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11.6 日比谷野音の全国集会に集まろう          かけはし2004.10.4号

教育基本法の改悪阻止へ

教育改悪反対全国集会に2500人

 国家統合のための「伝統文化」と「愛国心」反対

 九月十八日、東京・日比谷公会堂で「教育改悪ストップ!全国集会」がフォーラム平和・人権・環境、部落解放同盟、日教組、教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会呼びかけ人などで構成する実行委の主催で二千五百人が参加した。この実行委による全国集会は、憲法・教育基本法の改悪を許さないための幅広い運動をつくりだすことや、教育基本法・子どもの権利条約を生かす運動をつくりだすことを柱にして、すでに四月二十四日、東京よみうりホールで開催し、二千人の結集を実現している。
 集会は、市川昭午さん(教育基本法「改正」問題研究会)の特別報告「与党教育基本法改正に関する協議会『中間報告』の特徴と問題点」の提起から始まった。
 市川さんは、「中間報告は、教育基本法の基本理念の大部分を削除し、二十項目の徳目を掲げ、民族・国家主義教育の強化を展開している。第二に、憲法改悪に向けた攻撃として日本国憲法を補完する教育基本法の性格を取り払うことをねらった。また、道徳律や徳目を法律で規定し、個人の思想・信条の自由を保障する憲法十九条に違反する性格を前面に押し出した。第三が、教育に対する教育行政の介入について抑制規定を取り払おうとしていることだ」と批判した。さらに、内閣による教育振興基本計画の策定を提言していることに対して、「教育政策の定立は立法府による法律制定から行政府による計画策定に移行し、官僚による裁量の余地が大きくなる。民主的統制が困難になる」と危険性を指摘した。
 ザ・ニュースペーパー、谷本賢一郎さんによるブッシュ・小泉批判コントや歌の後、斉藤貴男さん(ジャーナリスト)、朴慶南さん(作家)、高橋哲哉さん(哲学者・東大)による鼎談が行われた。テーマは、「伝統文化、愛国心とは何か」。鼎談の間に、「日の丸・君が代」や「愛国心」に対する渋谷街頭インタビューを紹介しながら、テーマを深めていった。
 高橋さんは、「河村文科相は、かつて教育基本法改正を『平成の教育勅語』を念頭にして行うと発言した。その動きが強まっている。改正案の中心が『伝統文化』『愛国心』教育の強化だ。この間、東京都教育委員会は『日の丸・君が代』強制に反対した教職員に処分を行っていることに現れている。公教育を通して天皇制、国家主義を注入していくことに反対だ」と述べた。
 斉藤さんは、「各人のバックグラウンドによって『愛国心』の意味が違うが、政府が言う『愛国心』は国家による強制と忠誠心だ。それを大国連合の戦争に動員しようとしている。新自由主義政策によって階層格差が拡大するとともに、『伝統文化』を強調して国家統合支配と監視社会化をめざしていることを批判していこう」と呼びかけた。
 朴さんは、「政府が言う愛国心とは、『日の丸・君が代』とセットだ。天皇制と侵略戦争賛美を強制しようとしている。在日韓国人・朝鮮人として、皆さんとともに止めたい。戦争をする国づくりのために天皇制、愛国心と排外主義が強まっている。憲法九条を守ろう」と発言した。
 集会の最後に集会アピールを採択し、銀座に向けてデモが行われ、「教育基本法改悪反対!憲法改悪反対!戦争反対!」のシュプレヒコールを繰り返していった。
 六月十六日、与党教育基本法改正に関する協議会は、教育基本法の全面改悪をねらった「中間報告」を発表した。中間報告は、戦争ができる国家作りのための改憲攻撃とセットで貫徹しようとしている。だが、「愛国心」と「宗教教育」に関しては、自民党と公明党間に利害対立が発生しており、顕著な相違が存在しているため棚上げにした形となった。
 その一方で石原都知事の下での教委は『日の丸・君が代』反対教員に対する処分を連発しつつ、都議会において「教育基本法の改正に関する意見書」(六月十六日)を採択した。教育基本法を先取り的に踏みにじる石原都知事と横山教育長の暴走を応援するという事態にまでに至っている。
 このように改悪派は、早期改悪をねらって全国運動を展開している。小泉首相も自民党と公明党間における「愛国心」の取り扱いについて、「誰でも国を愛する心は持っているから、後は調整でどうするかという問題だ」と述べ、国会で教育基本法改悪をなんとしてでもやり抜くことを表明した(六月二十九日)。
 自民党と公明党は、「愛国心」問題に関する水面下の取り引きを行いつつ、今国会での成立をめざすために合意部分についての法案化を行うことを決めた(九月十五日)。法案は、文科省官僚が作成する。最終的に自公間の調整点は、@教育基本法理念に国を愛する心」を盛り込むかどうかA前文の「憲法の精神に則り」を残すかどうかB宗教教育の内容の扱いなどである。調整といっても基本的構造は、自民党幹部が党内宗教族議員たちとの利害調整、創価学会池田体制のゴーサインにもとづいて政治決着を成立させ、クリアーしようとしている。
 いずれにしても小泉政府与党は、今国会で教育基本法改悪を憲法改悪の第一ハードルとして設定しており、その政治スケジュールの後退を許さない勢いで右翼勢力を動員しながら強行成立をねらっている。改悪法案阻止の闘いを学園・地域を貫いて構築していこう。この闘いを、東京都教育委員会による「日の丸・君が代」に反対した教職員に対する処分者の闘いをはじめ、全国の処分撤回とともに押し進めていくことが問われている。その成果を十一月六日、日比谷野音全国集会に結実化させていこう。       (Y)


