憲法改悪に向けた
動きが加速化する
五月二十七日、東京・日比谷野外音楽堂で陸・海・空・港湾労組二十団体や宗教者、市民団体などの実行委員会の主催による「有事法を発動させない!憲法9条改悪に反対する5・27集会」が行われ、二千四百人が参加した。
小泉政権は、アメリカの「対テロ」グローバル戦略と一体となってイラク侵略戦争に自衛隊を参戦し、派兵大国化の構築、有事・治安弾圧体制の強化を押し進め、これらの集約として憲法改悪をねらっている。すでに四月に衆参両院の憲法調査会は最終報告を提出し、自民・公明・民主党が賛成した。そして、改憲にむけた手続きを定めた国民投票法案を早期に成立させようとしている。
この法案は、表現の自由や政治活動を規制しようとするものであり、絶対に許してはならない。政府与党は、郵政民営化法案を強行成立させ、国会会期延長をねらい、諸悪法を提出することも水面下で準備している。闘う労働者・市民は、このような小泉政権を許さないスクラムと戦線の拡大にむけて集会を行った。
労働者は戦争動
員に協力しない
開会のあいさつを石川勇吉さん(平和をつくりだす宗教者ネット)が行い、「現状に合わなくなったとして憲法九条を改悪する動きが強まっている。かつての侵略戦争に宗教者が加担してしまった反省も踏まえ、今、多くの宗教者は九条改悪反対の声をあげている。九条を生かし、広げていこう」とアピールした。
九条の会事務局長の小森陽一さん(東大教授)は、冒頭、「昨年六月十日、九条の会が発足して以降、全国にわたって講演会を成功させ、メディアも取り上げるようになってきた。千九百を越える九条の会が様々な分野で結成され続けている」ことを報告し、継続して全国網の目で広げていく決意を表明した。さらに、「ブッシュ政権は、自衛隊を米軍事戦略として使うために九条改悪を要求している。アジアの平和のために九条改悪を許してはならない。体を張って闘っていこう」と訴えた。
次に、社民党の福島瑞穂党首、日本共産党の小池晃参院議員が国会報告、郵政民営化法案反対、小泉政権批判を行った。
続いて、マスコミ九条の会、日本民主法律家協会、民放労連、カトリック横浜教区司祭からあいさつ。さらに、戦争反対・有事をつくるな!市民緊急行動の富山洋子さんは、「自衛隊のイラクからの即時撤退を求める闘いは、憲法改悪反対につながっていく。国民投票法案、教基法改悪、共謀罪法案を成立させることによって戦争ができる国作りを強めようとしている。これらの策動を許さず、九条の理念を広げていこう」と力強くアピールした。
実行委員会に参加する二十七の労働組合が組合旗を掲げ、壇上を埋め尽くした。代表発言として全日本海員組合の藤沢洋二副組合長は、「壇上に上がった労働組合はもちろん、戦火の海に船員は二度と行かない。すべての労働組合とともに、ナショナルセンターの違いを超えて、各層の人々とともに憲法九条改悪反対し、あらゆる努力をしていく」と発言した。
最後に集会アピールを採択し、参加者はデモに移り、銀座一帯にわたって「憲法改悪反対!自衛隊はイラクから撤退しろ!」と呼びかけていった。 (Y)
座間と厚木を結ぶ市民行動
米第1軍団は来るな!厚木爆音訴訟の勝利を
【神奈川】「第1軍団は来るな! 第3次厚木爆音訴訟に勝利しよう! キャンプ座間と厚木基地を結ぶ5・28市民行動」(主催 原子力空母の母港化に反対し基地のない神奈川をめざす県央共闘会議)の参加者は計四百人だった。
座間公園で出発集会を行った二百八十人はキャンプ座間のゲート前で移転反対と騒音を告げる要請書を渡そうとした。しかし米軍担当者は一向に出てこようとせず、基地関係者の不誠実な態度に参加者の抗議が殺到したため、警備担当者があわてて要請文を預かることになった。
