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参与連帯が安保理に「天安艦書簡」を送付        かけはし2010.7.12号

政府やハンナラ党、族閥言論が
「売国行為」「利敵行為」と非難


 「参与連帯を火の海にしてやる」。6月17日、ソウル鍾路・通仁洞の参与連帯前。保守団体の会員らが掲げていた横断幕に書かれていた文句は殺伐としていた。政府が天安艦事件を国連安全保障理事会(安保理)に回付したのに対応して、参与連帯が安保理など国際社会に送った「天安艦沈没に関する参与連帯の立場」という書簡が事の発端だった。族閥言論は書簡作成の責任を担ったイ・テホ協同事務処長を「探し出してやり」、保守諸団体を一層刺激し、検察は保守団体が参与連帯を相手に出した国家保安法違反容疑などの捜査依頼書を受け入れ、事件をソウル中央地検公安1部に割り当てた。
 この日、〈ハンギョレ21〉が会ったイ・テホ処長は、全方位的「魔女狩り」の烈風を受けながらも、「真実」を明らかにすることが重要だ、と強調した。特に国際的権威を認定されている軍事専門の資料や米国大使館側の答弁を根拠にbヨノ級潜水艇が存在しない可能性b民軍合同調査団(以下、調査団)の調査過程での外国専門家の役割などについての疑惑を追加で提起した。

ブッシュを批判した米NGO

 参与連帯が国連安保理に送った「天安艦書簡」で政府やハンナラ党、族閥言論、保守団体が一斉に「どの国の国民なのか」として参与連帯を猛非難している。このような反応を予想したか。
 いや、全く予想できなかった。国連が非政府機構(NGO)に「協議資格」を与えているのは、NGOが国境内にとらわれない独立的主体として、政府が行っている活動を補完・けん制し、多様な意見を収れんできるようにしてくれ、という要求だ。「憲法権利センター」のような米国のNGOなどは9・11テロ後、ジョージ・ブッシュ大統領がイラク戦争決議案を安保理で通過させようと総力外交を繰り広げていた時、その前で「デタラメだ。同意してはダメだ」としてブッシュ大統領を攻撃した。後には彼を戦犯として起訴し国際刑事裁判所(ICC)に送るべきだ、と国連安保理に意見を出したりもした。
 わが政府の基準で見れば、これは利敵行為、反国家的行為だ。けれどもブッシュ大統領がこの人々に向かって「わが国民なのか」と非難したという話は聞いたことがない。(ところで)国連事務総長を輩出した国の総理、外交部、与党がこのような活動を「売国行為」「利敵行為」だと非難し、一部言論は「国連外交界では常識外のことだとして失笑を買っている」として出所も根拠もない話をしているのに当惑する。我々がパン・ギムン国連事務総長に(国連を相手としたNGO活動に関連して)いかなることが事実なのかと聞いたならば何と答えるだろうか?
 進歩・保守を離れ最小限の常識を持った言論ならば「国益と真実」という論争が伴う時、真実が究明されていないと批判する人に国益を押し立てて定罪(罪があると断定すること)してはダメではないか。このようなことをファシズム・マッカーシズムならざるいかなる論理によって正当化できるのか。

リポートを内外の団体に送付

 参与連帯は以前にも国家人権委員会の組織団体として国連人権委員会などに書簡を送ったことがあるものの、安保理を相手としたのは初めてだ。
 天安艦の調査結果発表後に持ちあがっている様々な疑問点を整理して5月末に「イシュー・リポート」(参与連帯が社会的議題に関連して意見を出す不定期的資料)2つを出した。メディアに配布したし、国防部もこの内容に対する反ばくの資料を出したので政府にも伝わったものと思う。ところで外信は、これをよく分からないようだった。(情報の限界ゆえに)時には外信が一方的な話だけを伝え、それが再び国内に戻ってきて膨らまされる場合がありはしないか。だから天安艦事件に関連して様々な声があるということを英語によっても知らせる必要があるとの意見が内部からたくさん出てきた。
 ハングルでの「イシュー・リポート」を少し補強して6月4日に英文のリポートを完成させ、我々と常々交流している国際メディアやNGO、合調団に専門家を派遣した国の大使館などに送った。この過程でこの件は安保理でも取り扱われるだけに、政府発表とこれに基づいた極端な措置が国内において多様な疑問や論難を生んでいるという事実ぐらいは我々が(安保理に)提示するのがいいだろう、と判断した。悩みに悩んだ末の決断というものではなく、すべての国連NGOがやっているように、日常的なことをしたのだ。
 保守言論では安保理議長がこの書簡の回覧を拒否した、と報道した。ところで協議資格団体が書簡を送れば担当者が必ず検討しなければならない経済社会理事会や人権理事会とは違って、安保理にはそのような公式的な手続きはない。従って我々も(安保理議長以外に)安保理理事国の国連代表部、事務総長、さらには韓国代表部にも送ったのだ。

「昔日のおどろおどろしさ」

 天安艦書簡の発送に関連して保守団体が反国家行為・名誉棄損などの容疑で検察に捜査を依頼し、検察はこの事件をソウル地検公安1部に割りふったが。
 報道を見ると安保関連のイシューなので公安部に割りふったというが、あまりにも「昔日のおどろおどろしさ」ではないか。その上、このような捜査依頼を検察が真剣に受け入れたという点は今後、長らく論難の対象となるだろう。保守的な法曹人たちでさえ、これは司法的処罰対象ではない、と言う。私が仮に検察であるならば、事件を割りふる前に国連関連の機構や事務総長に、これが本当に「常識外のこと」なのかを聞いてみたことだろう。サムスン・グループ関連の事件はどんなに具体的な容疑を示し根拠を尽くした告発状を出しても、その取り扱いの割りふりだけで3〜4カ月はかかる。ところで捜査依頼をこのように急いで処理するのは他の事件と比べても理解がいかない。

