| コメ輸入開放交渉は無効・国会批准阻止 かけはし2005.7.25号 |
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農業を破壊するWTO交渉反対6・20農民ゼネストを決行 |
「コメ交渉は無効」、「国会批准反対」を要求する農民たちが6月20日、全国90余の市、郡で数十万人の農民が結集し、最初の「農民ゼネスト」を展開した。農民たちは自ら育てたさまざまな作物をつぶしたり焼き捨てたりし、農機具やトラックで道路を占拠し、アスファルトの上に稲を投げ捨て、自分の耕作地を鋤(す)き返すなどの多様な方法でコメ交渉や国会の批准反対を叫んだ。農民という身分とは似つかわしくない。彼らが、「ゼネスト」を選んだ理由とは何なのか?(編集部)
あらゆる戦術は
すでに闘い尽す
6月20日、農民らがゼネストに乗り出す。昨年、全国百余の市・郡で進められたわが国のコメを守る市・郡大会、農民総投票、冬の冷たい地べたに座って進められたハンスト籠城。やるべきことはすべてやってみても、わが国の政府は微動だにしなかった。
座して死を待つことだけはできない、との覚悟でゼネストを宣言した。われわれの食糧主権はわれわれにあることを、コメ交渉は無効となるべきことを、国会批准は決して受けいれられない、ということを!
コメは国民の命
食糧主権の問題
04年のコメ交渉は、わが国のコメ関税化の猶予を延長するための交渉だった。万が一、わが国が関税化でやることにすればUR(ウルグアイ・ラウンド)農業協定文に記されている通りに、コメの関税を計算してWTO(国際貿易機構)に提出すればよいので、あえて交渉をすすめる理由はない。わが国が、あえてコメ輸出国と交渉をするというのは、コメの関税化猶予を今後も保障されるための条件を交渉していくと、ということだ。
だが今回のコメ交渉の本質は米国をはじめとする輸出諸大国の利益を極大化させるための交渉だった。つまり05年のコメ交渉を前にして韓国農業の基盤を崩壊させ、農業交渉の有利な条件を作りあげようとする「カーギル」をはじめとする米国の巨大穀物企業の利害を保障し、一方ではわが国の農業に対する構造調整を完成しようとするノ・ムヒョン政府の要求がかみ合ったケースだった。
そのために政府が音頭をとってマスコミを動員し、国益を云々しつつ全面開放の方法である関税化が有利だとの世論を流布することにした。
コメは農業所得の54%を占めており、全農民の80%以上が耕作している代表的な作物だ、また食糧自給率の守りぬく核心的農業作物として農民たちにとって生存の手段、あるいはそれ以上に命そのものも同然であって、国民の生命と直結する問題だ。そのためにコメ開放の有無は農民たちばかりではなく、国民の合意によってなされるべきであって、食糧主権の次元で論議されなければならないと主張してきた。
最初から失敗が
予想された交渉
政府は自ら墓穴を掘る自動関税化論に依拠して交渉を進めた。UR協定文(付属書5)に、04年内に妥結ができなかった場合についての明示的な規定がなかったのに、政府は不利な解釈によって昨年末、交渉がすべての相手国との合意ができなかったにもかかわらず、期限に追われて相手国の無理な要求を受けいれることとなった。
また米国が交渉初期からGATT1条にある最恵国待遇違反事項の市場占有率を保障してくれということや、交渉対象国9カ国のうち4カ国にのみ特恵を与える「国別クォーター(輸入割り当て)」制を導入することを要求した。これに対して政府は屈辱的にGATT条項に違反してまで米国の要求を受けいれてしまった。これが他の交渉相手国に知られるところとなり、強い反発とともに追加的な譲歩が求められた。
交渉後に明らか
になった裏合意
このほかにも今回のコメ交渉の裏合意の事実は、4月12日のコメ交渉の結果が合意発表されて以後、雪だるまのように膨れあがり、いったい政府は最善の交渉を進めたのかどうか疑念ばかりを抱かせるに至った。
このほかにも国政調査を通じて、追加的な裏合意が明らかになっていった。米国に対する市場占有率を25〜28%保障する、と口頭で約束したのだ。中国産長粒種米に対する入札方式の変更を約束した。イタリア・リゾット料理用米やインド香米、パキスタン香米についての輸入の機会を保障する、と約束した。アルゼンチンに対して「規制的病疫政策を変更」してまで検疫手続きを進めることで合意した。01年米国米の輸入のために入札規格を変更した事実も確認された。
