今後も搬入予定があり戦車や兵士の輸送に使われるLCU十隻を接岸可能にするために岸壁の浚渫・護岸工事が進められることになり有事即応のための備蓄・集積基地へと変貌しつつある。
池子米軍家族住宅建設(千戸)は九四年の「追加建設はしない」という国・県・逗子市の三者合意の下で進められた(〜98年)が昨年の日米合同委員会で「横浜市内の米軍四施設返還と米軍住宅八百戸増設」案が提示され、対応をめぐって逗子市は絶対反対、横浜市は条件付き容認に分かれていたが九月十七日に横浜市は増設戸数百戸減(七百戸)で増設受け入れを表明、これに対して逗子市は増設計画白紙撤回を求めて横浜地裁に提訴した。国・県の対応は「横浜市は九四年三者合意の当事者ではない」というもので国・県が当該自治体を分断・対立に追いやりながら在日米軍に追随するという卑劣きわまりないものだ。
今年二月に米大使館で中田横浜市長と会談した際にベーカー駐日大使は池子に執着する理由として「乗組員の派遣任務は長期化傾向にあり、家族の孤独感を埋める地域住民とのコミュニティ(池子のような集合住宅)が必要」と指摘したとされている。この際の「派遣任務の長期化」が何を意味するかが関心を呼んでいる。極東はおろか全世界を作戦行動範囲へと拡大する在日米軍の要請として池子での米軍住宅増設があるということだ。また原子力空母横須賀母港化に伴う同艦乗組員らの長期滞在用施設としての用途目的があるのではないかとの指摘もある。
米海軍厚木基地では従来機よりも大型で高出力エンジンの最新鋭のFA18Eスーパーホーネット十二機が新たに配備され、国は今年二月までに集約した騒音測定の再調査を余儀なくされている。米政府が陸軍第一軍団司令部(ワシントン州)の移転先としているキャンプ座間では米軍がすでに日本政府に提示している移転スケジュールに則って早ければ十一月から作業を開始し〇六年四月までには移転を完了する意向であると伝えられている。
ブッシュと小泉が「再編協議を加速する」ことを合意しているにも関わらずなおも日本政府が「具体的提案は何も聞いていない」と真相隠しに翻弄されている中で米軍主導の基地再編は神奈川でドラスティックに進行している。 (H)
ボーリング調査反対を訴え渋谷デモ
辺野古の闘いと結び海上基地建設を止めよう
九月二十五日、辺野古への海上基地建設・ボーリング調査を許さない実行委は、東京・宮下公園で「沖縄県民大会とともにボーリング調査中止を訴える9・25東京集会」を行い、三百五十人が参加した。
九月九日、那覇防衛施設庁は、辺野古漁港前での海上基地建設反対・ボーリング調査阻止に向けた地元住民による座り込み闘争(五か月)に圧倒され、南部の漁港から調査船を出港させた。そして、米軍キャンプシュワーブから施設局職員と調査業者を乗船させ、潜水調査を強行した。このような暴挙を糾弾し、二十五日の県民大会(台風のため中止)に連帯する闘いとして行われた。
上原成信さん(一坪反戦地主会・関東ブロック)は開催あいさつを行い、実行委として集会前に情宣をしたことを報告するとともに、「一週間ほど辺野古に行ってきた。海上の闘いが始まり、陣取り合戦が進行している。小さな船だが、国家権力に対して真正面から闘いぬいている。敵の船を取り巻くような状況を作り出さなければならない。これから力を合わせて、沖縄の闘いを支えていこう」とアピールした。
次に辺野古現地から当山栄さん(平和市民連絡会事務局長)が発言し、闘争経過と現状を報告した(別掲)。
