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強制収容を許すな! 直ちに難民認定を               かけはし2004.10.4号

ジャマルさんのでっち上げ不当逮捕に抗議する!



 九月二十二日、国連大学前で座り込んでいたイラン人青年ジャマル・サーベリさんが渋谷警察によって不当逮捕された。ジャマルさんはクルド人二家族十二人と自らの難民認定を求めていた。警察によれば「暴行容疑」であるというが、これはまったくのデッチあげである。

逮捕される理由
はまったくない

 いっしょに座り込みを行っていた仲間の証言によると次のようなものであった。
 九月二十一日、早朝に国連大学の壁に張ってあったポスターが職員によってはがされた。三十人の支援が泊まり込んだ。
 二十二日午前十時、国連大学が雇っている警備員十五人がポスターをはがし、座り込みのためのテント、ソファーなどの撤去を無理やりはじめた。十時半くらいに、玄関横の柱の後ろのマットレスの上にいた二家族女性数人を警備員が取り囲み、強制的に引きずり出そうとした。狭い場所の中で手足を引っ張ったり、覆い被さったりする暴力行為を行った。この時家族のひとりの少女が気分が悪くなり地面に倒れた。
 警備員が地面に張ってあったポスターをはがし始めた。十時三十七分、警備員が張り付けていた横断幕を踏みつけて足を滑らせ大げさに転倒した様子だった。二人が倒れた状態になったので救急車が呼ばれた。十時四十分ころ、警官が自転車で敷地内に入ってきた。
 十時五十分頃、警備員が正面横テントと荷物を敷地内左脇側の二家族テントの場所に突然運び始めた。ジャマルさんをふくめて正面にいた二家族や支援者の一部がこの行動に抗議した。
 十分間ほどした十時五十二分頃、大型の消防車がやってきた。その陰に隠れていっしょに入ってきた三十人の警官がジャマルさんに襲いかかり逮捕していった。警察は「暴行による現行犯逮捕」としているが、倒れていた警備員はすでに救急車で運ばれていなかった。警察はジャマルさんを現行犯逮捕したが、だれもジャマルさんの「犯罪行為」を訴えるものはいなかった。
 さらに、この警備員はアムネスティの問いに「だれがやったかわからない」と答えているという。彼は腰をうって軽傷であったとも言われている。しかし、九月二十五日に暴行罪から傷害罪に逮捕理由が変更された。

クルド人家族の
決死の抗議行動

 午後四時頃、警備服を着た一団が国連大学に入った。警察が待機しているという報告が入り、残された二家族テントも今日中の強制撤去が間違いないとの判断で二家族、支援者が準備を始めた。午後四時三十分頃、午後七時までの退去通告がなされた。警備員が、国連大学内左の車で入り口に整列した。
 午後五時ころ、二家族メンバーは警備員や敷地外の警察に激しく抗議した直後に、ボトルに入れたガソリンをかぶり焼身自殺の行動にでた。支援者が水をかけくい止めたが、二家族はそれぞれの夫妻四人を中心に焼身自殺行動を繰り返し、それを抱き留めようとする支援者と入り乱れる状況が続いた。その後、弁護士などが間に入り、後日話し合うということで自主退去を余儀なくされた。
 七月十三日から二カ月余にわたる、国連高等弁務官事務所前(国連大学の敷地内にある)での難民認定を求めるクルド人家族の座り込み行動は初めての公然たる長期にわたる行動であり、多くの人々の注目を集め、支援も広がっていた。この運動の広がりを恐れた日本政府の今回の排除・弾圧は難民問題・オーバーステイの人権を踏みにじるものであり許し難い行為だ。クルド家族への支援をいっそう強めよう。

難民不認定処分
の取り消しを

 ジャマルさんは短期滞在資格で一九九〇年に入国した。ジャマルさんは、難民認定を受けるには入国してから六十日以内に申請しなければならないこと、個人情報がイランに知られてしまうことを恐れ、当初難民申請をちゅうちょしたが、二〇〇〇一年に難民申請をした。〇二年に不認定の決定が出され、十二月に仮放免許可が出された。しかし、〇三年に却下され、それに対する異議申し立てをしたが、十月三十日に却下され、横浜入管に収容された。〇四年一月に、難民不認定処分取り消し請求訴訟、退去強制令書発布取り消し請求訴訟、退去強制令書執行停止申立を提訴した。四月十五日、東京地裁は執行停止の申立を認める。この一部勝訴によりジャマルさんは牛久収容所から解放された。

周到に準備され
た権力の弾圧

 しかし、四月二十二日、法務省は抗告し再収容をねらった。八月二十七日、高裁はこの抗告を認め執行停止は取り消されいつ収容されてもおかしくない事態になっていた。九月二十一日、入管から呼び出しがきたが、ジャマルさんは応じなかった。ついに、九月二十二日のデッチあげ逮捕が用意周到に準備されたのだ。
 緊急に必要なことは、ジャマルさんを起訴させない闘いだ。さらに、仮に起訴されなかったとしても入管に収容され、最悪の場合はイランに送還されてしまうこともありうる。絶対に送還を阻止しなければならない。
 警視庁渋谷署はジャマルさんを即時釈放せよ! 法務省・入管局はジャマルさんを強制収容するな! 日本政府・法務大臣はジャマルさんへの難民認定を行え!      (M)
b10月13日(水)午後5時〜7時/法務省前(地下鉄霞ケ関下車)
「法務省を囲む人間の輪を!―この瞬間、強制収容中1435人を救うために、そして……―」主催人間の輪実行委
bジャマルさんを支援する会 東京都千代田区富士見2-2-2東京三和ビル303 スペース303内
電話・FAX:
03―3264―2735 pyonpyon@cap.bekkoame.ne.jp http://www.bekkoame.ne.jp/~pyonpyon/fjc/j.htm
救援カンパを 郵便振替口座番号:00160―2―647700 口座名:ジャマルさんを支援する会

