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イラク「韓国人人質」殺害事件            かけはし2004.10.18号

国会真相調査委が電文を入手責任は派兵強行した政府に

キム・ソニル拉致を米国は知っていたのか?

 キム・ソニル氏拉致事件当時、外交通商部(省)が米国の事前認知疑惑についての確認を米国国防省に要請したが、米国防省がこれを黙殺した事実が遅ればせながら明らかになった。このような事実は、7月30日〜8月3日に開かれたキム・ソニル氏事件国会真相調査特委の際に議員たちに閲覧された外交部の電文が最近公開されたことによって明らかになった。
 ウ・ウォンシク議員(開かれたウリ党)が9月3日「ハンギョレ21」に公開した外交部の電文内容を見ると、キム氏がイラクの武装団体「唯一神と聖戦」に殺害された6月23日(韓国時間)、外交部は米国駐在韓国大使館に「ジミー」と呼ばれている米国人の身分と活動内容を調べる、と指示した。ジミーはイラクにある米軍納品業者であるAAFES(米国防部が運営しているPX)の一下請け業者の職員で、キム・チョノ・カナ貿易社長がキム氏が拉致されてから10日程後の6月10日、キム氏の行方を調べてくれと付託した人物だ。
 キム・チョノ社長はキム氏拉致の事実が〈アルジャジーラ〉に報道された6月21日にイラク駐在韓国大使館を訪れ、イム・ホンジ大使にこの事実を打ち明けた。もしもジミーがキム・チョノ社長の付託をAAFESを通じて米軍側に伝達したならば、米軍は6月10日頃にすでにキム氏拉致の事実を知っていたとの推論が可能だ。
 外交部は当時、米国は韓国のイラク追加派兵(6月18日に公式発表)問題のゆえにキム氏拉致の事実を知りながらも隠したとの疑惑が提起されると、これを確認できる有力な糸口であるジミーに関連する事項を調べるよう米国駐在韓国大使館に指示した。米国駐在韓国大使館のチェ某書記官は6月23日、外交部に送った回信で「米国側としては、このような話(キム氏拉致の事実を故意で隠したとの疑惑)を聞くのは憤まんやるかたなく感じることもあるだろうが……解明を要求していく」と答弁した。
 チェ書記官は米国防省の韓国担当官に会い、ジミーについての確認を要請し、米国防省韓国担当官も、これを確認する必要性を認めた。チェ書記官が6月25日に外交部に送った電文には「状況上、ジミーは下級の民間人軍属だが、(ジミーが米軍にキム氏拉致の事実を)通報したと見立てるのは筋が通らない。だがジミーがMPなど米軍当局に別途、報告したとすれば状況は変わるので、この部分について確認してみる必要があるということに同感を表示する」と、なっている。
 ジミーが米軍関係者にキム・チョノ社長の話を伝えていたのなら、米軍が事前にキム氏拉致の事実を知っていた可能性があることを認めたのだ。チェ書記官は28日と30日に送った電文でも「今回の報告に(この件が)含まれない場合、重ねて調査するようにする」「ジミーの件は引き続きフォロー・アップしていく」という韓国担当官の言葉を伝えた。
 だが米国務省は7月2日突然、態度を変えた。この日、チェ書記官が送った電文には米国防省韓国担当官の上級者である韓国課長が外交部の確認要請を拒絶する内容が盛られている。チェ書記官は「現在の米軍側の雰囲気は上記1項(キム氏拉致の事実を前もって知ることはできなかった、との内容)のように、すでに結論を下し、自分たちに間違ったことはないのに、この問題についてさらに自主的に調査をすべきだということには反応がよくないようで、実際にどの程度まで調査が進められるかは確信が持てないと思う」と報告した。
 ジミーの件についての調査の必要性を認めていた韓国担当官も、この電文で「実務レベルでの間違いや上部への報告が遅れたりというのはあり得るが、派兵問題のゆえに故意に隠ぺいしたというのは想像さえしがたい」と言葉を変えた。この電文内容を総合すると、米軍があらかじめ知ることはできなかったことが、すでに明らかになっているので再び調査する必要はない、というのが米国防省の立場だというのだ。
 けれども米軍がキム氏拉致の事実を事前に知らなかったというのは米軍の一方的主張にすぎない。外交部は6月23日に配布した資料で「イラク現地に派遣されたわが軍関係者が事件該当地域の米軍指揮官に協力を要請する過程で、だれも拉致の事実を知らずにいたことを確認した」と明らかにした。そうは言うものの、わが軍関係者が確認したのは、米軍関係者たちの「〈CNN〉を見て初めて分かった」という「言葉」だけだった。イラクに派遣されたわが軍関係者は6月21日、米軍当局に外国人失踪者名簿に韓国人がいるかどうか問い合わせたが米軍側から「いない」との答弁だけを聞いたにすぎない。
 したがって駐米韓国大使館のチェ書記官と米国防省韓国担当官の接触は、わが政府がキム氏拉致についての報告漏れや隠ぺい疑惑などを確認してくれるように米国政府に公式的に要請したものだったという点において意味がある。米国の否認にもかかわらず米軍の事前認知疑惑を裏付けることのできる有力な手がかりを示して「解明」を要求したものだ。
 外交部ばかりではなく、わが国防部もジミーの件についての確認作業に乗り出していたことが確認された。合同参謀本部が国会に提出した資料を見ると、イラクに派遣されたわが軍関係者はイム・ホンジェ大使からジミーの件についての話を聞いてAAFESの管理を担当している米軍将校などに電話をかけて確認しようとしたが、通話状態がよくなくて確認できなかった。同関係者は6月25日、米軍側から外国人失踪者名簿を渡されて確認したが、この名簿にはキム氏が6月20日の失踪者に含まれていた。けれども、キム氏がなぜこの日の失踪者名簿に含まれているのかについては全く確認されたことがなく、この名簿の信頼性は大きく落ちる。
 米軍がキム氏拉致の事実を〈アルジャジーラ〉の放送以前に知っていたであろうとの状況は、たくさんある。キム・チョノ社長は先の国会国政調査特委の際、証人として出席してこのような状況を証言した。キム社長が6月12日ごろAAFESを訪れたとき、常々付き合いがあって知っていた米国人女性職員に会ったが、この職員は何よりもまずキム社長は「この職員はジミーと一緒に働いている女性だが、キム氏拉致の事実をまっ先に聞いてくるので、キム氏の行方を調べてくれと頼んだ」し「キム氏拉致の事実は、この会社の職員たちに広く知れわたっていたようだった」と陳述した。
 AAFESは米陸軍ならびに空軍が直接運営しているPXとして平素、米軍人らがよく利用している所だ。したがってこの会社の職員らがキム氏拉致の事実を知っていたのであれば、ごく自然に米軍人らにも知られていたのではなかろうか、との推論が可能だ。仮に米軍情報将校らにキム氏の消息が伝わっていたならば、この事実は米軍当局の公式の諜報として扱われただろう。オム・ホソン議員(ハンナラ党)は国政調査特委の際に、このような可能性を執拗に追究したが、わが政府関係者からは満足のいく答弁を得られなかった。
 外交部の、米軍による事前認知疑惑の確認要請を米軍政府が拒絶したのは、イラク追加派兵を強行している韓国政府としては大きな負担とならざるをえない。この事件は、わが政府がイラク追加派兵の名分として掲げている「韓米共助」がキチンと守られてはいないということをかいま見せるひとつの事例となりかねないからだ。ウ・ウォンシク議員は「韓国共助がキチンと守られていたのならば、米軍は事前認知疑惑を正確に明らかにし、事後の対策を立てるべきだった」「今後、イラクでわが軍が非常事態を被ったとき、米軍の助けを全く期待できない恐れがある」と指摘した。
 キム氏の釈放交渉に乗り出したイラク人弁護士は国政調査の際に「韓国政府の追加派兵の発表と〈アルジャジーラ〉の放送後、これを再確認したことがキム氏を死に至らしめた」と主張した。これに加え米軍の6月19日のイラク・ファルージャへの空襲の強行もキム氏を拉致した武装勢力に対して、ある種のメッセージを伝えることになっただろうとの分析もある。〈APTN〉と〈アルジャジーラ〉を通じてキム氏拉致の事実を知らせた後、韓国政府と米軍の反応を見守ってきた武装勢力が、6月18日の韓国追加派兵や米軍のファルージャ空襲を「交渉拒絶」のメッセージとして解釈した可能性がある、というのだ。
 ウ議員は「仮に韓米共助がちゃんと守られ、キム氏拉致の事実と即刻把握した後、わが政府は追加派兵の発表を、米軍はファルージャや空襲を延期していたならキム氏を救うことができただろう」し、「イラク派兵を強行しているわが政府は、このような点をよく吟味してみるべきだ」と語った。(「ハンギョレ21」第526号、04年9月16日付、イ・チュンジェ記者)


