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ラテンアメリカにおける新たなパワーバランス       かけはし2010.6.28号

米国の裏庭に高まる中国の存在感

中国産品の市場であり天然資源産出国として最重要相手国
バージニア・デ・ラ・シエガ

 以下は、ラテンアメリカで次第に高まる中国の存在感の意味を、主要には経済の側面に光を当てつつ、政治、軍事の側面をも加味して分析したものだ。ところどころに、中国の行動に見え隠れするものを、帝国主義的傾向として懸念するヨーロッパから見た見方が垣間見える。今春の十六回世界大会世界情勢討論でも、特にアフリカにおける中国の行動を中心に、同様の懸念を力説する観点がいくつか出された。中国についての安易な断定は慎まれなければならないが、取り上げられた問題が中国のみならず世界の今後について、重要な要素であることは間違いないと思われる。この問題は、今年夏アジア・太平洋地域十カ国以上の左翼活動家が参加して開催されるマニラIIREセミナーでも、一つの論点となるかもしれない。(本紙編集部)

世界的パワーとしての登場

 中華人民共和国(PRC)はここ三十年、ゆっくりとだが確実に、世界的パワーとして登場してきた。この国は、アメリカと日本に次ぐ世界第三番目の経済をもつに至り、世界首位の輸出国としてドイツを置き去りにしつつある。中国はもはや、安物やローテク製品の生産国ではない。この国は、風力発電用風車やソーラーパネルの最大の生産国となり、昨年には、自動車販売数で倍増、月百万台以上に達しアメリカを上回った。
 この国が世界第三位の防衛予算を保持していること、並びに最大の人口(十三億人)をそれに加えるならば、そのエネルギーと生産の需要を満たす上で、この国が十分な原油、天然ガス、アルミニウム、銅、鉄鉱石をもっていないこと、またその成長を維持するための貿易相手を必要としていること、それはすぐに明白となる。
 中国は加えて、世界の政治的場面における中心的プレーヤーでもある。アジアの地政学に果たしている戦略的役割や、核保有国としての地位と並んで、この国は、国連安全保障理事会常任理事国であり、WTO、七十七発展途上国グループ、アジア太平洋経済協力機構、さらに米州開発銀行のメンバー国だ。中国はさらに、米州機構(OAS)にはオブザーバー資格をもち、ハイチで平和維持活動に従事している。
 その上に中国は、帝国主義国家の最初の諸要素を見習いの形で示し始めるに至っている。発展途上の世界で、特にアフリカ、ラテンアメリカ、東南アジアにおいて、しばしば「ソフトパワー」として言及される、外交的存在感、経済的影響力を強化してきたのだ。中国は、インフラストラクチャーや天然資源開発計画への資金提供、それらの計画の実行における援助、また多くの発展途上諸国においてPRC国家企業が行う事業に対する支援を通して、国際親善の名声を得ることに挑戦してきた。開発援助という分類では、世界的な援助の内では中国がたとえ相対的に小さな拠出でしかないとしても、中国の商業的資金供与あるいは開発認可と引き換えにした資金供与、技術援助、国家出資あるいは国家が助成する投資を含めるならば、PRCは経済援助の主要な拠出国となっている(注1)。
 アフリカで中国が演じている役割が多くの注目を集めてきたとするならば、この国がラテンアメリカで演じている役割はそれとはとうてい同じとは言えない。しかしそれでも、中国とラテンアメリカの往復貿易額は、二〇〇四年十一月以来著しく拡大してきた。まさにこの時中国の国家主席、胡錦涛は、この地域に千億ドルの投資を約束したのだ。
 中国の商業相によれば、中国の投資額は、一九七五年の年二億ドルから、二〇〇六年には年七百二億ドルに達し、二〇一〇年には年千億ドルと予想されている(注2)。中国のこの地域における貿易額がアメリカのそれ(五千六百億ドル)やEUのそれ(二千五百億ドル)よりはるかに小さいとはいえ、その趨勢が重要だ。中国がこの地域に置いている重要性の証しは、ラテンアメリカに関するこれまでで初めての政治文書が二〇〇八年十一月五日に発行されたことだ。そして貿易と投資の諸関係は、政治、文化、貿易、軍事当局者の高位の代表団や上述のラテンアメリカ諸機構に対する中国の参加によって補完されてきた。