関東大震災の朝鮮人虐殺糾弾
石原の差別発言を許すな反動攻勢に地域から反撃を

 【東京東部】九月二十三日、「差別と人権の今を問う9・23集会」(主催・実行委)が、東京・荒川区の町屋文化センターで開催された。約八十人が集まった。
 「防災」に名を借りた自衛隊による治安訓練が本格的に強行されたのは二〇〇〇年。都知事石原は、差別排外主義まるだしの「三国人発言」とともに、銀座のど真ん中に戦車を走らせ、都内の各地で広域治安訓練を繰り広げた。これに対し、荒川・墨田・山谷の仲間は三地区から統一実行委を立ち上げ、白髭橋の訓練会場に肉薄するデモ行進、抗議・監視行動を終日闘い抜いた。以降毎年この地域では、「関東大震災の朝鮮人大虐殺を忘れない」「有事法制と治安出動訓練を許さない」を合言葉に、講演集会やフィールドワークが実行委によって取り組まれている。

反防災闘争
の学習講演会

 東京都と台東区は今年七月、隅田川両岸に立ち並ぶ約五百軒の野宿者テントに対し、撤去勧告を行った。実行委はすぐさま質問状を作成し、都防災課および人権推進課との交渉を実現。石原の姿勢を厳しく追及した。以降、交渉の継続と、地域ビラ入れや映画上映会を行ってきた。
 八月三十一日の荒川集会には、各地で反戦・反基地・反訓練を闘う仲間百七十人が結集し、白髭橋までの果敢なデモ行進を展開した。訓練当日の九月一日には、各地で監視行動、抗議行動が闘われた。(本紙9月13日号に詳報)
 この日の集会は、こうした三地区実行委の今年の闘いの集約点として位置づけられた。司会である山谷労働者福祉会館の仲間が、前述の取り組みを振り返った後、講師である俵義文さんの講演が始まった。俵さんは「教科書攻撃との闘いから」と題する講演で「つくる会」の現状を分析し、来年行われる教科書採択において、「作る会」の野望を打ち砕く運動の重要性を訴えた(講演要旨別掲)。
 俵さんとの質疑応答では、「つくる会にとってなぜ現状が有利なのか」などの質問が、参加者から出された。
 これに対し俵さんは、@教科書サイズの拡大A愛媛と東京での採択B署名運動の成果C自民党の全面的協力D地方議会での意見書の採択E拉致問題、を挙げた。

