| ストップ! 暫定滑走路 県収用委再開反対 かけはし2004.12.06号 |
空港建設拡張ゆるさず現地集会
十一月二十一日、三里塚東峰共同出荷場で「STOP!暫定滑走路 11・21三里塚・東峰現地行動」が三里塚・暫定滑走路に反対する連絡会の主催で行われ、八十人が参加した。
集会は、北側国交相発言や千葉県収用委員会再建に対する糾弾のシュプレヒコールから始まった。
石井紀子さんが空港建設被害を訴え
東峰地区住民の石井紀子さんは、暫定滑走路建設にともなう排水障害問題、北側国交相発言と千葉県収用委員会再建に対して糾弾した(発言要旨別掲)。
平野靖識さん(東峰地区・らっきょう工場)は、東峰神社裁判の報告と闘う決意表明を行った(発言別掲)。
次に、泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会からの連帯メッセージが紹介された。「先週は中部で第四回反空港全国連絡会、来週は静岡で収用阻止闘争があります。したがって、国策事業たる東西二大拠点空港への闘いは、単に三里塚と泉州だけの問題に止まらず、全国の場当たり的空港整備事業を撃つ闘いであると確信できます」と呼びかけた。
山崎宏さん(労活評現闘・横堀地区)は、千葉県収用委員会再建や成田空港の軍事利用が強まっていることなどを批判し、「三里塚闘争をあらためて国家権力総体に対する闘いとして、体を張ってがんばっていこう」と強調した。
前半の集会を中断して、参加者はデモに移り、暫定滑走路内に入り込んだ東峰地区の開拓道路に向かった。デモ隊は、開拓道路から「暫定滑走路を使うな!収用委員会再建糾弾!全国反空港戦線の強化で闘うぞ!空港粉砕!」のシュプレヒコールを行った。
デモは東峰共同出荷場に戻り、後半の集会を再開した。
関西・三里塚闘争に連帯する会の渡邊さんは、関西新空港反対闘争の取り組みや、反空港全国連絡会第四回全国交流会を報告し、「十一月二十八日に静岡空港反対!現地集会が行われる。関西の仲間たちも全力で駆けつける。強制収用阻止、空港建設反対の闘いに連帯していこう」と訴えた。
北海道から改憲阻止・労働者市民講座の高橋さんは、この間の反戦・反自衛隊・アイヌ民族連帯闘争の取り組みを報告した。
さらに発言は、東水労、明大駿台文学会、緑の大地へ、日米安保条約終了通告の会、じゃがいも運動、プロレタリア青年同盟から行われた。
横堀団結小屋維持会の仲間は、「強制収用委員会再建をはね返す闘いを、現地と結びついて行っていこう。横堀部落は夏に横堀部落開拓百年祭、盆踊りを行った。横堀地区と東峰地区の闘いに連帯し、追い出し攻撃を許さない陣形を作っていこう」とアピールした。
三里塚暫定滑走路による生活・環境破壊を許さない東峰住民の闘いは、政府・成田空港会社の暫定滑走路二千五百メートル化攻撃を頓挫させている。北側一雄国土交通相は、成田空港視察(十一月一日)後、成田空港会社に対して東峰住民の追い出し攻撃の進展状況について報告を求めるという形をとりながら、誘導路が確保できず欠陥だらけであることをひた隠しにしつつ北側延伸の結論を出そうとしている。二〇〇七年空港会社の株式上場までに二千五百メートル化の展望をつかみ、空港の価値下落を押しとどめなければならないからだ。
それだけではない。来春の中部国際空港開港による成田空港の位置の低下、アジアでの空港競争からの遅れなどによって、政府と空港会社は、まったなしの状況までに追い込まれている。北側延伸をしても誘導路問題は未解決、延伸工事が五年〜六年かかる。空港の存在価値は、ますます低下するのが必至だ。要するに、無展望なままに北側延伸を決めつつ、東峰住民の追い出し攻撃を強化していく二正面作戦を選択せざるをえないということだ。
このような動きと連動して千葉県は、攻撃をよりエスカレートさせている。堂本知事は、一九八八年から機能停止している県収用委員会を再建する方針を決定し、十二月県議会で収用委員を確定する。堂本は、「収用委員会が機能停止では県民に不利益」などと述べつつ、東峰住民の闘いに対して、「可能な限り話し合いが大事だという姿勢は崩さない。伝家の宝刀として抜かずに済むならその方がいいが、収用委員会があるとないとでは大きな差が出てくる」と恫かつし、政府と一体となって追い出し攻撃を推進していくことを宣言した。