南米に対する二重の戦略

 PRCは、ラテンアメリカに対する二つの戦略を明らかにしてきた。第一のものは経済だ。その経済成長に必要な一次資源入手を確かなものにすること、及びその生産品に対する市場を見出すことがそれだ。第二の戦略は主に政治だ。つまり、中国の政権として依然として台湾を認知している諸国から、外交的認知を得ることだ。
 第一の戦略においては、アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、エクアドル、メキシコ、パナマ、ベネズエラ、キューバが主な役割を果たしている。
 この地域における最大の経済国であるブラジルは、中国産品の市場並びに天然資源産出国として、双方の意味で明らかに中国の最重要相手国だ。ブラジルは、中国の全大豆輸入量のおよそ四五%を供給している。また、鉄鉱石や原油の他に他の農産品の供給国でもある。PRCは、これらの分野でブラジルとの大きな共同計画をいくつか始めている。中所得大国としてのブラジルの地位もまた、履き物類やおもちゃのような労働集約生産品と電子製品や機械類を含んで、中国製品の一市場としてブラジルを重要なものとしている。ブラジルは原子力産業とウラン鉱石資源をもっているがこれも、そのエネルギー需要を満たすために自身の原子力産業を拡大している中国にとって重要だ。ブラジルの航空機産業は、技術分野を含んで中国との協力に多様な機会を生み出してきた。
 世界的不況はブラジルに対して、中国の重要性をはっきりさせ拡大した。二〇〇九年第一四半期、ブラジルのアメリカに対する輸出が三七・八%下落したのに対して、ブラジルの輸出では中国が第一位の行き先となった。中国はさらに、カンポスとサントス(ブラジル中部大西洋岸―訳者)沖合で新たに発見された深水部原油埋蔵資源を開発するブラジルの計画に対する、中心的資金供給国として登場した。二〇〇九年五月、中国開発銀行からの百億ドルの融資協定に署名した時、ペトロブラス経営トップのゼルジオ・バブリエルは、「われわれが中国人と行っているような種類の議論を交わすことができ、共に座ることができるアメリカ政府の人間など誰もいない」と述べた(注3)。この協定によれば、この融資は、次の十年にわたって原油供給を保障することと引き換えに与えられる。この二国はさらに、ジェット機の共同生産、中国―ブラジル地球衛星探査(CBERS)計画、他の宇宙共同計画を含む、一定の広がりをもつ重要な共同事業を遂行中だ。
 ブラジルの例のように、もう一つの大きな南アメリカ経済国であるアルゼンチンに関する中国の経済政策は、天然資源の購入に限定されるものではない。アルゼンチンは、サン・フアン大学における衛星レーザー照射計画のような宇宙計画を中国と協力し、新世代原子炉設計の協力についても協議してきた。
 しかしながらアルゼンチンにおける中国の主な関心は、アルゼンチンの鉱業と原油資源にある。二〇〇三年、CNPC(中国国営石油会社)は、アルゼンチンの石油ガス企業、プルスペクトルの株式を取得した。この企業はアルゼンチン北部とペルーの油田で操業している。そして、中国―アンゴラ合弁企業のソノゴルからの投資も既になされていた。二〇一〇年五月、中国国営海外石油株式会社(CNOOC)は、アルゼンチンのブリダスホールディングスに関して、三十一億ドルで五〇%の株式を購入した。さらにこれまでに、スペイン企業のレプソル―YPFとCNOOCの間での、レプソル―YPFのアルゼンチンの持ち株に関する話し合いについて噂となってきた。もっともここで持ち上がった可能性についてはまだ、何一つ具体的にはなっていない。
 アルゼンチンとの商取引を容易にするためのPRCの金融取引を、アメリカは疑いの目で見ている。二〇〇九年三月中国は、アルゼンチンとの間で百二億ドルの債務交換協定に署名した(注4)。これについてアメリカ政府は、国際準備通貨としてのドルの優位性に対する挑戦を拡張するものと見ている(注5)。ブラジル大統領、ルラの二〇〇九年五月の中国訪問の時、彼がドル離れのために中国と協力することに明確に賛意を示したことにも触れるべきだ(注6)。
 PRCはまた、自身の製品の購入者としてもアルゼンチンを獲得しようと努めてきた。しかしここで両者の関係は、いくつかの工業部門を再開発しようとのアルゼンチンの計画があるために、はるかに紛争含みのものとなってきた。