地域で闘う団体
から闘いの報告

 「日の丸君が代反対墨田ネット」の仲間に司会が交代して集会が続く。都が昨年末、突然明け渡しを求めた東京江東区枝川の「朝鮮学校明け渡し裁判」の特別報告が始まる。この問題の経過をまとめたビデオ「ぼくらの学校はなくなるの?」が上映された。この地域で元気に学ぶ在日の子どもたちの様子が生き生きと描かれている。同時に、在日が民族学校を維持運営する厳しさもまた、ひしひしと伝わってくる。弁護団からは都の主張の不当性が指摘された。
 各方面から連帯のあいさつがあった。墨田教組の仲間は、「荒川の男女共同参画を考える会」の活動報告をした。
 本紙でも既報の通り、荒川の同条例をめぐっては、「作る会」幹部が起用された懇談会が設置され、共同参画の理念にまったく反するとんでもない条例の制定がもくろまれた。(本紙7月5日号に詳報)これに対し同会は講座や学習会、地域情宣を続けてきた。区内外からの強い批判と運動の力で、藤沢志光区長(収賄容疑で逮捕)自身の手で条例案が取り下げられるという成果を勝ち取った。
 「今回の闘いについては、メディアがよくがんばってくれた。特に全国紙の女性の記者たちは、『作る会』に名指しで中傷されながらも、終始好意的に報道してくれた」「都教委のジェンダーフリーへの敵視は、まるで魔女狩りだ。私たちは性のしがらみを取り払って生きられる社会をめざしている」。墨田教組の仲間はきっぱりと、さらなる運動の前進へ決意を明らかにした。

「防災」に名を
借りた治安訓練

 部落解放同盟墨田支部の仲間は、全国で横行している「差別ハガキ事件」について伝えた。被差別部落への悪質などう喝や脅迫ハガキは東京で二百七十通、全国で四百通にも上る。多摩地域の未組織部落には、一軒に三十通以上の嫌がらせハガキが送られてくるという。荒川区の解放同盟幹部宅周辺にも「危険な活動家」と名指しした煽情ハガキが送りつけられている。その内容はどれも、攻撃的にエスカレートしているから悪質だ。こうした事態に対して解放同盟は、警察への告訴と同時に、広く世論に訴え反撃していくと訴えた。
 「在日の年金問題を考える墨田の会」、「有事立法・治安弾圧を許すな! 北部集会実行委」「山谷労働者福祉会館活動委」の発言の後、解放同盟荒川支部の高岩さんの発言で、この日の集会を締めくくった。
 私たちの生活を守る「防災」とは、たとえば地震を例に挙げれば、その行動半径はせいぜい三十キロだという。それ以上の移動は不可能だからである。だとすれば、強行される「広域防災訓練」は、本来の防災の観点からもまったく無意味になる。
 災害訓練が広域になればなるほど、それがめざすものが「国家防衛」あるいは「首都機能防衛」にあることが明らかになる。そうした「訓練」が生かされる事態とは、まさに戦争以外には、ほとんどあり得ない。すなわち、有事の際の国家による指揮命令系統の訓練、住民監視と挙動掌握の訓練である。これが「防災」に名を借りた治安訓練の本質である。「防災訓練」に国家・防衛庁・警察の介入はいらない。治安出動訓練を許さない運動を続けよう。        (S)