交渉開始から政府は、交渉戦略という理由で徹底した密室非公開の交渉を進めてきた。交渉が締め切られ、国益のためだとする政府の交渉結果は、国民たちに虚脱感と不信感ばかりを抱かせただけだった。「裏合意をしようとして、国民を欺いて交渉したのか?」ということだ。結局、政府のコメ交渉は国益どころか国民の生命に深刻な影響を及ぼすことになる最悪の交渉だった。
一大対決として
の農民ゼネスト
罷業(ストライキ)と言えば、仕事をしない、という意味だ。「農民ゼネスト」と言えば三百五十万農民が、WTOや殺農政策を展開している政府のせいでこれ以上、農業を行えず、農業をやめ、天職と心得ている農民たることを放棄するということだ。
これまで農民たちは30万大闘争、全国同時多発100万市・郡大会、農民総投票など、歴史的な闘争を根気よく、かつ激しく展開してきたにもかかわらず、開放農政の詐術はいっこうに収まる気配が見えない。開放農政によって没落した農業・農村を守ろうという切迫した思いから農民ゼネストを宣言しているのだ。重ねて言えば、すべての農産物に対する出荷拒否を背水の陣として政治権力と一大対決をして、勝利してこそ決着がつくという農業・農村の現実をそのままに反映した闘争戦術だ。
座して死ぬわけ
にはいかない!
政府の昨今の密室非公開コメ交渉は最悪の結果をもたらした。政府の意図通りになるならば農業・農村は言うまでもなく、全国民の生命が断崖に立たされる形となるのだ。
この状況を座して見守るわけにはいかない。農民たちは強力なゼネスト闘争によってコメ開放の国会批准を阻止し、食糧主権を守ろうとする。政府がまず自分の足でやってきた開放農政の誤りを率直に認め、謝罪するときまで闘いは終わらない。
全国各地でゼネス
トの準備が進む
6月20日、全国各地では村毎に農民ゼネストへの決行を告げる催しが行われ、田畑を行き来していたトラクターは郡庁に向かい、耕運機は堆肥の代わりに釜を積んで郡庁に終結するだろう。
終日、稼働していた米殻処理場の重厚なエンジンは、この日、熱気を冷まし、日長あわただしかった農協の事務室は臨時休業の案内文が張ってあり、農協職員らは郡庁前の農民大会場でのどがかれた農民たちに代わって「農民歌」を歌い、作物班別に農民ゼネストを支持して出荷を拒否し……カラク洞農産物共販場は白菜一株だけを積んで来たトラックで入り口をアリ一匹も出入りできないように封鎖し、大統領との政治交渉を求める農民代表団は汝矣島公園のどまん中にテントの会談場を設置した。
批准上程時には
農民の10万人集会
6月13日、全農や韓農連をはじめとする7つの農民団体はコメ交渉の正しい国政調査が実施され、国会批准に先立って徹底した事実糾明および対策樹立を要求するために「コメ交渉の国会批准阻止非常対策委員会」を構成した。非常対策委所属の農民団体の代表者たちは20日から国会前でのハンスト籠城に突入する。
また各市・郡では同時多発の農民ゼネスト決行を知らせつつ市・郡庁前に集まり、市・郡大会を行う。6月25日には全国民衆連帯のレベルで各界各層がわがコメを守るための全国決起大会を開催する。そして国会批准の上程時には全国農民10万人が参加する全国農民大会が開かれるだろう。
休む間のない闘いによって、必ずわが国民の生命を守り、食糧主権を死守する6・20農民ゼネストから国会批准阻止闘争へと駆けのぼるだろう。
同志たちの圧倒的支持と応援とを集めれば、間違いなく共に勝利しぬくことができるだろう。(「労働者の力」第81号、05年6月24日付、キム・ファンギョンサン/全国農民会総連盟政策部長)
コメ輸入交渉がもたらす
韓国農業の転換と危機
発表された内容
と裏合意の関係
最近、論難となっているコメ輸入開放交渉の結果の核心的内容は8・18%の開放、関税猶予の維持、5年後の多者間点検、などだ。結果について政府は「最善を尽くした結果7・96%で合意し、交渉を成功的にまとめあげた」と発表した。だが全農などによれば、裏合意によってインドやエジプト産のコメ11万トンを追加的に購買することで合意したことによって結局、義務輸入量は8・18%に増加することになった。
