| 東京都管理職国籍条項訴訟最高裁判決 かけはし2005.2.7号 |
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外国籍者排除の論理を許すな鄭香均さんの闘いに応えよう |
最高裁は憲法判
断を回避した!
「怒りも涙も出ないあきれ果てた判決で、もう笑いが先に出てきてしまいました。在日韓国・朝鮮人が大法廷に立って、初めて憲法判断を示してくれるかと思ったが歯牙にもかけられなかった」「みなさんにお願いしたいことはこの(あまりにもひどい)最高裁大法廷判決をいろんな語に訳して世界に伝えることではないかと思う」「反省すべきことは裁判が大法廷に回ったということで少し期待をした自分だと言うことです。以上」(原告の鄭香均さん)。
「いくらなんでも最高裁はこんなにひどい判決は出さないだろうと思っていた。戦後六十年間を経て在日韓国・朝鮮人が『在日』として日本の社会の中で認知を得られてきているという状況の中で、鄭香均さんが提起した問題を最高裁が真っ正面からとらえる社会風土がそろそろ熟しているのではないかというのが一点、もう一つは日本の国際化のためにアジアの五十年、百年先を見すえた、内外国人同一ということをどういうメッセージで投げかけていくのかという時代の先の読み方を最高裁はできるんじゃないかという思いがあった。公権力行使に携わる職種(公務)とは何かを示す基準を、職業選択の自由という点から見て世界人権宣言たりえているのかの判決を出さなければならなかったのに、最高裁はその基準に対して憲法判断を下すのを回避した」(金敬得弁護士)。
「自治体の裁量の範
囲」は時代に逆行
一月二十六日に最高裁大法廷は、日本国籍者でないことを理由に東京都の管理職試験受験を拒否された都職員(韓国籍で保健師の鄭香均(チョンヒャンギュン)さん)が、都の処分は憲法(法の下の平等)違反だとして賠償などを求めた国籍条項訴訟の上告審判決で、受験拒否は憲法違反とした東京高裁判決(97年)を破棄し原告(鄭香均さん)請求を棄却するという逆転判決を言い渡した。
判決は「外国人が地方公務員に就任することはわが国法体系の想定外」とし、東京都が管理職受験を拒否したのは「合理的理由がある」と言い切った。
昨年十二月十五日の最高裁大法廷口頭弁論において五十二年ぶりに在日韓国・朝鮮人として大法廷で意見陳述した鄭香均さんは「戦後半世紀以上、数世代を経ても日本国籍者にならない、世界でも特異な少数民族である在日韓国・朝鮮人が誕生した歴史を敢えてここで振り返らせていただきます」と述べて日本の戦後史の中で在日の身分や国籍が時の権力者によって意のままに操られ切り捨てられてきたかを語り、「政府の横暴に対して裁判によって司法判断を求めることは、参政権なき少数者にとって人であるが故に自分が持つ人権を守る唯一の手段」だと明解に論じ、「最高裁が大法廷において初の司法判断を示そうとされたことに敬意を表します」と締めくくった。
また弁護団は、自治体による国籍条項撤廃の流れが今日、一府十県、政令指定都市全市(13市)、県庁所在都市十一市、中核市十一市、主要都市六十四市中三十五市(53・8%)へと進み、全国五百八十以上の自治体に七百七十人以上が職員として採用され、外国籍市民の住民投票参加自治体が百五十に達するなどの時代のすう勢、外国人の地方参政権運動の高まりなどを指摘して最高裁がこうした時代の流れを踏まえて外国人の公務就任権について踏み込んだ憲法判断を判示することを求めた。しかし最高裁は問題を「自治体の裁量の範囲」として憲法判断を回避し、ひいては責任を回避するという姿勢に徹した。
排外主義者石原
を喜ばした判決
この判決を受けて東京都知事石原は「至極当然の判決だ」とした上で「(外国人採用についての自治体間の裁量の相違)というものを統一させるということは国の責任だと思う」(1月28日の会見)と述べて、今判決を契機にして外国籍者の公務員職からの排除へと日本政府・自治体は動くべきだと煽った。挙げ句に「この人(鄭香均さん)が責任ある仕事をもっとしたいというのであればぜひ帰化していただきたい。帰化を阻止する要因はないと思う」とまくし立てた。
