もどる

おおさかユニオンネットが秋期行動            かけはし2008.11.3号

違法派遣・偽装請負は許さない

非正規労働者の雇い止め・解雇をやめろ!と追及・申し入れ行動


 【大阪】「08秋期10・15大阪行動」がおおさかユニオンネットワークが主催して行われた。秋季行動は、反貧困全国キャラバンin大阪と連携し、違法派遣・偽装請負を指弾することを目的に、四カ所での集会・デモ・申し入れ行動として取り組まれた。おおさかユニオンネットワーク代表の垣沼さんがあいさつをし、教育合同労組、管理職ユニオン、大阪ゼネラルユニオン、全港湾大阪支部がそれぞれの場で進行役をつとめた。

井澤さん勝訴│市
教委は上告やめろ

 ユニオンネットワークに結集する労働者は、朝八時半大阪市役所に集まり、登庁する職員に新任免職事件のビラまきを開始。条件付き採用期間が切れ解雇された新任免職事件裁判の8・29大阪高裁判決では、原告井澤梨絵子さん(教育合同)が逆転完全勝訴。被告大阪市教委は上告受理申請を最高裁に提出。おおさかユニオンネットワークは大阪市教委に、上告を取り下げるよう要請文を出していて、総行動の日に回答を聞いた。ビラまきを終え市役所正門に集まった参加者を職員がピケを張って阻止。もめているときに、すぐ横の御堂筋で交通人身事故が発生し、公安警察が事故にかかりきりになるというハプニングが加わった。
 代表団が庁舎中に入って市教委に面会し回答を聞く。回答はお粗末なもので、「上告取り下げはできない。処分の根拠となった事故報告書の中に井澤さんの家族のプライバシーについて差別的な記述があり、大阪市の公正職務審査会が早期適正化をするようにとの意見を表明していたが、この報告書も裁判係争中なので撤回はしない。上告審がもし始まれば何百万円かの裁判費用がかかるが、その予算執行について議会の承認を受ける必要はない」というものだった。最高裁が上告受理申請にどういう判断を下すかが注目される。

ヤンマーは正社
員化をはかれ!

 参加者はつぎの相手であるヤンマー大阪本社に移動。ヤンマーびわ工場(滋賀県長浜市)に派遣されていた労働者が派遣パートユニオンに加入。公休もほとんど認めず、文句を言うと首になる労働者もいたり、派遣会社間の時給差もあった。組合に加盟した四人の労働者は滋賀労働局に直接雇用申請をし、ヤンマーと団交。ヤンマーは直接雇用に当たり、これまでになかった期間従業員(最長2年11月、日給)制度をつくり、その契約書の他に誓約書の提出を要求した。
 期間従業員就業規則・誓約書の件で団交を申し込んだが、会社が拒否したため、滋賀県労働委員会に不当労働行為を申し立て。派遣から直接雇用にいたる経過、深夜手当等の未払い分の件で派遣会社と団交をしたときに、ヤンマーが派遣会社を無視した法違反をして、移籍費として派遣会社に派遣労働者一人当たり六十万円を支払っている(人身売買)ことも判明。当該組合は、期限の切れたあとの正社員化を要求して闘いを強化している。この日は、ヤンマー本社に対し総行動として申し入れを行った。

大阪労働局前で
ビラまきと集会

 三番目は大阪労働局前でのビラまきと局前集会。非正規労働者が全体の三割を超え、彼らの雇用環境は非常に厳しい。短期間有期雇用の場合、何カ月間かは働けるがその先はよくわからない。トヨタ自動車の大分の職場では、サブプライムローン問題に関連して自動車の売り上げが減少することにともなう生産調整のため、八百人も有期雇用労働者が解雇された。
 これと同じことが公務員労働者の中にも起きている。大阪市の国民健康保険の関連でも非正規労働者が解雇された。大阪府でも同様だ。正規雇用の場合でもいったん辞めると、もう非正規雇用しかない。派遣労働や請負労働をごまかしている企業に対して、労働局が労働者の立場で問題を解決しようという姿勢がない。来年の三月、三年の期限を迎える大量の派遣労働者が解雇されるという事態が予想されるという二〇〇九年問題を前に、おおさかユニオンネットワークは再三申し入れを行ってきたが大阪労働局は一向に姿勢をあらためようとしない。
 松下プラズマディスプレーの吉岡力さんは、偽装請負労働を告発し、それを認めた松下は彼を有期直接雇用で別の職場に配転し、期限が切れた時点で雇い止め解雇した。吉岡さんの起こした裁判の高裁判決は、吉岡さんが偽装請負の頃から現在まで松下の社員であることを認めたのだが、大阪労働局は未だに人ごとのような対応をしている。このことについて吉岡さん自身によるアピールもあった。法の網をくぐっていればそれでよしとはせずに、正規雇用に向けた労働局の指導があらためて問われる。

外国人労働者の
使い捨て糾弾!