鉄・原油・ガス部門に投資

 APEC(アジア太平洋経済協力機構)のラテンアメリカメンバー国三つの内二つ、ペルーとチリに対して中国は、ある種決定的な貿易相手国となった。国連統計によれば、二〇〇七年にチリの輸出額のほぼ四〇%はアジア太平洋向けであり、そのほとんどは中国向けだった。ペルーの場合その数字は一九%になる。この数字は、コロンビアやコスタリカのような諸国を、APECに入りたいと思うまでに動かした。
 そしてPRCは、ボリビアの天然ガスと鉄鉱石資源にも関心を示している。ボリビアは、天然ガス埋蔵量ではベネズエラに次ぐ南アメリカ第二の国だ。海への出口を欠くボリビアは問題を一つ抱えていた。しかし、ガスの液化のような新しい精製技術の導入や他の燃料生産という形のその使用が、ボリビアの天然ガスの中国に対する輸出に実行可能性を高めた。エボ・モラレスは、この国における中国の存在感を拡張することに対して一定の可能性に道を開いてきた。例えば、中国の複合企業であるシャンドン・ルーエンに対して一つの認可が与えられた。世界で最大とは言えないまでも最大部類の一つであるエル・ムトン鉄鉱床の、全部あるいは一部を開発する権利をそこに与えるものだ。またいくつかの中国の石油企業は、この国の石油国有化が引き起こした、資本と経験に起因するいくつかの問題を克服するためのYPFBを援助する協定に署名した。
 エクアドルにおける投資もまた、巨額となり外交上も効果を及ぼすものとなった。中国は、油田、港湾管理、パイプライン設備に投資してきた。二〇〇三年中国は、エクアドルの主要油田における採掘認可に応札した。CNPCによる石油採掘操業は、タラボアとスクムビオスにおいて、特に中国の投資が環境保護に対する関心を欠いていることを理由として、先住民に対する深刻な諸問題を引き起こした。マンタ基地の利用権をアメリカに与えていた協定を刷新しないとするラファエル・コレアのエクアドル政権が下した決定は、太平洋横断飛行のハブ空港化に向けた空港開発のために、中国を招き入れる上で必要とされた最初の踏み出しだった。とはいえ中国は、あからさまな示唆などは決して行わなかった。中国はさらに、PdVSA(ベネズエラ)、YPFB(ボリビア)、ペトロブラス(ブラジル)、キューバニケル(キューバ)のような、石油と鉱物採掘の国有企業との間で、投資や共同事業の関係を作り上げてきた。
 パナマの場合はやや違いがあり、それはこの国の戦略な位置が理由だ。パナマの一次産品輸出や重要な市場としての潜在力は小さい。しかしながら、パナマ運河の所有者としてこの国は、中国にとって巨大な価値をもっている。中国人民解放軍(PLA)と関係があると噂されるPRC企業、フチソン・ワンポアは、パナマ運河の各々の終端部に資産を保有している。そしてそれは、運河を通過する軍事上のまた商業上の運輸に関して中国に見通しを与え、さらに、この戦略的な関門の通過を支配する未来の作戦に向けた足場として、潜在的に役立っている。
 中国の政治的戦略は主に中央アメリカとカリブ海に影響を及ぼしている。ここで中国は、中国の政権としていまだ台湾を認知している諸国からの外交的認知を確実にするよう経済的かつ外交的てこを使うことに、主として焦点を合わせてきた。依然として台湾を認知している諸国は二十三カ国残っているが、この地域にはその内十一カ国あるのだ。これまでのところ、連携相手を変えた国はコスタリカが唯一だ。それは二〇〇七年のことであり、その結果としてこの国は報いられることとなった。二〇〇八年胡錦涛は、PRCが寄贈した新しいサッカースタジアムの開館式典のためコスタリカを訪問した。

