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イラク派兵延長をやめ、自衛隊の即時撤退を        かけはし2004.11.29号

米軍の無差別大量殺戮を許すな

歴史的戦争犯罪=ファルージャ総攻撃に全世界で抗議の嵐を


医薬品の供給も妨害

 十一月八日に開始された米占領軍一万五千人によるイラク・ファルージャへの総攻撃は、まさに戦争犯罪の典型とも言うべき、一般住民への無差別虐殺であった。四月に同じくファルージャで行われた「動くものすべてを撃つ」米軍の攻撃では、七百人から千人にのぼる一般市民が殺されたとされるが、今回の死者の数はそれを大きく上回るものとなるだろう。
 人口三十万人のファルージャには、米軍の突入時になお十万人近い市民がとどまっていた。そしてファルージャの町は徹底的に破壊され、老若男女の市民はすべて「テロリスト」と見なされて圧倒的な銃火にさらされた。
 十月からファルージャへの爆撃を繰り返した米占領軍は、十月下旬以後、市を完全に封鎖し、食料、医薬品の供給をストップし、電気、水などのインフラを破壊した。「テロリスト・犯罪者の掃討」という名目で、成年男性市民の市外への退去を阻んで「テロリスト」と見立てた殺害の対象としたばかりではない。老人、女性、子どもたち、病気を患った人びと、負傷者など「社会的弱者」が最大の被害をこうむった。
 米軍がファルージャへの突入にあたって、まず最初に総合病院を制圧したことは、きわめて意識的な人道への犯罪であった。米軍は、医師、看護師を拘束した上で、一般市民が病院に運び込まれるのを阻み、救われるべき生命を奪っただけではなく、殺傷の規模を隠蔽したのである。救援・医療物資を積んだイラク赤新月社のトラックは、市内に入ることを拒否された。米軍指揮官の言葉は「われわれが市民への物資を持っており、赤新月社の救援物資は必要ない」だった。人道的救援は「テロリストを助けるものだ」というのだ。
 しかし、いかに報道陣をシャットアウトした闇の中での軍事作戦であったとしても真実を隠すことはできない。米海兵隊隊員が動けなくなったイラク人を無慈悲に射殺する映像が放映されたのをはじめ、市内から脱出したジャーナリストたちの言葉によっても米軍が一般市民を無差別に殺戮した事実が証言されている。化学兵器をふくむ大量殺戮兵器も使用されたとの情報も流されている。
 十一月十五日に「ファルージャの完全制圧」を宣言した米海兵隊大佐は、米国防総省の記者団に対して「八日の作戦開始以後、武装勢力千人以上を殺害し、拘束者も千人以上に達する」と宣言した。アラウィかいらい政権のアルワン保健相は「一般市民の犠牲は非常に少なく、約二十人だ」と述べた(AFPによれば、十一月二十一日の段階で米軍による拘束者は千四百五十人に達している)。しかし、米軍が総攻撃の最大の口実としていた「外国人テロリストに支配されたファルージャ」という主張は、米軍の発表によってもまったくのデタラメだったことが明白である。千人以上にのぼるとされている「拘束者」の中で、「外国人」は「二十四人」にすぎなかった。そして米軍とかいらい政府が主張していた「国際テロリスト組織アルカイーダと結びつくテロリスト・ザルカウィの存在」は、攻撃開始の以前から、ラムズフェルド米国防長官によって否定されていたのである。
 この歴史的な戦争犯罪をイラクの人びと、全世界の人びとは絶対に忘れない。再選されたばかりのブッシュ政権による意図的・計画的な大量無差別虐殺の真相を暴き、責任者を厳しく処罰しなければならないのだ。

