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東京・日比谷集会に5000人が参加           かけはし2005.5.23号

憲法改悪阻止の奔流を

平和・人権・民主主義の実現で戦争国家体制を阻もう

 五月三日、東京の日比谷公会堂で「9条を守る大きなうねりを! とめよう憲法改悪 2005年5・3憲法集会」が開催された。主催は、憲法改悪阻止各界連絡会議、「憲法」を愛する女性ネット、憲法を生かす会、市民憲法調査会、女性の憲法年連絡会、平和憲法21世紀の会、平和を実現するキリスト者ネット、許すな!憲法改悪・市民連絡会の八団体からなる同集会実行委員会。
 集会は、急ピッチの憲法改悪攻撃への危機感にあふれた労働者・市民が詰めかけ、日比谷公会堂を埋めつくした。場外に設置されたオーロラビジョンのまわりにも入場できなかった多くの人びとが集まって、五千人が参加する大結集となった。
 山口菊子さん(「憲法」を愛する女性ネット)が「公明党、民主党の議員もふくめて北区議会九条を守る会が結成されるなど、大きなうねりが作りだされている」と主催者あいさつをした後、「九条の会」呼びかけ人の一人、三木睦子さん(三木武夫記念館館長)が、「皆さんの力でなんとしても憲法九条を守ってほしい」と切々と訴えた。
 各界からの発言では、まず福岡からかけつけた教育基本法の改悪を止めよう!全国連絡会の八尋麻子さんが「来週中にも教育基本法改悪案が与党の検討委員会にかけられる状況になっている。私は今年、大学を出たばかりだが、多くの若者たちには就職口もなく、運動をしたくてもできない。皆さんが亡くなる前に憲法改悪を止め、教育基本法改悪を阻止する大きな運動を作ってほしい」と、平均年齢の高い参加者に呼びかけた。      
 昨年十二月、立川反戦ビラ入れ弾圧裁判の一審無罪判決の直後に、葛飾区のマンションで共産党の「区議会だより」を各戸配付したことを理由に「住居不法侵入」で逮捕・起訴された荒川庸生さんは「今回の弾圧は表現の自由への挑戦であり、戦前の治安維持法を思わせる」と語った。日本キリスト教協議会の糸井玲子さんは、憲法二十条の「政教分離」の見直しや皇室の「宮中祭祀」の「公的任務」としての位置づけに対して闘おう、と呼びかけた。
 「原子力空母の横須賀母港化問題を考える市民の会」の呉東正彦弁護士は「二〇〇八年にもキティーホークに代わって原子力空母が配備されようとしている。それは都心から五十キロの近くに大型原子炉が設置されるのと同じことだ。三十万人の署名を集めて横須賀市長に提出した。原子力空母の配備は憲法がうたっている平和的生存権の危機だ」と反対運動への支援を要請した。

