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                            かけはし2004.05.3号

再処理やめるなら、いま!

「4・9反核燃の日」行動

 再処理工場が動く前に止めるために市民集会、全国集会とデモ

 四月十一日、青森市内で「4・9反核燃の日」市民集会と青森県反核実行委員会主催による集会とデモ、交流会などが行われた。六ヶ所再処理工場は、四月中のウラン試験開始が計画されているが、使用済み核燃料プールの水漏れ問題をはじめとした日本原燃や国の対応に対する反発によって、試験開始の前提となる地元との安全協定締結が行われないままとなっている。
 市民集会は、核燃サイクル阻止一万人原告団の浅石紘爾さん、反核実行委員会の今村修さん、漁場を核燃から守る会の坂井留吉さん、青森県議会議員の鹿内博さん、核燃から海と大地を守る隣接農漁業者の会の清水目清さん、核燃料廃棄物搬入阻止実行委員会の平野良一さんの六人が呼びかけ、共同代表の実行委員会が主催した。午前の各地報告、正午からの反核実行委員会主催の集会とデモへの参加、午後の「再処理・ウラン試験を止めるための運動の展開についてグループ交流・トーク」の三部構成で行われた。
 午後の部では、原子力資料情報室の西尾獏さんによる「六ヶ所再処理工場を動かすべきでないこれだけの理由」と題した問題提起が行われた。昨夏、原子力推進の中枢部に所属する有志の研究者らでつくる原子力未来研究会が月刊誌『原子力eye』(旧名称は『原子力工業』)で連載を予定していた論文で、六ヶ所再処理問題総合評価を行い、一切運転を行わずに「一時延期、その後キャンセル」が最も望ましいとの提言を行った。西尾さんはこの論文が一回きりの掲載で、この提言のために掲載中止となったことにふれ、「私たちは即キャンセル」という立場を強調した。
 続いて、鹿内さんの進行で「運動の展開についてグループ交流・トーク」が行われた。五月八日に河野太郎代議士の講演会を青森市内でどのように開催するか、地元紙へ意見広告掲載をどのように運動として広げるかという、午前の部での平野さんの提起をめぐって活発な論議が行われた。
 意見広告運動については今回の実行委員会のよびかけで運動展開することが確認された。一方、河野講演会については、河野氏が自民党籍であること、イラク派兵に対して賛成投票していることが問題となり、この指止まれ方式で、平野さんがあらためて呼びかけることになった。河野氏は、自ら発信するメールマガジンで再処理反対の立場を宣言し、この四月十五日掲載の朝日新聞「私の視点」欄で再処理反対論を鮮明にしている。
 反核実行委員会の集会とデモには、全国から千二百人の労働者・市民が結集した。反核実行委員会は、旧総評系労組を中心とした県平和労組会議、原水禁県民会議、自治労青森、社民党青森県連で構成する。集会では、四月二十四日からの三日間で全国で再処理工場反対を訴えるキャンペーンの一つとして片面を統一したチラシを百万枚配布しようとのよびかけが行われた。片面の文章は、宇井純さん、宇沢弘文さんなどの連名となっている。
 反核実行委員会では、前日に大間原発予定地のフィールドワーク、翌十二日には六ヶ所核燃施設のフィールドワークを行っている。大間原発予定地には、炉心間近に一・二ヘクタールの農地や反核実行委員会を中心とした共有地など、未買収地が点在する。この農地を中心とする未買収地のため、大間原発計画を進める電源開発は、炉心を二百メートル移動・変更した設置許可申請を国に再提出している。原発の建設許可自体は行われてはいないが、この農地周辺の造成工事は着々と進められたため、灌漑用の沢が涸れ、耕作が困難な状況がでてきた。そのため、地元の支援者や高木基金の高木久仁子さんらのよびかけで、揚水用の風車建設のための基金募集もよびかけられた。今年八月までに五百万円を集める計画である。     (M)


キャンペーンチラシ

危険!プルトニウムを貯めて何に使うの。
私たちは、六ヶ所再処理工場を動かさないよう訴えます。

 いま、青森県の太平洋岸に位置している六ヶ所村に、使用済み核燃料の「再処理工場」が建設されています。
 これは、原子力発電所で燃やされた後の核燃料を溶かし、燃え残りのウランとプルトニウムを、高レベル放射性廃棄物と分けて取り出す工場です。
 近くウランを使った試運転に入り、来年四月には実際の燃料を使う本格的な試運転が計画されています。
 いったん工場が運転され、放射能で汚染されてしまうと、後始末はとてもやっかいなものになります。
 そうなる前に止めたい、というのが私たちの願いです。
 再処理工場は、ウランとプルトニウムを回収して、ふたたび発電に利用するためのものといわれていますが、プルトニウムを使った発電は、ふつうの原子力発電よりさらに危険です。このため、反対の声が大きく、未だに実現していません。ウランについては、本格的な利用計画すらありません。
 この時代に、使いみちのないプルトニウムを貯めておけば、「日本は核武装をするつもりか」と世界のひとたちから疑いの目でみられ、対抗して核武装をする国をつくりだしかねません。
 使えないものをつくる必要はないのです。
 再処理工場が一日動くと、原子力発電所一年分の放射能が出るといわれています。ふだんから地域を汚染し、いったん大事故が発生すれば、地球規模の被害をもたらします。
 この再処理工場の総事業費は十一兆円にのぼると試算されています。
 いま建設を中止すれば、三分の一か四分の一くらいの無駄ですみます。
 それでもたいへんな額ですが、危険なことは一刻もはやくやめるというのが賢明というものです。事業をつづければ、さらに巨額な費用がかかり、働く人を被曝させ、地域を放射能で汚染し、大事故ばかりか核拡散の危険をつくり、将来に禍根を残します。
 この再処理工場の建設をただちに止めることこそ、日本の将来の平和を保証し、子どもたちを守ることなのです。