 最後はクボタに対する行動。クボタでは、ブラジルなどからの外国人労働者が、十五年も前から偽装請負で働かされていた。偽装請負を指摘されたクボタは、労働者を派遣に切り替え、そしてさらに直接雇用にした。直接雇用なら労働基準法が関係する。会社は短期の有期雇用を三回更新するというやり方を考え出した。どういう内容で直接雇用するかは企業の勝手だから手も足も出ないというのが労働局の態度。それ自身は違法であっても十年以上もクボタで働いてきて、直接雇用に切り替わり、三年(クボタの場合は2年)たったから更新しないと言われたら、これは事実上の解雇だ。今まで違法で働かせていたのだから、まともな雇用にしなさい、と言うのが吉岡さんのプラズマ事件の判決だ。
 来年三月で雇い止め解雇が予想される外国人労働者(全港湾大阪支部所属)は、引き続きクボタで働くため社員としての地位確認・保全の裁判を起こした。総行動の参加者は浪速公園で集会をした後、会社の労働者使い捨て糾弾を市民に訴えながらクボタ本社に向けてデモを行なった。代表団の要請をクボタは一応丁寧にうけ、後日回答をすると答えた。     (T・T)


国鉄闘争がみたニッポン2
「許すな!格差と貧困」東京北部で講演と交流のつどい

 十月十七日、北区王子にある岸町ふれあい館で「許すな!格差と貧困」集いが北部講演と交流の集い実行委員会の主催で行われた。
 実行委員会代表の平田豊さんが「国鉄分割・民営化が格差社会の原点だ。派遣法は非正規労働者を飛躍的に増大させ、貧困を作り出した。まともな生活をしたい、安心して働きたい、という労働者の要求を組織していく『労働相談センター』『地域ユニオン』を立ち上げよう」と集会の主旨を述べた。
 続いて、石川源嗣さん(NPO法人労働相談センター理事長)が「非正規労働者はいま―『団結への道』」と題する講演を行った(別掲)。次に、山口菊子さん(社民党豊島区議)、福田実さん(新社党北区議)が連帯のあいさつを行った。

労働現場から
4つの闘争報告

 四つの職場報告が行われ、郵政職場の田辺さん(ゆうメイト)が次のように報告した。
 「ゆうメイトになって五年が経つ。民営化されたが、以前と何も変わっていない。2メイト方式に変わって業務が行われている。普通の郵便物はゆうメイトが配り、職員は速達、書留を配る。普通郵便の配達量が当然多く、配りきれないこともある。以前だと職員が手伝ってくれたが今はそういうことがなくなり、話をすることもなくなっている。職員は九〇cc(50kgまで積載可能)のバイクなのに、ゆうメイトは五〇cc(30kgまで積載可能)しか乗れない。二千ポスト分の郵便物を載せているので、重量オーバーなのに是正しない。仕事は職員と同じあるいはそれ以上なのに、給与は社員の三分の一、結婚休暇もない。有給休暇を取ろうと申請したのに、代わりがいないからダメだとか、何のために休むのか内容を明らかにせよと上司が不当なことを言ったので、その上に持っていったら許可になった。有給での夏冬休みや振り替え休暇もない」。
 雇い止め攻撃と闘っている梶ヶ谷さん(練馬地域ユニオン)。
 「二店舗を構え、十六人の従業員のいる薬剤薬局に勤めていた。就業規則もなく、期間の定めのない雇用だったので、六十三歳ぐらいまでは働けると思っていたが、六十歳で定年だから嘱託・再雇用に応じろと社長に突然言われた。仮に嘱託に応じるとなった場合でも、年収を保障する時給、社会保険の継続、年休がとれるようにと条件を出した。時給について考慮してもよいが、パートに年休を認めていないので認められないと回答してきた。その後、何回か個人的に話したがらちがあかないので、ユニオンに入っていることを明らかにし、団体交渉を求めた。そうしたら、手のひらを返したように、六十歳で定年、再雇用しないと態度を変えた。ユニオンとの団交にも応じない。裁判で争うとかたくなな態度に出てきた。パートに年休を認めない態度が許せない。自分のことでもあるが、パートの人たちに権利が認められるように闘いたい」。
 「日の丸・君が代」被処分者の渡辺厚子さん。
 「私は北養護学校に勤めている。都立大泉養護学校入学式でブラウス着用を理由として戒告処分を受けた。以後『日の丸・君が代』不規律を理由に処分を三回受けている。私が『日の丸・君が代』強制に反対しているのは、日本が戦争の責任をとっていないこと、障がい児学級で呼吸器を付けている子どものアラームが鳴っても起立させろと教員に強制する。命の危険よりも『君が代』が大切だというやり方が許せないからだ。10・25に東京都と闘う十六団体が星陵会館で集会を行う。ぜひ参加してほしい」。

