| 中小労組政策ネットワークがスタート かけはし2000.1.1号より |
| 新自由主義と対決する労働運動の全国結集と飛躍をめざして! |
12・5 結成総会と記念シンポジウム開く
12月5日、首都圏と関西で倒産やリストラ・不安定雇用の増大など、雇用破壊と闘ってきた11労組2万人が参加する「中小労組政策ネットワーク」が結成された。参加団体は全国一般全国協議会、全統一労組、全日建運輸連帯労組、神奈川シティユニオン、東京管理職ユニオン、失業者ユニオン、全国一般東京なんぶ、全国一般埼玉、電検労、おおさかユニオンネットワークなどで、12月19日と20日の「労働者・下請け・街の破壊を許さない!日産リストラNO!ホットライン」の開設を皮切りに、2000年春季闘争に向けた闘いを開始した。
中小労組政策ネットワークは、97年秋からスタートした労基法改悪NO!の闘いと、それをひきついだ九九春闘における雇用破壊NO!の闘いを全国闘争として展開することに全力をあげてきた中小労組を中心にした連携をさらに強化し、政策提言能力と議会への働きかけを強化して、21世紀に向けて大失業時代を闘う労働組合運動の飛躍を実現するために結成された。
中小労組政策ネットが闘う時代状況
12月5日午前の結成総会を受けて、午後からは野口英世記念会館ホールで結成記念シンポジウムが開かれ、210人が参加した。
最初に、主催者を代表してネットワーク共同代表で全統一委員長の田宮高紀さんがあいさつ。続いて常任運営委員で全日建書記次長の小谷野毅さんが「大量失業・雇用破壊を生み出す産業再編と会社法変更の動向」と題して報告した。
小谷野さんはまず、株式公開企業910社の2000年3月までのリストラ計画だけで50万人に達し、2001年3月までにさらに17万人がリストラされようとしていることを紹介した。系列、関連企業まで含めれば、これを数倍する労働者がリストラに直面することになる。さらに、分社化による労働条件を切り下げた再雇用、正規雇用の派遣化などの不安定雇用化が、とめどなく進行している。
小谷野さんは強調した。「長銀のようなことが日産やダイエーで起きてもおかしくない。だからこそ一気にリストラが進められている。その代表が日産だ。関連の1345社を半分にし、残った企業には原価の20%切り下げを要求する。下を切り捨てて親だけが生き残る。このような日産型リストラが全産業で進んでいる。もはやかつてのようにやがて循環的に景気が回復するということはない。無慈悲に切り捨てられている状況をどうやって変えるのかというところから運動を作るべきだ」。
さらに、リストラと融資先選別を条件に税金で銀行を支援する「金融再生二法」や、大企業の過剰設備・債務の削減や分社化とリストラの促進を支援する「産業活力再生特別措置法」、持ち株会社の設立や系列会社の子会社化を促進する「商法等の一部改正」をはじめ、大企業の生き残りのために労働者の権利と雇用を切り捨てる法改悪が急速に進行している。
小谷野さんは、このような攻撃に対決し「企業組織の変更に伴う労働者の雇用・権利保護法」を主要労働団体と共同で要求していくとともに、リストラに直面する未組織労働者の組織化に全力をあげ、切り捨てられる中小企業とも共闘して大企業のリストラと対決する社会的運動を作り出そう、と訴えた。
パネルディスカッションの討論から
新しい発想と新しい闘い方を
パネルディスカッションのパネリストは、運営委員で東京管理職ユニオン書記長の設楽清嗣さん、全日建関西地区生コン支部委員長の武建一さん、常任運営委員で全国一般埼玉委員長の嘉山将夫さん。コメンテーターは明治大学教員の東条由紀彦さんが務め、常任運営委員で全国一般全国協副委員長の平賀雄次郎さんが進行係になった。
雇用されていない労働者の立場から
嘉山さんは、倒産研の合宿で全港湾の伊藤書記長から「日本の労働運動は雇用されていることが前提になっている」と言われた、と前置きし「すでに完全失業者だけで300万人になっている。雇用されていない労働者の立場から運動の作り方を考えるという発想が必要だ」と問題提起した。そしてカメラのニシダの自主生産闘争では、地元の商店街連合会に加盟し、深刻な消費不況のなかにある地元の中小商店主に「労働組合でも頑張ってくれ」と、おおいに期待されているなかで元気に闘っている状況を報告した。
新しい生き方が労働運動を変える!
