| NHK裁判控訴審報告集会 かけはし2005.1.31号 |
一月十七日、YMCAアジア青少年センターで「NHK裁判控訴審第3回口頭弁論報告集会」が「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW―NETジャパン)の主催で行われた。
一月十二日、朝日新聞は女性国際戦犯法廷のNHKの番組改ざんに安倍晋三、中川昭一自民党議員の圧力があったと報じた。翌日、NHKの担当プロデューサー長井暁さんが政治介入した政治家の実名を明らかにし、海老沢NHK会長は責任をとってやめるべきだと衝撃的な内部告発をした。この後、マスコミはこぞってこの問題を取り上げ連日報道される事態になった。当初、文京区民センターで報告会を予定したが、急きょ会場を変更し、百五十人の参加で関心の高さを示した。
報告会は、最初に長井会見やそれに反論する安倍などの報道映像のビデオを流した。裁判記録や長井さんなどの発言によると、事実は次のようであった。
二〇〇一年一月十九日、吉岡教養番組部長が放送予定の番組を試写させ、大幅に改ざんさせる。一月二十四日、制作を請け負っていた孫請けのドキュメンタリー・ジャパンはNHKの方針変更通りでは編集できないと制作からおりる。一月二十九日、松尾武放送総局長と野島直樹国会対策担当局長が自民党副幹事長の安倍晋三と会い「バランスのとれたちゃんとした番組になっている」と報告している。一月三十日、松尾が放送当日になって、三分のカットを要求した。制作担当者全体が反対したが、職務命令ということで押し切り、全体で四分のカットで放送した。NHKは、女性国際戦犯法廷の判決部分をカットし、音を小さくし、映像を消し、最後にナレーションもカットした。
「法廷」への許しが
たい侮辱と歪曲
続いて、安倍・中川のコメントに対する分析・反論を、西野瑠美子さん(VAWW―NETジャパン)が行った。
「安倍さんは、女性国際戦犯法廷の事実関係について重大な事実歪曲、誹謗・中傷を続けている。歪曲された事実があたかも真実であるがごとく日本の市民に伝わっていくことは、『法廷』に正義を求めて被害八カ国から参加した六十四人の被害女性の尊厳を大きく侵害するものだ。『法廷』には世界三十カ国以上から約四百人が参加し、三日間の審理にはおよそ千人が傍聴し、最終日の判決概要の言い渡しはおよそ千三百人が傍聴した。『法廷』の歪曲と侮辱は、こうした多くの人々に対しても許されない行為だ」。
「当時、永田町でこの番組が話題になっていたと言うが安倍さんはなぜ放送されていない前の内容を知っていたのか。安倍さんは戦犯法廷を批判しているが、いま、争点がずらされて『安倍さんはよくやった』と言われるようになる動きが強まっている」。
「論点をずらされることなく、いかなる政治的圧力に影響されることもなく、真実と正義を追求していきたい」。
続いて、弁護団の飯田正剛さんが当日行われた裁判の報告をした。
「NHK側は裁判の打ち切りを要求したが、控訴人からの審理の続行の要求に対して、裁判所が認めて、結審の予定が続行に決まった。どういう圧力があったのか、これが基本である。一審の段階で、NHK側は『外部的圧力について』認否をしなかった。コンプライアンス(法令順守)制度でやればいいといい、また係争中だからと事実を明らかにしない。NHKは言い逃れができればいいと使いわけをしている。こうしたNHKの理不尽な態度を許さない法廷外の運動が重要だ。次回4月25日の法廷で、証人申請したNHKの松尾武放送総局長、野島直樹国会対策担当局長、海老沢会長、自民党の安倍晋三、中川昭一の調べを行うか決めることになった」。
安倍・中川の責任
追及のたたかいを
この後、共同代表の東海林路得子さんも加わった三人の発言の中で以下のように訴えられた。
「長井さんはNHKの一連の不祥事をみて告発することを決断した。NHKに内部告発制度ができた。内部と外部で調査する制度になっているが、外部を担当するのが、丸の内法律事務所である。しかし、この法律事務所の三人の弁護士が番組改ざん事件のNHK側の弁護にあたっている。こうような制度で公平な調査ができるのだろうか。末端の職員が不正をして、この制度にかけられると、すぐに調査・処分をし、公にしているが、今回のような上部の問題は問題にされていない。NHKには自浄能力がない。安倍の『証拠をみせろ』『立証するのは長井だ』というのは軍隊慰安婦裁判と同じだ。NHKは政治家にペコペコしている。このようになる仕組みの問題を追及していかなければならない」。
報告の後、討論で「安倍などの政治的介入をもっと厳しく追及すべきだ」「番組改ざんはわれわれの知る権利を奪うものだ」と意見が出された。NHK番組改ざん裁判を支援するとともに、国会などで安倍・中川の政治介入の責任を追及する運動を発展させることの重要性が明らかになった集会だった。 (M)
佐藤虐殺20年・山岡虐殺19年弾劾・追悼
日雇全協が決意も新たに反失業総決起集会
一月十六日、山谷の玉姫公園で佐藤満夫虐殺20ヶ年 山岡強一虐殺19ヶ年 弾劾・追悼!日雇全協反失業総決起集会が行われ、全国から年末年始の越年闘争を闘い抜いた日雇い・野宿労働者、支援者など約二百人が結集した。主催は日雇労働組合全国協議会。
冒頭、釜ヶ崎の仲間が肺ガンで亡くなった仲間の遺影を掲げ、亡くなった仲間の分まで闘かっていくと発言して集会は始まった。
司会の山谷争議団の仲間は映画「山谷 やられたら やりかえせ」の最初の監督である佐藤満夫さんが天皇主義右翼・国粋会金町一家によって刺殺されてから二十カ年の昨年、映画の上映会が行われたこと、山谷でも佐藤さんの故郷に行き、墓前に手を合わせてきたことを紹介し、佐藤さん、山岡さんや、この数年に亡くなった釜ヶ崎の隊長、藤井さん、山谷の南さんなどの意志を引き継いで闘っていこうと訴え、全体で黙祷を行った。
排除に抗し野宿
労働者とともに
最初に連帯あいさつとして山谷労働者福祉会館の仲間が、東京都の地域生活移行支援事業に触れ、「支援を隠れ蓑にした排除は許さない」と発言。
続いてATTAC・ジャパンなどの連帯アピールが紹介され、大阪越冬実、新宿連絡会、渋谷野自連、争議団連絡会議が発言。
続いて日雇全協各支部の発言が行われる。第三十一回目の越冬を闘い抜いた釜ヶ崎日雇労組、白川公園での野宿者の小屋に対する名古屋市の行政代執行攻撃と対決して闘う笹島日雇労組、十一年間続いたプレハブ小屋での越冬が横浜市の越冬対策の縮小で中止を余儀なくされ、公園にテントを張っての越冬を闘った寿日雇労組、最後に山谷争議団の仲間、「毎年二千人が野宿せざるをえなくなっている、三万人とも四万人とも言われる野宿者、三十万とも四十万とも言われる日雇い労働者と共に日雇全協は闘っていく。」と発言。
シュプレヒコールを上げ、山谷地区を一周するデモに出発。警視庁第二機動隊による不当な弾圧に抗して解散地ではスクラムで押し返していった。 (板)
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