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「たちかぜ」国賠提訴4周年               かけはし2010.8.2号

軍隊組織が自殺に追いやった
自衛隊と国は責任を取れ!

 【神奈川】七月十六日、「たちかぜ国賠」四周年記念集会に参加した。主催の「たちかぜ」国賠を支える会は提訴記念集会を毎年開いてきた。「たちかぜ」国賠は今度の八月四日に最終弁論の日を迎えるため、傍聴席への幅広い結集が呼びかけられた。集会場である開港記念館の6号室にはいつも掲げる横断幕「一人一人の命を軽んじるな」が飾られ、神奈川平和運動センターでも活動する加藤泉さんが司会進行した。

繰り返された
いじめ・パワハラ

 「たちかぜ」国賠は、二〇〇四年に二十一歳の自衛官が鉄道自殺を遂げたことが発端である。教育隊での訓練終了後護衛艦「たちかぜ」に任官して十カ月目のことだった。自衛官は家族への感謝の言葉とともに執拗にいじめ、パワハラを繰り返した古参自衛官の実名を「お前だけは絶対許さねえからな」と書き残しており、それらをもとに直接暴行した自衛官に対する刑事手続き、隊内の懲戒処分はおこなわれた。しかし、より事件の本質を知り、年間百人の自殺者を出す自衛隊と国の責任を問うため二〇〇六年に国家賠償請求訴訟が自衛官の親によって提訴されたのだった。
 この日は最終準備書面を完成させた弁護団からおのおの担当した箇所の解説があった。岡田尚弁護団長によれば、この裁判は八人の弁護士がそれぞれ立証、陳述にかかわった稀有な例であるとともに、それだけ、無念にも自殺へ追い込まれた自衛官、原告である自衛官の親の意思、支える会のバックアップ、が強く働いた裁判であったという総括がされた。
 そして裁判が国家賠償請求という形を取りながらも、当初の自衛隊による資料隠匿を、裁判所の開示請求などを経てくつがえし、自衛官上官の偽証疑惑報道をも引き出し、刑事裁判を格段に上回る社会的関心を引き起こしたことが見てとれた。自衛隊という組織の閉鎖性、若者を絶望に追いやる犯罪性を深く印象付けたことは言うまでもない。
 自殺した自衛官などに対して、加害自衛官がモデルガンを撃ち込み追いかけ回す、あるいは鼻に指を入れて持ち上げる、ポルノビデオを高い価格で買わせるなどの行為が常軌を逸している、ということだけで終わらせるわけにいかない。
 旗艦護衛艦「たちかぜ」の中でも、いじめ行為がいかに班長、砲雷長、艦長など上官の黙認、間違った判断、隠蔽によって支えられているかということ、そして、裁判の当初、浪費によって数百万の消費者金融債務を負ったことを苦にして自殺したと、被害自衛官が自衛隊から「濡れ衣」を着せられたことが、どれほど見当違いであったかということを立証するために原告弁護団をはじめとする人たちの計り知れない労力が投入されている。
 聞けばいじめた自衛官も多額の債務を背負っていた。自衛官相手の消費者金融が存在することも知られている。自衛隊、そしてあまねく軍隊組織の「労働」の不毛、必然として生み出される腐敗、パワハラというテーマをこの「たちかぜ」の事件は提起してきたのだった。

人命無視する
自衛隊への怒り

 集会では支える会の木元さんが撮りためた、提訴から今までのビデオ映像を流し、集会の最後に原告である被害自衛官の母親が発言した。母親は「こうして最終書面を見て胸に迫るものがあった。この間も、自殺した自衛官の親と会ったが、親の思いはみな同じだ。自衛隊に入らなければ子供が殺されることはなかった。裁判で変えられたこともあったが、何年たっても自衛隊の対応は変わらない」と述懐し、被害自衛官の父親などが亡くなりながらも続いてきた裁判を振り返った。また福岡高裁で勝利判決を得た「さわぎり」国賠の原告も涙ながらにアピールした。その方が吉田敏浩さんの著書『人を資源と呼んでいいのか』を紹介していたのが印象に残った。
 海外に派兵される自衛隊員は「人的資源」ではない、例外なく人間らしい生活が保障されなければならない、という決意を持って八月四日は横浜地裁で傍聴しよう。たちかぜ国賠は午後一時三十分開廷、ついでに言うと、「君が代不起立個人情報保護裁判」が同じ八月四日の三時三十分開廷される。       (海)




韓国強制併合100年共同行動
極右レイシストの妨害はね
のけ新宿で宣伝行動とデモ


止めろ!排外主
義キャンペーン

 七月二十五日、JR新宿駅東口アルタ前での情宣と新宿デモが「韓国強制併合100年共同行動」日本実行委員会が呼びかけで行われ、約八十人が参加した。午後二時からのマイクでの宣伝行動に対して、極右レイシスト団体「在特会」がホームページでこの行動の粉砕を呼びかけた。当日ロータリーを挟んで「日の丸」を掲げた百人ぐらいの右翼たちが「鮮人追放」「朝鮮高校無償化反対」などの横断幕やプラカードを持ち、大音量のマイクで、排外主義的敵対行動を繰り返した。警察の規制で集団的な妨害行動は阻止されたが、個人的につっかかってくる右翼もいて、緊張した情宣活動だった。