続いて発言は、反安保実からカンパアピール、沖縄県人会青年部、ヨッシーとジュゴンの家。連帯発言が五十川孝さん(「フォーラム平和・人権・環境」事務局次長)、中岡基明さん(全国労働組合連絡協議会事務局長)、都教委の『日の丸・君が代』強制と教職員に対する処分攻撃に抗議する「学校に自由の風を」、辺野古現地闘争に参加した仲間たちから行われた。また、日本平和委員会からの連帯アピールが読み上げられた。最後に実行委から防衛庁・防衛施設庁の申し入れ行動、カンパ運動の強化などについて訴えがあった。集会終了後、デモに移り、渋谷一帯にわたって辺野古ボーリング調査中止、戦争のための海上基地建設反対を訴えていった。(Y)
当山栄さんの発言から
一隻でも多くの船、カヌー隊を出したい
実行委が毎週防衛庁闘争を行い、さらに国会に向けた取り組みをしていることに心強く感じる。共闘の輪が東京、大阪に広がっている。最終的には全国に広げ、勝利していきたい。
昨年、九月二十三日にジュゴン監視団を県内のジュゴン保護団体、ヘリ基地反対協、平和市民連絡会で立ち上げた。他方、防衛施設庁は、十一月末に沖縄県に対して辺野古の海の使用許可書を提出し、○四年一月にもボーリング調査を強行しようという計画だった。監視団は県議会闘争と稲嶺県政追及行動を連続して闘いぬいた。ところが四月に県は、使用許可を出した。那覇防衛施設局は、四月十九日午前五時、八十人近くで来たが反対派百五十人で阻止した。それ以来今日まで百六十日の座り込み闘争を行い、阻止続けている。
九月九日、追い込まれた施設局は、正面突破ができず南部から調査船を出すという迂回作戦をとってきた。ボーリング調査は、ジュゴン追い出しであり、環境破壊、工事着工の意味を持っている。六十三箇所の調査地点にブイを起き、磁気探査などを行い、すでにボーリング調査の器材などは準備されている。
こういう状況下で海上の闘いが展開されている。施設局側は作業船二隻、施設局の船、辺野古漁港の中型船四隻、小型船六隻という形で調査を強行している。これに対して反対派は、四隻から六隻の船、さらに八艇のカヌー隊で調査ポイントに陣取り、施設局が近づくのを阻止している。
陸における断固たる座り込み闘争と並行して、海の上でも座り込み闘争を行い、絶対に許さないという気概で頑張っている。朝九時から午後四時にかけてブイ近くで阻止闘争を行い続けている。二十四日に「沖縄の風」が吹き、ブイを撤去するという状況に追い込まれたが、この海上攻防戦と工事が中断していることについて、マスコミはあまり報道していない。
闘いは長期戦となっている。一隻でも多くの船、カヌー隊を出していきたい。そのためのカンパ支援を強く訴える。
普天間基地閉鎖、辺野古海上基地建設撤回の方針のもとに小泉政権、稲嶺県政を追及し、攻勢を強めていこう。百六十日の闘いでドクターストップが出ている仲間も出ている。おじい、おばぁたちを早く安心させてあげたい。共闘を強め、頑張っていこう。(発言要旨・文責編集部)
辺野古に基地をつくらせない関西のつどい
許すな米軍ヘリ墜落事故普天間基地を即時撤去へ
【大阪】九月二十五日、大阪市すまい情報センターで、「沖縄・辺野古に基地をつくらせない関西のつどい」が、沖縄とともに基地撤去をめざす関西連絡会が主催して開かれた。
主催者を代表して太田弁護士があいさつをした後、辺野古の座り込み行動に参加し、当日帰ったばかりの松本あきさんが現地報告をした。
続いて、まよなかしんやさん(那覇軍港の浦添移設に反対する会事務局長)が講演をした。