今こそ国鉄闘争
の勝利解決へ

 一〇四七人解雇撤回国鉄闘争について、酒井さん(鉄建公団訴訟原告団団長)が「東京高裁南裁判長の裁判外でのソフトランディングの提案と、冬柴国交相の解決に向けた努力していきたいという発言があった。闘いによって政治解決に向けた気運が広がった。しかし、福田首相の突然の辞任で新しい局面に入り、現在中断している。この局面を転換していくためにも、10・24日比谷一万人集会の成功と10・26団結まつりで団結を固めたい。ぜひ、皆さんのご協力を」と決意表明した。この発言に対して、参加していた中核派系が野次を飛ばし集会を妨害した。実行委員会と参加者が毅然と妨害をはねのけ、団結ガンバロウを行い、集会を成功させた。   (M)

石川源嗣さんの講演から
労働相談センターを立ち上げユニオン運動強化を

 労働相談の最近の傾向
 過労死・過労自殺・過労障害の実例を上げて、依然として苛酷な労働実態が増えていることを紹介した。過労死はノルマ(過重業務・納期)の強制など長時間過密労働による。それは「強制された自発性」であり、「自己責任」として個人に責任をかぶせる。「いじめ」とメンタルヘルス相談が急増している。
 労働者の現状
 二〇〇七年、年収二百万円以下の労働者が急増し千三十二万人(5年間で21%増)に。全労働者の五人に一人がワーキングプア。残業、総労働時間とも増加。民間労働者の年収は九年連続で減少。昨年摘発され支払われたサービス残業代は二百二十七億円。全国の労基署での法令違反率二〇〇〇年まで五〇%が〇六年に六七・四%に増加。東京の場合は〇七年、七四・三%。一方、監督実施率は一九七〇年、一〇・八%が二〇〇一年、三%へと減っていて、違反是正がされていないことが分かる。
 なぜこうなっているのか
 新自由主義グローバリゼーション。とくに小泉構造改革による規制緩和によって、弱肉強食が強力に推し進められた。その結果、経営者・使用者・企業側が圧倒的な力で労働者を支配している。
 解決への道
 「企業内労組」では解決の「仕組み」として難しいのではないか。個別労使関係を集団的労使関係のなかで解決。個々の未組織労働者(最近は『名ばかり労働組合』に所属する組織労働者も)が個人でも加入できるユニオン・地域労働組合に参加して、『労使対等』をめざして、団体交渉・団体行動で解決へ。
 結論 闘争環境は悪くない
@ 労働市場の構造変化。中核的正社員が減り、周辺的正社員と非正規労働者が増大する階層の二極化。
A 違法企業だらけ。「誰でもどこでも」闘う気があれば闘える環境にある。b労働基準法違反。サービス残業、年次有給休暇を認めない、ハラスメント、社会保険未加入など。b労働組合法では、企業内一人でも労働組合を組織して闘える。bユニオン、地域労働組合をつくり、そこに加入すれば、その組合が団交権を行使できる。
B 強大な労働組合建設の担い手としての「ワーキングプア」の存在がある。その仲間たちを組織して、強大な労働組合の建設に挑戦しよう。北部の仲間が新しく労働相談センターを立ち上げ、ユニオン運動をより強化しようとすることに対して、わたしたちは全面的に協力してともに闘っていきたい。(文責編集部、発言をレジメを元にまとめた)


もどる

Back