ジャマルさん、クルド人家族の訴え
本紙インタビュー ――9・22早朝

生きぬくために
―ジャマルさん

 私は横浜収容所に一カ月、牛久収容所に四カ月半入れられた。犯罪を犯していないのに犯罪者扱いだ。一年から三年も仮放免もされずに収容されている人もいる。ストレスがたまり、自殺しようとする人もいる。看守は日本語でしか話さず、意志が通じないことが多い。難民申請者にもかかわらず、本名が掲示してある。
 イラン大使館員が情報収集にくることもあった。日本の法務省は「イラン政府はあなたのことを知らないので迫害されることない。単なるオーバーステイだ」と難民申請を却下した。イランに強制送還された人は非常にあぶない。最近でも送還された三人が行方不明になった。最近のイランは民主運動に対する弾圧が強まっている。
 私はイラン労働者共産党に入って十年くらい活動している。私がイランに送還されたらひどい弾圧が待っていることは確実だ。生きるためになんとしても難民認定をかちとりたい。

トルコには戻れない
――クルド人家族

 トルコにおいてクルドは植民地だ。学校や病院などいいものは全部トルコ人が住んでいるところにあり、クルド地域は昔のまま貧しい。クルド語は禁止されている。自分たちの両親はクルド語を話せるが私たちは話せない。それはクルド語の学校がないからだ。クルド人の国会議員の女性が国会でクルド語で演説をしただけで十年の刑を受ける事件が起きたこともある。私たちはクルド人として生きていきたい。
 私たちの両親はクルドのための活動をしていたので、トルコに戻れば弾圧される。もし日本への難民申請が認められないなら、第三国に出国できるようにしてほしい。
 在日のクルド人は三百人くらいで、難民申請している国の中では一番多い。しかし、トルコ国籍ということで一人も申請が認められていない。私たちは八年間難民申請を求めて裁判をやっている。現在は仮放免だ。仮放免だと仕事はしてはいけないとされている。生活に困っている。支援をお願いしたい。
(発言要旨。文責編集部)



アジア連帯講座
10・30公開講座のお知らせ
「憲法改悪の流れに抗して」
講師 高田健さん(許すな!憲法改悪・市民連絡会)

日時 10月30日(土)午後6時30分から
場所 文京区民センター3C(都営三田線春日駅下車)

 憲法改悪に向けた動きが加速しています。小泉政権は、米国などのイラク軍事占領に積極的に参戦し続ける中、戦争ができる国家作りの一環として、来年一月の通常国会に「憲法改正国民投票法案」を提出をめざし、法案提出権を持つ常設機関としての「憲法委員会」の設置をねらっています。すでに衆参憲法調査会は、二〇〇〇年に発足してから設置予定期間の五年目になるため、中山衆院憲法調査会長が、来年五月三日の憲法記念日までに憲法調査会最終報告書をまとめようとしています。五年に及ぶ憲法論議は、いずれにしても憲法改悪に向けた促進剤としての役割を担い、憲法改悪へのゴールをもぎとろうとしているのです。
 このような動きと連動して、自民党憲法改正プロジェクトチームは、来年十一月に発表予定の自民党憲法改正草案の土台となる「わが党が志向するあるべき新憲法の全体像を示す」と題する論点整理案を明らかにしました(六月十日)。論点整理案は、@国民主権・平和主義・基本的人権という現行憲法の三原則を「国益」や「公益」を優先することによって制限するA「国民主権」の上に天皇を置き、国家元首にし、天皇家の神事を「国家行事」とするB法案審議の迅速化と称して反動法案の成立を次々と可能とする国会の徹底的な形骸化C集団的自衛権の行使を軸とした戦争国家体制作りのための諸措置などを柱にしています。つまり、天皇制を軸にした強権的国家体制構築に向けて現行憲法の原則をすべてて破壊しつくす内容となっているのです。論点整理案の反動的内容を批判し、自民党の野望を打ち砕いていこう。
 他方、民主党の岡田代表は、「成熟した民主主義国家だからこそ、必要に応じて憲法改正することは当然」と主張しています。六月に民主党は、「憲法提言中間報告」を発表しましたが、弱肉強食を強化し、社会分裂を促進していく新自由主義政策の観点から憲法改悪案を打ち出し、二〇〇六年までに憲法改悪案をまとめると発表しています。とりわけ憲法九条改悪に関しては、国連重視の集団的安全保障論を押し出し、海外での武力行使を可能にすることをねらっているのです。
 いずれにしても政府与党、民主党は、憲法改悪で一致しており、すでに先行して憲法調査推進議員連盟(自民、公明、民主の有志議員によって構成)が憲法改悪のための国民投票法案を準備しています。
 このような憲法改悪に向けた動きが強まる中で、憲法改悪反対運動で奮闘している高田健さん(許すな!憲法改悪・市民連絡会)をお招きし、憲法改悪をめぐる情勢評価と今後の取り組みの方向性を提起していただきます。高田さんは、「小泉首相の改憲暴論をうち破る闘いへ」(「技術と人間」〇四年七月号)で、「国会での改憲発議をめぐる闘いを経て、最終的には国民投票の実施に至る、現憲法下での名実共に最大の政治的な闘いが迫っている」と提起し、当面する集中した攻防環として国民投票法案を葬り去ろうと訴えています。そして、憲法九条改悪に反対する広範な人々によって発足した「九条の会」を改憲攻撃に反撃していく足場として拡大、強化していこうと呼びかけています。ぜひご参加を。


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