今日で座り込みは百六十日になる。施設局の説明では、最初にボーリングをする二カ所の地点で潜水調査をし、昨年六月の調査結果と同じかを確認し、その後に不発弾の有無を調べる磁気探査を実施し、安全確認後にボーリング作業をする予定だという。
米国では四百の環境保護団体がジュゴンのいる辺野古の海の基地建設に反対している。米国では、ジュゴンのいる地域での建築物建設は認められていない。辺野古基地建設は日米合作だから、違法であるはずだ。座り込みは続いているが、座り込みを守る会が百人の弁護士でつくられている。国会前座り込みも五十五日になった。まよなかさんは、最後に座り込みに参加できない人はカヌー・ボート・船の資金を出してほしい、と訴えた。
続いて、韓国と沖縄の米軍基地に反対の運動をしている都裕史さんが登壇。女子中学生轢殺事件以来の韓国民衆の闘いで在韓米軍の三分の一が撤退することになった。梅香里射爆場裁判は勝訴し、来年閉鎖が決まった。
世界にある八百五十の米軍基地は五百五十に削減され再編される。削減される三百の基地のうち二百はヨーロッパ。米軍を歓迎しないことがわかれば米軍は出て行く。米軍司令官ですら辺野古にはこだわらないと言っている、にもかかわらず辺野古に基地をつくるというのは日本政府が歓迎し、本土にいる九九・四パーセントの人間がそれを許しているからだと語り、辺野古での闘いへのカンパを呼びかけた。
次に海老原大祐さん(米軍人・軍属による事件被害者の会共同代表)が日米地位協定について講演した。海老原さんは一九九六年に沖縄大学の入学式を待つばかりだった息子さんを、米軍人の犯罪で亡くしている。最近米軍と自衛隊の一体化の動きが進んでいて、防衛庁や自衛隊が外務省を越えて米国と直接交渉していることに危機感を表明した。
この動きの中でポイントとして、辺野古の基地建設、米陸軍第一軍団司令部のキャンプ座間への移設、地位協定の三つを指摘し、新垣勉弁護士(日米地位協定改定の実現を求めるNGO事務局長)の見解を紹介した。
米軍ヘリの事故で沖縄県警が現場検証を米軍に拒否されたことについて、川口外相はやむを得ないことと言ったが、そうではない。日米合同委員会の合意事項、日米地位協定では日本警察の捜査権は認められているから、沖縄県警の現場検証を米軍が拒否したことは、日米合同委員会の合意事項、日米地位協定(米兵の規律および秩序の維持のために限って基地外での警察権を米軍に与える)の双方に違反している。
ネックになっているのは日本の捜査権を自ら抑制している刑事特別法という日本の国内法である。日米地位協定は改正できる。それは地位協定自体に明記されている。
にもかかわらず、日本政府は運用でやっていくとしか言わない。米軍人が犯罪を犯しても、裁判には加害者は出廷せず、米軍側に賠償責任が発生しても、排他的管理権をタテに米軍は払わない。賠償金は百パーセント日本政府が支払う。加害者は本土に転勤する。こんなバカなことがあっていいのか。横須賀刑務所のことは知られているだろうか。ここに入っている米軍人犯罪者はシャワー・冷暖房付きの広い部屋で生活し、毎日ビフテキを食べているが、日本人犯罪者は風呂もろくに入れない。地位協定などあってないに等しいと、海老原さんは日本政府の弱腰のおかげで、米軍がのさばっている実態を説明した。
最後に、まよなかしんやさんが再び登場し、今の思いを歌に託してライブを行い、終わりに当たり主催者から、海上阻止行動のための船を辺野古に送るため、二百万円を目標にカンパを募る決意が表明された。(T・T)
「君が代」処分は教育基本法改悪の先取り
都教委の不当処分に抗議し、撤回を求める闘いを!
