| 警察がポスコ(旧・浦項製鉄)で集会を襲撃 かけはし2006.9.4号 |
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声なく殺される建設労働者の闘いを支援し全面戦の準備を |
また一人の労働者が殺された
国家権力は、また1人の労働者を殺害した。ポスコ(旧・浦項製鉄)という巨大資本を庇護するために警察を動員して合法的な集会を襲撃し、無防備状態で座っていた建設労働者ハ・チュングン同志を楯や消火器などによって殴打し、殺したのだ。
8月2日に行われた剖検の結果は、ハ・チュングン同志が集会現場で倒れるまで、どれほど酷い警察の暴力があったのかを端的に語っている。実に3カ所にも及ぶ頭部の損傷、肋骨の骨折、全身擦過傷などの剖検結果は、あまりにも残酷だ。
国家権力によって殺害されたハ・チュングン同志の死は断じて偶然のものではない。資本の利潤創出構造に異議申し立てをするいかなる試図も決して許しはしない、ということだ。奴隷のように生きることを強要する資本家権力の飽くことを知らない暴力は、一層多くの建設労働者たちを怒りで身を震わせながら起ちあがらせるようにするばかりだ。
韓国には180万人を数える建設日雇い労働者たちがいる。俗に「ノガダ(土方)」と呼ばれる人々の暮らしと生き方は、昨年76日間のストを行い、資本と政権の厳しい弾圧と対決して凄絶な闘争を展開した蔚山地域建設プラント労働者たちの闘争を通じて、今なお記憶に鮮明に残っている。
日雇い労働者たちがストライキを行うということは、日当を放棄することにより「おまんまの食いあげ」となることを意味する。どのみち死ぬのなら一緒だ、という建設労働者たちの闘争は、「人間らしい」暮らし、「人間らしい」生き方を闘い取るために今年も継続されている。
全国初の地域ゼネストを32日間、展開していた大邱慶北地域建設労組が7月2日にストを締め括ったのに続き、浦項地域の建設労働者たちが7月1日からゼネストに突入したのだ。特に浦項地域の建設労働者らのストは、政権や資本の弾圧に負けず劣らず、「経済再生」のイデオロギーによって資本を庇護してストを踏みにじった保守言論の悪扇動と対決する難しい闘いでもある。
非人間的労働条件
低賃金、高強度・長時間労働、不安定雇用、不法多段階の下請けシステム、賃金の遅配・不払い・切り捨て、労災、社会福祉制度からの排除……世間に知られている建設日雇い職労働者たちの直面しているこのような現実に加え、昨年、燃え上がった蔚山建設プラント労働者たちの闘争は、資本による労働搾取の現実を赤裸々に示した。「食堂がなくて工事現場のあちこちに散らばり、ほこりや降る雨の中でメシをかき込まなければならず、トイレが足りなくて職員用トイレに駆け込もうものなら、剣突くを食らわされ、汗が滝のように流れる作業の後にもシャワー施設がなくてそれもかなわず……」。
浦項地域の建設日雇い労働者たちの状況もまた、変わるところはない。3千人以上が働いている現場にトイレはたかだか6〜7か所にすぎず、それも移動式のトイレで小便器3〜4個、大便器2〜3個を設置しているにすぎない。食堂やシャワー室、休憩室などは夢のまた夢。
ろくに食べることも、休むことも、体を洗い流すこともできないばかりか、長時間・高強度の労働や安全装置の不備によって2006年だけでも1カ月に20余件の労災が発生し、しかも大部分の労災は隠ぺいされた。06年3月〜5月の間だけでも2人の労働者が命を失った。また費用の問題を振りかざして、ガン発生の致命的な原因とみなされているアスベストを現在もなお使用している。
賃金はどうか? ポスコの現場正規職労働者たちの36%にすぎない月平均180万ウォンの賃金、それも同じ地域で同じ労働をしている他の工事現場より30%以上も低く、全国平均賃金よりも低い賃金で耐えているのが現実だ。しかも週5日制を、無給休日を実施し働かせている。
