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戦争を止めろ!                  かけはし2002.10.21号より

アメリカの戦争に反対するアジア民衆行動

APA(アジア平和連合)が呼びかけ

 十月七日、APA(アジア平和連合)の「アメリカの戦争に反対するアジア民衆行動」が行われた。この「アジア民衆行動」は、さる八月二十九日から九月一日にかけてフィリピンで行われたAPA結成会議の合意にのっとって、アメリカが昨年アフガニスタンに空爆を開始した十月七日を前後する十月五日から八日にかけて、各国の米大使館や領事館、米軍基地その他の米軍施設に向けて抗議行動を行おうとするものである。
 アフガニスタンへの爆撃の停止、イラクへの戦争反対、移民や海外移住労働者への弾圧と人権侵害の停止、反テロ法反対、米軍の撤退・米軍基地と施設の撤去、米軍の駐留による女性・子ども・先住民などの犠牲を許さない、基地被害・汚染などの被害者に対する公正な補償といった項目が共通のスローガンや要求として確認されている。
 この日、東京での行動は衆院第1議員会館内での記者会見から始まった。記者会見では、APA―ジャパン(準)の小笠原公子さんが、APA会議とこの日のアジア民衆行動について紹介し、日本キリスト教協議会(NCC)の大津健一総幹事がNCCとしての「イラク攻撃反対」の声明を説明。またNGO非戦ネットワークの田村裕子さん、「戦争反対、有事法案を廃案に! 市民緊急行動」の高田健さん、立川自衛隊監視テント村の加藤克子さん、富山大学教員の小倉利丸さん、「ピースニュース」の仲間などから、それぞれの取り組みが報告された。
 午後二時からは赤坂のアメリカ大使館前での申し入れ行動。この日は正午からさまざまの団体が米大使館の前に集まって抗議や申し入れの活動を繰り広げている。APA―ジャパン(準)が呼びかけた行動には四十人が参加。横断幕やパネルを掲げ、約一時間にわたってアメリカのイラク侵略戦争をやめろ、という訴えを続けた。
 この行動でAPA―ジャパン(準)やNCCの他にも、NO!レイプ NO!ベース女たちの会、日本山妙法寺、キリスト者平和ネットワーク、横須賀や三多摩からかけつけた女性たちが、それぞれのスピーチし、アメリカ大使館への申し入れを提出した。
 午後六時半からは渋谷・宮下公園で集会とデモ。九十人が参加した集会では、この日の記者会見や米大使館行動の報告の後、APAからのメッセージ、韓国で十月八日に行動する仲間からの連帯アピールが紹介された。さらに「東アジア―アメリカ―プエルトリコ 軍事主義に反対する国際女性ネットワーク」の秋林こずえさん、「戦争反対、有事法案を廃案に! 市民緊急行動」の高田健さんが発言し、「命どぅ宝ネットワーク」からもアピールとともに歌が披露された。また「ウーマン・イン・ブラック」の女性たちも、黒服を着用し、キャンドルを持って集会に参加した。
 デモでは、命どぅ宝ネットワークの音楽や、日本山妙法寺の太鼓でにぎやかに戦争反対の意思をアピールした。また韓国での米軍による女子中学生轢殺現場の写真や、劣化ウラン弾被害に苦しむイラクの人びとの痛ましい写真をパネルにして掲げ「軍隊は民衆を守らない」と道行く人びとに呼びかけた。    (K)