九月二十二日、東京・新宿農協会館で「君が代」不当処分撤回を求める会は、「都教委による『君が代』不当処分に抗議し、撤回を求めよう9・22集会」を行った。被処分者をはじめ首都圏の教職員、市民など百人余の参加者があった。
イラク侵略戦争下、小泉政権の戦争ができる国家作りと連動して東京都教育委員会は、昨年十月二十三日に学校現場への「日の丸・君が代」強制をめざした「国旗掲揚及び国歌斉唱に関する実施指針」を出した。指針は、日の丸掲揚が舞台他壇上正面、君が代の斉唱と起立の強制、会場設営や教職員の服装にいたるまで指図するという憲法違反、人権侵害に貫かれた内容だ。指針の徹底にむけて、校長に職務命令を出させ、従わない場合は処分をするという脅しつきだ。さらに、生徒の不起立をもターゲットにして教員の指導不足などとレッテルをはり処分を強行するとしている。
国家主義教育の強化に反対する教職員は、今年の卒業式、入学式の「国歌斉唱」時に不起立などの抗議闘争を展開した。都教委は、この抗議闘争に対する報復として、戒告、減給、嘱託合格取り消しによる解雇など二百四十八人に対して不当処分を強行し、思想転向を強要する再発防止研修さえも行った。
このような都教委の連続的攻撃に対して闘う教職員は、様々な形で、各地域で不当処分撤回と10・23「日の丸・君が代」を強制する「実施指針」撤回の闘いを推し進めている。その取り組みの一つとして八人の小学校教員が、処分撤回を求めて東京都人事委員会に審査請求書を提出した。「君が代」不当処分撤回を求める会は、この八人の闘いを支援し、処分撤回を訴えるとともに、教育基本法改悪反対と憲法改悪反対の取り組みも行っていこうと結成された。
集会は、開会あいさつが東京都公立学校教職員組合から行われ、今後の闘いを指し示すスローガン「被処分者を支えよう!都教委の横暴に抗議しよう!『再発研修』は二重処罰で違法だ!『君が代』処分は教育基本法改悪の先取りだ!」を提起し始まった。
続いて、「国歌斉唱」時不起立したことよる処分と強制異動を受けた被処分者から卒業式の様子、処分の経過などの報告と訴えが次々と行われた。
水谷辰夫さんは、都教委と連係プレーしながらの八王子市教育委員会の卒業・入学式時における「日の丸・君が代」強制指導の実態と処分に至る経過を厳しく批判した。
牧野一恵さんは、「子どもが見事に捨てられた卒業式でした。『子どもが主人公じゃなくていい。お客さんでいい』と管理職がはっきりと言ったのです。これが学校教育なのか。子どもの人権が否定されている。押しつけは本当いやだ」と発言した。
秋山映子さんは、「管理職らの一方的な『日の丸・君が代』強制をともなった卒業式に対して抗議した。また、仲間たちとのつながりを作っていこうとしていた。そんな矢先に、強制異動とセットで処分を行ってきた。このようなことが常態化しているのが学校の現状だ」と抗議した。
福島みどりさんは、「○三年、産経新聞は『町田、八王子、東山、西東京、国分寺』を名指しで『日の丸・君が代』の実施率が低いとキャンペーンを始めた。今回の被処分者は、この地区から大量に出ている。都教委の10・23通達後、市教委は、『指導の徹底』という通知を行ってきた。私は、あらためて国、都教委、市教委の手先、道具にならないと思った」と決意を表明した。
田中真弓さんは、「着席の理由は、10・23通達に異議をとなえ、子どもたちに日の丸を仰いで、君が代を歌いなさいと言いたくないということだ。かつて民主的な職場が校長のひと声によって全く逆の状態になってしまった。許せない。職場の若い仲間たちに反対の意思をいかに伝えていくかというのが課題だ」と述べた。
さらに都教委に対する糾弾を新井恵子さん、「再発防止研修」の実態と批判を秋山良一さん、君が代の伴奏を行わなかったことに対する処分を受けた岸田静枝さんから発言があった。
次に、被処分者代理人の吉峯啓晴弁護士は、東京都人事委員会での審査状況について報告した。さらに、10・23通達と処分が@思想及び良心の自由(憲法19条)を侵害する違憲・違法であるA『日の丸・君が代』強制は国民主権(憲法1条)に違反するB憲法尊重擁護義務(憲法第99条)に違反するC職務命令の権限濫用・逸脱の違法性と処分の違法性D一方的な職務命令と処分が適正手続きの権利(憲法第31条)を侵害する違憲・違法だと批判した。
