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韓国より遠征闘争団80人が参加                 かけはし2004.11.22号

「日韓FTAパンデェ!」が響く

11月日韓共同行動実行委員会

霞ヶ関で三日間の連続抗議国際的団結で交渉阻止を

 十一月一日早朝から十一月三日昼過ぎまで、東京霞ヶ関農林水産省(道路をはさんで外務省)前で、連日二百人を超える日韓労働者民衆が、日韓FTA政府間交渉反対のために実力での座り込み闘争を実現した。
 韓国からは、民主労総五十人、社会市民団体十六人(KOPA=FTA・WTO反対国民行動、全国民衆連帯、全農、民主労働党、独立メディアなど代表派遣)、韓国労総十四人からなる「日韓FTA阻止韓国民衆遠征闘争団」総勢八十人が組織され、日本側は、中小労組ネットワークはじめ、全統一労働組合、電通労組など全労協系労働組合、「異議あり!日韓自由貿易協定」キャンペーン、脱WTO草の根キャンペーン、ATTACジャパンなどで構成される「日韓FTAに反対する十一月日韓共同行動実行委員会」を形成し、闘争体制を準備してきた。

一人が不当逮捕の弾圧


 初日十一月一日は、八時日比谷公園霞門に日韓FTA交渉中止を求め、日韓の労働者民衆三百人が「雇用破壊・非正規職拡大の日韓FTA反対」などと書かれたゼッケンや「日韓FTA NO!」のプラカードを掲げて集結、整然と外務省へ向かった。農水省前から外務省に至る横断歩道を機動隊が完全に封鎖しており、外務省への日韓FTA交渉中止を求める要請行動すら警視庁は認めず、労働者民衆による当然の異議申し立ての権利を踏みにじっていた。
 日本の十一月行動実行委の仲間と韓国闘争団はスクラムをつくり横断歩道を渡ろうと試みた。その結果、警視庁丸の内署は、闘争参加者全員の現場からの実力退去をねらい、機動隊部隊を次々と増援し始めた。しかし、その後事態が落ち着き、農水省前での座り込み、抗議集会を警察の介入をはねのけ勝ち取ることができた。
 二日も初日同様、外務省への交渉阻止行動が何度となく行われ、その後農水省前での座り込み抗議集会へと突入した。この日は韓国政府交渉団が外務省正門、すなわち座り込み闘争団の真ん前から大型バスで乗り付け、目の前で公然と進入していったため、再度外務省への交渉阻止行動が突然展開されたこともあった。続く国会前集会・情宣のため韓国闘争団などは地下鉄で移動。現場から国会前への移動を組合独自に行うとしていた全日建運輸連帯・関西生コン労組の仲間三十人が横断歩道を渡ろうとして、機動隊から阻止され「歩道を通せ」と押し問答の最中、一人が不当逮捕される弾圧を受けた。
 しかし、外務省前での三日間の激闘では、韓国闘争団を日本側実行委員が守り抜き、日韓FTAパンデェ(反対)!の抗議の声や韓国の闘争歌が霞ヶ関官庁街にとどろき、多くの参加者のアピールでは、日韓FTA交渉が機動隊の壁に守られながら密室で、しかも労働者民衆に敵対する内容を画策していることを明確に訴えていた。
 今回の闘いは、FTA交渉阻止に向けた第一歩の闘いであり、来年五月ないし八月には日韓政府間合意に至ると言われるFTA交渉の阻止闘争は、そこに向け本格的な組織化が図られる。韓国民主労総や社会市民団体は、今回の動員をさらに倍する遠征闘争団を組織する決意を語っている。
 このような状況の中、今回の十一月日韓共同行動の成果と今後の課題について、指摘したい。

