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常設連帯体(組織)建設の政治的意図           かけはし2007.2.5号

資本の包摂戦略・社会的合意主義路線へ傾倒する危険性



情勢から遊離した動き

 2006年の労働者民衆陣営の主要な事件の中で幾つかのテーマを挙げるとするなら、ためらうことなく私は「常設連帯体(組織)の建設」を選択するだろう。なぜならば常設連帯体の建設は、その出発からして徹底して情勢的実践とは遊離した、民族主義者たちとその周辺の上層運動圏官僚たちの、神仙の遊び(神仏が遊びに夢中になって、周囲のことも月日のたつのも忘れてしまうこと)にすぎないからだ。
 常設連帯体の建設論者らは口を開きさえすれば、進歩陣営は大同団結して新自由主義に反対する全民衆的な闘争を展開しなければならない、と語ってきた。だが、現実はどうか?
 ひとつの例として平澤米軍基地反対闘争は、それこそ左派であると民族主義であるとを問わず、運動陣営が共に総力闘争を展開しなければならない重要な課題であったにもかかわらず、これを地域的事案程度にしか理解できず、民衆運動陣営はそれこそ死活をかけた対応ができなかった。結局、平澤では強制撤去が権力の思いのままになされ、これを阻止できなかった。
 一方、韓米FTA阻止闘争はどうか? 「阻止」という目標は跡形もなく消え失せ、BSEの牛を労働者民衆に購入させて破棄させるというへんてこりんであきれ返るような主張が提起されたかと思えば、挙げ句には第5次闘争の過程でソウル集会はポリスラインに閉じ込められた。
 それだけか? 非正規悪法が通過し、労使関係ロードマップの通過(12月22日)を目前にした時点においてさえ、いわゆる民衆運動陣営の指導者なる人々は「常設連帯体建設代表者会議(12月21日)」を強行した。すべての労働者を非正規職へと仕立て、労働基本権を抹殺する悪法が通過するという時点で、生死を決断する覚悟の闘争をしてもまだ足りない状況なのに、のんびりと代表者会議をやっていたのだ。状況がこうであるのにもかかわらず、進歩陣営は団結してより大きな闘いを展開しようとするために常設連帯体を建設する、だと? それこそ通りすがりの犬さえ笑う話だ。