二〇〇四年四月
宇井純、宇沢弘文、奥平康弘、鎌田慧、小室等、澤地久枝、土本典昭、暉峻淑子、中川李枝子、灰谷健次郎、広河隆一、広瀬隆、松谷みよ子、道浦母都子、森詠、山崎朋子、山中恒、湯川れい子
六ヶ所再処理工場の建設中止アピール事務局/原水爆禁止日本国民会議、原子力資料情報室



チェルノブイリ原発事故から18年
珠洲・巻の風を六ヶ所へ
画期的な二つの勝利の経験に学んで再処理を止めるために


 四月十七日、東京・千駄ケ谷区民会館で「チェルノブイリ原発事故から十八年、珠洲・巻の風を六ヶ所へ、再処理やめるならいま!」と題して集会が開かれた。主催は、原発とめよう!東京ネットワーク。会場には七十人が集まり、関西電力・中部電力・東北電力の珠洲原発計画(石川県)と東北電力の巻原発計画(新潟県)をそれぞれ二十数年の闘いで断念に追い込んだ地元から二つの勝利の報告を受け、その教訓を建設の終わった六ケ所村再処理工場の稼動を阻止する闘いにどのように生かすか、質疑・討論を行った。集会の後、街頭をデモし「再処理工場を止めよう!」「原発を止めよう!」と訴えた。
 集会では最初に、主催者を代表して原子力資料情報室の伴英幸さんがあいさつした。イラク侵略戦争のなかで有事七法案の成立や憲法改悪、教育基本法改悪がねらわれ、「人を愛するよりお国のために尽くせ」という気分が作られつつある、と指摘した伴さんは、「もんじゅ」や六ケ所再処理工場など大量のプルトニウムを保有する政策に固執する政府が、いよいよ核武装に向かうかもしれないという危険性に警鐘を鳴らした。
 そしてすでに工事が完了した再処理工場について、「これからウラン試験、ホットテストを経て本格稼働に向かおうとしている。ウラン試験に入れば施設が汚染されて、後戻りは一層困難になる。展望もなく巨額の費用の負担がのしかかる『プルトニウムリサイクル』に対して、原発推進派からも『六ケ所再処理工場稼働反対』の声が上がっている」と述べ、稼働する前に止めようと訴えた。
 珠洲からの報告は、反対運動の中心で闘い続けてきた北野進さん(前石川県議)。
 珠洲原発は、典型的な過疎地である地元の誘致決議を受けて北陸電力が調整役となり、関西電力が高屋地点、中部電力が寺家地点にそれぞれ一基の原発を建設するというものだった。
 北野さんは、推進派の無競争当選を阻止するために自ら立候補した八九年の市長選で推進派が当選したものの、反対派二候補の得票が過半数を超えるという成果をバネに、関西電力の事前調査を三十日間の阻止行動と四十日間の市役所座り込みで中断に追い込んだ闘いや、県議選、市議選、市長選などの選挙闘争、全国に呼びかけた共有地運動などについて報告した。
 昨年十二月五日、電力三社は珠洲市に対して「建設凍結」の方針を伝え、「解凍はない」という形で、計画が表面化してから二十八年で反対運動の勝利が確定した。北野さんは、長い闘いのなかで生じた地元社会の溝を埋めるための努力とともに、電力がいまも持つ土地に使用済み核燃料中間貯蔵施設を作らせないよう監視し続ける必要があると述べた。
 そして「運動をはじめた当時、私たちはほとんど『非国民』扱いされていた。いま、日本人人質問題をめぐって小泉首相のイラク派兵継続支持が七三%だという。しかし私たちは運動を通じて必ず多数派になれる」と訴えた。
 昨年十二月二十四日、東北電力は七一年に表明した新潟県巻町の巻原発計画の「断念」を決定した。九六年の全国初の住民投票などの三十二年間にわたる反対運動の勝利が、珠洲原発計画に続いて確定した。巻町からは桑原正史さんと三恵さんが報告した。
 最初に報告に立った正史さんは、「九九・九%止められないと思っていた。しかしやらねばならないと思った」と語った。続いて三恵さんが、運動の経過を詳しく語った。
 双方ともに推進派であり商工会や農協を牛耳る保守系二派が拮抗し、選挙のたびに浮動票を引きつけるために慎重派を装い、勝てば推進派となるという巻の政治風土。そのなかで、「何でも反対」の運動としか見られない労組依存型革新運動から、住民の意志を体現できる運動に転換しようとする努力と模索が続けられてきた。
 九五年二月に東北電力が原発用地内の町有地を申し入れ、町長が召集した臨時町議会を大衆行動で阻止し、四月町議選では定数二十二のうち反原発派と住民投票条例制定派が十二を占め、六月に住民投票条例案が可決された。佐藤町長の住民投票条例無視と町長リコール運動、町長辞任と翌年一月の出直し町長選での「住民投票を実行する会」笹口町長の誕生と住民投票の勝利、町議会での電源立地対策課廃止案可決、町有地の反原発派への売却と推進派の提訴による裁判闘争、町議選と町長選。まさに嵐のような闘いが展開され、遂に昨年十二月の県と東北電力の「計画白紙撤回」に至った。
 桑原三恵さんは質疑のなかで述べた。「住民は推進派が利権目当てだということは知っている。でも、私たちの運動が反対のための反対だと思われている間はどんな正しい情報を出しても信用されない。革新政党と労組の運動というあり方を少しずつ超え、それが一定の水位を超えた時、私たちの訴えが徐々に伝わるようになっていった」。北野さんは「あきらめずに、相手を侮らずに運動を続けることが道を開く」と述べた。
 珠洲と巻の勝利の報告に続いて、六ケ所再処理工場を動かさないように訴えるビラ百万枚を全国でまこうというアピールや、浜岡原発を止めるための署名運動のアピールが行われた。さらに、電源開発(Jパワー)が青森県大間にフルMOX(燃料すべてがプルサーマル)で計画している大間原発の炉心予定地近くで続けられている農業を守る揚水風車建設五百万円全国カンパ運動が呼びかけられた。
 最後に、翌十八日のイラク反戦行動へのアピールが行われた後、土曜日の原宿を行進して「再処理工場を動かすな!」「原発を止めよう!」と訴えた。 (I)