設楽さんは、雇用も年金も保険も税制も戦後50年続いてきたすべてのシステムが全部大変化するなかで、労働者も生き方、働き方を変える必要がある、と提起した。
「男は一家の大黒柱、家族の生活のため、学費のため、馬車馬のように働いて日曜出勤も当たり前というような生活スタイルを捨てなければならない。時間外労働をやめれば200万人の雇用がふえ、サービス残業をやめれば90万人の雇用がふえる。フランスでは時短で150万人の雇用を増やすという。フランスの労働者は作業時間が終わったら皆家に帰る。ところが日本では長時間残業をやっている。そういう生き方、働き方をやめ、もっと生活を大事にする働き方をしよう。男も女も育児をし、介護をする生活シェアリングがあってこそワークシェアリングもある。新しい生き方が労働運動を変える」。
企業の枠を超えた産業別組合の形成
武さんは、「世界的規模で資本主義が危機に追い込まれている。失業、環境、南北問題、すべて解決できない。そのすべてを民衆に押しつけていることによって、それに反発する闘いが激化する。闘う側にとって最大のチャンスだ。そういう時代認識を持つことが必要だ」と提起した。
そのうえで、関西生コン34年の闘いを踏まえ、「企業の枠を超えた団結体、産業別組合がいよいよ必要になってきている」と訴えた。関西生コンは、会社がつぶれたら労働者自主管理で闘い、倒産した場合には資産を労働組合に譲渡させる契約を勝ちとるなど、数百人の逮捕者を出す十数年にわたる闘いを経て、中小下請け企業百数十社を協同組合に結集させ、大手ゼネコンと対決させて単価切り下げを拒否させ、賃金や労働時間を含めた産業全体に共通する労働条件を闘い取っている。
討論のなかで嘉山さんは、1983年に日産ディーゼル大宮工場閉鎖の際、たった3人で「機械と一緒に人間が移動しなければならないというのはおかしい」といって、移動を拒否するのに成功した自らの経験を語り、下請けを含めれば12万人から20万人に及ぶ日産の大リストラに対して、ストライキで闘っているフランス・ルノー工場の労働者とともに反撃する闘いへの意欲を語った。
管理職も失業者も組織してしまおう
設楽さんは、自動車総連と日産労組が下請け労働者を無視し早期退職と配転を受け入れたうえで「生首は飛ばさない」と言っている欺瞞を糾弾し、「嘉山のような人間が二〜三人出てくればリストラ計画を破綻させることは簡単だ」と笑わせた。
また、新しい労働運動の在り方について、次のように語った。「団結なんてものは、団結せよ!と言ってもできない。活動家やリーダーが提供できるものは、ひとつの勇気、拡大された意識、それに好奇心だ。団結の内容を少し拡大する。管理職なんてやつも労働組合に組織しちゃおう、失業者を集めてなにかできないか、とか考える。こういうことを考えず、やろうとせずに組織を守ることだけで維持されてきたものが運動を腐らせてきたんだ」。
武さんは、「失業者を組織しよう」と訴えた。そのために150ある分会の事務所を全部開放し、150円でメシが食えるような食堂を共同経営し、失業者を組織して自治体に雇用を創出させる運動を展開する、共済組合を作るなどのプランを具体化しようとしていること、派遣法を組合つぶしの手段として使えなくするために、日雇い労働者を中心に労働者供給事業を始め、組合員を優先的に雇用するという協定を各社と結んできたことなどを報告した。
さらに武さんは、「賃上げの問題でも時短の問題でも、個別企業に求めてもつぶれてしまう。産業全体をどう変えるか、という姿勢を堅持することが重要だ」と強調した。