政府・空港会社・千葉県・地元推進派が一体となった二正面攻撃のずさんさを暴露し、その攻撃性格を見据えつつ、東峰住民と連帯し反撃していかなければならない。(Y)
石井紀子さんの発言
「地域の破壊許さず、緑を増やしたい」
秋の長雨で農作物が被害を受けた。水溜まりがあちこちにできてしまった。これは暫定滑走路空港建設によって排水機能が低下したためだ。空港会社に対して抗議し、排水路を作らせた。今後、会社と対決し、これからも営農・生活破壊を許さない取り組みをしていく。
堂本知事は、公共事業が滞っているからという理由で収用委員会を始めることを決めた。北側国交相の視察後、年内に北延伸か、南延伸かを作るメドを出せと発言。間髪を入れずに収用委員会再建が出てきた。強制収用まで考えざるをえない。決して楽観できない状況だ。
過去においても何度も強制収用はあったが、何度も乗り越えてきたわけで、そんなに悲観をしていないし、打撃を受けているわけではない。東峰地区の破壊を許さないために、自主管理を強め緑を増やしていきたい。今、生きて、ここに暮らしている農民がいるんだということを主張していきたいと思っています。どんなに回りが廃墟になっても、そこに人間が暮らしていて、耕す人が一人でもいる以上は、そこは廃墟ではない。私たちは、畑や緑を拡大し、皆さんに届けていきたい。よろしくお願いします。
平野靖識さんの発言
「東峰神社の総有を裁判で認めさせた」
二〇〇三年十二月、東峰神社立木裁判が勝利的に和解した。土地所有権は、東峰地区の総有形態による所有が確認され、登記簿上もそのようになった。東峰地区内には、三里塚闘争に対する立場上の違いが存在していたが、裁判に対して一致して闘った。暫定滑走路問題に対しても一体となって対処していく態勢が固められた。
全国的に巨大開発の中で入会権が破壊されている。登記簿上、確定していないところは、国が取り上げてもいいんだということがまかり通っている。このような流れに対して、東峰裁判で総有を勝ち取ったことは、一つ釘を刺したと言える。三里塚だけではなく、社会的にも重要な意義があった。
裁判に勝ったが、頭上の轟音は止まっていない。航空機事故の不安の下で暮らしている。木を切り倒す根拠であった所有権が東峰部落のものなのだから、原状復帰すべきだが、それを実現できていない。だが、東峰住民がこの地を管理し、発展させていこうとしている。様々な違いを乗り越え、団結して頑張ろう。
教育基本法改悪ストップ全国集会
平和のために活動する高校生も訴え
日教組など九団体の実行委員会による「教育基本法改悪ストップ!11・21全国集会」が、十一月二十一日午後日比谷野外音楽堂で開かれ全国動員の日教組組合員を中心に四千人が集まった。
ザニュースペーパーが進行を担当、プレ開演として朝鮮中級学校生の舞踊やシーサーズの演奏などが行われ、開演も「take&こむら」の歌と、にぎやかにスタートした。
発言の最初には、三人の高校生が立った。長崎の高校生小川綾華さんは平和大使として今年八月国連の欧州本部を訪問し、核兵器の廃絶と世界平和を目指す「高校生一万人署名」を提出してきたことを報告。沖縄普天間の高江洲美奈子さんは、米軍ヘリ沖国大墜落事故を通して、危険な生活を強いられているにもかかわらず、日本政府の対応は十五日も過ぎてからであった事などを指摘し、「沖縄と日本の壁を乗り越えることがまず必要」と訴えた。東京の代田七瀬さんは七月に「子ども国会」を全国の中高生百二十三人で開き意見書を各省庁に提出してきたことを報告し、「競争ではなく平和で平等な教育」「人の幸せを望む価値観」こそもとめられていると語った。
おなじみのザ・ニュースペーパーの「小泉純一郎」あいさつのあと、松山大学教員の大内裕和さんが問題提起を行った。「東京都教委による昨年10・23通達と教職員の大量処分こそ教育基本法改悪の先取り」「教職員への強制から生徒への強制、生徒に強制しない教職員への攻撃へと広がっている」「与党中間報告は教育基本法第10条の『教育は、不当な支配に服することなく』を『教育行政は、不当な支配に服することなく』と大改悪し、市民運動や教職員組合の声を「介入」として排除し行政権力にフリーハンドを与えようとしている」「戦争国家作りを許さないために、五千五百人が集まった11・6の市民集会の流れや9条改憲反対の運動と広く提携しよう」と力強く訴えた。
