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                            かけはし2008.4.14号

「南と北の連帯マーチ」

G8開発相会合に抗議デモ
戦争・貧困・環境破壊の「開発」NO!
警察の監視・弾圧体制を許さない


新興発展国の
閣僚も参加して

 四月五日、六日にG8開発閣僚会合が東京の三田共用会議所で開催された。この会議は七月のG8サミット首脳会議に向けて全国の各都市で開催される一連の閣僚会合のトップとなる。この会合には、G8各国の開発担当閣僚の他にASEAN事務局、アフリカ連合(AU)委員会、経済協力開発機構(OECD)、国連開発計画(UNDP)、国連教育科学文化機関(UNESCO)、国連児童基金(UNICEF)、世界保健機構(WHO)、世界銀行の代表や、さらに経済発展が著しい八カ国(ブラジル、中国、インド、インドネシア、マレーシア、メキシコ、韓国、南アフリカ)の閣僚も招待された。
 福田首相は、一月にスイスのダボスで開催された世界経済フォーラムで、日本政府の重視する「開発」の課題として「保健、水、教育」の三点を上げた。しかしこの三点は、IMFや世界銀行が進めてきた悪名高い「構造調整政策」において、民営化の対象となってきた分野であり、それが「南」の世界の民衆にとっては貧困と環境破壊を急速にもたらした元凶であることは一顧だにされていない。つまり「債務の重圧」を背景に「南」の民衆に強制してきた新自由主義路線の継続・強化こそが、この「開発」閣僚会議のテーマなのだ。

「開発」のあり方
を問い直そう

 今年のG8サミットでは「環境」とならんで「アフリカ開発」が大きなテーマになっている。今回の開発閣僚会合を受けて五月末には、横浜で第四回アフリカ開発会議(TICAD)が開かれることになっている。まさにアフリカの「貧困」からの脱却を大義として、アメリカ発の金融恐慌で危機を深める新自由主義的グローバリゼーションの秩序にアフリカ諸国を引き込むことをねらおうとするものだ。確かに一部の特権層はこの「開発」によって利益を得るかもしれない。しかしその代償として圧倒的に多数の民衆の貧困と環境破壊が促進されるのである。
 その一方、日本の財政危機の中で、経済開発協力機構(OECD)の開発援助委員会(DAC)が四月四日に発表した調査結果では、かつて額として第一位だった日本のODAは米英だけではなくドイツやフランスにもぬかれて第五位となった。そのGNI(国民総所得)比も〇・一七%と一九六四年以来、最低となっている。これに対してOECDのアンヘル・グリア事務総長は日本に関して「援助総額の減少傾向は心配している」と注意を喚起した。
 われわれは真に民衆の生活条件の改善と公正な社会のあり方に貢献する「援助」が必要だと考える。会議終了後、四月六日に出された高村外相の議長総括では、「われわれはOECD/DAC(開発援助委員会)の発表によれば、二〇〇七年の世界の政府開発援助が二〇〇六年から減少し、一〇〇〇億米ドルをわずかに上回るにとどまったことについて、懸念を表明した」としている。ODA支出額の減少に対する国際的批判は、政府内でも「軽減」の圧力に対する巻き返しとして作用するだろう。しかし問題は「開発援助」の枠組みそのものであり、「援助」が援助国の「国益」や多国籍企業の利害のためになされ、「被援助国」民衆の生活基盤や環境を破壊し、格差を拡大しているあり方そのものである。

