| ベネズエラ マレア・ソシアリスタの声明 かけはし2010.9.6号 |
解説
コロンビア新政権と対ベネズエラ関係
南米で左派政権の下での急進的改革と地域的経済協力が広がる中、コロンビアはペルーと共に、右派政権が強権的支配を続けてきた。
オバマ政権の下の米国は、昨年のホンジュラスにおける軍事クーデターを容認し、また、コロンビアを拠点としてベネズエラへの軍事的圧力を強化し、軍事介入の機会をうかがっている。
この米国政権の動向を背景に、コロンビアのウリベ大統領は、退任直前の七月二二日に、同国の反政府武装勢力、FARC(コロンビア革命軍)に対してベネズエラ政府が基地を提供していると非難、軍事侵攻の可能性を示唆した。
ベネズエラのチャベス大統領は、この発言に抗議して、ただちにコロンビアとの国交断絶を宣言した。
ここに掲載するマレア・ソシアリスタの声明は、この緊迫した状況の中で発表されたものである。
その後、コロンビアでは六月の選挙で勝利したサントス新大統領(元国防相)が八月七日に就任し、同十日にはサントス・チャベス会談が行われ、国交回復と新たな貿易協定の締結が合意された。
しかし、サントス新大統領はウリベ政権の政策の継承を掲げており、軍事的緊張が解消したわけではない。国境地域における部分的衝突や挑発の危険は続いている。
サントス・チャベス会談では「今こそ新しいページを開くとき」、「われわれの関係はゼロからの出発だ」という認識が共有されたと伝えられている。両国間の懸案を検討するための五つの委員会の設置が合意され、このうちの安全保障に関する委員会では国境地域における左翼ゲリラ、右派の軍事組織、麻薬・犯罪集団の活動を監視する機構について協議される。
コロンビアにとってベネズエラは第二の貿易相手国だが、この一年間は、対立の激化に伴い両国の貿易額は七〇%減少している。
コロンビアでは六月の選挙における「緑の党」推薦のモックス候補の善戦が示すように、右派政権への批判が高まっており、人権侵害への国際的批判の高まりの中で、民主的権利の確立、とくに労働組合や農民団体の活動の自由に向けた国際的支援・連帯がますます重要になっている。(小林)
コロンビアの政権はベネズエラがFARC(コロンビア革命軍)のゲリラのために基地を提供しているという偽りの口実で、ベネズエラの領土に対する武力介入の脅しをかけ、この挑発に対してチャベス大統領はコロンビアとの一切の外交関係を断絶することを決定した。コロンビアの政権が再び米国の完全な衛星として行動しており、米国が現在、全世界的に軍事作戦や軍事的緊張を大幅に強化しようとしていることは明白である。以下は、ベネズエラの革命的マルクス主義組織であり、第四インターナショナルと友好関係にあるマレア・ソシアリスタの声明である。(「インターナショナル・ビューポイント」7月号)
ウリベの挑発
と米軍の戦略
コロンビアの政権を支配するウリベと麻薬密売人たちによる挑発は、コロンビアとベネズエラ・ボリバル共和国の間の緊張関係を極限まで高めている。右翼や寡頭階級、そしてベネズエラ国内の親米派は、チャベス大統領の決定を、選挙のためのマヌーバー、あるいはプロパガンダ上の関心や排外主義による問題の政治利用であると言っている。
しかし、この数カ月の間に、国際的に、米軍の一連の動きとモサド(イスラエルの諜報機関)やCIAの特殊作戦が行われていることは明確な事実であり、それらは孤立した出来事とは考えられない。中東では、イランを脅すためにかなりの軍事力が配備されたし、イスラエル軍はガザへの人道支援のための船団を襲撃し、また、パレスチナの人々への抑圧支配をさらに強化しようとしてきた。アフガニスタンの状況や、北朝鮮に対する威嚇も起こっている。
これらの作戦がすべて、相互に関連していないと考えるのは単純すぎるだろう。それらは、カリブ海地域における米国第四艦隊の復活と演習、コロンビアにおける米軍がいつでも自由に使える七つの軍事基地、コスタリカにおける四十六隻の軍艦と一万三千人の海兵隊の受け入れ、アルバおよびキュラソー(カリブ海の島、オランダ領)の基地の強化、パナマにおける米軍基地の受け入れ、ハイチへの軍の上陸と駐留とともに、グローバルな戦略を成している。
帝国主義の主君
に最後の奉公