民族主義者だけのリーグ

 どんなに表面を見栄えよくし、いかにもそれらしく塗り立てたとしてもカボチャがスイカにはならないように、常設連帯体は進歩陣営を団結させるどころか、むしろ団結を損なっているのであり、いわゆる民族主義者たちだけの組織へと固定化する可能性が高い。なぜならば常設連帯体は最初から民族主義者たちの戦略に基づいたものであったし、今後もそうなるからだ。
 これまで多くの論者たちによって何度となく指摘されてきたことだが、改めて確認しておけば、常設連帯体論は民族主義陣営の統一戦線戦略に基づいたものだ。これを立証するのが05年7月25日のインターネット空間でハン・オソク氏の名義で明らかにされた『連政樹立戦略の破産と統一戦線運動の前進』という文章、そして05年7月27日に発表された南北共同宣言実践連帯名義の『自主を目指し、統一を実現する民主連立政府を構成しよう』という声明書などだ。特に後者は統一戦線体論に立脚した『民主連立政府』の参加対象は6・15支持勢力であり、「現実的には民主労働党を軸として、開かれたウリ党、民主党、ハンナラ党内の改革志向勢力」との主張を提起した。
 このような脈絡とともに、05年8月には民主労働党機関誌『理論と実践』8月号に民衆連帯・政策委員長チョン・テヨン氏が『民衆運動陣営の常設連帯体と進歩政党』という文章を発表した。そして06年になってからは民衆連帯の所属団体である全国連合が3月11日の第15期代議員大会で、常設連帯体の建設を目標として自らの解散を決議し、民衆連帯の所属単位ではないけれども統一連帯もまた06年の総会で特別案件として単一の連合戦線体建設を取り上げた。
 これは常設連帯体建設論者たちの幾度にもわたる否定にもかかわらず、結局は常設連帯体が民衆連帯と統一連帯の統合にすぎないものであることを予見しているのであり、実際に06年12月21日に行われた代表者会議に出席した人々の構成を見ると、統一連帯の所属団体および統一連帯の幹部たちが多数だった。
 常設連帯体建設論者たちの間に微妙な違いがないことはないが、実相として常設連帯体論は全国連合の『9月態勢』の延長線上にあるのであり、究極的に『自主的民主労働党政府樹立』という階級連合政権を通じて祖国統一という課業を完遂するとする彼らの戦略の産物だと言えるだろう。そのために、常設連帯体の綱領などにおいて、民衆連帯のレベルでは見ることができなかった『民族自主』、『6・15共同宣言履行』などの表現が入っているのだ。
 一方、彼らは口では常設連帯体は階級連合路線とは関係がないと言うけれど、すでに民衆連帯の活動の過程で問題となった、いわゆる市民運動と呼ばれている小ブルジョア運動勢力との関係から、さらには自由主義的ブルジョアジー分派との連帯にまで拡張される可能性を全く排除できないし、これは南北共同宣言実践連帯の主張において克明に表れている。
 結論的に、常設連帯体は労働者民衆運動が堅持しなければならない政権や資本からの独立性(別の言い方で言えば自主性)が損なわれる危険がある。階級問題よりも統一が強調され、民族主義がそうであるように愛国主義、国家主義的傾向によって、その意図がどうであるにせよ、北の政権の富国強盛大国と南の政権の超一流国家というイデオロギーが持っている類似性が指し示している。
 究極的には資本の包摂戦略、すなわち国家の構成員全体の発展のためだとの名分を持った社会的合意主義路線などに傾倒する危険性を抱えている。そしてこれは、すでにさまざまな団体の反対にもかかわらず05年、民衆連帯が「社会の2極化解消国民連帯」に参加したことにおいても確認された経過がある。

討論の不在と「合意」の破壊

 常設連帯体建設論は特定政派の戦略にすぎず、これに対する反対の意見が存在するにもかかわらず、06年内の準備委の構成を急いだのには、理由がある。
 それは、いわゆる民族主義陣営が主要大衆組織、つまり民主労総、全農などの執行部を掌握したときに処理する、という欲深さのせいだ。そしてこれは大衆組織内での基本的な意思決定構造を無視する迷走へと続く。代表的な例として、民主労総の場合、常設連帯体の案件は前の代議員大会で通過させられなかった。それにもかかわらず民主労総は常設連帯体の代表者会議に参加したのだ。
 それだけか? 民主労働党の場合、中央委員会でも意見が賛成・反対に分かれたばかりでなく、代議員大会などの意思決定過程を全く踏むことができない状況だった。そのうえ、常設連帯体の建設を決定する民衆連帯の代表者会議には相当数の団体が参加しなかったのであり、「充分な討論と少数の立場をさまざまな形で反映する」とする組織発展論の趣旨とは関係なく、多数決によって『票決』を強行した。口の上では合意と討論を強調するものの、その実際は主要大衆組織の執行部を掌握したということを武器として多数決の暴力をほしいままにし、連帯体運営の基本原理である「合意」という原則を破壊したのだ。
 それだけか? 口では進歩陣営の団結を手助けすると言いつつも、実際には合意できない内容を綱領に入れ、基層の連帯・連合を強化するとしながらも、実際には基層大衆組織が充分な討論や意思決定の過程が不足しているにもかかわらず、06年内に準備委員会の結成を強行してきた。
 結局、この過程において反新自由主義の世界化、反米(反帝)共同闘争を強化するという常設連帯体の目標は紙上にのみ存在し、実践の闘争過程において、それぞれの闘争は孤立分散化されたのであり、民衆総決起もまた張り子の虎となってしまった。