存在しない「攻撃型潜水艦」

 最近、ある学術団体に寄稿した文章でヨノ級潜水艇(重魚雷を装置してきて天安艦を攻撃した、と政府が発表した北韓の130トン級潜水艇)は存在していないのではないか、との疑惑を提起したが。
 私はヨノ級潜水艇を5月20日の合調団記者会見で初めて聞いた。ある保守メディアの有名な軍事専門記者も、その日(会見場で)初めて聞くと質問した。合調団は10日後に資料を出し、「韓米情報当局が2005年、米偵察衛星などを通じて北韓の東海(日本海)、西海(黄海)の海軍基地で130トン級の潜水艇を識別し『ヨノ級』という名称を付けた」と発表した。また輸出用として建造し、重魚雷の発射能力、長期潜航能力、ソナー回避能力のような高性能を備えている、と語った。
 けれども軍事分野において世界的権威を認定されている〈グローバル・セキュリティ〉(米国軍事専門誌)、〈ジェインス年鑑〉(英国が出している軍事百科事典)のいずれでも「ヨノ級」は見いだせなかった。政府は2007年に公開された「ヨノ(YONO)級(120トン級)(注、片カナで表記すると、いずれもヨノとなるが、前者はy n
 )がまさに北韓が輸出したものだと説明した。けれども北韓がイランに輸出した潜水艇は、それよりも小さな「ユーゴ(YUGO)級」(80トン級)でYONO級の諸装備・性能の潜水艇を輸出したとの資料は見いだせなかった。
 しかもわが政府は「y 
n 級」について明らかにした5月20日以前には、北韓がそのような潜水艇を持っていないと評価していたし、キム・テヨン国防部長官も国会でそう答弁した。長官も知らないy n 級潜水艇を軍が2005年からモニタリングしてきたというのか、疑問を抱かざるをえない。米国最大のシンクタンクであるヘリテージ財団が2月に出した資料でも、北韓の攻撃型潜水艦の個数はゼロと推算した。韓米両国が識別し、名前まで付けたというのに、米国最大のシンクタンクがそれを知らなかったのならば、その報告書は完全にウソ、はったりの類ではないか。
 我々が出した天安艦書簡を見て駐韓米国大使館側が接触してきた。私が聞いてみた。「政府は韓米情報当局が5年前に識別した北韓潜水艇に『yono級』という名前を付け、この潜水艇が重魚雷を発射して天安艦を沈没させたと主張する。そのようなことはあるのか。その潜水艇が重魚雷を発射する能力があるのか」。政務担当チーム長のクレグ・ホール1等書記官の答えは「私が聞いたのは小型潜水艇が小型魚雷を発射したというもの」だった。韓国国防部が発表した内容を全的に支持するという米国大使館の答弁だ。yono級が重魚雷を発射できるというのも間違った話とならざるをえない。

さらに疑問点はないか

 「イシュー・リポート」で提起した8つの疑問点、情報公開を請求した12の事案は最小限の疑問点だ。その中でも米国とスウェーデンが含まれたという海外調査団が、合調団の調査過程でいかなる役割を、またいかなるやり方でやったのかがハッキリしていない。
 ホール書記官は「韓国政府が要請して、米国政府が専門家を派遣したのはその通りだが、合同調査(joint investigation)をしたのではない。専門家が参与(participation)したのだ。韓国側が民軍合同調査をし、外国専門家たちがそこに参与したもの」だと説明した。外国専門家が調査チームで果たした役割、活動、調査範囲、結果に同意した範囲などが具体的に知らされたことがないがゆえに、政府発表と違って合調団が「韓国の調査チーム」だったとの主張は、さらに調べてみる必要がある。これと関連してスウェーデン大使館にも面談を要請しておいたところだ。(「ハンギョレ21」第816号、10年6月28日付、チョ・ヘジョン記者)

軍服を着た民間人らが「アカ」を処断せよと攻撃

 6月17日午前、大韓民国枯れ葉剤後遺症戦友会所属の会員らがソウル鍾路区通仁洞・参与連帯の建て物に進入しようとすると警察が阻み、もみ合いとなっている。首都のどまん中で軍服を着た民間人らを警察が阻止するという珍風景が展開されているのだ。この団体ばかりではなく大韓民国オボイ(父母)連合など保守諸団体は参与連帯が国連安保理に「天安艦書簡」を送ったのを利敵行為と規定し、「パルゲンイ(アカ)処断」など極端なスローガンを叫んでデモを繰り広げている。

国連事務総長
にたずねたい

 東北アジアの安寧に重大な影響を与えている調査結果に対して、国連を相手として合理的な疑問を提起した非政府機構(NGO)をめぐって保守団体はもちろん、国務総理(首相)まで乗り出して売国奴扱いをし、検察が捜査まで行う国。その国から輩出した国連事務総長にたずねたい。他の国のNGOたちは政府と異なった意見で国連に問題提起をしないのか? 問題提起をする人々は、すべて売国奴の扱いを受けるのか? (「ハンギョレ21」第816号、10年6月28日付、ユン・ウンシク記者)


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