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06年ノ・ムヒョン政府の労働政策に対する評価      かけはし2007.1.15号

新自由主義的柔軟化、機構調整を通じた非正規職の拡大

 まだ任期が1年余りもあるにもかかわらず、ノ・ムヒョン政権に対する10%という最悪の世論調査での支持度からも分かるように、ノ・ムヒョン政権の「改革主義」は、すでに労働者・民衆に対する背信と攻撃とによって綴られるとともに、総体的破産を迎えている。

不安な政府のあがき

 07年予算案の骨格が出された。この中で、労働部(省)予算に関連するメディアの報道が目につく。「07年、良質の働き口育成のために大幅支援」という見出しのもと、「予算の半分を投入する」との内容だ。労働部予算の半分にあたる4兆6700億ウォンを投入すると言うのだから、それを真に受ければ「働き口作り」に政府が積極的に踏み込んだ、と評価すべきところだ。
 だがこれは裏返せば労働者たちの失業や、雇用された労働者たちの「不安定性」がどれほどまでに甚だしいかが分かる。政府の言うことに疑いのまなざしを向けている人々は、「深刻さの表れ」との反応を先立たせている。非正規労働者850万人、脆弱階層労働者が400万人に達している雇用構造は今日、労働者たちの暮らしを代弁する端的な統計だ。
 それでは06年のノ・ムヒョン政府の労働政策はいかなる軌跡を描いてきたのか。結論から言えば、柔軟化の拡大と協調的労使関係を構築するための、あがきの1年だった。脆弱階層を保護するだとか、快適な労働環境を提供するだとか、まるでデパートの商品のように羅列したさまざまな政策の中に貫かれていた方向が、まさに柔軟化であり労使協調だった。

労働3権を奪う柔軟化


 ノ・ムヒョン政府は06年1月「06年業務推進計画」で『脆弱階層の勤労条件の保障と差別の是正』を核心的な政策として提出した。その内容は非正規保護法案を補完する追加対策、公共部門の非正規対策、特殊雇用労働者に対する保護対策などだ。非正規保護法案という名の下に3年間、国会に棚ざらしになっていた関連法案は非正規食を拡大する改悪法案で、「さらに柔軟な労働市場」のために期間制や派遣制を拡大する法だ。この改悪案に、実質的に非正規職を保護する装置は存在しない。
 これに対する非正規職労働者たちの反発や抵抗が拡大すると、政府は9月5日の閣議会議で『非正規職雇用改善総合計画(以下、改善計画)』を発表した。改善計画を発表するとともに政府は「正規職への転換を推進し、4人以下の事業場にも退職給与制を適用」し、差別を是正するための画期的措置を盛り込んだ、と主張した。だが改善計画は「能力ある非正規職だけが正規職となることができる」というもので、「正規職」のために労働者間の競争を一層加速化させる内容を盛り込んでいる。ビタ銭ほどの支援金を与えつつ、というわけだ。
 さらに問題なのは「労働市場の構造的硬直性の緩和」という名の下に年功級賃金体系を職務給―成果級制に転換し、自発的非正規職拡大という名の下に短時間勤労を拡大(期間制拡大)し、このために「日日就業センター」などの職業紹介所を一層拡大強化する、という内容だった。
 これに伴い労働部はカネをかけて(?)非正規職の職業訓練を強化し、職業紹介所を熱心に作るとともに、非正規職の差別を解消したとの評価を提出している。第4四半期の業務推進の結果を見ると、非正規職総合対策を推進するためのインフラ構築に熱を上げ、改善計画に対する教育、広報をたゆまず進めてきているということが確認されている。
 9月に発表された『公共部門の非正規対策(以下、公共対策)』は、さらに深刻だ。公共対策の核心は「正規職は絶対になることができない」ものであり、非正規職の乱用と不法化を改善するとの美名の下、「外注化を通した非正規職使用の合法化」を盛り込んでいる。
 06年のKTX(韓国高速鉄道)乗務労働者たちのストライキ闘争によって公論化された公共部門の期間制、派遣制などの問題が深刻になると、すべてを合法的に転換するために作ったのが公共対策だ。最近、鉄道公社は全面的外注化の方針にそってKTX乗務に続きセマウル号の外注化方案を提出したし、ソウル地下鉄公社もまた車両を中心とした全面外注化計画を発表した。
 そのほかの公企業でも外注化を中心とする構造調整計画や非正規職(間接雇用)への転換が続々、発表されている状況だ。また無期契約勤労者という名の下、既存の「常時業務」についての「正規職」転換を構造的に不可能にしてしまった。
 特殊雇用労働者に対する労働基本権の問題もまた同様だ。特殊雇用労働者たちの闘争は蔚山プラント、浦項建設労働者のストライキ闘争、学習誌労働者のストなど、日増しに拡大した。すると政府は10月25日、「特殊形態の勤労従事者保護対策」を発表し、「労災保険を適用する」と大書特筆した。
 だが特殊雇用労働者たちが要求しているのは「労働者性」を認めよというものであり、具体的には「元請けの使用者性の認定」、「労働基本権の保障」ということだ。
 だが政府は、このような労働者たちの要求や抵抗を「法と原則に従った厳正処理」を押し出して暴力的に鎮圧したのであり、この過程で公権力が振るった暴力によって労働者たちはハ・チュングン同志の死を迎えなければならなかった。結局、劣悪な労働条件によって奴隷のような生き方を強いられている特殊雇用労働者たちの労働基本権は認定されなかった。
 このような各種部門の非正規対策の内容は簡単に要約すれば、「労働3権は絶対にダメ、合法的な非正規職導入のために法的許容範囲を拡大し、外注化などの構造調整を伴い、非正規職の活用度を高める」というものであり、これは大部分が貫徹された。