その後二時間ほど六キロの道のりを行脚した。暑い気候だったが、なだらかな坂を上り下りし、途中から加わる参加者が多かった。よろずピースバンドの演奏にのったデモ隊は、沿道の子どもたち、商店街の住人と交流し、幾度となく賛同の意を表する人に出会った。厚木爆音訴訟期成同盟の仲間が赤いゼッケンをつけて出迎えた東粕ヶ谷近隣公園で合流集会を行う。その後、公園から三十分ほどの位置にあるゲートで厚木爆同の仲間が要請書を渡し、行動を終了した。
座間市では市議会、市長も先頭に立ち、市民から集めた「第一軍団司令部移転構想反対」の署名を六万人分をすでに提出している。キャンプ座間周辺では二〇〇四年度には五十二件であった騒音苦情が、五月二十三日だけで二十一件にのぼるなど夜間のヘリ騒音が深刻である。住民の移転、強化を受け付けない意思を一層たたきつけて米軍の挑発的な対応を許さない運動を作ろう。
厚木基地でも五月十八〜十九日にキティーホーク艦載機の夜間離発着訓練(NLP)が強行された。七〇デシベル以上の騒音を滑走路北一キロで九十三件、記録したという。通告外で高騒音をまき散らす、FA18スーパーホーネット機などのタッチアンドゴー訓練は許されない。この日の要請だけでなく、周辺自治体からも抗議が強まっている。沖縄と連帯しながら、静かな空を取り戻し、戦争機能強化を許さないたたかいを続けていこう。 (海)
市民が連続申し入れ
自衛隊派兵のために関西空港を使うな!
【大阪】五月二日、泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会の呼びかけで関西共同行動なども参加して、四月二十日に自衛隊第五次イラク派兵のための軍事物資の輸送に関西国際空港を使用させたことへの抗議と、第六次派兵のためには使用させないことを要求するために関西国際空港株式会社への抗議申し入れを行った。
このとき、関空の総務部はできるだけ言質を取られまいとする対応を繰り返すばかりであったが、それでも「関西空港を軍事使用させないことは地元自治体からの要請でもあるし、関空会社の方針でもある」と応えた。
にもかかわらず、その直後の五月七日には、関空会社は、第六次派兵のための迷彩服姿の自衛隊員の輸送を許可し、実行された。これに対して、五月十一日に住民連絡会の呼びかけで、関空会社への抗議申し入れが行われた。
関空会社は、「迷彩服の自衛隊員を運ぶことは明らかに軍事使用ではないか」との追及に対しては「イラク特措法に基づく派遣なので軍事利用だとは判断していない」と応えるのみであった。さらに「輸送した物資の中に第五次派兵のときには拒否した武器弾薬があったのではないか」との追及に対しては、「何を運んだかは、利用者のためにも明らかにできない。利用者(自衛隊や防衛庁)に直接聞いてくれ」といい、「それでは第五次派兵のときにはなぜ、明らかにしたのか」「どこからか不当な圧力があったのか」との追及には黙りを決め込むばかりだった。
住民連絡会は、関空の軍事利用、武器弾薬の輸送は「関西国際空港株式会社法」の第六条二項一号および二七条(安全性の確保の義務)に違反しており、一切の軍事利用を拒否するよう要求した。
その後、住民連絡内などは、泉南市、田尻町、泉佐野市の地元三自治体を訪問し、一九九九年の「関西空港の軍事使用反対」決議に則り、この間の自衛隊のイラク派兵のための関空の利用に反対し抗議するように申し入れた。各自治体の助役や空港対策担当部局は、第六次派兵のときには関空会社からの連絡があり「軍事利用ではなくイラク特措法に基づく正当な利用である」のいいぶんをそのまま鵜呑みにしている実態が明らかになった。住民連絡会からは、「何のための軍事使用反対決議なのか。国と社会が軍事化を強めているいまこそ、地方自治体は地域住民の安全のためにも決議を守らせる努力をしてほしい」と申し入れた。(H)
話し合うことが罪になる?