しかも裏交渉の結果は10年の猶予期間中に5年目に履行に関する中間点検を進めるとともに、米国、中国とは毎年、定例協議会を通じて点検を行うことにした。これについて政府は「この条項は関税化猶予の10年延長にいかなる影響をも及ばさない」と強調している。
だが今回の交渉はコメ一品目には限定されず、さまざまな付加的事項が結びついているがこれもまた点検の対象となっている。そのために付加的事項についての履行が障害として作用し、10年の延長が再論されかねない余地を抱えている。また10年後に関税化に転換するという政府の立場を履行計画書に添付し通報することによって、10年後の再交渉の可能性は希薄になっている。
飯米用コメの市場流通を5年に10%から始め、10年から30%を維持するようにし、加工用コメについても30%以上が市中に流通するようにした。
このような交渉結果について農民らは激しく反発し、コメ交渉の国会批准に反対する闘争を展開した。農民の代表者らは国会批准阻止ハンスト籠城に突入し、6月28日に10万人上京闘争を予告していた。この渦中で外交通商委はコメ交渉の国会批准同意案を次の会期である9月に延期することを示唆し、これによって農民代表らはハンスト籠城を打ち切った。
農業構造の転換
と農民層分解
周知のように、この20余年間、韓国の農業は急速に変化した。農家戸数の場合、1985年には192万6千戸だったのが2000年には138万4千戸に減少した。農業人口もまた大幅に減少した。85年852万人から00年には403万2千人に減ったのだ。農業労働力の老齢化、女性化も一層進行し、95年を基準として農業漁業就業者のうち50歳以上が64%に達し、コメ農業の機械作業以外は女性労働が男性労働を圧倒している。農家負債の場合、85年には200万ウォンのレベルだったのが00年には2020万へと上昇した。
このような変化は農民間の階層分化とも密接に連関している。幾つかの研究によれば、機械化によって耕作の大規模化が可能になるとともに耕作規模の大きい上層が登場し、耕作規模に縛られない施設農家や畜産農家などが増加した。
そしてこのように機械化や施設化を通した上層農が登場する反対側には多数の貧農あるいは沈殿層が発生している。これらの沈殿層の基本的な属性は機械化をすることができず、老齢だという点だ。
WTO市場開放と
農業構造の改編
韓国社会において農業は60、70年代の政権や資本による低賃金のための低穀価政策などによって持続的に衰落してきており、資本の意向に合わせて構造変化がされる諸段階を踏んでいっている。例えば機械化や施設化は新たな農業生産者の諸組織を作っている。委託営農会社、営農組合法人などが、それだ。そしてこれらの組織内には農業経営人らが布陣し、国家権力はこれらの諸組織を動かして国家の装置内に取り込み、持ってゆこうとするだろう。
最近の特徴は賃借経営農の登場だ。00年基準の場合、全農地の43・6%が賃借農地であり、全農家の72・3%が賃借農家だ。そして賃借農地の69・1%が非農民の所有地だ。
一方、過去十余年間の農業市場開放の過程もまた農業を資本主義市場システムへと構造変化させる過程の産物だと言えよう。つまり、WTO市場開放は単純に輸入開放ではなく、農業構造改編の過程だったのだ。すなわち、伝統的なコメ農業の比率を減らし、機械化・施設化に合う専門経営農を育成し、現場の農民運動を孤立させ制度内に取り込もうとしている。
そのために農民一般の利害として表現することのできない農民内の階層分化、国家権力を媒介としてなされるさまざまな制度的取り込みのやり方、農地法改正など非農民の土地所有拡大の傾向などに対する総体的な分析や対応が要求される。同時に民族農業の再生、米国の交渉圧力反対、民族間の取り引き活性化などの接近方式では昨今の危機に対応することにおいて限界が存在するだろう。(「労働者の力」第81号、05年6月24日付、キム・チジョン/政策局長)
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