「戦略的援助」
の危険な本質

 この開発閣僚会合に向けて、G8サミットを問う連絡会に参加するグループ、個人によって「STOP G8 4・5南と北の連帯マーチ《take1》コレクティブ」が作られ、「貧困・戦争・CO2を撒き散らすG8と多国籍企業のための『開発』はもうたくさんだ」を合言葉に「連帯マーチ」を呼びかけた。
 三月三十一日には、「開発」問題をめぐって公開学習会を行った。日本国際ボランティアセンターの高橋清貴さんは、日本のODAが現在でも、さまざまな手法で「ひも付き」となって富が日本政府に還元される仕組みとなっていることを明らかにし、二〇〇一年の「9・11」以後、とりわけ「国益」のための「戦略的援助」となっていることを批判した。その上に、財務相からは「自衛隊が人道的復興援助をしているからODAは減らしてもいい」という圧力が外務省に対してかけられている、と述べた。高橋さんは、さらに「政府はODAを『戦略的』に活用していく方針に大きく舵を切りつつあり、援助の現場や人びとの必要性から乖離していることが問題だ。日本のNGOも首相以下担当閣僚のトップダウンによる『国家戦略としてのODA』には介入する余地がない」と語った。
 すぺーすアライズの鈴木ふみさんは「保健政策の原則として『利用者を害してはならない』というものがあるが、実際に実施される人口政策や母子政策の中では、その恩恵は本人にではなく、夫や家に流れ込み、女性個人の健康や権利にはメリットがないだけではなく負の影響を及ぼしているものがある」と批判した。そして「女性の課題は、あらゆる分野に関係しているにもかかわらず、社会運動の中でも大きな声になっていない。サミット期間中、女性の声を発信し続ける空間を作りたい」と強調し、「G8女性の人権フォーラム」の企画について紹介した。

露骨きわまる
サミット警備

 四月五日、「北と南の連帯マーチ《take1》」が東京・六本木の三河台公園からスタートした。出発前の集会で日本消費者連盟の山浦康明さんは、グローバリズムの中で禁止された農薬がアフリカに送られて深刻な環境汚染を引き起こしていることを紹介し、G8サミットの大国に代表される世界のあり方に抗することを呼びかけた。
 持たざる者の国際連帯行動実行委員会の荒木剛さんの発言に続いて、日本のNTTグループが二〇%の株式を保有しているフィリピン長距離電話会社(PLDT)が正規職労働者五百七十五人を大量解雇したことに抗議して来日しているPLDTの労組MKPと、MKPが加盟するナショナルセンターであるマカバヤン(民衆解放をめざす労働者連盟)の二人を代表して、マカバヤンのエミリさんが連帯あいさつを行った。彼女は、中東での戦争・占領を続けている米国主導の世界秩序を強制するG8に反対しよう、と訴えた。
 五十人が参加したデモは、多くの旗、のぼり、ブラカードを林立させながら「戦争・貧困・環境破壊を作りだすG8に反対しよう」「原発を推進するG8に反対しよう」と元気良く訴えながら日比谷公園まで行進した。このデモに対して、デモ隊の倍以上の公安警察百三十人、制服警察五十人などが動員され、執拗な情報収集、監視やデモへの介入・挑発を行った。デモ参加者一人一人への写真撮影、人定なども行われた。
 G8シフトとも言うべき、警察の監視・弾圧に抗議しながら、デモ隊はロシア大使館や米国大使館の近くでは「ロシアのチェチェン侵略を許さない!」「米軍はアフガニスタン、イラクから撤退せよ!」などのシュプレヒコールを繰り返した。
 デモ終了後の集約では、司会の仲間が沿道を埋めつくすような公安警察の不当警備を糾弾するとともに、北海道警察などの裏金発覚・返金などの事実を明らかにし、公安警察のヤミ予算、使い放題の警備費などを厳しく批判した。また神奈川の「横浜でG8とTICADを考える会」の仲間が、四月二十一日に予定されている「G8とアフリカ開発会議がもたらすもの」をテーマにした学習会への参加を呼びかけた。この日の行動を皮切りに、七月G8サミットに抗議する全国的な運動の波を作りあげよう。        (K)