「戦争反対、有事法案廃案へ!市民緊急行動」発足シンポ

イラクへの戦争を止めるために

 十月六日、東京の全水道会館で「戦争反対、有事法案を廃案へ! 市民緊急行動」の発足シンポジウムが行われ、会場が満席になる百八十人が参加した。この日に発足した「市民緊急行動」は、昨年「9・11」の直後にスタートした「テロにも報復戦争にも反対!市民緊急行動」の一年間の歩みを引き継ぎ、アメリカのイラクに対する侵略戦争と小泉政権の戦争協力、そして有事法制の目論見に反対する市民の運動を作り上げるために新たに発足したものである。
 最初に、アジア経済研究所の酒井啓子さん(岩波新書『イラクとアメリカ』の著者)が、「米国の対イラク侵攻の問題点」と題して講演した。酒井さんは、対イラク戦争をアメリカが回避するのではないかという「希望的観測」が現在のところ成り立たず、結局のところアメリカが戦争に踏み出す可能性はきわめて高いと切り出した。
 アメリカは、タリバン政権を崩壊させた対アフガン戦争の「成果」の上に、対イラク全面戦争の布陣を敷いているが、そこでは「フセイン政権打倒」という結論がまずあって、国連査察にイラクが応じようが応じまいが、それとは関係なく戦争を行おうとしている、と酒井さんは強調した。
 「ブッシュは、9・11テロの背後にイラクがいるということを立証しようとしたが、それはできなかった。国連のイラク査察特別委員会元委員長のバトラーは、サダム・フセインがテロ組織に武器援助することはありえない、と述べている。そこで大量破壊兵器開発という疑いをかけ、その査察に応じないということを戦争の理由にしている。しかし、そもそも核兵器に関しては保有していないという結論がすでにIAEA(国際原子力機関)から出ており、化学兵器についてもすでに多くは廃棄済みで、搭載するミサイルもない」。
 こう述べた酒井さんは、アメリカがイラクへの戦争にこだわる背景として「9・11」以後の「ならず者国家がいつ何どき米本土を攻撃してくるかわからない」という「恐怖」の中で、「軍事的リアリスト」と「アメリカ的理想主義」が渾然一体となる形で、「利益のための戦争」よりも「アメリカ的信念のための戦争」が前面に押し出されている構造を説明し、そうであるがゆえに戦争に向かう力学が強まっていると述べた。
 しかしそれでもフセイン政権を簡単には転覆できないこと、「ポスト・フセイン」のイラクを担う勢力が容易には見いだせないこと(イラク国内で反体制活動をしているのはイラク共産党、イスラム主義者というブッシュの気に入らない勢力のみ)や、イラン、シリア、サウジアラビア、それにトルコなどをふくめた中東全体の相互の矛盾に満ちたからみあいを解きあかし、対イラク戦争がもたらす解決の糸口の見えない状況について語った。
 次に、非核市民宣言運動ヨコスカの新倉裕史さんが報告した。新倉さんはOHPを使いながら、自治体の「平和力」を駆使しながら戦争体制づくりに反対していく可能性について訴えた。
 「一九九九年の周辺事態法のとき、結局のところ戦争協力要請を自治体は拒否できないのではないか、という意見が多かった。しかし政府は自治体側からの質問に対し、協力の要請は『強制』ではなく、協力要請に応じなかったからといって制裁的な措置を取ることはありません、と公式に回答せざるをえなかった」。
 さらに新倉さんは、北海道などの非核平和条例を求める運動が、有事の際にも自治体独自の判断でその条項を適用することを見据えて進められていることを紹介した。また昨年「9・11」以後各自治体で挙がった決議の中で、「報復戦争反対」をうたったものが九月の14・9%から十二月には46・2%にまで上昇していることを示して、自治体や議会に働きかけることの大きな意味を力説した。
 新倉さんは最後に、「9・11」以後、「戦死しないことが約束された軍隊」という自衛隊のこれまでのあり方が転換する中で自衛隊員の動揺が広がっていると語って、自衛隊員への働きかけの重要性を強調するとともに、米海軍横須賀基地のゲート前で毎週行われてきた市民たちの米軍兵士へのアピール活動を例に「平和運動の対話能力」を強めることが大事だと述べた。
 二人の講演の後、市民緊急行動事務局の高田健さんが、「有事法制はいらない」の運動をさらに広げるとともに、米軍のイラクへの戦争と小泉政権の戦争協力を許さない取り組みに全力を上げることを訴える基調報告を行った。
 米沢泉美さんは「テロにも報復戦争にも反対!市民緊急行動」の一年間の歩みを振り返りながら、インターネットのホームページ「反戦・平和アクション」の充実のための通信員募集の訴えを行った。
 NGO非戦ネットワークの田村裕子さん、反住基ネット連絡会の佐藤憲一さん、APA(アジア平和連合)―ジャパン(準)の小笠原公子さんのアピールの後、「戦争反対、有事法案を廃案へ!市民緊急行動」の発足アピールを兼ねた閉会あいさつを日本消費者連盟の富山洋子さんが行い、市民が戦争への流れに抗して自分たちの力で平和を作りだすことを誓いあった。 (K)                           


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