| 広島の強制反対ホットライン活動報告から かけはし2000.5.1号より |
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子ども・保護者・教職員の連帯がある現場ではまだ闘えている |
「『日の丸・君が代』強制に反対する広島県民の会」は、今春の卒業式・入学式にあわせて、相談ホットライン活動に取り組んだ。
以下は、その集約報告書からの抜粋である。総括の一材料にしていただければと思い「かけはし」に投稿する。
県内高校卒業式にあわせた2月28〜3月2日の4日間、中学校卒業式にあわせた3月9・10日の2日間、小学校卒業式にあわせた3月23・24日の2日間。入学式にあわせた4月6・7日の2日間。計、10日間取り組んだ。
激励、抗議・嫌がらせを除くと、生徒6件、保護者17件、教職員31件、学生3件の計57件であった。
「君が代」斉唱時に教職員全体が起立しないところ、及び逆に全体が起立し唱和するところの両極端の現場からは、ほとんど相談ホットラインの性格上なかった。昨年までまたは一昨年まで、「君が代」が実施されていない現場での「君が代」斉唱をめぐる問題についての相談・報告が圧倒的であった。
昨年成立した「国旗・国歌法」には、憲法の規範力とその規範力を強める戦後の「日の丸・君が代」強制反対運動の成果の上に、尊重規定すら盛り込まれないものであった。天皇崇拝原理主義者が不満とするところである。この「国旗・国歌法」制定後、初の卒業式・入学式において、特徴的なことを印象的に列挙すると、
@県教育委員会から各地教委を通しての校長への実施圧力が「国旗・国歌法」をテコにさらに強まった。法令に基づく実施をとの職務命令が威力を発揮した。
A校長が強硬に実施にふみきるにあたって、「法令・命令・権限」の三点でしか押し通すことができない事実。
B教育論、教育内容、生徒の抱える問題への教育的配慮を真剣に考えているのは、実施が強制になることに反対している保護者・教職員の側である。
Cとはいえ、同じ実施でも着席する生徒へ配慮する学校もあった。
D実施したいが論争は困る、論争につながる教材、生徒作品すら拒否する校長の姿勢。
E音楽教員による生徒への強制があった。
F伴奏を命じられる音楽教員の苦悩があった。今後音楽の指導上の問題としてクローズアップされると思われる。
G「崩れる教職員組合、抵抗を続ける生徒」の図式があてはまる現場がある。
H校長が保護者、地域(ボス)の声、世論調査をたてに実施の正当性を説明する。
今後の展望について
教育労働者の職場闘争の一環としての「日の丸・君が代」強制反対闘争は壁にぶつかった。この壁を動かす力は、子どもの権利、保護者の教育権、子ども・保護者の学校運営参加権などを追求する当事者の子ども、保護者の運動であり、この子ども・保護者に連帯する教育労働者の地域から公教育のあり方を考える運動であると思われる。というのも、子ども・保護者・地域住民・教職員が連帯している現場はまだまだ闘いきれているからである。
広島市中区大手町4―3―10広島YWCA内
「広島県民の会」、K・N)
ホットラインから
2月28・29日、3月1・2日
b 保護者から
広島市内小学校
6年担任が「君が代斉唱については、歌いたくない人は座ってていい。歌うか歌わないかは家の人と相談してください」とクラスで言ってくれた。これで子どもはほっとしたと言っている。
広島市内小学校
校長との話し合いの際、校長作成資料に「学習指導要領に基づき、高学年については、日本の国民としての自覚を持って敬けんな態度で斉唱できるようにする」とあり、学習指導要領にもその文言がないことを指摘すると、後日、「校長会の資料に基づいて作成したもので、学習指導要領にはなかった」と回答があった。
広島市内小学校
6年3学期漢字ドリル(新学社)項目9に「天皇が国を治める」とあり、子どもが漢字練習でその通り書いてきたので驚いた。すぐに新学社のホームページに問い合わせたところ、後日、「ミスでした。次年度より「天皇が治めていた時代があった」と変更します」と回答があった。(後日、3月10日の「中国新聞」に掲載)
b 教職員から