猛暑のなかで
心打つアピール

 最初にノレの会の仲間たちが韓国の闘争歌を披露し、右翼の妨害に負けずに元気をつけた。ノレの会に参加している在日の女性は「あちらに悲しい思考を持つ人々がいるが、こちらには友人たちがいる。差別されない日本を必ず実現したい」と語った。
 次に日本実行委員会の仲間が主催者のあいさつを行った。
 「韓国併合から百年、『植民地支配の清算と平和な未来を』市民共同宣言を日本で八月二十二日、韓国ソウルで八月二十九日に行う。今年の六月、朝日新聞と東亜日報が日韓で三つの内容のアンケートを行った。@過去問題A韓国に謝罪したかB戦後補償問題は解決したか。韓国では九割がいずれも解決していないと答えたが、日本では半分くらいの人が解決したと答えた。毎年四百万人近くの日本人が韓国に旅行に行っているように、文化的交流は進んでいるが、トゲは刺さっている。なぜ問題は解決していないのかいっしょに考えていきたい」。
 戦時性暴力連絡協議会の川見さんが次のように訴えた。
 「今年二月、日本軍慰安婦問題解決全国行動2010を立ち上げた。政府に立法により即時解決を求めるものだ。十件の裁判はすべて敗訴した。私のかかわった中国山西省の慰安婦裁判では、被害事実を認定し、戦後の精神的な苦難も認定したのに敗訴になった。被害者たちは怒りの涙でいっぱいだ。高齢な被害者たちが生きている間に解決しなければならない。日本では二十六の自治体が決議を上げた。二〇〇七年、アメリカの下院の決議が上がり、それからカナダ、EU、韓国、台湾などで次々と決議が上げられ、国連人権委員会からも韓国が出ている。民主党は野党の時代に八回にわたり、国会に戦後補償法案を提出した。これを実現していかなければならない」。
 連絡協議会のメンバーが、元軍隊慰安婦のイ・ヨンスさんに成り代わって「私は八十二歳だが、二百歳まで生きて日本政府を追及する。日本政府は謝罪と補償をせよ」と話した。
 YWCAの石井さんは問題意識を次のように語った。
 「日本の朝鮮支配は過去のことではない。今年四月末に、民主化闘争三十周年記念で光州に行ってきた。そこで、光州事件の残虐な弾圧は日本統治の再現である。さらに、イ・スンマン時代は日本の統治機構を使って独裁政治を行った。軍隊慰安婦の性奴隷政策に、日本政府は正式に謝罪していない。さらに、深刻なのは日本軍人・軍属として死んだ二万人の朝鮮人を靖国神社に合祀した。遺族たちが合祀取り下げを要求しているのにこれを拒否していることだ。この状態が放置されていることに対して、私たちも責任がある。しかし希望はある。二〇〇一年にダーバンで、国連はかつて帝国主義が行った植民地支配を批判し、その責任は現在も続いていることを宣言した。われわれもこれに続こう」。
 神奈川県在日オモニ会の方が「私は在日朝鮮人三世です。祖父が一九三〇年に来日した。朝日ピョンヤン宣言から八年が経つが日本政府は約束を何一つ守ることなく、国交正常化していない。そればかりか、差別と弾圧が在日朝鮮人へと向けられている。その典型が朝鮮高校だけが無償化から排除されている。朝鮮高校生たちは街頭に立ちビラを配ったり、日本の高校生たちと交流して、不当な差別をやめろとがんばっている。この子どもたちは日本と朝鮮半島の架け橋になれる。ぜひ、差別を撤回させたい」と訴えた。
 杉並で小学校の教員をしていた長谷川さんが、6・27朝鮮高校無償化適用除外反対デモの様子を紹介した後、杉並でつくる会教科書が採択された後の授業の様子を紹介した。韓国併合についての記述を、つくる会教科書とそれ以前の教科書の両方を紹介すると子どもたちは、『きったねえ』と感想を寄せた。真実を伝えることの重要性を語った。

沿道からデモ
への共感示す

 8・14平和の灯を!ヤスクニの闇へキャドル行動への参加も訴えられた。関東大震災での朝鮮人虐殺の真相糾明を求める日韓市民の会が今年九月に国家責任を問う会を立ち上げて闘うことを明らかにした。最後に沖縄を見捨てるな!新宿デモを行っている園さんと在日韓国青年同盟のパクさんが「差別のない社会を実現しよう」と力強く訴えた。猛暑の中、新宿一周のデモを元気よく行った。新宿から新大久保にかけてはコリアンタウン化している一角もあり、デモに店から出たり、横断幕を見て賛意を示す人が少なからずいた。八月の連続した行動を成功させよう。     (M)


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