働き口創出の実態

 04年、ノ・ムヒョン政府は失業問題が悪化すると『働き口創出のための総合対策』を発表するとともに「働き口創出のための労使政協約」を用意した経過がある。そして04年末には「働き口42万個を創出した」と大言壮語した。さらに05年には46万人、06年には50万人の働き口を創出した、と発表した。
 そして、その始まりが『低出産、高齢化対策のための社会協約(以下、社会契約)』だ。民主労総を除外した労使政社会協約を作り出すとともに、それまでノ・ムヒョン政権が声高にわめき続けていた「社会的合意」のスタート、というわけだ。
 政府が主導した社会契約は、労働力需給の不足分を埋めるために女性や老人など低賃金階層を積極的に労働市場に誘引するための策略であるにすぎず、低賃金労働者たちの大量量産についての社会的合意だった。抽象的な文句のかげで、労働者の「譲歩」をねらうのが大部分であり、核心的には賃金体系の改編と連動した定年制度改善方案の議論に合意したのだ。賃金柔軟化の全面的導入が予想される部分でもある。
 働き口創出方案もさらに具体化されたが、前年にも指摘されたように働き口創出の大部分は「不安定な働き口」、つまり非正規職の拡大だった。実際に創出された働き口のうち40%程度は65歳以上の働き口であり、青年の失業率は政府統計で引き続き10%を上回った。短時間勤労制が拡大され、政府はこれについての体系的拡大方案を「日日就業センター」という名の下、提出した。このような働き口創出は社会全体に労働市場の柔軟化を拡大するとともに、労働者たちの雇用の不安定さを一層深化させる過程でもある。政府のこのような努力(?)にも関わらず、社会的両極化はさらに深まり、貧困の問題は社会的問題として台頭するところとなった。
 政府が再び「社会的働き口創出のための社会的企業育成方案」を提出する。社会的企業育成方案の趣旨は「脆弱階層に働き口と社会サービスを提供する」もので、法案は12月8日、国会で処理された。だが脆弱階層の働き口創出」という大げさな法案の趣旨にもかかわらず、その具体的内容は、対象が広範囲で非営利会社だけではなく営利会社もがその対象となることができ、これを通じて民間企業の規制緩和や税制の恵沢を盛り込んでいる。また社会的企業に従事している労働者に対して「雇用上の責任をとらない」との表現によって「不安定な働き口」の一形態であることを、そのままに見せつけている。
 結局、いわゆる「社会サービスの分野」も「市場」に委ねることへと帰結しかねないものであり、さらに重要なことは政府が作っている働き口は「非正規職の量産」そのものだ、という点だ。そして「経済成長」という名の下、資本に対する規制緩和や特恵を保障すること以上の意味を持ちがたい内容である。
 もうひとつ注目すべきは「地域労使政委員会の活性化」だ。重層的労使関係の構築という基調の下、政府が積極的に推進してきたものでもあるが、中央労使政委員会が当初、推進していたものとは違って片肺になるとともに政府は地域労使政委に力点をおいて推進してきた。地域労使政委は「地域経済活性化と働き口創出」という名の下で進められ、その核心は「無争議―労使和合宣言への誘導、賃金凍結、労使政がともにすすめる労働市場の柔軟性拡大」だ。
 ノ・ムヒョン政府の労働政策の核心的基調である社会的合意主義が、まず地域から定着しているのだ。第3四半期の現在、地域労使政委の活性化のために7つの団体に4億3千万ウォンを支援し、富川、大邱、釜山などのモデル・ケースを積極的に広報している。労使関係の競争力強化のための教育実施、地方官署別に労使葛藤の解消のための専担監督官を指定し、主要業種についての労使関係の実態を分析、労使協力支援プログラムを運営、労使協力の優秀企業90カ所の選定とインセンティブ提供などを通じて地域労使政委を安着させている。

