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生き延びた産業研修制度                かけはし2006.10.23号

相次ぐ不正で排除された利権団体が雇用許可制に再び参入



 地下鉄1号線に乗って議政府駅で下りるか、夜遅くに疲れた体を引きずって加里峰5街辺りを歩ってみると、間違いなく縮れ毛で色濃い目元の外国人労働者たちに会うことができる。
 1994年に産業研修生制度が導入されて以降、この13年間、彼らは韓国の中小企業が激しい世界の競争の中で価格競争力を維持するうえでの援軍・働き手となってきた。
 大韓民国と外国人労働者たちの13年間の同居は、いつも幸福であったわけではない。われわれは有害な毒劇物に身をさらされて脚が萎えてしまったタイの労働者たちや長期の賃金未払いでやむなく不法滞留者となってしまったネパールの労働者たち、韓国のカネで1千万ウォン近い斡旋料を払ってコーリアン・ドリームを夢見たスリランカの労働者たちの破れた夢に幾度となく接してきた。

研修生商売1年で百億ウォン

 04年8月17日に導入された外国人雇用許可制度は産業研修制度に対する韓国社会の反省を一定部分、法制化したという点で、以前よりも1歩前進した制度だと評価を受けてきた。
 産業研修制の下で外国人労働者は「労働者」ではなく「研修生」だったのであり(労働省は、これらの人々が何人、入ってきているかさえ把握できていない)、外国人労働者の送出業務を代行してきた中小企業協同組合中央会(以下、中企協)や大韓建設協会など業界の各利益団体では相次ぐ送出不正の風が吹きやむことがなかった。
 これに比べて雇用許可制は外国人労働者たちの労働者性を認め、送出不正を根絶するために外国の国家機関や公共機関が直接、人材を選び、その名簿を韓国側に渡すようにした。また韓国に労働者たちが入国すれば公共機関である産業人力管理公団が直接、乗り出して教育と事務管理の業務を担当するようにした。
 05年5月11日、国政懸案政策調整会議では07年1月1日から、これまで併行実施してきた産業研修制を廃止し、雇用許可制へと外国人力制度を一元化することに方針を定め、その施行はあと2カ月後に迫っている。表面的にはすべてのことがキチンと回っているかのようだ。
 そうこうしている間に水面下では反撃が始まっていた。産業研修制の下で人材送り出しの大型業務を担っている中企協(24万人)、大韓建設協会(15万人)、農協中央会(46万2千人)、水協中央会(43万6千人)などは、事業主から研修生1人当たり数十万ウォンの事後管理費を受け取っている。05年現在、中企協1カ所の推せんだけで入国した研修生は3万417人、研修生全体では4万2872人に達する。中企協1カ所だけの研修生商売で1年に73億ウォン、4団体全部でみると百億ウォンに達する膨大な収入を得ているわけだ。
 その対価として中企協などが果たしている役割は何なのだろうか。ソル・ドンフン全北大社会学科教授は06年9月30日に発刊された「外国人力制度統治に伴う効率的事後管理方案の研究」(法務省企画課)で、彼らが果たしている役割は「ほとんどない」ということを碗曲な語調で伝えている。
 「事業場の配定後、法務省に外国人登録、勤務所変更、滞留期間の延長申請代行、出国支援などの仕事は業種団体(中企協など4団体)が代行せず、産業研修生を使用する業体が直接、遂行する。また外国人に対する困りごと相談、離脱防止、現場訪問などの事後管理業務は業種団体が遂行するのではなく、海外送出機関の国内支社が主として担当している」。
 毎年、数十億から数百億ウォンの固定収入を保障する利権事業を「やめろ」と言ったなら、これをそのまま受け入れることのできる組織はないだろう。05年5月11日に産業研修生廃止の決定を下した政府の政策方向は、7カ月後の05年12月13日に大転換を迎えることなった。これまで産業人力公団が専担してきた雇用許可制の大型業務に中企協などの4機関が参加できる道を開いてやったのだ。その政策変化に中企協などがいかなる役割を果たしたのか、明らかにされたことは、もちろんない。

