普天間爆音訴訟支援・報告集会
安全と生命脅かす米軍基地
容認する日本政府に怒り |
申し入れ・座り
込みの一日行動
八月二日、全水道会館で「普天間爆音訴訟支援・報告集会」が普天間爆音訴訟団、全国基地爆音訴訟原告団連絡会議、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの共催で開かれ、二百五十五人が参加した。普天間爆音訴訟団は七月二十九日に出された普天間基地爆音訴訟控訴審判決を受けて大挙して首都を訪れ、同日昼間の時間帯に院内集会、外務省・防衛省への申し入れ、国会前座り込み・集会を行った。
最初に、島田善次さん(普天間米軍基地から爆音をなくす訴訟団団長)が米軍は夜間飛行をしないという協定を無視し、自由勝手に基地を使用し、爆音を鳴り響かせていること、そして日本政府はそれに対して何も言えない構造を、「日本は独立国なのか、主権国家ではないのか」と批判した。さらに、心から戦争を謝罪しない日本人を信用ならないとし、「アメリカと日本政府が滅びることを願う。沖縄は独立しかない」と激烈な主催者あいさつを行った。
次に、普天間基地を抱える宜野湾市長の伊波洋一さんが特別報告を行った(別掲)。
民衆の決起で
基地追い出す
続いて、参加した国会議員が連帯のあいさつを行った。赤嶺政賢さん(共産、衆院議員)が「午後十時から翌朝六時まで夜間飛行禁止になっているが、十一時まで飛んでいる。騒音防止協定が形骸化している。判決の中でこうした点も触れている。この判決は闘いを反映したものだ。政府に解決に向けて強くせまっていく」と決意表明した。
山内徳信さん(社民、参議院議員)は「佐藤首相が本土並み返還と言いながら、沖縄を食い物にして軍事植民地にした。普天間が世界一危険な飛行場と知りながら使っている。今後は基地機能に打撃を与えるような行動が必要だ。七月二十九日には、普天間基地第三ゲート前で抗議行動を行った。インドのガンジーやキング牧師のように、民衆の立ち上がりをもって普天間を追い出していく」と檄を飛ばした。さらに照屋寛徳さん(社民、衆院議員)も連帯のあいさつを行った。
判決報告の前に、普天間基地がいかに危険であるかを実感できるビデオが上映された。KC130、CH―53E型ヘリ、FA18戦闘機などさまざまな航空機がひっきりなしに、低空で飛行場上空を飛ぶ姿とものすごい爆音、沖縄国際大学に攻撃型ヘリが墜落した当時の映像が流された。これを見ただけで「世界一危険な飛行場」の実態が分かり、怒りが湧いてきた。
原告の訴えを
反映した判決
弁護団事務局長の加藤裕さんが控訴審判決の特徴を説明した。
判決の中味。一、飛行差止と騒音測定請求はいずれも棄却。二、過去の損害賠償について、W(うるささ指数)75地域で日額二百円、W80地域で四百円の支払いを命ずる。
認定の注目点。
一、差止の棄却。国は共同妨害者として米軍に対して影響力を行使して規制すべきとの原則の主張に対して、「第三者行為論」に加え、国の「政治的責任を伴った広範な裁量」との判断をした。
二、しかし、普天間基地の「欠陥」に正面から向き合った認定。@「米軍機の墜落への不安感や恐怖感(ひいては生命又は身体に対する危険への不安感)」「米軍機の墜落への恐怖は現実的」A低周波音暴露により、「心身に対する騒音被害が一層深刻化するという経験則」。沖縄県調査で、普天間周辺住民の生活妨害に対する反応率が嘉手納周辺住民より相対的に高いのは、「低周波音の影響しか考えられない」。これは初めての認定。B騒音防止協定にも関わらず「午後十一時までの飛行が常態化」「被告は、米軍に運用上の必要性について調査・検証するよう求めるなど……適切な措置をとってはいない。そのため、平成八年規制措置は、事実上、形骸化している」。C場周経路についても、「必ずしもこの規則は守られておらず、被告として、…適切な措置をとっていない」Dクリアゾーン内に「学校、病院その他、本来建築されるべきでない施設が存在する」「そのため、普天間飛行場は『世界一危険な飛行場』と称されている」。
三、慰謝料額の倍増―現在の爆音訴訟の水準を突破。
次に、カンパの呼びかけの後、全国基地爆音訴訟原告団連絡会議の藤田さんが連帯のあいさつを行った。藤田さんは嘉手納、岩国、横田基地爆音訴訟を闘う仲間が参加していることを紹介した後、「七月三十日に全国総会を行った。原告団の主張の飛行差止は実現できなかったが、政治的責任を追及する画期的判決が出た。この判決を生かして七項目の具体的な要求を政府にぶつけ、ひとつひとつ突破していき、全体の流れをつくっていく。大きな世論をつくり、国を動かしていかないと勝てない」とあいさつした。
続いて、沖縄平和センター事務局長の山城博治さんが「琉球新報で次のような報道をしている。『アメリカは百兆円の財政赤字を二年連続して出している。海外の軍事基地を削減しろ、海兵隊は必要ないと米国国会議員が主張している』。抑止力はウソだとアメリカ自身が言っているのだ。十一月、沖縄県知事選に伊波洋一さんを立てて勝利し、基地を許さない知事を実現しようではないか。基地の存在という不条理を許さない、ケリをつける。裁判所ができないというなら、ウチナンチューの力で解決しよう」と熱烈に訴えた。
