| 5・31統一地方選で「保守回復」 かけはし2006.7.3号 |
|
民主労働党を通じた「労働者階級の政治勢力化」の限界 |
予想された選挙結果
5・31統一地方選挙にケリがついた。選挙以前から野党・ハンナラ党の無難な圧勝(?)と与党・開かれたウリ党の惨敗は予見された状況だった。民主労働党は「15%の政党支持率の獲得、基礎議員300人の当選、蔚山地域の防衛」を目標として設定し、選挙闘争にまい進した。だが当初設定した目標には達しない(?)成績表を手にすることとなり、熾烈な自己評価を進めている。6月2日、5・31選挙総括のための室長・委員長団ワーク・ショップを行ったのを皮切りに今後、最高委員会・議員団連席会議などを通して民主労働党の進路を含む論議が展開されるものと見られる。
政治的足踏み状態
民主労働党は5・31選挙を通じて12・1%(210万票)の政党支持率を獲得した(注)。02年の統一地方選で8・1%(134万票)を得たことと比較すると4%成長したことになるが、04年の総選挙と比較すれば1%下落した結果となる。
今回の選挙で、開かれたウリ党とノ・ムヒョン政権の新自由主義改革に対する大衆的怒りは、「執権勢力に対する政治的破産宣告」として表れた。そして大衆はハンナラ党を対案として選択した。制度政治の選挙ゲームにおいて「選択」だけを強要された労働者民衆の49%は、制度政治に対する幻滅と不信とによって選択の機会すら自ら放棄し、残りの51%の相当数は強要された選択によってハンナラ党に手を挙げた。6月1日に実施されたSBSの世論調査の結果によれば、「開かれたウリ党から離れた支持層の30%はハンナラ党、12%は民主党、8%は民主労働党に移動」した。
民主労働党ムン・ソンヒョン代表は6月1日の最高委員会で、5・31選挙の結果に関連して「目標に達することはできなかったものの、前回の総選挙で得た党支持度を維持し、民主労働党の政治的位置をしっかりと維持したことは極めて大事な成果だ」と自己評価した。だが「進歩政治の1番地(モデル地区)」という名声にはふさわしくなく、昨年10・26の再補選に続き東区と北区の区長の座まで失うことになった蔚山の選挙結果や、全政党の支持率の4分の1ラインにとどまったソウル市長選での得票率3%という数字を見たとき、政治的位置を維持したと言えるのかは疑わしい。
もちろん選挙結果は地域別に不均等に表れたし、幾つかの地域では党全体の支持率を上回る結果を手にもした。だが蔚山の選挙結果は民主労働党の地方自治体の運営に対する評価的意味が大きかったし、ソウル市長選の場合は全国的耳目が集中する空間だという側面からして、民主労働党の限界をそっくりそのまま露呈したといえる。
大衆性の強化と右傾化
今回の選挙結果を通して何よりも民主労働党は今後の方向性をめぐって熾烈な論議が展開されるものと予想される。そしてこれは労働者階級の中心性に対する放棄や没階級的な国民(大衆)政党化へと帰結する可能性が高い。
5・31選挙の結果について民主労働党ノ・フェチャン議員は、「党のアイデンティティ以外は、すべてを変えるという革新の意志が必要だ」と語り、「国民大衆が何を求めているのかを中心にして路線や活動のあり方を変えなければならない」と主張した。イ・ヘサム最高委員の「依然として大きなトピック中心の主張や一部の大衆組織に偏った政党だとの見方が多い」との主張も、民主労働党の大衆性強化の必要性を強調している。
そしてまた選挙以前から民主労働党の外縁を拡張すべきだと公々然と主張していた民族主義統一運動勢力の声がこれに重なれば、民主労働党の右傾化は一段と足早に進められるだろう。
