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家族が語る国鉄闘争の18年                    かけはし2004.12.6号

「きっと勝つ!」たたかいは今、女たちにシフト


「秋熱しことに
地裁の大法廷」

 十一月四日、鉄建公団訴訟、個別立証第三期日終了後の夜、裁判報告もかねて東京の全水道会館に約二百五十人を結集し「きっと勝つ、たたかいは今、女たちにシフト」と題する集会が開催された。主催者のあいさつは共闘会議の二瓶さん。「解雇撤回闘争を一番支えてきたのは誰か、それは奥さんや家族で、並大抵なものではなかったはず」と切り出し、現局面を明らかにして「それぞれが結集して決戦を迎えている。その総決算が十二月一日の全国集会だ。全国から一万人を集めきろう」と檄を飛ばした。
 博多闘争団の田島さんが裁判報告に立った。「初めて裁判の証言台に立ってどきどきするかと思ったが、公団代理人の、国策に反対するものは解雇されて当然で、なぜあきらめて再就職しないのかという反対尋問に怒りが湧き上がって冷静になれた。首になったんだから他で働けばよいというものでない」と憤る。そして玄人はだしと人気のある俳句を一句「秋熱しことに地裁の大法廷」と披露、会場を沸かせた。そして「証言台で傍聴席から公団代理人に対する野次やブーイングが聞こえ、とても力になった」と笑わせた。最後に十二月二日の最後の立証期日へ大結集を訴えて報告を終えた。

国鉄闘争の18年を
手放してはならぬ

 連帯のあいさつには静岡市議の前田ゆき子さんと「日の丸・君が代不起立教員」の根津公子さんの二人が登壇した。
 前田さんは静岡駅でのホームレス排除に抗議する取り組みを紹介しながら、「国鉄闘争の十八年間を手放してはいけないと改めて感じた。傍聴で感じた怒りと涙と共有した思いを静岡に伝えたい」とあいさつした。根津さんは「国鉄闘争が頑張っているから私も頑張れてきた」と始め、自身の「日の丸・君が代」との長い年月の折れることのない闘いを紹介した。それは国鉄闘争と同様「国策への服従の強制に対する抵抗」と述べ「私たちはきっと勝つ。それが次世代へのプレゼントだ」と決意を示した。
 その後、ボランティアで行った新潟の被災地から駆けつけた十六歳の女子高生KEINAさんが、みずみずしい歌と演奏を披露した。

JRは私たちを
きたえてくれた

 メインは「きっと勝つ!」と題するトークで音威子府家族の藤保美年子さんと稚内闘争団家族の田中広子さんだ。
 田中さんは子どもが「『漠然と専門学校に行くなら私は働いたほうがいい』と言っていたけど、一年経ってから『私働いていてよかったでしょう』と言われ、子どもなりに苦しい台所事情を考えていたのでは」と、気づかされたことなど、苦しい家計事情を紹介した。
 子どもが父親の職業欄への記入に困って母親の職業を書いて学校に提出した秘話などを紹介し、解雇が子どもにとっても、いかにつらい重圧になるかを述べた。また彼女が働いていた職場で稚内駅での抗議行動などについて、話題に上ったときは「黙ってなんていられないでしょう、主人は何も悪いことをしていない」と言える勇気をもったこと、この十年、夫が一年の半分しか家にいない生活に耐え、闘争団の困難な時期の夫の任務と酷使する体へのいたわりなどを、さらりと大きなやさしさで包むように語った。
 そして「大変だったけど子どもも私も成長し、こうして人前で話せるようになった。JRは私を鍛えてくれた」とJRを皮肉り、昨年夫の両親をなくしたことへ痛切な思いを寄せ、二人のためにも「私たちは必ず勝つ」と胸をはって、炎のような決意を宣言した。