利益を得るものは誰か

 中国―ラテンアメリカ関係は、あらゆる相手にとってウィン―ウィン(共に利益を得る―訳者)となるわけではない。二〇〇五年現在、中国との関係でラテンアメリカ諸国が保持していた貿易黒字は逆転されるに至った。現今では、中央アメリカと南米向け中国輸出品の九三%が工業製品(繊維製品と衣類が二五%、機械及び装備品が四四%)で構成されている。これは、自分たちの国で工業を開発しようとしているラテンアメリカのもっとも進んだ経済の努力に否定的な影響を与え、いくつかの問題を引き起こし始めている。
 ラテンアメリカにおける三番目のAPECメンバー国であるメキシコは、主には二つの理由で特に否定的な影響を受けてきた。つまり、アメリカ経済との緊密な結びつき、並びに中国とメキシコの輸出品が重なっていることだ。メキシコの二十の主要輸出部門の内十二部門は、中国と明白な競争関係にある。このことは、中国に向け輸出するメキシコの可能性を全輸出額のわずか三%にまで引き下げているだけではなく、アメリカとの貿易関係にも影響を及ぼしている。二〇〇三年には中国は、アメリカに対する二番目に大きな輸出国という地位から、メキシコを追い出した。中国との間にある二百八十億ドルに上る貿易赤字を前にすれば、メキシコ政府が貿易協定を見直したいとすることには何の不思議もない。「メキシコが輸入する中国製品の三十ドル毎に、メキシコは、自国製品のたった一ドルしか中国に輸出していない」、一人のメキシコ政府当局者はこう不満をあらわにしている。
 最大部類のラテンアメリカ経済との関係におけるもう一つの緊張は、アルゼンチンの場合だ。アルゼンチンは、PRCが輸入する全大豆製品の内二三%を供給している。中国は、二百万トン以上の大豆油に対して注文を保留する処置に出た。それは輸送中の分だった。その理由は、アルゼンチンの地場生産を保護する措置として、中国から輸入される靴に課税することをアルゼンチンが決定したことだった。中国に対するアルゼンチンの貿易赤字は二〇〇九年十二億ドルに達し、それは、二〇一〇年の最初の二ヵ月の間にもう六千億ドル(この数字には疑問があり、原文の単位に間違いがあるかもしれない―訳者)となっている。アルゼンチン政府はそれが増大するに任せるつもりなどない。中国の反応には、他の帝国主義大国が彼らの「商業上の権利」が思い上がった途上国によって犯される時に示す反応と比べて、質的に変わるものは何もない。
 基本的に、ラテンアメリカ諸政権は中国の投資に関わって二つの問題を見出している。すなわち、
(1)それらの主要な目的が、原材料輸出を促進することによって中国の発展の必要に奉仕することにある、ということ。そしてそのことはしばしば、それらの材料を獲得し加工するための計画の重要な部分が中国で作成される、という要求の押しつけを伴うこと。
(2)この地域に対する中国の直接対外投資水準は外見よりも高くはなく、公式数字の多くは海外のタックスヘイブン(租税回避地―訳者)へと流れ込んでいる。そして諸政権はこのことを見出すに至った。
 以下のことがはっきりしている。一つは、ラテンアメリカと中国の貿易は、アルゼンチン、ブラジル、チリ、ペルー、ベネズエラのような諸国において、この地域の商品輸出業部門のブームに燃料を注いだ、ということだ。次いで同時に、ラテンアメリカの製造業部門が、中国製品から加わる競争の拡大によってひどい打撃を受けている、ということだ。たとえばメキシコや中央アメリカのような、大きな製造業部門と並んで規模が限定された一次産品部門を抱えている地域と国にとっては、状況は悪いとすら言える。