今回の5・31選挙の過程で民主労働党は基礎議会議員候補がカネをばらまいて検挙されたり、仁川の区長候補が開かれたウリ党との二重党籍によって登録が取り消されたりすることなどを通じて、自らの道徳性を失墜させた。ハンナラ党や開かれたウリ党のような支配階級の政党でのみ発生するものと考えられていたことが、民主労働党でもさらけだされた。802人の選挙出馬者のうち797人の候補者が、候補者として出馬することになった理由が、民主労働党の内部検閲による自浄努力ではなく、検察や選管委の監視行為による結果だったということは衝撃だ。だが心配すべきは、このような事件が発生したという事実ではない。民主労働党が議会主義―授権政党路線を一層強化し、大衆政党として右傾化のスピードを加速化するなら、このような現象は極めて一般的なこととなりかねないからだ。
すでに民主労働党は今後の党の活力源を求めるための対案として「大統領選挙への予備走者たちの競争を早い段階から目に見える形にする」、「党職と公職の兼任禁止制度についての変化」などを議論に挙げている。だがこのような大衆的な関心集めやイシュー化戦略の限界は明確だ。
むしろ新自由主義グローバリゼーションが作り出している労働者・民衆の暮らしの危機に正面から立ち向かう大衆闘争を組織し、労働者階級を政治の主体として全面化させる過程が何にもまして大衆的なものであることを忘れてはならないだろう。
ウリ党への「批判的支持論」
民主労働党の主流を掌握している民族主義統一運動勢力の中の一部の従北勢力は、毎回の選挙ごとに繰り返してきた「批判的支持」の立場を提示した。韓総連、南北共同宣言実践連帯、汎民連南側本部などは「反ハンナラ党の審判」を提起するとともに、遠回しに開かれたウリ党への批判的支持を訴えた。
「ハンナラ党が勝利すれば米国に追従する『戦争の下請け政権』となること、もっとも正しい判断と選択は何よりも当選可能な6・15平和勢力候補に支持票、平和票を投じること」(北韓祖国平和統一委員会の5月18日声明)、「米国と近しいハンナラ党が当選してはダメだ。開かれたウリ党を選択してこそハンナラ党に勝利することができる。民主労働党に投じれば死票となるため、民主労働党員であろうとも開かれたウリ党に投票すべきだ」(6・15共同宣言南北大学生代表者会議の場での北側代表の発言)は、彼らの指導(?)に立脚し、批判的支持の立場と主張が用心深く首をもたげたのだ。だがハンナラ党の絶対的優位の中で、選挙結果にはいかなる影響も発揮できなかったのが現実だ。
だがさらに深刻な問題は、そういう彼らの情勢認識だ。まさに「6・15勢力対反6・15勢力」の激突として現在の情勢を規定している彼らの没階級性は今後、大統領選をめぐって進められる政界再編に「反ハンナラ党戦線」の名分によって合流する可能性を予告している。また6、7月、全民衆的抗争が展開されなければならない韓米FTA阻止闘争や下半期の非正規職改悪法案廃棄闘争、労使関係ロード・マップ粉砕闘争において、「ノ・ムヒョン政権」に対するあいまいな態度が闘争の撹乱要因として作用するだろう。
民主労働党を通じた「労働者階級の政治勢力化」の実験は、今回の統一地方選でその限界を余すところなくさらけ出した。大衆闘争の躍動性を高め、労働者・民衆を投票行為の動員対象に転落させる議会主義の選挙政治は終息させなければならない。
今回の5・31選挙の結果はこの10余年間、反新自由主義の闘争を展開してきた労働者・民衆運動陣営に少なからぬ反省の機会を提起している。対案的政治展望を提示できないことによって、新自由主義の改革分派に対する政治的審判が「保守への回帰」へと帰結したからだ。
真に労働者・民衆の政治的展望を開くための新しい実験は依然として未完の課題として残っている。(「労働者の力」第104号、06年6月9日付、ソン・ジヌ/政策局長)
注 民主労働党以外の各党が獲得した支持率はハンナラ党54・5%、開かれたウリ党20・9%、民主党10・1%、国民中心党2・3%などだった。
|