日教組の森越委員長は「ブッシュのように自己の正義を絶対視するのではなくお互いの違いを認め合うことこそ平和への道」と訴えた。壇上の高校生と日教組委員長への質疑も行われたが、この際、東京都の「日の丸・君が代」被処分者の人たちから「現場の声も聞け」「反処分闘争に取り組め」との声が次々とあげられた。実行委員会構成の三団体からの発言を受けたあと集会アピールを採択し、「OH!YEA OH!YEA」の歌が響く中、銀座から東京駅へのデモが行われた。 (N)
コラム
遺伝子組み換え食品の氾濫
オリンピックではないが、四年ぶりに友がアメリカから帰って来、酒を飲もうと声がかかった。彼とは中学・高校と同窓で、長く大手商社の木材輸入部門に勤めていたが、バブルがはじけた時にリストラされ、他部門に配転させられた。毎日会社の一角の小部屋で、パソコンに記録されている取引と伝票の付け合わせで、「窓際族」という言葉がぴったりだったと言う。
真剣に転職を考えていた時、思いもかけないところから声がかかった。彼が大手商社の一線で仕事をしていた時には歯牙にもかけなかった小さな商社からのスカウトであった。経験を買われたものだが「ヘッドハンター」というよりは、彼自身は拾われたというのが実感であったという。
再び木材輸入の仕事に戻れた友人は、それ以来結構明るく、いまは北米から南米まで忙しく走りまわっている。十年くらい前に子どもが独立し、単身赴任が終わり、連れ合いとともにカリフォルニアに移り住んでいる。その彼が飲んでいる席で真剣な顔で話し出した。
酒盗で日本酒を飲みたくなり、ホテルを出て近くのスーパーに買い出しに行ってびっくりした話である。
「納豆にも豆腐にもブランドらしき商品名は大きく書かれているが、原料表示がきっちり書かれていない。たまに国産使用と書かれているから、何も書かれていないのは輸入である。自分の会社では扱っていないので正確には言えないが、日本の輸入大豆のかなり多くはアメリカ産だと思う。それであればそのほとんどが遺伝子組み換えが行われている。BSE問題では、米国の牛の検査に疑問を呈して輸入を一時停止しているのに、遺伝子組み換え問題ではまるでザルだね」
「表向きは遺伝子組み換え食品を規制しながら、一方で原料表示をはっきりさせずに売り場に並び、消費者は知らないで食べている。本人は遺伝子組み換え大豆は食していないつもりになっている。あまりにも日本的というか日本人的というか」。
彼によるとアメリカではスーパーで売られる加工食品の七五%は遺伝子組み換え食品が含まれているという。パン、パスタ、コーンフレーク、アイスクリームと消費者が知っているか知らないかは別に確実に増えているという。さらにアメリカでは多くの母親が子どもが食べやすいようにニンジンやキュウリにフルーツの風味を加えたものを、少しの量で多くの栄養素が摂取できるようにと選択し始め、いまは遺伝子組み換えに対して全く緊張を失ってしまっているという。禁煙、肥満問題には敏感に反応するのに遺伝子組み換えには全く反応がない。なんともアメリカ的だ。だが、この様子だともう十年もすれば日本もアメリカになると断言した。
あまりにも知識がないので、翌日遺伝子組み換えについての本を買って読むと、害虫に強いとか除草剤の影響力を受けない大豆・トウモロコシ・ジャガイモが第一世代とすれば、バナナ味のするリンゴとか花粉症緩和米などの第二世代に入っていると書かれている。
日本では一応規制があって市場に出せなくても、インターネットを通じて売ることができる抜け道があり、すでに北海道ではこの「抜け道」を使いアメリカ産の大豆で納豆を使って売っている業者も出てきている。禁止しているといっても多くの分野では既存の規制や法律が追いつかず、実際には多くの加工食品で「遺伝子組み換え」表示のないまま市場に出回っているのである。
「トマトの木に魚や肉を実らせる実験」がすでに始まっているという笑えない話もある。仮にこの実験が科学的に成功しても、人体に対する影響は全く無視されたまま進むのである。「BSE」といい「遺伝子組み換え」問題といい、一貫した追及と闘いが必要だ。(武)
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