賄賂収受や不法入国も


 ウ・サミョル外国人移住労働者対策協議会事務局長は「そうしてわれわれが再び向き合っているのは雇用許可制の仮面を被った産業研修生制度」だと語った。雇用許可制の根本趣旨は第1に送出の不正根絶であり、第2に外国人労働者の労働者性の認定だった。新たな制度の下で中企協などは海外の現場で直接、労働者の選抜や面接をすることができ、入国直後の就業教育の業務も担当できる。また産業現場での各種の申請・申告や困りごと相談など、雇用や生活支援関連の業務も担当することとなる。これは大韓民国政府が産業研修制の試行錯誤と、それに対する反省によって導入した雇用許可制の経験から何物も学ばなかったことを示している。
 「この間、数多くの不正をやり放題だった中企協に外国人労働者を現場で選抜できる権限を与えるとしてご覧なさい。どんなことが起こるでしょうか」。チェ・ヒョンモ韓国移住労働者人権センター事務所長が語った。ユ・グワンス中企協・研修企画チーム長は「初期のころは、われわれにもさまざまな問題があったけれども今は違う」と語ったけれども、中企協がほしいがままに振る舞ってきた犯罪行為の前では、何とも顔色なからしめる弁明にすぎない。
 1994年、中企協・研修協力団長が送出業者から賄賂を受け取って処罰されたのを皮切りとして1998年にはパク・サンヒ中企協会長が数千万ウォン相当の虎の皮をもらって起訴され、2002年には中企協の元・常勤部会長らが50余人のブローカーと手を組んでフィリピンや中国から3百余人を不法入国させ5億余ウォンを受け取って起訴されるなど、犯罪の足どりはひとつひとつ数えがたいほどだ。
 雇用主である各中小企業が集まって作った利益団体に労働者の困りごと相談や労働法違反についての申告受け付け業務など委ねるというのは、政府の方針が良いの悪いのと言う以前に、および常識はずれとの感がする。キム・ジョンガク韓国労総政策本部長は「これまでやってきたように産業人力管理公団が処理すればよい業務に中企協などを参加させ、政府は利益を保障してやろうとしている」と語った。政府は市民社会団体などの批判が恐ろしかったのか、03年2月3日以降、8度にわたって関係部署の会議を進めながらも、公聴会どころか市民社会団体の意見も聞かなかった。

あたふたと討論会を急造


 10月2日、この問題をめぐってソウル・麻浦区の韓国産業人力公団10階の国際会議室で開かれた緊急討論会は冷たい雰囲気で凍りついてしまった。国務調整室は雇用許可制度の変化の内容を市民社会団体などに隠してき、事実が明らかになると慌てて討論会を急造した。
 カン・テオク国務調整室・労働審議官は討論会で「完璧ではないけれども、政府部署の意見の違いを埋めて作った最善の案だと自負する」と語った。彼が語った最善とは、だれにとっての最善なのだろうか。外国人労働者や中小企業に最善なのか、中企協など利益団体などに最善なのか。政府は10月末ごろ、外国人力政策委員会を開いて政府案を確定する計画を発表し、市民社会団体は早ければ10月10日ごろから政府案撤回を要求する徹夜籠城を展開することにした。(「ハンギョレ21」第630号、06年10月17日付、キル・ユニョン記者)



公務員労組事務所82カ所強制代執行し閉鎖

 9月22日、ノ・ムヒョン政権は公務員労組事務所閉鎖の行政代執行を強行し、その結果9月22日現在、全体で251の支部中、強制閉鎖が82カ所、自主閉鎖2カ所、閉鎖阻止は15支部だ。公務員労組は闘争指針を通じて「事務所再奪還闘争」を展開しており、現在提出されている闘争方案は行政自治部(省)長官退陣署名運動、地域別集会およびキャンドル文化祭、支部事務所奪還進撃闘争などだ。
 また9月25日、「公務員労組弾圧粉砕のための非常共同対策委員会(共対委)」は緊急代表者会議および記者会見を行った。記者会見で共対委は「ノ・ムヒョン政権は公務員労働基本権認定、ILOの勧告事項履行、諸市民団体の糾弾、法律家204人の公務員労組弾圧中断宣言など、全国民の正義と良心の声に一切、耳を貸さず、ただ不法だという法的根拠のない烙印だけをもって、この阿鼻叫喚を正当だとして自慢げに騒ぎ立てている」としてノ・ムヒョン政権を批判した。(「労働者の力」第111号、06年9月29日付)