日本人によるこうした短絡的な「方便としての帰化の奨め」にこそ在日韓国・朝鮮人は怒り憤り、日本国籍取得を峻拒して韓国籍・朝鮮籍を選択しているのだ。こうした石原発言に示される外国人の職業選択権、国籍選択権への「国家主権論」を盾にした締め付けと排除の論理の横行に火をつけたという意味でも、今回の最高裁判決の反動的性格は際だっている。
最高裁で敗訴したとはいえ、国籍にとらわれない人間の尊厳ををかけた鄭香均さんの先駆的闘いはあとに続く在日韓国・朝鮮人、外国籍者そして日本人を奮い立たせる闘いでもある。排外主義の逆流に対峙して在日外国人の職業選択・国籍選択の自由をめざし、在日外国人労働者と固く結びついた労働運動・市民運動の輪を広げていこう。(H)
教基法改悪反対集会に1545人
都教委に追いつけと攻撃を強める県教委
一月二十二日、川崎市教育文化会館で「ここでとめなきゃ、いつとめる!教育基本法改悪反対!1・22神奈川大集会」(主催・実行委員会)が行われ、県内の市民運動、組合など千五百四十五人が参加した。
東京都教委の「日の丸・君が代」強制に追いつけと、神奈川県教委も教育基本法改悪の先取り的な攻撃と新自由主義的教育改革を推進している。
昨年十一月三十日、県教委は県立学校に「入学式及び卒業式における国旗の掲揚及び国歌の斉唱の指導の徹底について(通知)」を出した。通知は、@三脚での「日の丸」掲揚を評価し、実施の形態について「一層の改善・充実」を求めているA「教職員全員の役割分担」を追加B「斉唱時に教職員は起立」が加わった。さらに「新しい歴史教科書をつくる会」や天皇主義右翼勢力などが県市町村議会に教育基本法改悪・憲法改悪・教科書採択制度改悪に向けた意見書採択運動を議会保守派と共同で展開している。
このような県教委や右派勢力による教育の反動化に対して、昨年六月、市民・教育労働者を中心とした教育基本法改悪反対集会を六百人以上で実現している。ねばり強くスクラムを強化し、教育基本法改悪と右派意見書不採択運動の取り組みをしてきた成果として、この日の集会の大成功を実現したのである。
実行委員会の開催あいさつから集会が始まった。
次に、高橋哲哉さん(東京大学)が「教育基本法『改正』の昨日・今日・明日」というテーマで講演し、@「女性国際戦犯法廷」NHK番組改ざん問題をめぐっての批判A町田教委が国歌斉唱時の声量にまで指導せよという通知への批判B個人の尊厳を守りぬき、国家の介入を許さない闘いとして教育基本法改悪反対闘争があることを提起した。
『心のノート』批判を果敢に行っている小沢牧子さん(社会臨床学会)は、「教育基本法『改正』と子ども・家庭」について提起し、「教育基本法改悪を通して国家が家庭教育にまで介入することをねらっている。また、この間、ジェンダーフリー攻撃が強まっているが、改悪法案は両性平等の視点がない。憲法改悪の流れの中において、これ以上の後退をやめさせよう」と訴えた。
「告発!教育をめぐる現状」というコーナーでは、東京都障害児学校教職員組合が東京都の不起立・再発防止研修を批判、「日の丸・君が代」の法制化と強制に反対する神奈川の会が県内の「日の丸・君が代」強制をめぐる動向を報告、定時制高校を守る市民の会・かわさきからも発言があった。
藤田英典さん(国際基督教大学)は、「教育基本法『改正』問題と市民社会」の観点から、教基法改悪法案をめぐる政府与党の取り組み状況を報告し、「改悪法案が密室の中で嫌疑されていることを厳しく批判していかなければならない。教基法改悪のねらいは、これまで以上のエリート教育や強者の論理の押しつけだ。また、教員に対する成果主義的な人事管理、新たなテスト主義などによって教育現場は疲弊している。このような状況をストップさせよう」と訴えた。
さらに、石坂啓さん(漫画家)、県高等学校教職員組合、鎌倉・子どもと教科書ネット21、教基法改悪意見書反対を訴える実行委、厚木基地爆音防止期成同盟、ゆきとどいた教育を実現する会、不登校・親の会、「学校に自由の風を」から取り組みの報告と力強い決意表明が行われた。