コロンビア大統領のウリベは、自ら大統領に再選される道を断たれた後、ヤンキーの主君に対する最後の務めを果たしつつある。彼はチャベス大統領の政府に対する緊張と対立の状況を作り出しており、それはこの地域全体を炎に包みかねない重大な事件を引き起こす可能性がある。
ウリベの居丈高な挑発が単なる虚勢なのか本気の挑発なのかに関わりなく、革命的人民の任務は最悪のシナリオに備えることである。PSUV(ベネズエラ統一社会党)内の一潮流であるわれわれ「マレア・ソシアリスタ(社会主義潮流)」は、ブラジルのルラ大統領が提案しているような和平案によって、この不安定な平和が維持されることは不可能であると考える。
ルラ大統領の外交顧問であるマルコ・アウレリオ・ガルシアは昨日、「ブラジル政府はコロンビアとベネズエラの両国政府に対して、両国間の紛争の最終的な解決を可能にするために、両国が共同で両国間の国境を監視することを提案する」と述べた。
われわれはこの立場を断固として拒否する。ウリベ政権のファシスト軍隊がベネズエラの領土をコントロール下に置くことを許すことはできない。それは明白な主権侵害であり、帝国主義とウリベが仕掛けた罠にはまることを意味する。それはまた、ウリベの嘘が本当であると認めたことになる。
革命過程防衛め
ざし革命深化を
OAS(米州機構)の事務総長である親帝国主義者、インスルサは、公式の声明の中で「アメリカ大陸はこの百年間、エクアドル・ペルー間の紛争やエルサルバドル・ホンジュラス間の紛争のような小さな紛争を別にすれば、戦争を経験していない」と述べる大胆さを持ち合わせている。彼は冷淡にも、マルビナス戦争を「忘れて」いる。それは、当時のアルゼンチンの独裁政権の思惑を超えて、四百年以上にわたって続いてきた最後の植民地を一掃しようとする試みだった。
残忍で臆病な将軍の下で開始されたこの戦争は、逆説的な形で、革命の過程を進めることに失敗しないためには何が必要かを教えている。
革命的人民動員
のための方針
軍事
人民の武装という革命的秩序を確立するために人民を動員し、牽引し、武器の配給を迅速化すること。工場、農村、大学、地域におけるすべての戦闘組織(民兵)の装備を整えること。訓練を急ぎ、また、チャベス大統領の〇九年五月の命令に従って、職場、学校、地域に武器を備蓄し、必要に応じて即時に使用できるようにすること。すべて戦闘部隊において、最も厳格な軍隊規律を確立するとともに、ヤンキーとコロンビアによる侵略が起こった場合にそれを粉砕するために必要な政治的措置についての、最も広範で自由な討論を組織すること。
経済
われわれは、侵略が起こった場合に米国への石油の供給を停止するというチャベス大統領の提案を歓迎する。しかし、われわれは、危機に陥っているとはいえ、依然として非常に強力なヤンキーの力と対決するためには、この措置では不十分であると考える。われわれは以下のような補完的措置を提案する。
ベネズエラ国内に存在するすべてのヤンキーとコロンビアの資本財と多国籍企業をただちに接収すること。特に、最近におけるオリノコ・ベルト地域での開発契約と合弁事業に関連している資本を接収するべきである。接収した企業はすべて、労働者の管理下におくこと(石油、工業、金融、商業のすべての分野にわたって)。
石油および石油化学産業において全面的に労働者管理を導入し、官僚的管理を一掃すること(電力、食品等の産業ですでに実施されている方法で)。この措置は、施設の稼働を確保し、生産を強化し、反革命の中心となる勢力を封じ込め、破壊活動を阻止するための基本的な措置である。
外国貿易、食糧、医薬品、およびそのほかの、産業が真に帝国主義からの独立を確立するために必要なすべての産業に対して国家による独占を導入すること。
帝国主義の銀行に対するすべての公的債務を帳消しにすること。
メディア
侵略が起こった場合に、侵略作戦の進行に関する帝国主義側のメディアからのすべての報道を禁止すること。この禁止措置に従わない、または帝国主義の侵略を利する報道を行ったメディアを接収すること。これらのメディアをUNT(全国労働者連盟)や労働組合、労働者評議会などの革命的社会運動団体に引き渡すこと。
国際的連帯
ラテンアメリカと全世界のすべての人民と政府に対して、侵略に反対して行動するよう呼びかけること。侵略が始まった時は即座に、緊急の国際的動員を呼びかけること。
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