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「韓国労働運動のいま」報告に大感激しました
                      藤井 保

 一〇月一日民主労総元副委員長劉徳相さんの韓国労働運動の「いま」を聞いた。一時間を超える氏の話は身振り、手振りで感動的なものでした。元気をもらいました。
 韓国社会は長い間独裁下にあった。一九七〇年、二十二歳の全泰壹(チョン・テイル)の焼身自殺が火をつけた。労働運動が広がって行く。この頃の指導者は北のスパイとすぐにレッテルをはられた。八〇年の全斗煥時代の光州蜂起・大弾圧も大変だった。こうした韓国人民の不屈な闘いを証言した。
 その後の労働運動は低賃金打破に向けて、労働条件改善に向けて、御用労働幹部糾弾の闘いと民主化闘争へ進む。九〇年、二十万人の組合員によって全労協を結成し現在に至る。また今年四月に行われた韓国国政選挙で民主労働党が十議席を確保し市民権をえる。
 講演の最後は新自由主義グローバリゼーションについてだった。日本でも国労、郵政など反グローバルの闘いに苦労しているのでみんな真剣になって聞きました。残念ながら時間がなく、質問もできなかった。
 劉徳相さんは二本のレポートを作ってきた。いずれも中身の濃いものでした。一本は労働運動のレジメを見ないで話した。もう一本は国際連帯です。時間がなくて話せなかった。氏のイラク戦争についての話を紹介する。
 「この無謀で名分なき戦争に韓国と日本の若者が派兵され犠牲になることを止めなければならない。それだけでなく、いまや韓国と日本はいわゆるテロから安全ではありえない。われわれは韓国と日本の国土が米国の欲望によって戦場になることを止めなければならない」。
 「韓国の労働者は、今年の夏、連日にわたり派兵撤回を訴えて闘争を展開した。労働者の派兵反対闘争は全社会へ広がっていき、全国教職員労働組合では、学校の先生が授業時間にこの不当な戦争について子どもたちに教える授業を進めた。戦争を確実に終わらせ、イラク民衆が戦争の苦痛から解放されるために、韓国と日本の労働者民衆が固く連帯して闘っていこう」。


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