朝鮮半島日誌
国連安保理が北朝鮮制裁決議を採択


9月26日 b「アジアの国々を侵略して無実の人々を虐殺し、歴史を歪曲する日本のような戦争犯罪国家が常任理事国になることを許してはならない」(国連総会一般演説で北朝鮮代表が日本と論戦に)。
9月28日 b「我々の国は小さく、地上では核実験をできない。地下実験でも放射能もれが起きる可能性がある。政府や軍内部で核実験を示すような話を聞いたことがない」(米国の北朝鮮専門家セリグ・ハリソンが9月訪朝時に北朝鮮人民軍板門店代表部の李代表から聞かされた話として明らかに)。
9月29日 bパキスタンのムシャラフ大統領が出版した自伝の中で、「核の闇市場」を通じてウラン濃縮に使用される遠心分離器が20数台が北朝鮮に渡っていたことを認める
9月30日 b捜査機関による法手続を順守しない逮捕(90%)、聴取・逮捕されると令状なしに2カ月以上捜査が続く(54%)、拘束具使用や夜間野外放置などの拷問、出身成分による量刑差別が存在(北朝鮮での捜査・裁判実態について韓国大韓弁護士協会が脱北者100人からの聴取結果を白書にまとめる)。b日本政府、拉致問題対策本部(本部長・安倍晋三)の設置を閣議決定。
10月2日 b板門店で4カ月ぶりに南北軍事実務接触、北朝鮮は韓国内一部団体の反北宣伝活動を非難、合意なしで終わる。bローレス米国防副次官が、韓国政府に対して在韓米軍駐留経費負担を現在の38%から少なくとも50%程度に引き上げるように要請したことを記者会見で明らかに。b「北朝鮮は年内に核実験をしても米国の武力攻撃を受けないと判断している」「中国は北朝鮮を見捨てない。北朝鮮の核実験を理由に徹底的な制裁を行うことは絶対にない」「だれも北朝鮮に核放棄を説得できない。北朝鮮が核実験に踏み切る可能性は高い」(中国復旦大学国際問題研究員の沈丁立副院長が北朝鮮の核実験強行を論文で予測)。
10月3日 b「北朝鮮の科学研究部門で今後、安全性が徹底的に保証された核実験を行うことになる」(北朝鮮外務省が核実験強行の声明発表)。bこの事態を受けて、北朝鮮の広島・長崎被爆者実情調査のため4日から訪朝を予定していた原水禁訪朝団が訪朝延期を決める。b「実験を強行した場合、北朝鮮は結果に対して全責任をとらなければならない」(韓国外交通商省)。
10月6日 b国連安保理が北朝鮮核実験声明を非難する議長声明を全会一致で採択し核実験強行の場合には「国連憲章に基づいて行動する」とする。
10月7日 b韓国軍合同参謀本部、北東部・江原道の非武装地帯で北朝鮮軍兵士5人が軍事境界線を越境し警告射撃後一時間ほどで引き返したと発表。
10月8日 b安倍首相が訪中。
10月9日 b「我々の科学研究部門では10月9日、地下核実験を安全に成功裏に行った」(北朝鮮がメディアを通して核実験強行を明らかに)。b「国連安保理は使い道のない決議を通すよりも北朝鮮の核実験を祝福すべきだ」(朴吉淵・北朝鮮国連大使)。b「祖国であっても絶対に許せない。いかなる国でも核保有や実験を許さない運動を続けてきたのに」(李実根・在日本朝鮮人被爆者連絡協議会会長)。
10月11日 b日本政府、安全保障会議を開き対北朝鮮輸入・入港全面禁止などの追加制裁を決める(13日の閣議で正式決定)。bこの日までに対北朝鮮人道支援を続ける国際NGOが、7月の豪雨災害で食糧不足が深刻化している北朝鮮への援助継続を求める声明を相次いで出す。
10月12日 b日本政府、北朝鮮を対象とした船舶検査活動後方支援のための特別措置法の検討に入る。b韓国から北朝鮮・金剛山への観光旅行は予約キャンセルが10日31%、11日48%、12日50%に。
10月13日 b「すでに7月のミサイル発射で半分の企業が申請をやめたが、今回の核実験でほぼすべてがあきらめた」(開城工業団地への中小企業400〜500社の入居を計画していた韓国の東大門観光特区協議会関係者)。
10月14日 b国連安保理が北朝鮮制裁決議を満場一致で採択、北朝鮮代表は受け入れ全面拒否を明らかに。

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