音楽教員
毎年、音楽の授業の中で、「君が代」の歌詩の意味や歴史的事実を教えてきた。昨年の卒業式当日、結局起立しなかったのは教職員では私一人だった。今はテープの伴奏だが私にピアノを弾けといわれた場合、果たして抵抗できるだろうか。周囲の小学校ではすでにピアノ伴奏を強いられているところもある。今年もまた、音楽の授業で話をした。国旗・国歌法は決まったが、あくまで強制はしないとされている。だから、君たちには歌う自由、歌わない自由がある、と話した。
だが、今の状況で実際どれだけの生徒が自分の信念を貫けるだろうか。ましてや、私が屈して起立した場合、やはりあの先生も口先だけだったのかと思うのではないかと考えてしまう。
教員
所沢高校での生徒の学校行事に対する取り組みについての文章を教材として使おうとしたところ、校長から「国旗、国歌の是非論争につながる恐れのある教材で不適切」と指導された。校内研修を予定。
高校教員
教育勅語を信奉していると言われている県議会文教委員長をしている有名なビシバシ某県議から、まだ最後の詰めの議論をしている現場に来校したいと電話があり、校長は相当の圧力を感じていました。とにかく最近、土足で学校現場に平気で乗り込もうとする市議や県議が多いようで困ってしまいます。
それこそ、マスコミでもいったいどれくらいの政治屋が学校現場に圧力をかけているのか調査でもして、公表してほしいものです。
教員
「日の丸・君が代」は卒業式に必要ありません。しかし、現実に存在しています。教材として教育内容をいかに深化させるかとの観点から、今後の「日の丸・君が代」強制反対運動を不服従の精神でたたかいたい。
3月9・10・23・24日、4月6・7日
b 生徒から
小学6年生
2月の終わりごろ、音楽の授業で君が代のテープが流れ、これを聞いて思ったことを書いてほしいと言われたけど、何で流すのかわからなかったので「何で君が代を流すのか?」と先生に聞いたけど、答えてくれませんでした。ぼくはすごくいやだったです。でも先生は何の説明もないままに三回も流しました。一回だけならまだがまんしていたのに、何回もかけるので、すごくくやしかったです。友達も「何で三回もかけんといけんのか!」とすごく怒って言いました。でも先生は「今は言えない」と言うだけでした。校長先生のところに十一人の友達が一緒に腹を立てて、聞きに行きました。同じ思いの子がたくさんいるので力強いです。私は、天皇だけ特別扱いして、人はみんな平等なのに、人に上下をつけて差をつけることはぜったいに許せません。
卒業式には、もし流れてもピースリボンをつけます。
広島市小学6年生
お父さんとお母さんに「君が代」の意味を教えてもらいました。卒業式前の練習でも当日も「君が代」が流れたら、座りました。友達も座りました。みんなはなぜ座らないのかな、と思いました。
b 保護者
福山市高校
福山市教委教育委員長批判(3月1日卒業式祝辞においての発言について)。「ベトナムでは、国歌斉唱の時に座っていたら銃を突き付けられた」と威圧した。
「(福山市立高校を)福山市商」と間違えた。「(30周年を)20周年」と間違えた。「(21世紀を)20世紀」と間違えた。「(教育委員長を)教育長」と間違えた。校長祝辞中の中座をはじめ、見識を疑う。
福山市中学校
卒業式当日、ある保護者が車の後部にポールをくくり付け「日の丸」をはためかせていた。以前も、人権参観日や「天皇即位十周年記念祭式典」、「天皇誕生日」に「日の丸」を学校のポールに勝手に掲揚したりのトラブルを起こしていた。
こういう一般的な常識の範疇をこえた行動をとる人が「君が代」斉唱を学校に強硬に申し入れていた。卒業式そのものは、卒業生、在校生ともどもの思いがあふれ、とても感動的なものだった。生徒が主役の卒業式とは何か、教育関係者には考えてもらいたい。
三原市小学校
5名の親で事前に強制しないよう申し入れをしたが、3月22日卒業式で君が代のメロディーだけ流れ残念。校長からの事前説明で子どもはがっかりしていた。
田郡小学校