(追記)四月六日に発表された「G8開発大臣会合議長総括」は仮訳が外務省ホームページに掲載されている。それを見る限り、依然として「開発」を経済成長至上主義路線で推進し、貧困をもたらした新自由主義的「開発」路線への反省はみじんもない。また帝国主義の対テロ戦争戦略が「人間の安全保障」の基盤そのものを解体していることや「気候変動」にかんするG8の責任についての言及もない。「開発」を論じる上で不可欠なジェンダー的観点も欠落している。
 さらに「途上国」の代表からは、食物価格の高騰が「人間の安全保障」にもたらす破滅的影響についてG8サミットで取り上げるべきとの意見が噴出したという(「朝日」4月7日)。なおこの議長総括についてはG8女性の人権フォーラム有志(別掲)やG8NGOフォーラム貧困・開発ユニット有志から批判的コメントが出ている。同閣僚会議議長総括についての内容的批判は今後、紙面に掲載していきたい。


資料
プレスリリース
G8開発大臣会合議長の
まとめについてのコメント


 四月五・六日に、G8開発大臣会合が開催され、議長のまとめが発表されました。
 外務省や与党においては、この議長のまとめの評価がなされていますが、私たち女性運動団体は、本日発表された議長のまとめには大きな落胆をしています。
 四月四日に、日本のODA・政府開発援助の金額が、二〇〇六年には2位から3位に、そして二〇〇七年実績は世界第5位に転落したことが発表されたばかりで、引き続き、この開発大臣会合の議長のまとめの内容を検討すると、日本には貧困解決に対して熱意はあるのか、史上最悪のサミットになりかねないとの危機感を強く感じざるを得ません。
 言うまでもなく、開発にとってはジェンダーの視点が不可欠であるのに、ジェンダーについての言及が全くないことに驚きを隠せません。前回のドイツのハイリゲンダム・サミットなどと比べておおきな後退です。今年一月の世界経済フォーラムでの福田首相の演説の際にも、ジェンダーについてコメントがなかったことに引き続き、今回も残念な結果でした。
 また、相変わらず「経済成長」のみを開発の中心としており、社会開発や人間開発の重要性には言及していないばかりか、経済開発の過程で起きる格差や搾取の問題には具体的な対策さえ示されていません。
 さらには日本及びG8諸国の政府が果たすべき責任はまったく具体的に記載されておらず、いかようにも解釈できる抽象的な文言で逃げ回っています。
 女性の人権のために不可欠な平和構築についての言及もありませんでした。
 本当に大きな失望を表明せざるを得ないとともに、この課題の方向性を変えるために更なる市民社会の働きかけの必要性を感じています。