新鮮な韓流スタイル

 第一は、新自由主義グローバリゼーションに対抗する運動の日本での本格的登場ということである。WTOやG8サミットなど先進国が世界のルールを決めてしまうことに対して、数万の労働者民衆が世界中から集まり、抗議行動を繰り広げてきたシアトル、ジェノバ、エビアン、そしてカンクンでの反グローバリゼーションの闘い。これにダイレクトにつながる闘いが日本国内で数百名とはいえ、日韓共同の国際的な非暴力直接行動として取り組まれた意義は大きい。
 特に昨年九月メキシコ・カンクンにおいて、韓国農民運動家李京海(イ・ギョンヘ)さんがWTO交渉に抗議の自死をとげ、メキシコ現地にいた数万の労働者農民民衆にとって、身をもって文字通り「WTOは農民を殺す!」と実感したとき、WTOとメキシコ政府が張り巡らしたバリケードをずたずたに切り、ロープをかけて引き倒した闘いは大義ある非暴力直接行動となった。
 その最先頭に世界的農民団体連合体ビアカンペシーナのメキシコ支部の農民たちと民主労総など韓国民衆闘争団の仲間が活躍し、「コリア、コリア」はメキシコの若者たちのかけ声となり、闘争がついにグローバル化した瞬間を実感できたのであった。
 この十一月反FTA闘争も、スクラムでの実力行動、力強いアジテーションと共に歌や皆で合わせる振り付けなど韓流闘争スタイルが、マンネリ化した日本の活動のあり方に大いなる反省を促した。闘争のグローバル化をさらに前進させ、韓流闘争スタイルを日本式に発展させていこう。さらに、警察権力も韓流闘争スタイルに悩まされたようで、来年の遠征闘争に際しては今回よりはるかに強い弾圧が予想される中で、弾圧への予防措置が今回以上に求められることも強調しておきたい。
 第二に、WTOやFTAに対抗する闘いへの注目・関与の高まりが生まれたことであり、同時に、その一層の強大な展開が今後の闘争課題ともなった。
 実は、韓国闘争団と日本側実行委員会が日本経団連へ抗議行動を行った十一月二日、奥田碩経団連会長は、アジア各国とのFTA交渉促進という財界の立場から、フィリピン、マレーシア、タイ、インドネシアへの歴訪の旅に出発していたのである。そして、日韓FTA政府交渉が終わった翌日四日にはマレーシアとのFTA交渉が実施され、十一日からはマニラにてフィリピンとのFTA交渉が行われ合意への大詰めを迎えている。
 特に、日本側のフィリピンの看護師・介護士の日本国内受け入れ案がほぼ合意され、農産物交渉では、砂糖については関税撤廃なしで妥協がすすみ、早ければ十一月中旬にチリ・サンティアゴで開催されるAPEC閣僚会議で日本―フィリピンFTAが大枠合意すると言われている。
 一方で日韓FTA交渉には強力な反対運動があり、準備のための産官学の共同研究会に一年、政府間交渉も二カ月に一回ですでに六回、約一年をかけて交渉を慎重に進めている様子がうかがえる。その結果、アジアASEAN各国と日本とのFTA交渉が先に妥結し、日韓だけが外堀を埋められ取り残される局面が十分に考えられる。

第二陣闘争の準備を

 WTO第五回閣僚会議がカンクンで破綻に至った後、先進国は一挙にFTA交渉に乗り出し、全世界を幾百の二国間・地域間FTAで覆い尽くすことが新自由主義者の目標となっている。そして、そこで第三世界に押しつけられ、多国籍企業が推し進める、あらゆるものの自由化・商品化の嵐が、今度はWTO多国間交渉に、二〇〇五年十二月の第六回香港WTO閣僚会議に押し寄せることが確実となっている。
 WTOドーハ開発ラウンドが再び軌道に乗ったと語られた本年七月末ジュネーブWTO一般理事会での枠組み合意では、何ら具体的なことなど決定されてはいない。すべての具体案はFTA交渉の中で公然と協議され、第三世界に押しつけられているのだ。
 もし日韓FTA交渉が両国労働者民衆の大衆的な闘争で頓挫させられるとしたら、全世界を覆う無数のFTA網に風穴を開けるものであり、北米・中米・南米を一つのFTAで結ぶというFTAA(米州自由貿易地域協定)の実質的失敗に次ぐものとなる。その意味で、南北アメリカ労働者民衆のFTAA完全破綻を勝ち取る来年の闘争とともに、来年五月、八月の再度の遠征闘争と共同する日本の労働者民衆の闘争が決定的ポイントとなるだろう。
 FTA反対の闘いは、日本ではWTOに対する闘い以上に遅れている。自国経済が相手国労働者民衆を支配する実態が宣伝されておらず、ビジネス・チャンスばかりが語られている。非関税措置やビジネス環境整備なる条項で、相手国の労働運動・先住民運動の弾圧、労働条件・環境基準・安全基準の低減化、さらには多国籍企業の投資を保護するため資本の損失を国家が補償する条項まで設けているのがFTAである。
 このような新自由主義的攻撃に対し、帝国主義本国からの反撃の闘いを、まず来年の日韓FTA阻止第二陣闘争に向け形成していこう。   (北野はじめ)