フォーラム平和・人権・環境、東京全労協、公害被害者総行動の仲間たちが支援団体のあいさつをした。上原成信さんが閉会のあいさつを行い、「団結がんばろう」で集会を終えた。翌日も、国会前の座り込み・集会の連続行動を行った。 (M)
伊波洋一宜野湾市長の報告
安全性が保てない基地は引き取ってもらおう
二〇〇三年に市長になってから、普天間基地爆音問題に取組んできた。八カ所で爆音を計測している。二〇〇四年、一日に三百回飛行し、とても危険な水準であった。八月十三日、米軍ヘリが沖縄国際大学に墜落する大事故を起こした。
米軍基地に対して、安全性確保のために、クリアゾーン(土地利用禁止区域)が設けられている。しかし、普天間基地のクリアゾーンには公共施設・保育所・病院が十八カ所、住宅約八百戸あり、約三千六百人余の住民が居住している。さらに、米国内の安全基準が適用されていないので、航空法上飛行場ではないことになっている。滑走路から三十七メートルの所に鉄塔があっても適法に立っていて撤去できないという事態もあった。
二〇〇〇年、環境原則に関する共同発表があり、そこでは、日米政府の共通の目的は、施設及び区域に隣接する地域住民並びに在日米軍関係者及びその家族の健康及び安全を確保することである、としている。
二〇〇六年、宜野湾市は危険性が放置されたままの現状と、さらには軍事航空施設の安全基準に適合しないことから、普天間飛行場安全不適格宣言を出して、日米両政府に危険性の除去を訴えた。しかし、アメリカ・日本政府は無視し、何もしていない。判決でもこの点を触れている。控訴審の判決は今後力になる。民主党政権は約束を守らせるべきだ。安全性が保てない基地は、アメリカに引き取ってもらうしかない。
(発言要旨、文責編集部)
一坪反戦関東ブロック学習会
名護市議選をめぐる基地
誘致派と反対派の攻防
七月二十三日、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックは「緊急企画学習会 稲嶺市長を先頭に新基地建設を許さない闘いを続ける名護市政の現状」を、東京の中野商工会館で行った。
講師は、名護市議でヘリ基地反対協事務局長の仲村善幸さん。仲村さんは、九月十二日投票の名護市議選をめぐる「基地誘致容認派」と稲嶺市長を先頭とする反対派の攻防を紹介した。仲村さんは「私たちの原点は、誘致容認派の市長の下で基地反対の運動を続けてきたことにある。九月の名護市議選や十一月の沖縄県知事選ですべてが決するわけではない。しかし両選挙で勝利することで基地を確実に止めることができる」と前置きした上で名護市議会内「誘致派」の動きを中心に現地の状況を報告した。
切り崩し工作
と地域の亀裂
「現在の市議会は稲嶺現市長支持の与党が十二人、野党系と中間派が十五人の構成だ。移設反対派の切り崩し工作は市長選の時から始まっていた。鳩山政権は地元の民主党が支持した稲嶺候補を支持せず、防衛省・外務省は稲嶺支持派の切り崩しに奔走した。四月二十五日の沖縄県民大会には名護市の野党会派議員は参加せず、東京で政府関係者と会っていた。四月二十八日には、島袋前市長の後援会事務所で土建業者など四十人が移設受け入れで会合した」。
「五月十二日には、すでに陸上案に反対している名護市の久辺三区(久志、豊原、辺野古)が『くい打ち方式は本土ゼネコンが潤い、地元の建設業界に利益還元がない』などの理由で反対を表明した。五月十九日には前原沖縄担当相と島袋前市長、土建業界のボスが東京で会談し、賛成・反対派の現状確認、新振興策の調整、今後の調整などについて意見交換した。五月二十一日には辺野古区行政委員会が条件付きでキャンプシュワブ沿岸埋め立て案容認決議を行った」。
「五月二十七日、琉球新報は県内全市町村長アンケートを発表。辺野古提示容認はゼロだったが条件つき容認は一人。六月十二日の久志区行政委員会は、辺野古移設に反対する稲嶺市長支持を全会一致で決定。合わせて十三年前の辺野古移設反対決議を再確認した。六月二十二日には辺野古区長が北澤防衛相に条件つき容認決議を渡す。同日、名護市議会一般質問で野党議員が、市長リコールが出た場合にどう対応するかと市長に質問。七月十六日から始まった沖縄タイムスの連載で、那覇市漁協の古波蔵組合長が『辺野古以外は米国が絶対認めない。政府が地元の頭越しに交渉する前に条件闘争をしないとだめだ。辺野古の海に基地を造るなら、一番権限を持っているのは知事ではなくわれわれ(漁協)だ』と公言」。(注:ここで辺野古区、久志区などの『区』とは市の下にある行政の単位で、市から委託された『区』の予算等に関する権限を有する。区長は区民の総会で選ばれる)。
こうして、九月の名護市議選は定数二十七に三十七〜三十八人が立候補する激戦になるが、その中で地元ボスらの容認派による攻勢が強まっており、地域は大きく分裂させられている。
仲村さんは、「ヤマト」によって沖縄の中に分断が持ち込まれている現状を指摘するとともに「とりわけ民主党政権になってから、ヤマトへの不信は『カネをくれ』と『日本からの独立』の両極に表現されるようになった。沖縄はこうした状況へと追い詰められている。沖縄を切り捨ててきた日本政府はこれをどう受け止めるのか。私たちは名護市議選と沖縄県知事選に勝利することで、辺野古移設を確実に止めたい」と強調した。 (K)
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