陸自滝ケ原駐屯地に要請行動
全占領軍と自衛隊のイラクからの即時撤兵を要求して

 【静岡】四月十八日、御殿場市中央公園で、静岡県労働組合共闘会議(県共闘)が中心となって「自衛隊員に呼びかける4・18東富士行動」が行われ、集会と市内デモ行進、東富士演習場に隣接する陸上自衛隊滝ヶ原駐屯地に対する要請行動が行われ、五十人の仲間が参加した。
 今回の行動は、憲法を踏みにじって強行されたイラク派兵が、「人道復興支援」といった「粉飾」をこらしてなお、米英侵略軍の一部にすぎず、ましてや「専守防衛」を掲げる自衛隊法にも反しており、自衛隊員やその親族にとって生死のかかった重大な問題となっていることに対して、派兵反対の明確な主張を自衛隊内に届けようと企画された。
 主催者を代表して県共闘の鈴木卓馬代表は、イラク戦争の大義が崩壊し、ブッシュにとって都合のいい「民主主義」を振りかざしてイラクの人々に襲いかかっていること、自衛隊もイラク侵略の片棒を担いでいることを許してはならないと訴えた。集会に駆けつけた北富士「忍草母の会」の天野さんは、自衛隊が北富士演習場梨ケ原廠舎内にイラク・サマワの自衛隊施設に類似した施設を建設し、襲撃想定訓練を行おうとしていることを糾弾し、イラクへの派兵を許さないために「命がけの闘い」を展開することを明らかにした。
 戦争に反対する市民ネット・静岡の桜井建男さんは、自衛隊を撤退させるために「違憲訴訟」の準備が進められ、四月二十九日の「自衛隊派兵違憲裁判勝利・市民平和の集い」への参加を訴えた。元県議で「浜岡原発とめよう裁判の会」の白鳥良香さんからは、劣化ウラン弾が原発の副産物であること、また人質事件で政府・与党から「自己責任」論が語られていることに言及して、あたかも五人を救ったかのような言動を厳しく糾弾し、実は五人を始めとするNGOなどの人々の献身的活動によって、日本も自衛隊員も守られてきたと明確に述べた。
 神奈川県横須賀から参加した木元茂夫さんは、横須賀での自衛隊員に対するアンケート調査が一定の成果を上げていること、今後も宣伝活動を継続して行っていくことを報告した。集会の最後に、立川テント村の三人の仲間の不当逮捕と起訴、長期拘留に対して支援のカンパが呼びかけられた。
 集会後、御殿場市内のデモ行進を行った後、東富士演習場に隣接する陸上自衛隊滝ヶ原駐屯地に向かい、駐屯地司令宛の「イラクから、ただちに全占領軍と自衛隊の撤兵を求める」要請書を手渡す行動を行った。(M)


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