憲法規範を作り
かえる改憲構想

 料理研究家の小林カツ代さんが呼びかけた「神楽坂女声合唱団」のコーラスの後、四人のスピーチが行われた。
 ノンフィクション作家の山崎朋子さんは、潜水艦イ167号で「名誉の殉職」を遂げた父を持つ「軍国の遺児」としての少女時代の思い出、在日朝鮮人との恋愛と共同生活の中で「日本国憲法」がいかに差別を温存してきたかを痛感した経験を語り、「からゆきさん」「大陸花嫁」「従軍慰安婦」「内鮮結婚」など、近代日本の底辺における「アジア女性交流史」の掘り起こしの中でつかみとった現実を語った。
 小林武さん(愛知大学教授)は、衆参両院の憲法調査会が作成した最終報告書を批判しつつ「それでも報告書の結論は憲法が定着している現実をある程度反映したものにならざるをえなかった。報告書の持っている多面的な性格を分析する必要がある」と語った。そして全国で千二百八十もの「九条の会」が各地で作られていることの意義を語るとともに、その中には「@自衛隊違憲論の人びとA専守防衛の自衛隊の存在を認める人びとB軍事行動でないかぎり自衛隊の海外派遣を認める人びと」が含まれている、と紹介した。そして「守旧派」的護憲論ではなく、各自が憲法と出会い、憲法を選びなおす道を選択すべきだ、と述べた。
 最後に日本共産党の志位和夫委員長と社民党の福島みずほ党首がアピールした。共産党の志位委員長は、「韓国や中国との関係の悪化は、日本政府や一部政治家による侵略戦争美化の動きが大きな原因だ。なんのための改憲か。政府首脳の発言から分かることは、アメリカが全世界で行っている戦争で自衛隊もいっしょに戦うためであることは明白だ」と強調した。社民党の福島党首は「憲法改悪は九条だけではない。憲法規範を根本的に作り替えてしまう攻撃だ。国家が個人の私生活や意識の中にまで入り込んで指令を下し、戦争のために基本的人権ほ破壊しようとするものだ」と語った。
 集会終了後、日比谷公園から数寄屋橋、東京駅を通って常磐橋公園までのデモでは、右翼が数寄屋橋交差点に五十台近くの街宣車を出すなどの妨害・挑発を試みる中で、元気良く「憲法九条を守れ!」の声を高らかに響かせた。  (K) 


大阪城野外音楽堂に3100人
戦争放棄を捨てさるなと藤本義一さんが熱弁


 【大阪】四月二十五日に桂米朝さん(落語家・人間国宝)、鬼追明夫さん(元日本弁護士連合会会長)、吉田玉男さん(文楽人形遣い・人間国宝)ら十四人によって「九条の会・おおさか」が結成され、それを広める形で五月三日、5・3おおさか憲法のつどいを成功させる会(大阪弁護士9条の会・大阪宗教者九条の会・阪大9条の会で構成)主催の憲法集会が大阪城野外音楽堂で、三千百人を超える人々を集めて開かれた。アンサンブルの演奏や手話の歌の後、集会は二人の大学生の司会で始まった。
 JR福知山線脱線事故の犠牲者に全員で黙祷を捧げたあと「9条の会・おおさか」の呼びかけ人の一人である作家の藤本義一さんが記念講演をした。
 「六十年前、中学一年生の時にこの辺を歩いた記憶がある。三月十三日の空襲の後で死体がごろごろ転がっていた。焼けて黒こげになった死体で、身長の二分の一ぐらいになっていた。当時自分の体重は二十六キロ、おやじの体重が三十七キロだった。おやじは結核で入院した。終戦後すぐおふくろも進駐軍のジープの事故で入院した。役所に行って生活保護の申請をしたが受け付けてもらえなかった。当時大阪には四十の闇市があって、その連絡員をして何とか入院費を稼いだ。病院は中学生に入院費用を払えと言う。日本はひどい国だと思った。これは大阪というより日本そのものの形だ」。
 「新憲法の中で一番すばらしいのは9条の戦争放棄だ。これ以外にはない。基本的人権とか言っているが、守られていない。明治からの習わしがそのまま糸を引いている。外国人は日本人は不思議だという。どうしてかというと、日本は核爆弾で何十万人も人が死んだのに、戦争を放棄し非核三原則までつくってしまった。私はこれはすごい決断と勇気だと思う。安保理常任理事国になるより、核廃絶を推進する国になる方がすばらしい。米国はいまだに原爆投下を謝罪していない。米国に付いていくのはもういい、戦争放棄・非核三原則の日本をもっと誇ったらいい」。
 「皆さんそれぞれの環境の中で、それぞれが自分の憲法を作っていったらいいじゃないですか。私も孫たちにも言っている。贅沢な料理よりも子どもに役立つ大人の一言を与えてやってほしい。生きていくのは自分の意思だから、自分の生きていく道を自分の中に問いかけて、それを語り合うことによって人生は輝きを増してくる。自分というものを問いかける人生もあることを皆さんと喜びたい」。