子どもから「今日の音楽の授業はいやだった」。詳しく聞いてみると、「君が代」の歌唱指導があり息子と数人の子どもが歌わなかったそうです。すると、音楽の先生が「一方に偏りすぎ。考えなさい」といわれたそうです。息子は「ぼくは考えてそうしたんだけど」という思いをもったそうです。
先生に確認すると事実ということです。数人の子どもがその先生の思いを聞きにいったら、「『君が代』に反対することは、『日の丸』もきらいだろう。日本の飛行機には『日の丸』がある。パスポートにも日の丸がある(正しくは菊の紋章)。私たちは守られている。それを否定するんだったら、飛行機にも乗るな。パスポートも取るな。海外へも行くな……」といわれたということです。この事をしなかったら、まるで日本人ではない、との脅し、子どもの思いを汲み取ろうともしない姿勢に恐いものを感じます。
広島市小学校
6年生数人、保護者数人が君が代斉唱時、座っていました。でも、起立している人のほとんどは歌っていません。その後の校歌で、子どもが元気よく歌い出したのでその好対照に学校の姿勢を感じ、心強く感じました。
広島市小学校
事前にPTA会長さんとお話をしたら、「私も君が代はいやです。でも校長先生たちの立場を考えると起立します。でも、歌いません」といってくれました。 広島市中学校 娘がブラスバンド部で「君が代」伴奏をすることになった。先生と話し合って、その時は演奏に参加しない自由を認めてもらった。
b教職員
竹原市N小学校
斉唱時、教職員は起立したが、抵抗の意思表示を示すため、ピースリボンを胸につけて抗議した。
竹原市K中学校
来賓十名だけが君が代を歌う異様な雰囲気でした。その異様な雰囲気に生徒はざわめきました。子どもにとっての卒業式なのに子どもの意見が反映されないことに強く憤りを感じます。法制化されたとはいえ、まだまだ論議していかねばならない課題があると思います。
竹原市T中学校
ステージバックに掲げていた生徒の作品(沖縄をテーマにしたもので、シーサー、ハイビスカス、首里城、海)を校長が当日朝、一方的に取り外した。職員会議で生徒作品の沖縄をテーマにした図案に校長は一貫して反対していた。「卒業式にそぐわない」の一点張りだった。生徒と教職員はすすめていた。卒業式後、生徒が校長と話し合ったが、納得のいく説明をしてもらえず、生徒たちは泣きながら校長室から出てきた。
竹原市小学校
招待してもいない来賓が来て、「君が代」を大きな声で歌った。竹原小学校子どものつくったステンドグラスの前に校長が日の丸を置いた。ピースリボンをつけて抗議の意思を示した。
竹原市小学校 何時間にも及ぶ話し合いを無視して、子どものことよりも「地域」の(ボスの)声を優先する校長の姿勢に憤りをかんじる。ピースリボンをつけた。竹原市小学校校長が職員会議での話し合いを無視して歌詞入りテープを独断で流した。
福山市中学校
歌いたくなかったので黙っていたら、来賓席の方から「法律で決まったんだ。歌え!」と大きな声で叫んだ人がいた。こういうことが強制なんだとはじめてわかった。
広島市佐伯区中学校
「君が代斉唱の場合、自分は首になっても着席する」といわせるほど、教職員を追い込んでいる職命は、学校の内部をバラバラにするものです。
廿日市市中学校
卒業証書の元号、国際歴の記載で、校長が元号記載に変更するように保護者へ直接電話をかけた。こんなことは今までなかったことである。
広島市佐伯区M中学校
卒業式の君が代斉唱時、保護者でもない何者かが教職員を至近距離でビデオ撮影した。
広島市中学校
職員会議で起立・斉唱の強制は、国会答弁からもできないことを説明し、職務命令を出すのかどうか、確認したところ、職命ではないことを確認の上、当日着席した。自分一人だったが、生徒に授業で指導してきた以上、立つか座るか悩んだが、座れた。異動もなかった。
南部小学校
日常の授業の反映として、卒業式当日起立・斉唱する教職員は管理職を除いてゼロ。生徒も当然歌わなかった。やはり、日常の教育内容としてどのように「日の丸・君が代」を教えているかにつきる。教える前に教職員自身が研修等で学ばねば闘えない。
竹原市小学校
式次第の掲示についても調査の対象になった。
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