俵義文さんの講演から

消される過去、変質する歴史・公民教育〜教科書攻撃との闘い

 今日は教科書問題を中心に話をします。この八月都教委は、来年度の都内中高一貫の新設校で「つくる会」の教科書を採択した。この経緯を調べると、最初から彼らの教科書を使う目的があったことは明らかだ。委員の人選も石原の腹心だ。来年度の中学校の一斉採択に向けて、私たちは「教科書問題はまだ終わっていない」と訴えていくべきだ。
 扶桑社は黒字決算だったが、二年前から赤字に転落した。本来出版社は経営上、採択されない教科書は出せないはずだ。彼らの運動の目的は、教科書を発行することだけではない。これは政治運動の一環なのだ。
 彼らが教科書で過去の日本の戦争を正当化し美化しているのは、これから日本が行う戦争の正当化のためだ。
 人権を制限する記述があり、女性も登場しない。憲法改悪を先取りした教科書と言える。しかし、今後「無傷」で検定に合格する可能性がある。
 「つくる会」は、情勢が自分たちに有利だと見ている。しかし現実はそうとも言えない。会員は毎年五百人ずつ減り続け、現在約七千八百人。勢力の減少を右翼と政治家とのつながりで挽回しようとしている。そして来年の一斉採択をねらっている。
 小泉政権は国連安保理常任理事国入りをめざしている。戦争をするためには三つの要素がある。コンピューターに例えると@ハードAソフトBシステムだ。ハードとは軍事力。日本は世界第二位の軍事力を持っている。
 しかし自衛隊にも矛盾がある。最も数の多いのが中堅幹部で、最下層で動く兵士が少ないという逆三角形になっている。そこで徴兵制の問題が出てくる。システムとはガイドライン法や有時法などの法的整備を指す。ソフトは国民の意識である。実は国民の意識が一番遅れている。まだまだ戦争への抵抗が根強い。過去の戦争が賛美されてこそ愛国心が沸く。愛国心の養成と、歴史の偽造は一体のものなのだ。
 ドイツでナチスが第一党になったとき、党員のなかで最も多かったのが小学校教師だった。教師を通じて子どもたちが変えられていく。標的はあくまで子どもたちだ。
 来年の採択は、私たちにとっても大きなチャンスである。教基法改悪の次は憲法改悪が待っている。これを阻止する闘いは決定的に重要だ。東京五十四、全国七百の採択区で声をあげていこう。お互いに力を出し合い、全国の自治体で「つくる会」教科書の採択を許さない運動をつくっていこう。(発言要旨・文責編集部)



国労など地域の闘う仲間が参加

郡山で郵政 4・28 高裁勝利判決報告集会

 【郡山】九月二十日郡山市で「郵政4・28高裁勝利判決報告郡山集会」が原告の名古屋哲一さんを迎えて開かれた。主催は地域の有志で作る実行委員会。
 集会は電通労組の大戸さんの司会ですすめられ、国労郡山工場支部の橋本さんが「4・28の闘いに勇気を得て揺らいでいる国労の運動も前進させたい」と開会を宣言。「反マル生闘争のころは小学生だった」郵政ユニオン郡山支部福田支部長が主催者としてあいさつ。連帯のアピールを国労仙台闘争団の佐藤正則さんと朝日広告解雇撤回闘争裁判原告の阿部さん(全国一般宮城合同)が行った。
 二十五年間の闘争報告に立った名古屋さんは「五つのビックリ」として「自分が驚いたことに夢中で対応しているうちに二十五年がたった」とユーモアたっぷりに話された。
 五つのビックリとは、まず十七年に及び差別・不当労働行為に対し十八万全逓労働者が立ち上がった反マル生闘争。二つ目は、それに対する過酷な報復処分が組合指導部にではなく下部末端の青年労働者になされたこと。三つ目は、闘争指令を発した当の全逓本部が被処分者を切り捨ててしまった二度目の首切り。四つ目は九八年に最高裁が組合員権回復の最高裁判決が出たこと。そして五つ目が今度の東京高裁判決であった。
 質疑応答、参加者からの発言を受け、最後に福島県教組郡山支部の山田さんの閉会宣言で締めくくられ、第二部の「二十五年目の勝利を祝福する交流会」へと移った。 (N)


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