マスコミと大学
の罪深さを糾弾

 講演の後、リレートーク。高校二年生の下藤さんは、イラク戦争をきっかけに憲法9条の改悪に反対するようになったと語った。また榎並さん(定時制四年)は、「中学生時代は喘息で不登校、定時制工業高校に進学した。ところが今年から新入生の募集は停止された。校長も教育委員会も納得のいく説明をしてくれない。憲法二六条では等しく教育を受ける権利を有するとあるのに」、と憲法を変えるより守っていく方が重要だと訴えた。
 金さん(在日韓国民主女性会)は、「日本では戦前を引き継いで戦後が始まったため、六十年間有形無形の差別に苦しんできた。唯一の救いは、大日本帝国との訣別を明文化した憲法9条と教育基本法が戦後日本の背骨になったこと。今9条が改悪されようとしている。それは、なぜ私たちが日本で生まれなければならなかったのかということ自体を否定することにつながる。日本は過去の過ちを反省するどころか、政治家の妄言や暴言は後を絶たない。9条がありながら間接的に様々な戦争に加担してきたのに、今度は憲法すら改悪するという。それは大手を振って侵略戦争に乗り出すことを意味する」と、改憲反対を訴えた。
 リレートークを中断して、木藤なおゆきさんが「地球の隅々に憲法の花を」と題して、憲法漫談を披露した。
 木戸衛一さん(阪大助教授、阪大9条の会)は、「世論調査の結果を見て、多くの国民は思考停止状態にあるなと思った。これに関係して一番罪深いのはマスコミと大学だ。今大学は産学協同どころか軍学共同になっている。ものを見るとき、どの目線でものを見るかだ大切だ」と言い、9条の会も多数派ではないが、運動を広めようとステッカーを作ったと活動の一端を紹介した。
 続いて石田法子さん(大阪弁護士9条の会)、松浦悟郎さん(カトリック大阪教区補佐司教、大阪宗教者九条の会、「九条の会・おおさか」呼びかけ人)、津村明子さん(大阪府生活協同組合連合会会長、「九条の会・おおさか」呼びかけ人)、森南海子さん(デザイナー、随筆家、「九条の会・おおさか」呼びかけ人)が、それぞれの経験の上で憲法改悪に反対する思いを語りかけた。
 最後につどいを成功させる会、「9条の会・おおさか」の呼びかけ人全員が壇上に並び、みんなで憲法を唱和して集会を終え、中北龍太郎さん(大阪弁護士9条の会)のピースパレードの説明のあと、参加者はJR京橋駅まで約一時間のコースをデモ行進し、9条を守ろうと訴えた。(T・T)


5.1 湯沢
「九条の会・ゆざわ」発足記念講演会に200人


 【秋田・湯沢】五月一日、湯沢雄勝広域交流センターにおいて「九条の会・ゆざわ」発足会と記念講演会が、小森陽一さん(九条の会事務局長)を招いて開催された。
 集会にはゴールデンウィーク中にもかかわらず、二百人近い人々が参加した。
 はじめに司会より、「九条の会・ゆざわ」の発足準備会が、女性が中心になって進められてきたこと、四月三十日現在の賛同人は二百人を超えたことなどが報告された。
 続いて、鈴木湯沢市長、高野県議、むのたけじ氏が激励のあいさつを行った。
 記念講演に立った小森さんは@憲法は国家権力を縛るための最高の法規A九条改悪を押しつけるアメリカの世界戦略B九条改悪でカネもうけをたくらむ一部財界C九条が二十一世紀の戦争と平和の分岐点D九条を活かすこと(「活憲」)こそが平和と生活の改善をもたらすE九条を活かす広範な国民運動をどう創るか、について熱弁をふるった。
 最後に小森さんは「九条改悪と教育基本法の改悪は一体のものとして提出されている。これを打ち破り湯沢の地から世界へと運動を広げていただきたい」とアピールし講演をしめくくった。
 記念講演をうけて集会参加者は、全体の拍手で「九条の会・ゆざわ」の発会を確認していった。
 最後に司会が、賛同人と運動の一層の拡大を提案し、これを受けて参加者は、地域・職場での奮闘を誓い合って集会は成功裏に終了した。       (N)


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