日本語とハングルで
日韓FTA NO!渋谷一周共同デモ

 十一月二日夜、日韓FTA反対!日韓労働者民衆共同集会が、東京・渋谷の宮下公園で開催された。
 この日も前日に続いて、日韓FTA交渉が進められている外務省や日本経団連に対する申し入れ、要請行動が行われたが、外務省は交渉担当者への直接面会の要求をあくまで拒絶し続けた。さらに要請行動が終わり国会付近を歩いて移動中の全日建連帯関西生コン支部の労働者一人を、丸の内警察が不当にも逮捕するという暴挙に出たのである。
 宮下公園には、韓国代表団の百人を先頭に五百人の労働者・市民が結集し、日韓連帯の熱気あふれる集会を実現した。日本語とハングルでのシュプレヒコールの練習・斉唱から始まった集会では、全統一労組の鳥井一平さんがこの日の行動報告を行い、韓国側からは民主労総、KoPA(WTOとFTAに反対する韓国国民行動)の仲間が熱烈な労働者国際主義の闘いを呼びかけた。
 KoPAの代表が新自由主義的グローバリゼーションに対して、言葉だけの連帯ではなく、実際の行動において共同のスクラムを組んで闘っていることの意義を高らかに宣言し、「ゼネストも辞さずに闘おう」と訴えたとき、集会は最高潮に達した。集会では韓国の「不安定労働者連帯」の民衆歌手がテンポよく労働歌を熱唱した。
 最後に、会場をセットした渋谷のじれんの仲間が、グローバリゼーションが野宿者を作りだしている現実を告発し、翌三日に予定されている「持たざる者」の連帯行動への参加を呼びかけた。
 渋谷を一周するデモでは、日本語とハングルでの呼びかけが交互に行われ、道行く人の注目を浴びた。韓国の仲間が日本語で作った日韓FTA反対のチラシも配られた。
 こうして、この日のデモは「トゥジェ!」(闘争)と「FTA NO!」のシュプレヒコールが交錯する画期的闘いとなったのである。        (K)



寄稿
「よりよい京都」からはじまる「もうひとつの世界」
京都社会フォーラム実行委員会事務局長 鈴木宏介


 二〇〇四年十二月十一日(土)、十二日(日)に、京都市左京区の京都大学本部キャンパスにて、日本初の「社会フォーラム」となる「京都社会フォーラム(KSF)」が開催されます。二〇〇三年十二月にATTAC京都によって呼びかけがなされたKSFですが、現在、その呼びかけに応じた様々なNGOや市民グループによってつくられた実行委員会によって、具体的な準備がすすめられているところです。KSFは、ここ数年の間に世界的な広まりをみせている「社会フォーラム」運動の一環として企画されています。

 KSFは、「『よりよい京都』からはじまる『もうひとつの世界』」をテーマにしています。このテーマには、経済効率最優先の世界的な経済の流れのなかで京都という都市がおかれている状況をふまえて、それへの対抗として「よりよい京都」をつくりだすことが、「もうひとつの世界」をつくりだすことにつながるのではないか、という思いが表現されています。
 KSFの具体的な構成についてですが、様々な課題に取り組む多様な社会運動団体・グループ・個人の問題意識や活動経験を自由に交流するメイン企画と、具体的な個別のテーマを取り上げた二十程度のワークショップが二つの大きな柱となります。
 十一日の午後に開会式をかねて行われるメイン企画は、「よりよい京都」「もうひとつの世界」の展望をめぐる様々な分野の研究者からの基調報告のあと、京都において様々な運動に取り組んでいる団体・グループ・個人からの報告によるリレートークを行い、ついで会場参加者をまきこんでの自由な討論に移る、という形で構成される予定です。基調報告は、経済学者の山家悠紀夫さんに日本経済の動向と「構造改革」の問題点について、また、西南学院大学の吾郷健二さんにメキシコの社会運動の動向について、お願いしています。また、京都のまちづくりについて詳しい研究者の方にもお話をしていただけるよう、調整中です。
 ワークショップは、十二日の午前と午後、それぞれ二時間ずつ行われます。様々なNGO・グループ・団体によって、多彩なテーマ――地域経済と地域商業、脱クルマの都市交通のあり方、地球温暖化、非正規雇用、郵政民営化、韓国の社会運動の動向、通貨取引税などなど――のワークショップが計画されています。
 そのほか、十一日のメイン企画終了後には立食パーティー形式の交流会を行い、十二日の昼食の時間帯には会場内にスローフードカフェも設けます。様々な形で、「よりよい京都」そして「もうひとつの世界」への展望を感じられるようなイベントとなるよう、準備をすすめているところです。
 今回のKSFの最大の目的は、京都に存在する様々な運動の間に、取り組む課題、立場、活動スタイルなどの垣根を越えた交流の場をつくりだすことです。そこでの交流を通じて形成されるつながりこそが、「よりよい京都」そして「もうひとつの世界」をつくりだす確かな力となるのではないかと考えています。さらに、このKSFをきっかけに日本の他の地域においても「社会フォーラム」が行われ、それらがつながりあうことにより「日本社会フォーラム」が開催される――KSFがそのような先駆けの役割を努めることができれば、とも考えています。
 みなさまのご参加・ご協力をよろしくお願いいたします。
b連絡先 京都社会フォーラム実行委員会
〒600―8127 京都市下京区西木屋町通上ノ口上る梅湊町83-1 ひと・まち交流館内
ATTAC京都気付「京都社会フォーラム実行委員会」
(本稿は京都社会フォーラムの鈴木宏介さんに本紙編集部が依頼しました)


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