 G8 女性の人権 フォーラム  有志一同



ガソリンスタンドユニオン
雇用継続を求めて争議突入
団体交渉の継続をかちとる


 【神奈川】神奈川県・相模原市内のガソリンスタンドの解雇争議は、会社側からの解雇予告日である三月二十五日、重大な局面を迎えた。
 この問題は、スタンドでアルバイトとして働いていた青年労働者たちが労働条件改善を求めて組合を結成したところ、スタンドの親会社である関東礦油(こうゆ)株式会社が「サブプライム問題による経営悪化」を理由にスタンドのセルフ化、そして人員合理化を突如発表。アルバイトを解雇すると一方的に通告してきたことに始まっている。
 これまで、組合(フリーター全般労組=FZRK)と支援は数度にわたり関東礦油本社と交渉を持ち、その過程で解雇の撤回やこれまで未払いであった残業代の支払い、また雇用保険への加入などを求めてきた。しかしながら、会社側はこれらの問題の責任を旧経営会社に押しつけて自身の責任を回避しようとしてきた。さらに、一旦は解雇凍結を約束しておきながら、すぐにこれを撤回したあげくに、以降交渉にも応じようとせず解雇を強行しようとしてきたのだ。
 これに対して組合側はこの日、会社のなし崩し的解雇を許さず、ストライキの態勢もくみつつ職場占拠に打って出た。
 夕方六時過ぎ、当該の青年労働者たちは支援、共闘組織とともに職場であるガソリンスタンドに向かう。
 「団体交渉の申し入れにきました!」
 この日、最後の営業を終えたばかりのガソリンスタンドにフリーター全般労組の鈴木さんの声が響く。ところが、店長は閉店の準備をする振りをしながら背中を向けたまま。自身も複数の店舗を掛け持ちし、本社に酷使されモノ言えぬ`雇われ店長a状態の彼は渋い顔をして押し黙っている。
 だが、このまま時間切れにするわけには行かない!
 事務所の外ではすでに別働隊が「籠城」用に畳とテントの設営を始めている。給油機の上に「ガソリンスタンドユニオン」の大きな横断幕が張られ、支援のビラまきが始まる。通りすがりの人たちも興味深そうにビラを受け取っていく。中には「がんばれよ」と声をかけてくれるドライバーも。こうした外の様子を見ながら店長は次第に苦悩の色を濃くしていくようだった。
 そんな店長をわれわれはなんとか説得し、関東礦油本社の人間に連絡をつけさせることに成功する。だが、本社の担当者は「自分に責任がない」ことを口実に翌日連絡する、と繰り返すばかり。交渉の具体的な時間を設定するように要求して一度電話を置いたものの、なかなか返事はこない。だんまりを決め込む気だ。店長も本社にFAX、電話をかけるが全く無視だ。
 さらにあろうことか、会社側は警察の出動を要請してきた。しかし、やってきた警官に対して正当な労働争議権行使であることを説明し、逆に会社の不誠実な対応を徹底的に追及する。事態を何とか収拾したい警察に会社側が説得される形で夜十時になろうかという頃、今度は「常務」と称する人物がスタンドに電話をよこしてきた。
 ところが、この常務なる人物は解雇通知も「全く見ていない」と平然と言い放ったあげくに「解雇は決定事項。撤回しない」と言う。「はじめから解雇ありきの交渉では話にならない。せめて、交渉継続中は解雇`凍結aとして欲しい」という田中委員長の要求にも応じない。しまいには、「警察に連絡する」と捨てぜりふとともに一方的に電話を切って逃亡する始末だ。
 しばらくすると、例の常務がゴーサインを出したのだろう、奥に引っ込んでいた警官たちがまたぞろぞろ戻ってきてわれわれに対して不退去罪の「警告」を始めた。当然、当該の二人を中心に猛烈な抗議が巻き起こり、「警告」を宣言した警官も思わず口ごもる。さらに、「民事不介入の原則はどうしたんだ!」という一言で会社と結託した警察は完全に沈黙してしまった。

当該を中心に朝
まで泊まり込み

 しかし、ここまで必死に会社の「弁護」「防衛」に涙ぐましい努力を注いできた店長の体調がついに限界を見せ始めた。「あんたたちが居たんでは帰るに帰れない。事務所の外なら居ていいから……とにかく私を帰してくれ」。
 ……こう懇願され、われわれも`人道的配慮aからやむを得ず詰めていたスタンドの事務所から一旦退去することを確認した。
 いつ来るともしれない会社側の人間を待ちつづける仲間によって「占拠」されていたスタンドの事務所は、撤収の指示と同時ににあっという間にゴミが片づけられ、机も元通りになる。まさに闘う労働者の階級的「規律」とも言うべき迅速さだった。
 外で行動のとりまとめを行い、当該を中心に朝までスタンドに泊まり込み、争議をアピールすること、さらに翌朝(26日朝)に東京・浜松町の関東礦油本社まで行って改めて団体交渉継続を申し入れること等を確認し、日付も変わろうとする中、長かったこの日の行動を終えていった。(H)

▽追記
 翌二十六日朝、フリーター全般労組、同ガソリンスタンド・ユニオン分会は関東礦油本社に申し入れを行い、団体交渉の継続を勝ち取った。交渉中の組合員の解雇は「棚上げ」とする合意を会社と確認し、四月十日に改めて団体交渉を行う予定である。
 引き続き、争議の行方に注目・支援していきたい。(事後の経過などについては当該組合のWebサイト、およびブログをチェックして欲しい)
bフリーター全般労働組合/PAFF Webサイト
http://freeter-union.org/
bフリーター全般労組 ブログ
http://d.hatena.ne.jp/spiders_nest/


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