ファイサラバードの闘いに連帯を
動力織機労働者が最賃の政府勧告
の実行を要求しストライキに突入
ファルーク・タリク |
七月十九日、パキスタンのファイサラバード地方で、労働者カウミ運動(LQM)は最近の協定にしたがって民間部門労働者の賃金の一七%引き上げを求め、ストライキを開始するよう呼びかけた。パキスタン労働党(LPP)のファルーク・タリクはこの運動についての日報を送ってきた。(「インターナショナル・ビューポイント」編集部)
7月19日:禁止と
脅しをはねのけ
ファイサラバードの当局は条例百四十四項を適用し、本日からすべての大衆集会を禁止した。これは動力織機労働者の賃金を引き上げるために労働者カウミ運動(LQM)が呼びかけている明日からのストライキを阻止するためである。
警察の捜査担当官はLQMのすべての主要指導者たちに対し、ストライキの呼びかけを撤回するよう求めている。闘争を担当しているあらゆるLQMの地方指導者たちは、警察に呼び出され、ストライキの呼びかけを中止するよう圧力をかけられた。
LQMによるストライキの呼びかけは、地域の動力織機企業の経営者たちが、政府が決めた労働者の賃金一七%引き上げを実施しなかったために発せられた。今年、公共部門の労働者が五〇%賃上げを獲得したのに対し、民間部門の労働者は経営者が実施に合意すれば、わずか一七%ではあるが賃上げを獲得する、ということになっていた。LQMの指導部は、経営者と当局に対して再三にわたり警告を発した。しかし両者ともに、この警告を真剣に取り扱わなかった。
ファイサラバードに赴任し新たに地域行政官(DCO)の職についた、ねつ造で有名な警察署長は、労働者の声を聞かずに状況に対処した。警察は、七月六日にLQMの二人の労働者指導者を事務所で殺害した犯人の逮捕にも失敗した。
今日、警察は神への冒涜という偽りの告発を受けていたキリスト教徒の二人の兄弟を守ることもできなかった。今日、二人は地方裁判所で何者かによって殺害されたのである。こうした殺人事件に対して、キリスト教徒の若者たちは暴力的に反応した。その報復として、キリスト教徒が多数派であるワリス・プラ地区をムスリムの青年たちが襲撃している。この報告を書いている今、ワリス・プラ地区で銃撃戦があったという報告が来た。
労働者の指導者たちは今日LQM事務所に集まり、あらゆる脅迫と威嚇にもかかわらずストライキを前進させることを決定した。
われわれは皆さんの支援を必要としている。われわれは、明日の状況についても皆さんに知らせるだろう。もし政府が、逮捕、騒乱罪、解雇といった暴力的手段を行使してストライキを終わらせるならば、抗議してほしい。
主流メディアは、ファイサラバードの労働者の状況悪化を無視している。どの主流メディアも二人の労働者指導者の殺害に関して一切報じず、放送もしていない。
労働者は、政府がすでに決めたことの実行を求めている。政府の決定を経営者は受け入れていない。警察は経営者を逮捕するのではなく、労働者がストライキに突入するのであれば彼らに脅しをかける。ストライキはわれわれの基本的権利だ。それは労働者が行う最も平和的な抗議行動である。彼らは労働を拒否するだけだ。それはなんら暴力的ではない。彼らはいかなる自爆攻撃も行っていない。彼らはパキスタン憲法が認めている権利を行使しているのだ。
われわれは軍事独裁の期間中、いかなる権威主義的規則も受け入れなかった。われわれは今もそれを受け入れないだろう。パキスタン労働党(LPP)は、全国ならびに国際的な支持者に対し、パキスタン第三の都市ファイサラバードでの、こうした人権・労働権の全面的な侵害に注意を払うよう訴える。
7月20日:10万人
以上がストを開始
警察の催涙ガス弾と、動力織機工場経営者の雇われ暴力団の発砲・投石によって、何人もの労働者が負傷した。労働者カウミ運動の地区委員長ラナ・タヒルは、その一人だ。全面的に経営者を支持する警察によって、百人以上の労働者が逮捕された。幾千人もの労働者が、ファイサラバードのあらゆる場所から市の中心に向かっている。