労働法、年金法の大幅改悪

 04年初めからのノ・ムヒョン政府の社会的合意攻勢は05年末の非正規改悪案の国会上程と、これに対する反発によって民主労総が脱退するとともに、しばし足踏み状態のようだった。だが06年6月、民主労総が社会的交渉機構に参加するとともに「社会的合意」の亡霊はよみがえり、交渉機構での「ロードマップ」についての論議が本格化した。ノ・ムヒョン政府は07年の複数労組体制に備える労使関係の再編を試みたのであり、その核心こそがロードマップだったのだ。
 だがこれが社会的交渉機構を通じては意のままにならなくなると9・11労使政野合を推進し、韓国労総上層の既得権を一定部分、保障するかわりに労働法を大幅改悪した。そしてこの法案は現在、本会議の通過を待つばかりだ。結局、労働(組合)運動を「改革」の対象だとわめきつつ、社会的合意攻勢の手綱を引き締めた政府は、もはやがまんできず「社会的合意」の実体をさらけ出した。社会的合意(交渉)の本質をさらけ出すとともに労働法の改悪は一潟千里に駆け出している。
 また先進的労使関係という名の下、核心的に台頭したのが「法と原則にしたがった厳正な処理」だった。3月1日、ストに突入した鉄道労働者たちは大々的な懲戒と弾圧に耐えかねて現場復帰をし、独自ストを強行しつつ「外注化中断、直接雇用―正規職化」闘争を繰り広げているKTX乗務労働者たちに対しては集団整理解雇、篭城場所の侵奪と全員連行とによって弾圧した。発電所のストもまた政府の厳正対処と大規模懲戒の前に膝を屈した。
 ノ・ムヒョン政権は浦項建設労働者たちに対して公安政局をほうふつとさせる暴力鎮圧と拘束ほどをほしいままにしつつ、この過程でハ・チュングン同志を殺害するなど、労働者弾圧においては歴代政権と何ら変わらなかった。また全国至る所で闘っている非正規労働者たちに対して解雇、拘束の弾圧が相次いだ。現在まで拘束された労働者の90%が非正規労働者たちであり、歴代最高をほうふつさせる拘束が相次いだ。最近の民衆総決起、ゼネストの過程で暴虐の限りがなされた政府の弾圧もまた、「法と原則」という名の下で現在なお続けられている。その結果なのだろうか?
 スト事業場の数は昨年度に比べて21%縮小し、賃金引き上げ率もまた経済成長率にも及ばない4%台にとどまった。これに加えて公務員労働者たちに対する労働組合活動への弾圧や労組支部事務所の閉鎖、全教組に対する超強力なイデオロギー的弾圧など、労働基本権を抹殺するための政権の弾圧は歴代政権に負けず劣らずだ。
 そのほかにも労災法の改悪、年金改悪の試み、移住労働者に対する雇用許可制の導入などを通した弾圧の問題もまた存在する。労災法の改悪は核心的に労働強度の強化の結果を労働者に押しつけるものだ。年金改悪はいまや全面的導入の直前である。

 このようにノ・ムヒョン政府の2006年は社会的合意の実体をさらけ出しつつ新自由主義の柔軟化、構造調整を質的に強化・拡大させる、あがきの時期だった。07年、ノ・ムヒョン政府の最後の、そして執拗な悪あがきが続くだろう。このような状況の中で、労働者階級は何をしなければならないのか?(「労働者の力」第116号、06年12月15日付、ソン・チヒョン/中央執行委員)


朝鮮半島日誌

「凍結した資産を北朝鮮側に返還するつもりはない」(マカオ政府)

12月8日 b米ホワイトハウスは北朝鮮が核実験を行ったと断定し、関係省庁に対して制裁措置をとるよう求める覚書を発表。
12月10日 b「今後、人民軍隊に歌謡伴奏機材(カラオケ)をもっと送ろうと思う」「歌謡伴奏機材を支給された各中隊は今、雰囲気が完全に変わっている」(金正日国防委員長がカラオケ普及による軍隊士気向上を指示したと労働新聞が伝える)。bロシア・ウラジオストクで、北朝鮮出身建設作業員3人が地元若者グループに襲われ2人が死亡、ロシアで高まる外国人への排外主義テロで同地では中国人への攻撃・殺人事件も起きているとインタファクス通信が伝える。
12月11日 b中国外務省が六カ国協議を18日から北京で開催すると正式発表。
12月17日 b「凍結した資産を北朝鮮側に返還するつもりはない」(中国の一国両制下にあるマカオ政府が北朝鮮核実験強行後にこうした意向を米政府に伝えたとメディアが伝える)。
12月18日 b北京で六カ国協議が始まる。b朝鮮総連都本部や職員が11月27日の警視庁による捜索令状取り消しと押収物件返還を求めて東京地裁に準抗告を申し立てる。
12月19日 b六カ国協議代表団に同行している米朝双方の財政実務担当官が、経済制裁問題で2国間協議を行う(協議はこの日は米国大使館、翌日は北朝鮮大使館で行われる)。b「香港やマカオとマネーロンダリング防止の面で協力しており、大きな成果をあげている」「マカオは取り締まりで国際的な協力や本土との協力を非常に重視している」(中国公安省スポークスマン)。


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