続いて、三宅晶子さん(千葉大学)が「新自由主義と新国家主義が作り出す心」について講演した。
大内裕和さん(松山大学)が「これからの運動の方向性」として入学・卒業式時の「日の丸・君が代」反対闘争支援・連帯の強化、五・七教基法改悪反対!代々木公園大集会への参加、五月〜六月教基法改悪法案をめぐる国会行動などについて提起した。
最後に集会決議を参加者全体で採択して、デモ・パレード。川崎駅一帯に「教育基本法改悪反対!『日の丸・君が代』強制反対!」のシュプレヒコールを響き渡らせた。 (Y)
2・11反「紀元節」行動実行委のよびかけ
違憲のイラク派兵即時中止天皇の祭祀権復活を許すな
ファルージャでの住民の大量殺傷に象徴されるように、米軍中心のイラク侵略占領の暴力はエスカレートし続けている。そしてイラク武装勢力の反撃も、ここに来てますます大きくなり、米英の死傷者も増大しだしている。この侵略占領に「人道復興支援」のベールをかぶせながら、加担し続けている自衛隊。小泉首相は、なんとこの自衛隊を「多国籍軍」に入れた上に派兵延長(一年)を決めてしまった。
サマワの自衛隊員がイラクの人を殺す、あるいは自衛隊員が殺されるといった悲劇的事態は、もはや秒読みの段階に入ったといえる。この違憲の派兵(平和憲法破壊)政策を展開している自民党小泉政権は「自民党改憲案」を提出している。それは軍隊を持つ、戦争をする国家に向けて九条を変えるだけでなく、象徴天皇制のままでの天皇の「祭祀権」の公務としての復活を主張している。それは死者を神として祀る「現人神」の力の復活へとつながるだろう。くりかえされている小泉首相の靖国神社参拝が「国のために死んだ〈英霊〉を国は忘れない」というメッセージを内外に発し続ける行為であるとすれば、天皇の祭祀権の復活(「現人神」天皇の復活)は、予想されるイラクでの自衛隊員の死者の存在をテコにこのメッセージをさらに強力に発し続けうる体制づくりの準備であるといえる(この改憲案は、自衛隊「制服組」の九条の書きかえへの関与という事実も明らかになり、一応撤回はされたが、次に出されてくるものの基本スタンスにこの点についての変更はあるまい)。
皇太子の「マサコのキャリアや人格が否定されている」という発言を契機にマスコミを舞台にはじまった「皇室スキャンダル」騒ぎは「女性天皇制」(男女平等天皇制のイメージ)を支持する「世論」を拡大しながら、まだ続いている。
そして、今年も二月十一日が来る。こうした状況は天皇主義(神道主義)右翼グループの動きをより活性化させているはずなのに、マスコミは「国民の祝日を祝う会」主催の「建国記念の日を祝う国民式典」を廃止するよう、自民党が勧告したと、つたえている。
どうして今、この政府の全面的バックアップを受けるように「努力」してつくりだされてきた式典が、そうしたことになったのか。八六年に、分裂してつくりだされた天皇主義右翼中心の「神武建国の意義」を強調している式典との関係はどうなっているのか。
六六年に「建国記念の日」と名称を変更して復活された「紀元節」。これに毎年抗議の行動をつみあげてきた私たちは、イラク戦時下の今、天皇主義(国家主義)者の複雑な再編が進む状況を具体的に分析しながら、今年もこの「天皇神話」の記念日に大衆的な声をあげていきたい。
右翼の暴力的介入は日常化している。だからこそ「2・11行動」は大切であると私たちは考えている。一人でも多くの団体・個人の参加・賛同・協力を呼びかける。
2・11反「紀元節」行動実行委員会
よびかけ/反天皇制運動連絡会/立川自衛隊監視テント村/「日の丸・君が代」強制反対の意思表示の会/明治大学駿台文学会/アジア連帯講座/国連・憲法問題研究会
連絡先 東京都新宿区上落合3│15│1│301 落合BOX 電話090│3438│0263
「改憲と天皇制を考える2・11集会」
・日時 2月11日(金)13時開場/集会後デモ
・場所 渋谷区立勤労福祉会館(JRほか渋谷駅下車/パルコ前)
・講師・笹沼弘志(静岡大学教員・憲法学)、高尾利数(法政大学元教員・宗教学)
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