新たな闘いの枠組みの模索を

 12月21日に行われた常設連帯体代表者会議では組織の名称を『韓国進歩連帯(準)』に決定した。そして1月9日、ペクポム(白凡、独立運動家・金九の号)記念館で発足式を持つことを確定したという。名称の『韓国』という表現からは愛国主義、国家主義の影が、『進歩』という表現からは、いわゆる守旧勢力に対する反保守陣営の結集、そして市民運動陣営までをも包括する広範囲な統一戦線という下絵が見えるのは、私だけの錯視だろうか? 決してそうではないだろう。また、偶然だったにせよ、そうでなかったにせよ、発足式の場所が民族主義者、キム・グ(金九)記念館だということも、いまひとつすっきりしない。
 常設連帯体の建設が運動陣営全体の合意に基づいたものではなく、それによって現実の運動においては、すでにさまざまな連帯運動、民衆連帯よりも包括的な連帯運動が存在する。例えば韓米FTA汎国本や貧困社会連帯などが、そうだ。そのために、常設連帯体に反対してきた運動陣営は「民衆連帯も参加しているFTA汎国本の闘争以降、再論議をすること」を主張してきたのだ。
 いまや、新たな闘いの枠組みが避けられない。特定政派の政治路線による連帯体の建設は結局、破局へと向かわざるをえない。運動陣営間の政治的見解にもかかわらず、相互の尊重と協議に基づいた連帯運動の気風が復原されなければならない。そうするときにのみ新自由主義に立ち向かう広範囲な民衆連帯戦線の再構築をはたすことができるだろう。(「労働者の力」第117号、06年12月29日付、ク・ナムス/会員)


朝鮮半島日誌
北朝鮮が再度の核実験を準備している(米メディア)

1月4日 b06年に韓国と北朝鮮を往来した人数(金剛山観光を除く)が初めて10万人を突破、韓国からの訪朝は前年比16%増(10万838人)、北朝鮮からの訪韓は前年比34%減(870人)、一方韓国からの金剛山観光客数は前年比21%減(23万4446人)となる(韓国統一省発表)。b日本政府(内閣安全保障会議など)が朝鮮半島有事の際には、10〜15万人の難民が日本上陸すると推定していることが明らかに。b米メディアが、北朝鮮が再度の核実験を実施する必要な準備をしているとの米国防総省情報が伝える。
1月5日 b「在留邦人、観光客をいかにして退避させるかということは以前から考えている。米軍や民間の船、ボートから何から使うことを考えるのは当然だ」(麻生外相が朝鮮半島有事の日米共同作戦計画検討を公式に認める)。
1月9日 b韓国・ノムヒョン大統領が、大統領任期を4年にして再任を一度に限り可能にする憲法改正案を国会に正式提案することを国民向け談話で明らかに(現行では任期5年で再選禁止)。b米財務省がイランの大手銀行に対し、北朝鮮側へ05年に大量破壊兵器開発資金50万ドルを送金したとして金融制裁の実施を発表。b自民党の山崎拓安全保障調査会長が北京経由で訪朝。
1月10日 b兵庫県警が先月の7カ所一斉家宅捜索に続き、同じ朝鮮総連系の在日本朝鮮兵庫県商工会など3カ所の家宅捜索を強行し、新たに同経理室室長を税吏私法違反容疑で逮捕
1月11日 b昨年10月の国連安保理の対北朝鮮制裁決議から30日以内に各国に求められていた制裁実施状況に関する報告書の提出が、全加盟国の4分の1にとどまっていることを制裁委員会長が明らかに。b米空軍基地からF117ステルス戦闘機1個大隊が韓国・全羅南道の群山空軍基地に到着し、4カ月間の合同演習に参加することに(在韓米軍司令部発表)。
1月13日 b昨年10月の北朝鮮核実験強行以降、中国が軍事物資に転用できる石油精製品(ロケット燃料に使用されるケロシン)の対北朝鮮輸出を急減させていたこと、一方で重油の同輸出量は昨年11月以降は前年に比べても増大していることをラジオプレスが中国貿易資料分析で明らかに。


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