子どもを抱きしめ
るしかなかった

 藤保さんは「傍聴していて公団代理人の無神経な発言に、不安でつらくて悔しかったことが思い出され涙が出、つい噛み付くような野次が飛び出してしまった」と、話し始めた、同じ思いをした参加者が、激励の拍手を送った。そして狭い千人にも満たない音威子府で同じクラスに採用、不採用、再就職の子どもがいる状況で、「子どもも差別されるのでは」という子どもと親の「恐怖と不安と苦しみ」、「ただ子どもを抱きしめてやるしかなかった」ことがあった、と語った。
 子どもが抗議行動のとき自分自身で「お父さんの仕事を返して欲しい」と叫ぶ姿に、JRに憤りを募らせたこと、抗議された清算事業団管理者がJR稚内駅に逃亡しそこにかくまわれ、「事業団とJRは一体だ」と怒らずにはいれないことを述べた。子どもが進学を断念したこと、援助金凍結を聞いて仕送りしようかと言ってくれたこと、不当判決には「悔しい」と憤りをあらわにしたことで、「子どもも国鉄闘争とともに自立して生きていると感じた」「けれど子どもが大きくなったからもういいんだとは決していえない」と怒りの深さを垣間見せた。
 さらに、音威子府では今雇用の場がなく、冬には完璧に閉ざされる中で健康への不安、年金への不安で押しつぶされそうになる現実を吐露した。その意味でも「この一年で勝負をつけなければいけない」と、その真剣な思いを述べ、会場に総決起を促した。二人のトークに会場が割れるような激励の拍手で応えた。
 最後に全員で「きっと勝つ」とコールを繰り返し、元気と山場を闘う決意をもたらした集会は成功裏に終了した。  (蒲田 宏)


「憲法改悪の流れに抗して」
地域・草の根から重層的な改憲阻止の陣形を
                       アジア連帯講座


 十月三十日、アジア連帯講座は、東京・文京区民センターで公開講座「憲法改悪の流れに抗して」を行った。許すな!憲法改悪・市民連会や九条の会で活躍する高田健さんを講師として招き、憲法改悪に向けた様々な動向を分析し、今後の改悪阻止の闘いに向けた方向性を提起した。
 小泉政権は、戦争ができる国家作りに向けて、来年一月からの通常国会に「憲法改正国民投票法案」の提出をめざし、法案提出権を持つ常設機関としての「憲法委員会」の設置をねらっている。また、自民、公明、民主党議員などによって構成する憲法調査推進議員連盟も国民投票法案を準備している。すでに衆参憲法調査会は、来年五月三日の憲法記念日までに憲法調査会最終報告をまとめきる予定だ。この流れと連動して、自民党憲法改正プロジェクトは憲法改正草案論点整理、民主党は「憲法提言中間報告」を明らかにしている。
 このような憲法改悪に向けた流れに対して、広範な憲法改悪阻止戦線を構築していく闘いを、地域草の根から重層的に積み上げていくことが重要だ。それをバネとして当面する集中した攻防環としてある国民投票法案を廃案にする闘いに集中していこう。 (Y)

高田健さんの報告から
「憲法を獲得する人びと」の大衆的な形成へ

普通の帝国主義に
なるための改悪

 小泉首相の私的諮問機関が「安全保障と防衛力に関する懇談会報告書」を出した。報告書は、、海外でのすべての紛争に「国益」を掲げて自衛隊派兵を提唱している。つまり、日米攻守同盟であり、集団的自衛権を全世界規模で適応するという主張だ。こういう方向で防衛大綱を作り直すことをめざしている。さらに、日米安保の再定義をもう一度やることになるだろう。これは支配層の基本方針でもある。
 憲法九条の改悪は、日本帝国主義が世界全体で戦争ができるための総仕上げであり、「普通の」帝国主義になるということだ。自由に軍隊が動けなかった縛りを解き放とうしている。それはイギリス型の帝国主義、米英同盟型の日米同盟をめざしている。

改憲草案に取り
かかった各政党

 復古主義者たちが主張してきた九条改悪と、今日の九条改悪は、共通している面もあるが、報告書のように明確に新しい性格で主張されている面もある。支配層が9条改悪をどのような意図でやろうとしているかを暴露していかなければならない。凋落する保守本流とは違って、国家主義的新自由主義的対米追随を明確にしている小泉政権が改憲を行おうとしているのだ。
 国会内改憲派は、すでに三分の二以上存在している。だから改憲に向けた第一のプログラムとして、来年の通常国会で憲法委員会を設置する国会法改正法案と国民投票法案を出してくる。この改憲手続き二法案をめぐる攻防という情勢に入ってしまった。
 すでに自民党、公明党、民主党は、本格的に改憲草案の準備に入り、憲法論点整理を明らかにした。自民党案は、全面改憲論、復古的色彩、集団的自衛権の行使を書き込んでいる。民主党案は、天皇制と侵略戦争の賛美につながる「和」の思想、「多神教」を掲げ憲法改悪を主張している。その本質は、クリーンな保守本流的路線であり、国家主義路線を打ち出している。公明党は、六月段階では九条に手をつけないとしていたが、大会において加憲と称して国連と多国籍軍の下で海外派兵ができると言い出している。