嘉山さんは「埼玉の分会では賃上げの労働争議は少ないが、中小の賃金は本当に低い。過去のものも含む経理を公開させることが必要だ。オープンにしてユニオンショップにしているところ、自主生産に近いところもある。そのうえで主要な敵は大手独占だという論議ができればいい」と語った。
東条さんは、マルクスの言う「個人的所有の再建」に触れ、「私のものだからあなたのものだ」という考えに基づく社会をめざすという方向性が重要だと提起し、その鍵は個人加盟の産業別組合を作るところにある、と訴えた。
「日本の労働組合は、とんでもない組合だった。従業員であることが組合員の資格で、首になったら組合員でなくなってしまい、会社がつぶれたら労働組合も一緒になくなってしまうようなものとはオサラバして、個人加盟の産別労働組合のネットワークを作るべきだ。いまはマイノリティだが、本工の方が少ないから、暴れているうちに多数派になってしまうかもしれない」。
青年労働者の多数を獲得しよう
会場から、参加した各地の闘いの経験が報告され、最後にまとめの発言。設楽さんは失業者と若者を組織することに全力をあげようと訴えた。「われわれは、労働組合であるがゆえに少し恵まれている。一番ミゼラブルな人々を組織できなければ負けてしまう。フランスやドイツでは、失業者がファシストになるのを食い止めるために、失業撲滅運動を展開している。日本でも青年が仕事を奪われているが、職に就けたわずかな人が1年以内に離職していく。面白くない、別のことをしたいという。何がしたいのか。『人の役に立つことをしたい』と考えている青年が多いという週刊誌のアンケートがあった。そういう働き口を求めて介護の仕事に就いたり、阪神大震災のボランティアに行ったりする。青年の多数をわが陣営に引き込み、中高年を引き込み、派遣・パートを引き込もう」。
パネルディスカッションを受けて、「2000年春の行動計画」(要旨別掲)が提案され、アピールを採択、団結頑張ろうの三唱でシンポジウムは締めくくられた。21世紀に向けて、新自由主義の雇用破壊と対決する労働運動の飛躍を勝ちとろう。 (I)
中小労組政策ネットワーク
2000年春の行動計画
1、反失業、反リストラ2000年全国キャラバンを成功させよう
@首切り、下請け切り捨てを許さない日産包囲全国行動
……設備廃棄や工場閉鎖で国から援助をもらい、首切り、下請け切り捨て、町の解体を一方的に進め、その結果、株価があがり企業だけが生き残る。こんなことを許しておくわけには行かない。……企業の論理ではなく、その地域で生活している労働者の論理で切り返していこう。ここで仕事をさせろ、それが出来ないなら工場を明け渡せ、そこで下請け企業者・労働者と一緒に仕事を起こし、街起こしをするから、必要な資金をよこせ、取引先を紹介しろ、という闘いを起こしていこう。
Aリストラ法制反対、企業組織変更(リストラ)に伴う労働者保護法を制定させよう
……EUリストラ3指令(大量解雇指令、企業譲渡指令、賃金確保指令)は、急激な産業再編、企業再編のなかでの労働者保護規定の必要を認識し、発せられている。リストラに伴う労働者保護法制定要求運動を起こす必要がある。社会的影響の大きいリストラの場合、企業に対し労働者・下受け企業・自治体への保障を義務づける、リストラの結果出た利益の半分はこのために還元しなければならない、等の規制が必要だ。
整理解雇の4要件、解雇権濫用の法理などを法制化する解雇制限法制定要求も必要だ。……。
B雇用確保・創出、雇用保険の拡充、雇用安定行政への要求
政府の緊急雇用対策にもとづき、各自治体が準備した雇用機会は、その期間、賃金両面からいって全く不十分なものでしかない。……生活できる賃金、安定した雇用を作り出すよう、国と自治体に要求していく。非自発的失業者の失業期間が長期化しているなかで、雇用保険失業給付の期間延長、額の引き上げを要求していく。