集会は、参加者の意見交換に移った。日野「君が代」処分対策委員会からは、一九九九年四月、日野市立南平小学校の入学式で「君が代」の伴奏を拒否した音楽担当の福岡陽子さんに対して戒告処分を強行し、その処分撤回を求めた裁判闘争を支援してきたことを報告した。この処分撤回闘争は、一九九九年七月に都人事委員会に審査請求、二○○一年十月に「請求棄却」、二○○二年一月に東京地裁に提訴、○三年十二月に「棄却」、そして高裁へ提訴したが、たった二回の裁判で○四年七月に「棄却」された。現在、最高裁に上告し、多くの支援を呼びかけている。
その他に各学校現場での闘いの報告や教訓などについて活発な発言が続いた。最後に主催者から閉会のあいさつが行われ、今後も団結を強め、処分撤回をかちとるまでスクラムを拡大していこうと訴え、参加者全体で確認した。(Y)
「雅子の挫折・皇太子の不満」を問う
象徴天皇制の危機を利用する自民党の「憲法改正」
九月二十三日、東京・文京区民センターで集会「雅子の挫折・皇太子の不満――皇室スキャンダルを問う――」が行われ、百人が集まった。主催は反天皇制運動連絡会。
この日の集会は、五月十日の皇太子の記者会見で語られた「雅子の人格を否定する動き」発言で一挙に明るみに出た「雅子の病気」をめぐる報道や言説を検証しつつ、象徴天皇制の危機の中での再編成が、どのように進行しているかを討論するために設定された。
冒頭にこの間の「雅子病状報道と皇室問題」についてのTV報道を編集したものが報道された。集会のパネリストは天野恵一さん、浅見克彦さん、小倉利丸さん、北原恵さん、佐藤文明さん、鈴木裕子さん、中山千夏さんの六人。
天野恵一さんは、今回の「雅子スキャンダル」は、昨年十一月に湯浅宮内庁長官が記者会見で「できれば秋篠宮にもう一人お子さんを生んでほしい」と異例の発言をしたことから明らかになった、と説明した。つまりこの湯浅発言は「もう皇太子と雅子妃には期待できない」ことを宮内庁トップが公然と表明したことを示している。
さらに天野さんは、今回のスキャンダルが決して「皇太子・雅子」と宮内庁の対立などではなく、「皇太子・雅子の夫婦関係の危機」であり、さらには「天皇・皇后と皇太子・雅子の対立」であることも明らかにした。そして同時に、「皇太子の意思」を体現した新しい皇室像というかたちで改憲キャンペーンがなされていることに注意を喚起した。それは「公務の拡大」という形で、宮中祭祀をも「公務」にしていく自民党「憲法改正」プロジェクトチームの「論点整理(案)」に体現されている。
浅見克彦さんは「象徴天皇制そのものが、皇太子・雅子の訴えに示されるように、皇室の構成員としてのパーソナルな自己実現の要求が出てきた時には機能しない仕組みであることが明らかになった」と語り、「ここで天皇制を終わらせるための発言戦略」を十分に吟味する必要がある、と問題意識を述べた。
小倉利丸さんは、いま進行している事態について「戦後国家が戦時国家へと突入していく時にあたって、皇室が担ってきた機能が変質を迫られる局面」として捉え、「戦後天皇制が果たした役割は、家族をベースにしたナショナルな国民統合をはかる」ものだったが、家族が従来のようには立ち行かなくなってきたことに象徴天皇制が果たす役割も新たに再編成されざるをえない、と述べた。
北原恵さん、佐藤文明さんに続いて発言した鈴木裕子さんは、「明仁・美智子の代になってはじめて象徴天皇制が成立したといえるが、現在の皇太子・雅子問題は、新たな天皇制の創出に向けた『芝居』として使われている」と指摘した。そして日本のフェミニズムが天皇制と対峙しえてこなかった問題を見据え、「女帝」以外には存在できない状況において「女帝」論議が改憲とからめて出されることに立ち向かわなければならない、と強調した。
「自分はリブになってはじめて反天皇制論者になった」という中山千夏さんは、「スター好き、スキャンダル好き、ブランド好き、スポーツ好き」の大衆心理に支えられた天皇制と闘うためには、「天下国家よりも個人個人の自由が大事」という人権を軸にした抵抗こそが必要、と語った。
討論では、憲法9条とともに24条(両性の平等)がセットになって改悪のポイントになっている状況や「女帝」容認論の帰趨などについても意見が交わされた。「皇太子・雅子」問題が、天皇の「公務」の再評価・拡大と結び合わされて憲法改悪キャンペーンの一要素になっている現実をあらためて自覚させる有意義な集会だった。 (K)
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