共謀罪新設阻止へ議員と市民が国会院内集会
五月十九日正午、「共謀罪新設に反対する市民と国会議員の集い」が衆院第二議員会館で開催された。主催は共謀罪に反対する市民の集い実行委員会。
共謀罪は、法案によれば@「長期4年以上の刑を定める犯罪について」A「団体の活動として、当該行為を実行するための組織による行われるもの」でありB「遂行を共謀した者」(ここでは「合意」だけで要件となり、合意に基づく準備行為=合意を促進する行為は必要でない)はC「刑期に処する」(原則は懲役2年以下、ただし死刑・無期・長期10年以上の犯罪の共謀は懲役5年以下に処する)、というもので、ただし犯罪の実行着手前に自首したときは減免される、となっている。
この法案による対象犯罪は五百五十七という多数にのぼる。従来の「予備罪」は「殺人、強盗、放火、内乱、外患」などのごく少数の犯罪にしか適用されなかったのに比して対象犯罪の領域は飛躍的に拡張され、しかも「未遂」や「予備」のさらに前段階で「合意した」というだけで「共謀」となるという恐るべきものだ。たとえば労働争議などで「今度、社長の家に押しかけてとっちめてやろう」などと話しただけで「逮捕監禁」の「共謀」に問われることになってしまう。まさに「思想を処罰」する、旧来のレベルを超えた治安法なのだ。
共謀罪法案(刑法・刑事訴訟法・組織的犯罪処罰法等改正案)は二〇〇三年の通常国会に提出されて以後、衆院解散にともなう廃案をはさんで4国会にわたって継続審議となっており、今回の国会において成立の可能性がある。
この日の集会では、最初に実行委員会呼びかけ人の一人である海渡雄一弁護士が、日弁連も五月十二日に院内集会を開催し、反対の運動を強めていることを報告した。
次にマッド・アマノさん(パロディスト)が、最近訪れたアメリカの「反テロ」を名目にした弾圧体制について語った。
「9・11以後の『愛国者法』の下で、ニューヨーク在の青年が自宅の壁にブッシュを茶化したポスターを張っていたことで拘束され、拷問的な取り調べを受けた。チェイニー副大統領の泊まっていたホテルの外観をスナップ写真として撮影していた人が拘引されたという例もある。とりわけアラブ系の人びとやアジア系の人びとがしょっぴかれる例が多い。アメリカを『自由と民主主義の国』だなどというイメージを払拭すべきだ」。
国会議員からは社民党の福島瑞穂党首と民主党の辻恵衆院議員が発言した。福島さんは「多様で多元的な価値を否定し、人びとの頭と心を浸食して国家にひれ伏させる治安体制に反対しよう」と訴えた。辻さんは「国会の会期は六月十九日までだが、与党筋では郵政民営化法案成立のために、会期を八月十日まで五十日間延長するという話も持ち上がっている。絶対に通してはならない法案については、きっぱりと通さない体制を確立していきたい」と述べた。
許すな!憲法改悪・市民連絡会の高田健さんは「反テロを口実に、かつては『いくらなんでも』と思われていたことが、どんどん現実になろうとしている。憲法の分野だけに立てこもらずに、ともに闘っていきたい」と発言。新聞労連前委員長の明珍美紀さんは、記者としてさまざまな人びとに出会って話を聞くのも仕事だが、その際に「共謀」をでっち上げられる可能性すらある、とこの法案の危険性を指摘した。
日本国民救援会の鈴木さんは、共産党のビラを休日に地域で配ったことを理由に「国家公務員法違反」で逮捕された労働者の例を取り上げ、被逮捕者を二カ月にわたって二百人以上の公安刑事が尾行し、ビデオや写真を盗撮していたことを報告し、異常なまでの治安弾圧体制強化に抗議した。最後に反住基ネット連絡会の白石孝さんが、米英での「顔写真、目の虹彩、指紋を判別する機能を兼ね備えたパスポート」を導入する動きを紹介して警戒を呼びかけるとともに、韓国では国会決議で戸主制度が廃止され、在韓外国人への指紋押捺強制が廃止されるという大きな前進も作りだされている、と奮起を促した。
(K)
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