中南米における米国と中国

 中国は、この地域における支配的大国としてアメリカに取って代わろうとするのだろうか。本当のところは何も分からない。これまでのところPRCは、彼らの主要な配慮は中国―アメリカ関係を掘り崩さないことにある、ということをはっきり示してきた。その関係を彼らは、戦略的かつ経済的観点から見て、すべてを包括する重要性をもつと見なしている。PRCはせいぜいのところ、アメリカが立ち去ることで生まれるかもしれない空白を埋めようとしているだけとも思われる。ラテンアメリカ最大部類の経済をもつ諸国は、中国の政策が多様な巡り合わせとのつながりの中で引き起こしつつある力の三角形から、利益を引き出そうと試みてきた。
 アメリカには逆らわないとする中国の配慮はまた、ベネズエラ、ボリビア、エクアドル、そして何よりもキューバとの関係に否定的な影響を及ぼしている。中国はベネズエラとの間で軍事的な協定を交わした。しかしこれは、ベネズエラ政権に対する完全な支持と見なされるべきではない。たとえ中国がベネズエラとの緊密な軍事協力に合意したとしてもそれは、彼らの原油に対する必要に強制され、渋々行われているにすぎない。アメリカとベネズエラの間の政治的軍事的関係に生じた亀裂が生み出した空隙を、ある程度までだが、中国は嫌々ながら埋めようとしつつある。これまでにCNPCのようないくつかの中国企業の計画をベネズエラ政府が取りやめさせたという事実は、この二国間関係が対立と無縁なわけではないと言うことを示している。
 キューバとの関係は、ベネズエラとの関係とは少し異なっている。対外政策に対する中国のプラグマチックな姿勢にもかかわらず、そこにはまだわずかながらある種イデオロギー的要素がある。経済関係はより緊密であり、キューバとの貿易相手としてPRCは、ベネズエラに次ぐ第二位の、スペインをしのぐ地位を占めている。中国は、キューバの防空システムを一段高める上で中心的役割を果たした。そしてしばしば、高位の中国軍事代表団を派遣してきた。キューバもまたPRCに、戦略的な諸素材と農産品を供給している。砂糖に加えて、キューバにもまた、海底油田、さらに確認埋蔵量では世界最大のニッケル鉱があるのだ。二〇〇五年一月、中国の石油天然ガス巨大企業、シノペック株式会社はキューバ国営のキューバペトロレオ(Cupet)との間で、島での共同石油生産に合意した。しかしながら、この関係に問題がないわけではない。キューバニケルと中国企業のミンメタルスとの間で作成された、キューバ東部で鉄含有ニッケル鉱を年産六万八千トン採掘するとの五億ドルの共同事業は、突然取り消された。代わりにその認可は、ベネズエラに許可された。

結論

 中国とラテンアメリカの関係が将来どのように展開するかという問題は、一定の傾向は既にはっきりしているとはいえ、まだ憶測の範囲を超えない。
▼PRCは、アメリカとの間の戦略的な経済政治関係を傷付けることには、まったく利益を見ていない。ベネズエラ、ボリビア、エクアドル、キューバの政権との関係は、ほとんどの場合、自分が単独の利益受取人であると確認された商業協定に限定されてきた。
▼PRCとラテンアメリカの関係は、前者の経済における潜在力とそこにおける後者の限界の故に、不平等な相互関係という例の一つだ。これは、新興経済諸国―メキシコやアルゼンチンのような―との関係では、恒常的な紛争の源だ。そのような国々は、自立した産業の開発という計画をもち、彼らの民族的な生産を中国の輸出から守るために、障壁を設けるからだ。
▼中国の投資に付随する紛争のもう一つの源は、社会、労働、環境の諸条件に無頓着に高水準の利益を追求する、中国の直接投資の性格にある。このことが既に、エクアドル、ペルー、ベネズエラ、アルゼンチンで、先住民とのいくつもの紛争を引き起こしてきた。
▼筆者は、フランスNPAの全国指導部(CPN)メンバーであり、国際的任務を引き受けている。
注1)『アフリカ、ラテンアメリカ、東南アジアにおける中国の援助と政府が後援する投資活動』、対議会委員会並びに議員、アメリカ議会報告、トーマス・ラム、二〇〇九年十一月二十五日
注2)ラテンビジネスクロニクル、「中国、ラテンアメリカでアメリカを掘り崩す」、二〇〇七年六月四日
注3)ウォールストリートジャーナル、二〇〇九年五月十八日
注4)ラ・ナシオン(アルゼンチン)、二〇〇九年三月三十一日
注5)ナシオン、(コスタリカ)、二〇〇九年三月三十一日
注6)キニュア・ニュース・エージェンシー、二〇〇九年五月二十二日
(『インターナショナルビューポイント』六月号、原文に付けられていた、ラテンアメリカのエネルギー並びに商品取引部門に対する、二〇〇五年以降の中国の投資年表は省略したー訳者)


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