新たにファイサラバードの警察署長に任命されたアフタブ・チェーマは、ねつ造で有名であり、今や労働者階級の運動への憎悪を示している。彼は労働運動を「支配」するために任命されたのだ。パンジャブ州政府のミアン・シャフバズ・シャリフは、この弾圧路線を突き進むことはできない。
パキスタン労働党は、労働者に対する警察力の行使を非難し、弾圧行為を糾弾するようすべての支持者に訴える。
パンジャブ州の少なくとも二つの地域で、階級闘争が発展してきた。ジャン地区の動力織機労働者は、この十五日間ストライキを続けている。ファイサラバードでは、警察のあらゆる脅しと豪雨にもかかわらず、本日から十万人以上の労働者がストライキを開始した。労働者たちは、公共の場での五人以上の集会を禁止する条例百四十四項の適用にもかかわらず、市のさまざまな地域から中心へと向かう行進を開始した。本日、ジャン地区の動力織機企業経営者たちは、政府に労働者運動弾圧を求める半ページの広告料金を「デイリー・エクスプレス・ファイサラバード」紙に支払った。経営者たちは、労働者カウミ運動(LQM)は、カラチのセクト主義的大衆組織であり、中央とシンド州のパキスタン人民党の連合政権の一部を構成するムチヒダ・カウミ運動(MQM)とつながっている、と主張している。経営者たちは十五日間のストライキで九十億ルピー以上の損失となり、一万五千の動力織機工場が閉鎖される、と主張している。経営者たちは、もう一つのカラチとなるジャンを救え、と政府に訴えている。
経営者たちは嘘をついている。LQMはMQMとなんの関係もない。LQMはおもに動力織機労働者と繊維労働者の独立した労働者組織であり、その指導部はパキスタン労働党の党員である。この広告はLQM指導部を誹謗するものであり、パンジャブ州政府を労働者階級の運動に敵対させる挑発である。
ファイサラバードでは、地方当局は労働者の市の中心部への行進を阻止するために条例百四十四項を適用した。かれらはさまざまな地域で、あらゆる手段を使ってストライキを中止させるために労働者への圧力をかけてきた。昨日、LQM指導部は、経営者と労働者の間の仲介を行うという地方当局の偽りの保証を拒否した。地方当局はこの戦術を何度か行使し、LQMは予定した行動を延期してきた。そうした行動の一つが、七月五日のストライキだったのであり、それは当局の保証の下で延期された。まさにその翌日、LQMの二人の指導者が事務所で射殺されたのである。
後退はない。LPPはすべての支持者に対し、あらゆる手段でファイサラバードとジャンの労働者階級運動を支援するよう訴える。
7月21日:労働者
は集会と市民行進に
それはファイサラバードの労働者のためにあるような日だった。七月二十日の警察による脅しと豪雨にもかかわらず、本日も十万人以上の労働者がストライキを行った。ストライキと集会を阻止するための警察と経営者双方の試みは、労働者の果敢な勇気ある行動によって妨げられた。経営者はお雇いのギャングに労働者にむけて発砲や投石を行わせた。警察は記録的な数のガス弾を使用し、警棒で襲いかかった。幾人もの労働者が警察の催涙ガスと暴力団の襲撃で負傷した……。
ファイサラバードのさまざまな地区からやってきた数千人の労働者が市の中心に到着した。大衆集会を禁止する条例百四十四項は紙切れに過ぎないことを、労働者は示したのである。
最終的結果は動力織機労働者にとっての部分的勝利だった。彼らはパキスタンのすべての民間・公共のテレビで特集された。ほとんどのメディア報道は正確なものだった。暴力行為を始めたのは、経営者、セキュリティー・ガード、そして警察だと報じられた。私有財産に対する暴力として報じられたものは、工場の焼失と警察バイクへの放火だけだった。しかしこうした火災はどうして起こったのか。メディアは、工場の所有者が労働者に発砲し、幾人もが負傷したと報道した。その仕返しに労働者は工場に火をつけたのである。さらに、警察がグーラム・モハメッド・アバド地区で催涙ガス弾を発射し始めた時に、労働者は仕返しをした。警察は自分たちのバイクを残して逃げ去り、バイクに火がつけられたのである。