「ベトナム型」の泥沼化

 来年一月に米占領軍やアラウィかいらい政権が予定している「国民議会選挙」は、今回のファルージャ大虐殺によって、確実に吹き飛ぶだろう。モスクへの軍事攻撃と破壊は、イラク人民の怒りをさらにかきたてている。スンニ派の「穏健派」最大勢力と言われ、イラク・イスラム聖職者協会の「選挙ボイコット」方針を批判していたイラク・イスラム党も「暫定政権」から離脱した。イスラム聖職者協会の法学者や、彼らと連携していた部族長らも、ファルージャ総攻撃と軌を一にして逮捕されている。
 いったんは米軍の圧力によって選挙参加に傾いていたとされるスンニ派の強硬派であるサドル師のグループも、あらためて選挙ボイコットの意向を固めた。「非常事態」という軍事戒厳令体制の下で「移行国民議会選挙」を形だけ強行したとしても、イラク民衆にとって正統性がまったくないことは確実となった。シーア派、スンニ派の違いを超えたイラク民衆の占領に対する共同の抵抗闘争は、今回の事態を契機にいっそう発展していくに違いない。
 イラク全土で反米・反かいらい政権の武装抵抗闘争が日増しに拡大している。バグダッドの中心部でも自動車爆弾などによる闘いが連日頻発している。ファルージャに続いて北部モスルへの総攻撃を米軍は行っているが、戦争はアメリカにとって「ベトナム型」に泥沼化しており、アラウィかいらい政権も南ベトナムのかいらい政権と同様の運命に襲われるだろう。
 アナン国連事務総長の「警告」をも無視して行われた米軍のファルージャ包囲・せん滅作戦は、ブッシュ第二期政権に対する国際的批判と孤立化を促進している。国連の助けを借りたイラクでの「親米政権」樹立という展望はますます困難になりつつある。しかし「国際派・柔軟派」とされたパウエル国務長官が閣内から去ったブッシュ政権は、イラク侵略戦争の方向転換を果たすことができない。今こそ、昨年を上回る国際的な反戦運動のパワーが発揮されなければならない。

自衛隊も攻撃のターゲット

 小泉首相は、米軍のファルージャ総攻撃作戦の「成功を期待する」と言い放ち、この戦争犯罪を無条件・全面的に支持した。APEC首脳会議に出席するためにチリを訪問した小泉は、十一月二十日に行われたブッシュ米大統領との会談で「イラク復興を成功させなければならない。その観点から独自にできる限りの支援をする」と述べ、事実上、十二月十四日で期限の切れる自衛隊のイラク派兵をさらに延長する方針を示した。
 すでに十一月十三日から自衛隊の第4次派兵部隊がイラクに送り込まれている。サマワに駐留していたオランダ軍が来年三月に撤退するのをはじめ、ブッシュ政権に追随して「多国籍軍」に部隊を派遣していた諸国も、次々に撤退したり兵力を削減しようとしている中で、小泉政権の「地の果てまでブッシュについていく」という姿勢は、国際的にも孤立したものとなっている。
 アラウィかいらい政権の「イラク軍」や警察部隊がおよそあてにならないものである以上、「治安維持」のために米軍は相当程度ファルージャに釘付けにならざるをえない。米軍は増派を余儀なくされているが、事態の進展に間に合っていない。米軍・かいらい政権への武装抵抗闘争の広がりはイラクの他の地域での「治安維持」のために自衛隊が果たすべき役割を、これまで以上に要求するだろう。
 サマワの自衛隊宿営地に連続してロケット弾が発射されている。十月三十一日の攻撃では自衛隊の鉄製コンテナが貫通するという被害を受けている。自衛隊は確実にイラクの反占領抵抗闘争のターゲットになっている。十月三十一日付のサマワの週刊紙「アルサマワ」はムサンナ県警のカリーム・ヘルベット本部長の「ロケット弾攻撃の責任は、約束を果たさなかった自衛隊にある」とする談話を紹介した。「自衛隊は市民に歓迎されている」という小泉の強がりが、地元警察本部長によって否定されているのだ。ファルージャ攻撃中にも、サマワで占領軍=自衛隊の撤退を要求する数百人のデモが組織されている。
 しかし小泉首相は十一月十日の党首討論で民主党の岡田党首の「非戦闘地域」の定義を問う質問に対して「自衛隊の活動する地域は非戦闘地域」という苦し紛れの暴言を吐き、十七日の党首討論でも再び、岡田民主党党首の「とんでもない答弁だ」という追及に対して「極めて分かりやすい答弁だ。分かりにくいならば聞き返せばいい」と居直った。
 「イラク特措法」条文にも明白に違反する自衛隊派兵の継続を、強弁ですりぬけようとする小泉内閣に対して、加藤紘一元幹事長ら自民党内からも批判の声が噴出しており、民主・共産・社民の野党三党も「イラク特措法廃止法案」を共同で国会に提出した。しかし、小泉内閣はこの法案を審議未了で廃案にするという戦術で、与党からの批判をも封じ込めようとしている。
 イラク情勢は、占領軍としての自衛隊がイラク民衆の抵抗闘争の標的となり、それに対して自衛隊が銃を向ける可能性をこれまでになく増大させている。今こそ自衛隊イラク派兵の中止・即時撤退の訴えを具体的な運動として広範に作りだそう。WORLD PEACE NOW実行委員会は十二月十四日に「派兵1年期限切れ 撤退させよう自衛隊 終わらせようイラク占領」のタイトルでピースパレードを行う(日比谷野外音楽堂、午後6時半開始、午後7時半パレート出発)。
 十二月十四日の行動を成功させ、自衛隊派兵反対・即時撤退のうねりを!
(11月22日 平井純一)    


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