これは結果的に20%以上の賃金削減のもたらすものであり、建設労働者たちをさらに一層、困窮の崖っ渕に追い立てるものだ。
多段階下請け構造
大邱慶北地域の建設労働者たちが奴隷の暮らしを拒否し、自発的要求によってゼネストを現実化したように、浦項地域の労働者たちも人間らしい労働条件と暮らしとを闘いとるためにストに踏み切った。
これまで建設労働者たちの首を締めあげてきた多段階下請けの構造は、元請けが使用者ではないという言い逃れによって、下請け専門の企業は低価下請けによる支払い能力を口実として労働組合との誠実な交渉を回避してきたのであり、多段階下請け構造から発生するさまざまな建設不正は、さらに労働力の搾取へと結びついてきた。
一般的な建築工事の現場とは違って、ポスコを初めとするプラント現場の場合、発注元は発注だけする対象ではなく、現場自体が発注元の現場だ。したがってポスコは下請け企業に対して直接発注する元請けであるばかりではなく、ポスコ建設を通じて発注する場合にも下請け団が決定、現場への立ち入り、下請け専門の建設企業に対する管理などにおいて元請けと同一であり、かつ唯一の地位を有している。
また日常的に労組の動向を直接監視しており、団体協約を無力化させてきた。すなわち多段階下請け構造においてポスコは浦項地域の建設労働者に対する実質的な使用者なのだ。けれどもポスコはストライキを無力なものにしようとして代替勤労までさせながら使用者としての義務を回避してきたばかりか、ダンピング受注や低価下請け構造を強制することによって労働力の搾取が強化される現実を助長してきた。
05年に公正取引委員会が、不公正な下請け取り引きによって実定法に違反した、として摘発した企業は該当全企業の3分の2だが、それほどに建設現場では不当下請けがまん延している。だが公正取引委員会が下請け法違反によって検察に告発した企業の数は、わずか8件にすぎない。大多数の企業が違反行為を犯しているにもかかわらず、極く一部の企業のみが是正命令、警告などのような軽微なレベルの措置を受けているにすぎない。政権による資本の庇護は、建設労働者たちに対する資本の搾取を正当化させているのだ。
労組破壊と公安弾圧
ストは労働者たちが自らの権利を守るための当然の権利であり、国家は形式的には法を通じてこれを認めてはいるものの、実際にストが行われれば、なりふり構わず阻止するとともにスト自体を犯罪として取り扱う。
今年6月に大邱慶北地域の建設労働者たちがストに突入するやいなや、大邱検察・警察はスト指導部に対して直ちに逮捕令状と手配措置をとった。ところで、その罪名がまた見物だ。使用者である元請けに建設労働者の権利を主張し団体協約の締結を要求したことは施工企業を相手とした「金品喝取のための脅迫」であり、正当な労組活動の一環として受領した労組専従費もまた「喝取」だというのだ。これだけでは不足だったのか建設事業主に労組のストを通報せよ、として告発を煽り、合法的な集会を暴力的に阻止した。
このような政権の公安弾圧によって今年6月、忠南地域建設労組委員長と組織部長の拘束に続き、大邱慶北地域建設労組では24人の拘束者が発生した。そして京畿西部支部建設労組の委員長らに事前拘束令状、逮捕状などが発付された状態だ。浦項建設労組の場合、今回のストによって58人の幹部が拘束された結果、ノ・ムヒョン政権下で最大の拘束者発生を記録した。これに歩調を合わせるかのようにポスコは18億ウォンの損害賠償請求まで行っている。
ポスコでの弾圧を許すな