ほとんど一日中、ファイサラバードは、労働者たちが市を支配した一九七〇年代を彷彿とさせるものがあった。労働者たちが行動を起こした時、市全体が労働者階級の力を目撃した。労働者の姿がどこにでも見られ、警察は彼らを統御できなくなった。ファイサラバードは、動力織機工場の経営者そして警察を一方の陣営とし、労働者を方の陣営とする戦争が行われている都市だ、とメディアは報じた。女性は警察との衝突の先頭に立った。青年たちが指導的役割を果たした。
メディアは、LQMの要求に適宜に耳を傾けなかったとして、当局を責め立てた。今日、労働者が優勢となった全一日の激突の後、当局は、労働者たちが街頭から退けば要求は受け入れられると労働者カウミ運動の指導者たちに保証した。LQM指導部は、過去にもこうしたことを経験している。彼らは、要求が満たされるまでストライキは終わらないと当局に告げた。
市内の二万以上の動力織機工場の十万人以上の労働者がストライキを行った。七月十六日のジャン地区の大衆集会でLQM指導部が呼びかけを発した時、すでにジャン地区の労働者は十五日間のストライキを行っていた。しかし経営者も警察も、この警告を真剣に受け取らなかった。彼らは誤算をしていた。おそらく彼らは、七月六日にLQMの事務所でLQMの二人の指導者が約十人の暴漢に殺害されたことが、労働者階級の行動への意思に意気阻喪的効果をもたらすだろう、と考えたのである。彼らはこの誤りを悔やんでいるに違いない。
労働者の要求は単純だ。彼らは、民間部門の最低賃金を一七%引き上げという政府勧告の実施を主張した。しかし政府は、個々の所有者がそれに合意する必要を示唆した。その一方、公共部門労働者は五〇%の賃上げを獲得した。
しかし今年パキスタンでは歴史上最高率のインフレが進行してきた。パキスタン人民党政権はIMFの要求に従い、すべての補助金を取り下げ、電力、ガス、石油料金、そしてほとんどすべての家庭にかかわる料金を引き上げた。インフレ率は十倍となり、すべての家計に影響を与えた。……
七月十九日、LQMのほとんどすべての主要指導者は警察捜査官の威嚇を受けた。六つの地区の警察がファイサラバードに呼び集められた。それは労働者の平和的行動を阻止するためだった。しかし労働者階級がひとたび行動に移るや、力関係は変化した。
テレビのニュース番組は、警察が労働者に発砲している場面を流し、労働者がそれに反撃しているところも報じた。動力織機労働者は「インティファーダ運動」を復活させた。テレビ番組は、投石する若者がライフルや短銃を装備した警察を威嚇している場面をも放映した。……
七月二十一日午後三時、私はLQMの主要指導者とともにラホール記者クラブでの記者会見で発言することになっている。われわれはこの運動を継続し、他の地域にも広げるよう支援するだろう。自らの置かれている状況を変えようという労働者階級の意思は、決して打ち負かされることはない。パキスタン労働党の指導的メンバーは七月二十日にラホールで会議を行い、この運動を支持する戦略の概要を策定した。全国労組連合が大規模な連帯集会を八月六日にラホールで組織することが決定された。われわれは動力織機労働者の闘いを支援し、すべての民間事業所での最低賃金の即時実施を要求する。
八月の第二週にはラホールで労働者連帯会議が組織される。すべての労働組合と社会運動が、こうした行動とコンタクトを取るだろう。パキスタン労働党(LPP)は、すべての支持者が労働者に対する警察力の行使を非難し、こうした弾圧行為を糾弾するよう訴える。LPPは、すべての支持者がファイサラバードとジャンの労働者階級の運動をあらゆる手段で支援するよう訴える。(「インターナショナル・ビューポイント」10年7月号)
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