大きく広がる「9
条の会」の運動

 ただし自民党の改憲派は、国会で三分の二の賛成を得なければならないから、当然、復古主義でまとめることはできないと計算している。現実の政治は、民主党と党内九条擁護派との妥協した内容が出てくるだろう。全面改憲案ではなく、九条改悪を中心に改悪したものになる。国会でまとめた後、国民投票でもクリアーするために九条、前文、プライバシー権、環境権、オンブズマン制度なども入れて一括法案をねらっている。
 住民投票研究者の今井一さんは、国民投票の権利を奪うなと言っているが、憲法改悪とセットで国民投票法案を出してきている。このような法案に反対していかなければならない。改憲手続き二法案阻止の闘いを皮切りに、憲法を「獲得する人びと」「奪回する人びと」、すなわち憲法を実現する人びとを大量につくりだしながら闘っていくことだ。
 六月十日に九条の会を立ち上げた。年内だけでも仙台、札幌、那覇で講演会を行う予定だ。仙台などは、第三会場まで用意するほどだった。大阪でも会場外に二千数百人があふれた。動員ではなく、九条の改悪に反対する人々の大きなうねりが始まっている。さらに、専守防衛派とも共同していかなければならない。大きな団結を作っていく前段の闘いとして、憲法改悪反対五千万署名運動の取り組みを準備している。共に闘っていこう。(講演要旨・文責編集部)


DU兵器禁止国際行動デー
劣化ウラン兵器の非人道性を訴えキャンドルデモ

 十一月七日、東京・渋谷勤労福祉会館で「劣化ウラン兵器禁止を求める国際行動デー」が劣化ウラン兵器禁止・市民ネットワークの主催で行われ、百四十人が参加した。
 最初に主催者から基調報告が提起された。
 「本日の集会は、国連の『11・6戦争と武力紛争における環境破壊を防止する国際デー』に連帯して、世界・国内での行動の一環として取り組まれた。湾岸戦争やユーゴ戦争などで使われた劣化ウラン兵器によって、放射性被曝患者がたくさん発症している。特にイラクにおいて、子どもたちがガンにかかって死んでいる」
 「こうした被害を米政府だけでなく日本政府も一緒になり、劣化ウラン兵器の危険性についてごまかそうとしている。劣化ウラン兵器の使用は国際人道法に反する違法行為だ。兵器の使用禁止・廃棄、犠牲者への補償と汚染の除去を要求していく」。
 続いて、前田朗さん(東京造形大学教員)が「劣化ウラン兵器を禁止するために―国際法ではどうなっているか」を国際人道法の形成から解き明かし、ジェノサイド禁止条約などから劣化ウラン弾禁止条約の必要性を訴えた。
 イラクで劣化ウラン弾の取材を続けてきている豊田直巳さん(フリージャーナリスト)は、劣化ウラン弾によって破壊された戦車や高射砲にガイガーカウンターを当てて被曝を確認した様子を報告した。
 「劣化ウラン弾は、クウェート国境などだけで使われただけでなく、バクダッドなど都市の攻撃にも使われた。イラクの住民にその危険性が知らされていないので、子どもたちは廃棄された戦車の上で遊んでいた。地元住民は、戦車を解体し鉄屑にして売っている。このように、低レベル放射能がまき散らされている。小児用ガン病院で、人魚のように足がくっついて生まれた赤ちゃんを見せられた。感染症が増えている。米軍のイラク戦争が始まる前はなかったのに、二週間で二百件あった。みんな不安がっていた」。
 報告の最後に、佐藤真紀さん(JVC中東担当)は「今アンマンから支援物資を送っている。イラク復興計画に医療行政システムがはずされている。薬が足りず、病院の設備も老朽化している。白血病も五年前の八倍に増えている。白血病の治療薬は一人あたり五百万円もかかる。途中で投薬をやめると意味がなくなってしまう。イラクは一日二百万バレル石油が生産できるので、そのおカネをまわせば治療もできるが、それがとぎれている。小児ガン病院を何度も訪ね、支援をしてきたが、子どもたちがたくさん死んでしまっている。国際的支援がぜひ必要だ」と報告した。
 集会の後、宮下公園までキャンドルデモを行った。宮下公園では「NODU」の文字をキャンドルで作り、生田卍さんの歌や参加団体からアピールが行われた。(M)


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