C各地の倒産・解雇争議支援連帯
各地で闘われている倒産・解雇争議を支援し、背景資本・親会社などの責任追求を、全国の仲間でつつみ、勝利させよう。国鉄1047人の解雇撤回・原職復帰の闘い、自治体合理化反対闘争と連帯し、共同闘争を展開しよう。
D以上4つの課題かかげ
12月19日―20日 緊急日産リストラホットライン開設
2月下旬 産業再生法悪用リストラNO!シンポジウム 全国実行委員会開催、行動計画確定
3月上旬 産業再生法悪用リストラを許さない全国ホットライン開設
3月下旬 倒産・失業NO!リストラNO!全国キャラバン出発
4月下旬 東京行動・中央集約集会 中央集約集会で沖縄サミット派遣と草の根社会・労働サミット参加の呼びかけを行う
2、二〇〇〇年春季闘争を職場から闘おう
@全国キャラバンと結合し、職場から反リストラ闘争に取り組もう
Aサービス残業、時間外労働をやめ、仕事をみなで分かち合おう
B不安定雇用労働者の組織化、権利と均等待遇確立の闘い
C税、社会保険料(医療、年金、介護)の負担増反対、生活防衛の賃上げ闘争を
3、失業者の要求を運動に
@仕事づくり、仕事起こしの闘いを 自主生産ネットワーク作りを進めよう
企業や背景資本に倒産責任を迫り、会社再建、雇用の保障を求める闘いをやりぬくと同時に、労働者自身の力による仕事づくり、仕事起こしへの挑戦も重要だ。……国や自治体、リストラ強行企業に対して、仕事づくり、仕事起こしへの支援を要求していこう。……
A仕事をよこせ、仕事を保障せよ! 国・自治体に要求しよう
……国や自治体は率先して仕事を保障する義務がある。フランスでは、ジョスパン首相のもと、35時間労働制を定め、雇用を作り出すと同時に、国・自治体が60万人の雇用を作り出すという具体的取り組みを行なっている。日本で出来ないわけはない。失業者ユニオンを先頭に、大胆に国・自治体に要求していこう。
B失業給付、職業訓練の充実を
C自主的国民健康保険組合を法的、行政的に認めさせよう
D失業者ユニオンを全国で組織しよう
4、憲法改悪・新ガイドライン・有事立法反対、日本のアジア再侵略を許さず、沖縄からアジアから米軍基地撤去を
5、沖縄サミットに対抗し、草の根社会・労働サミットの取り組みを
@新しい社会運動と直接行動の拡大
WTO閣僚会議に対する全世界のNPO、社会運動、労働組合運動による抗議闘争が展開されている。市場原理や利益優先の企業の思惑、多国籍企業の利害を反映した21世紀の新たな貿易ルール作りに対し、途上国の労働条件改善や環境保全、企業行動規制、食料の安全、人権や民主主義を基準に入れるべきだと主張し、激しく闘っている。……国際為替取引やマネーゲームに課税し、それを社会政策に使うよう要求するトービン税創設運動、途上国の債務の放棄を迫る運動などが広がっている。これらの闘いの担い手のひとつに、各国の新しい労働組合運動が存在している。
Aわれわれの反失業、反リストラの闘いを国際的な闘いに結びつけよう
われわれの反失業、反リストラの闘いは、狭い労働者本体のみの利害を守る運動ではない。下請け、孫請け企業に働く労働者や下受け企業主をふくめ、地域総体をまき込んだ闘いにしていこうと決意している。同時に、われわれの運動は、日常的に意識しないと一国的運動に終わってしまいがちだ。全世界で拡大している新しい社会運動、労働運動との結合を追求しよう。
B沖縄サミットに対抗し、草の根・労働サミット実現にむけ努力を
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