勤労基準法が保障している1日8時間労働、土曜日の有給化を通じた週5日制の導入、誠実な交渉を通した団体協約の締結という建設労働者たちの基本的かつ正当な要求に対して、ハ・チュングン同志を殺害し、家族対策委所属の妊娠5カ月の妊産婦に暴力を働いて流産させるなど、暴力をもって踏みにじったノ・ムヒョン政権は8月9日に浦項で開催された労働者大会で再び想像を絶する暴力を行使した(別掲載記事参照)。そしてハ・チュングン同志の死因さえ口をぬぐおうとしている。このように国家権力が承知のうえで保護をしてやるものだからポスコをはじめとする資本は労働力の搾取に一層、身を入れるほかはないというわけだ。
資本と断固たる対決を
ただただ殺人政権や資本と対決する断固たる闘いだけが、労働者・民衆に対する吹き荒れる弾圧に終止符をたたきつけ、人間らしい暮らしが保障され得るのだと言うほかはない。(「労働者の力」第108号、06年8月11日付、イ・パニギョン/編集局長)
資本と権力の無差別暴力「市民らも皆殺しだ!」
8月9日、故ハ・チュングン烈士が安置されている浦項・東国大病院前で「烈士精神の継承、警察の暴力殺人糾弾全国労働者大会」が開かれた。全国各地から集まった8千人余の労働者たちはbハ・チュングン同志を殺した警察庁長と現場責任者の処罰bノ・ムヒョン大統領の烈士の遺影前での謝罪b再発防止対策樹立の要求b野蛮な公安弾圧の即刻撤回b拘束者全員の釈放bポスコ(旧・浦項製鉄)が直接、事態解決に乗り出すこと、などを要求した。
本大会が終わって隊伍は建設労組と金属および連帯の隊伍とに分け、それぞれ兄山ロータリー方向とソムアン江橋方向とに分かれてポスコ本社に向けて行進した。兄山ロータリー方向に向かった建設労組は、本社に行く方向をコンテナ・ボックスで阻んでいた警察と激しく衝突した。建設労組の組合員らがコンテナ・ボックスをロープで縛り引っ張り出そうとすると、警察は激しい放水攻撃や消火器を噴射して無差別暴力を加え、その過程で多くの人々が負傷し、連行された。ソムアン江橋方向に進んだ金属労組および連帯の隊伍もまた、戦闘警察(機動隊)の車両で要所を阻んでいた警察と衝突した。組合員らは戦警らを引きずり出して武装解除をさせると、警察は消火器を噴射して暴力を加え、組合員らは警察側から奪った棍棒で立ち向かった。
金属労組および連帯の隊伍は建設労働者たちが負傷し連行されたとの知らせを聞いて、再び兄山ロータリー方向に向かい、隊伍に合流した。暫時、隊伍を整えて待機している間に、警察が楯を下ろして楯を縁取っているゴムのたがを舗装路の上で研ぎながら奇声をあげ始めると、これを見ていた市民らが「またもや人を殺そうというのか」と言って抗議した。
これに対して警察が「市民らも皆殺しだ!」と語り、これに怒った市民らは1時間以上にわたって警察と対峙した。市民らは「責任者、出てこい。警察は市民まで皆殺しだと言っている」と抗議すると警察は市民らにまで楯を突き下ろすことによって応えた。これに怒った組合員らが警察に迫って行き、これに対して警察は放水攻撃を加えながら無差別暴力を働いた。警察が投げた人の頭ほどもある石に当たって倒れた人、警察の集団暴行によって意識を失った人、そればかりか避難して駆け込んだ建物の中にまで侵入して暴力を働き、これに抗議していた市民たちにも無差別暴力をほしいままにした。
この日の負傷者は市民をも含め実に176人に達し、東国大病院は負傷した人々であふれかえった。一方、7月19日の集会で家族対策委所属の妊産婦が警察の暴力によって流産したことが伝えられ、組合員らは一層、激怒した。
暴力政権の暴挙は、これだけではなかった。文字通り阿鼻叫喚だった9日の集会の翌日、国立科学捜査研究所は、故・ハ・チュングン烈士の死因が「転んで傷ついた可能性が高い」と発表し、事実を隠ぺいしようとしている。「今や、答えはひとつだ。全国的闘争戦線の構築によってノ・ムヒョン政権に向けた闘いを展開すること、それ以外にはない!」(「労働者の力」第108号、06年8月11日付、パク・ミョンソン/編集局長)
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